3年ぶりの増収増益、国内回復へ 最終利益28億7500万円(日旅連結22年度中間決算)

2022年8月29日(月) 配信 

日本旅行はこのほど、2022年度中間家連結決算を発表した

 日本旅行(小谷野悦光社長)が発表した2022年度中間期(22年1~6月)連結決算によると、当期純利益が28億7500万円を計上した。3年ぶりに増収増益となった。3月中旬以降の行動自粛要請の解除をきっかけに人流が徐々に戻り、国内旅行需要が回復した。

 

 「中期経営計画2022~2025」の方向性に基づき、柔軟な要因シフトや経費削減の徹底、運営体制・コスト構造の見直しに取り組んだ。このほか、ソリューション事業では、大規模センターを含めた各エリアのワクチン接種関連事業や感染症対策事業などを展開した結果、売上高は78・2%増の694億7600万円と大幅な増収となった。営業利益は32億2500万円(前年同期は21億7600万円の損失)、経常利益は36億2200万円(同5億4100万円の損失)と黒字に転換した。

 ツーリズム事業では、店頭営業を縮小し、西日本エリアを始めとするJRセットプランを中心にWeb販売の徹底強化を行った。

 部門別(単体)にみると、国内旅行の取扱高は同91・1%増の946億9400万円、営業利益は同33・6%増の165億1300万円となった。

 赤い風船はSDGsの取り組みの一環として、カーボンオフセットを取り入れた「JRセットプラン カーボン―ゼロ」の拡大展開や、「居住地限定割引プラン」など需要喚起策との連動商品を販売した。この結果、取扱高は同138・6%増の220億5300万円を計上。

 国内団体では、ハイブリッド型会議や学術会議、高校生向け教育プログラム「サステナブル・ブランド国際会議Student Ambassador Program」を展開するなど、新たな教育事業への転換を積極的に推し進めた。取扱高は同113・8%増の204億6100万円。

 企業の出張回復などにより、単品商品の取扱高は同40・5%増の210億1300万円と好調に推移した。

 海外旅行は、一部の業務性需要や一部の団体需要のみを取り扱い、取扱高は同427・4%増の83億4100万円を計上した。営業利益は同195・3%増の1億9200万円。なお、7月からは方面限定のパッケージ商品の取り扱いを再開している。

 国際旅行では、6月から外国人旅行者の受け入れが再開したが、「全体としては極めて厳しい状況が続いた」(同社)として取扱高は1億6500万円、営業利益は同51・6%減の7600万円となった。

 受託事業では、各地域の誘客事業や経済対策事業、ワクチン接種関連次長、感染症対策事業、行政からの事業受託などを拡大し、取扱高が同59・0%増の225億100万円、営業利益が同8・3%増の82億1900万円。

 通期連結予想については、コロナの終息時期が予測不能であることから現時点では未定としている。

JATA、邦船3社ら協働で 10月からクルーズCP実施

2022年8月29日(月)配信

左からJATAのクルーズ旅行推進部会の松浦部会長、歌手の麻倉未稀さん、JATAの酒井副会長、JOPAの松本常務理事・事務局長

 日本旅行業協会(JATA)と日本外航客船協会(JOPA)、郵船クルーズ、商船三井客船、日本クルーズ客船の邦船3社は、8月26日(金)から「Let’s Go!クルーズキャンペーン」を始めた。JATA、JOPA、邦船3社の協働キャンペーンは今回が初めて。

 10~12月までの参画船会社が指定するコースの乗船客に、抽選で1船会社につき3組に、次回の国内クルーズで利用できるペア旅行券(20万円分)をプレゼントする。対象コースは、郵船クルーズ「飛鳥Ⅱ」の4コース、商船三井客船「にっぽん丸」の3コース、日本クルーズ客船「ぱしふぃく びいなす」の5コースで合計12コース。

 今回のキャンペーンは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大打撃を受けたクルーズ業界や旅行業界が、消費者に改めてクルーズ旅行の楽しさと安心安全を体験してもらい、クルーズ市場の再興を目指すもの。市場を再活性化できるようにJATAとJOPAが呼び掛け、邦船3社がこれに応じて実現に至った。

 JATAは8月25日に会見を開き、今回の協働キャンペーンの取り組みについて説明した。冒頭、JATAの酒井淳副会長は「クルーズマーケットの復活と、コロナ禍前以上の拡大に期待している」とあいさつ。水際対策が完全撤廃されない一方で、「海外旅行を躊躇し国内クルーズが利用されたり、日本船の外航クルーズに高い関心を持たれたりしている」と実情を明かした。期待と関心を集める日本のクルーズ旅行の周知をはかるためにも、「今回のキャンペーンにJATAとして力を入れたい」(酒井副会長)と力を込めた。

 JOPAの松本隆司常務理事・事務局長は、これまでJOPAが国内クルーズ対象の感染予防対策ガイドラインを策定してきたと説明。さらに、外航クルーズや国際定期航路の再開に向けたガイドラインの策定、外国籍の日本発着クルーズの再開に向けたガイドラインの策定も検討を進めている。松本常務理事・事務局長は「国際クルーズの再開は水際対策も重要。外国からの入国である以上、検疫は欠かせない。関係省庁のアドバイスを受けつつ慎重に対応を進めていく」と話した。

 JATAアウトバウンド促進協議会クルーズ旅行推進部会の松浦賢太郎部会長は、キャンペーンの概要について説明。クルーズ旅行の苦境を打破すべく、「ライバル同士の日本船3社がクルーズの復興の名の基に、お互いに手を組み、今回のキャンペーンが実現した。業界全体で1つになり、加えて感染症対策の徹底をPRすることが必要」と訴えた。

 このほか、キャンペーンサポーターには、歌手の麻倉未稀さんを起用。9月24日(土)に東京ビッグサイトで開催されるツーリズムEXPOジャパンで、ライブと邦船3社各代表とのトークショーを実施する。

世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」をめぐる旅  スタンプラリー開催中

2022年8月29日(月)配信

 北海道観光振興機構道南地域分科会は2022年8月25日(木)~12月11日(日)まで、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」をめぐる「道南・青森 縄文『ドキドキ』スタンプラリー2022」を開催している。スタンプを集めて応募すると、抽選で北海道道南エリア、青森県の宿泊券や特産品が当たる。

 スタンプは北海道の函館市・北斗市・鹿部町にある14施設、青森県の津軽エリアにある4施設など地域別の9エリアと、駅やフェリーターミナルなどの交通機関の全10カテゴリー、90カ所に設置。専用のスタンプラリーシート(特設Webページでも入手可)にスタンプを押し応募する。集めたスタンプの数や内容に応じて抽選で250人に、ペア1泊2日宿泊券ほか、道産美味セットなどの特産品が当たる。

群馬県・上野村 「森林セラピー体験&神流川発電所見学」 9月30日(金)と10月19日(水)に実施

2022年8月29日(金) 配信

森林セラピー体験(イメージ)

 群馬県・上野村で「揚水式水力発電所(神流川発電所)」と「森林セラピー」の両方が楽しめる「森林セラピー体験&神流川発電所見学」を9月30日(金)と10月19日(水)に実施する。主催は上野村産業情報センター。

 森林セラピーとは医学的に効果があると証明された森林浴のこと。ガイドとともに森の中を歩き、大地のやさしい感触や森が発する清々しい気を感じて、心身ともにリフレッシュしてもらう。

 神流川発電所は上部と下部のダムを結び、落差を利用して発電する揚水式水力発電所。使用する動力は「水」なので、自然環境を破壊しない再生可能なエネルギーだ。普段は予約ツアーでなければ内部に入れない地下500㍍に位置する地下空間へ専用車両で移動しての見学となる。

神流川発電所を見学

 今回のツアーでは、上野村の神流川発電所下流に位置する森(旧道)を歩き、上野ダム、発電施設と順次見学する。神流川発電所施設のほか、それを取り巻く豊かな森をガイドと一緒に「森林セラピー」も体験できる。

 当日は午前9時30分に上野村の浜平温泉「しおじの湯」に集合(受付)し、午前10時から森林セラピーを開始(約2・5㌔をゆっくりと歩く予定)。コース内で特製弁当を食べ、午後12時30分セラピー終了。上野ダムの上へ出発し午後12時40分から上野ダムと神流川発電所を見学。午後3時30分「しおじの湯」にて解散。送迎希望者は高崎駅東口までの無料送迎あり。定員は8人から20人で実施。悪天候の場合は中止となる可能性あり。

 参加費は当日現金払いで1人5000円(税込、ガイド・弁当・保険・各体験すべて込み)。申し込み締切は各日10日前まで。

 申し込み・問い合わせ=上野村産業情報センター ☎0274(20)7070(※午前9時~午後5時)。

東旅協・城東地区の商談会 3年ぶりに開催

2022年8月29日(月) 配信

堀内重人会長

 東京都旅行業協会・城東地区会(会長=堀内重人・ハルト観光社長)は8月22日(月)、東天紅上野本店(台東区)で商談会と懇親会を開いた。会員と受入施設から80人以上が参加した。

 当日は、地区会員と受入施設が出席して、名刺交換会や情報交換会が行われた。

 堀内会長は「コロナ禍で開催ができなかった夏の商談会・懇親会が3年ぶりに開催できたことを大変うれしく思う」と語った。

富士レークホテル・井出泰済社長の講演も行われた

 勉強会では、富士レークホテルの井出泰済社長が「コロナ禍における自社の取り組み」をオンラインで講演。同ホテルは、安心のバリアフリー・ユニバーサルデザインホテルとして各賞を受賞している。

 第2部では、東京都旅行業協会協定会員連盟の児島博司会長(月下美人社長)が受入施設を代表してあいさつ。八代亜紀公認のものまね歌手“鮎川ゆきショータイム”や福引抽選会などが行われ親睦を深めた。

のぞみグループ のぞみグランピング&スパ 天然温泉付き施設開業

2022年8月28日(日) 配信

「のぞみグランピング&スパ 佐久×軽井沢」全景

 長野県佐久市に天然温泉付きのグランピング施設「のぞみグランピング&スパ佐久×軽井沢」が、7月16日にオープンした。

 同施設は、東京から1時間30分と都心からも好アクセス。自然に恵まれた1万2千坪の広大な敷地内に新設した。天然温泉の展望日帰り温泉施設「のぞみサンピア佐久」を併設し、展望風呂・スパエステ・味処・テニスコート・ドッグランなども利用できる。

 カップルや友人同士には素敵な思い出作りのお手伝い、小さな子供連れにはベビーベッドやキッズチェアを用意し、安心してリラックスできるようにした。愛犬と一緒に過ごしたい人には、専用ドッグラン付きのテントも1棟用意している。

ドームテントの内部

 浅間山を一望できる全7棟のドーム型テントは①スタンダード(定員3人)直径6㍍、25・4平方㍍のドームテント②スーペリア(定員4人)直径7㍍、34・6平方㍍のドームテント③ドッグラン付きのペット同伴可能な直径7㍍、34・6平方㍍のドームテント――の3種類。すべてのテントに専用のBBQデッキ、トイレ、シャワールーム、洗面台を完備。完全にプライベートが保てるため、マスク無しでも快適に過ごせる。

すべてのテントにトイレとシャワールームを完備

 宿泊は1泊2食付で、夕食はコースによって食材の内容やボリュームが違うが、蓼科牛や信州で採れた新鮮な野菜を贅沢に使った信州ならではのBBQコースに、ドリンクは軽井沢ビールや佐久13蔵の日本酒、蓼科のアップルシードルなどを用意。BBQの後には、焚火エリアで焚火を囲んでマシュマロやカマンベールチーズを楽しむこともできる(別途有料)。

 朝食はポッポ牛乳、または信州のジュース、スープ、信州の生みたて卵、新鮮な野菜、信州ハム、チーズで作る出来立てホットサンド、信州の採れたてフルーツなどを提供する。コーヒー豆をミルで挽いた入れたて珈琲も楽しめる。

 宿泊料金は2食付きの2人1室利用時で「蓼科牛・信州満喫プラン」1人2万5千円から、「蓼科牛プラン」2万3千円から、「カジュアルプラン」2万1千円から。

蓼科牛・信州満喫プラン(イメージ)

 宿泊者はのぞみサンピアの天然温泉を利用できる(利用可能時間=午前10時―午後9時)。チェックイン前、チェックアウト後も利用可能だ。

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 のぞみグランピングを新設した「のぞみグループ」(甘利庸子社長・理事長)は、国内外に医療法人や社会福祉法人を含む8法人を有しており、医療・介護・保育・教育・日帰り温泉事業を展開。オーナー企業「エスポワール」は、のぞみグループの地域からの信頼を背景に、安定した日帰り温泉事業・介護事業・保育事業を展開している。

 甘利代表は「コロナ後の新しい社会に向け、誰もがのびのびと幸せに楽しく生きられることを願い、このたび新しいグランピング事業に踏み出しました。どこよりも心地よく、誰にも優しく、誰もが幸せになる素敵なグランピング施設をお約束します」と話している。

「津田令子のにっぽん風土記(88)」「水と緑の恵みを受けて文京区・大塚」~ 東京・大塚編 ~

2022年8月27日(土) 配信

大塚公園内にある露壇を説明する二藤部さん
ふるさとの旅を考える会 オブザーバー     二藤部 奈保美さん

 「私の生まれた文京区大塚坂下町(旧名)の坂下通り沿いには、昔は水窪川という川が流れていました。豊富な地下水を利用して1960年代までラムネ(社名:岸野ラムネ)が造られていたそうです」と話す。水の恵みを受けながらこの地に生まれ育った二藤部さんは、いつお目にかかっても瑞々しく、さわやかで人を元気にする力をお持ちなのだ。

 

 「護国寺に近い音羽には、江戸時代に長野から製紙職人が移り住み和紙が作られるようになり、文京の紙漉きの歴史の始まりとなったそうです。坂下町は大きな塚の下の窪地に水が集まり川となり、その川を利用して生活をしていたのではないかと想像しています」と語る。

 

 江戸時代の音羽は紙漉き業が盛んで現在は暗渠となっているものの、水窪川が流れ豊富な水があったことで紙漉きに向いていたようだ。明治中期には70軒ほどあった紙漉き家は、洋紙の伝来とともに需要が和紙から洋紙へと変わり、水質の悪化なども影響して次第に衰退していった。ご両親が青果店を経営していたという水窪通り商店街は道の両側には店が軒を連ね、夕方には買物客で通勤ラッシュ並みのにぎわいをみせていたという。

 

 少し歩くとこんもりとした杜を指して、「この深い緑の奥が皇室の方々が眠る豊島ヶ岡御陵です。御陵裏の脇道がかつての水窪川の流路で、今も当時の石垣が残っていて、昔懐かしい井戸もあります」と説明してくれた。

 

 新大塚から大塚3丁目に向かう途中にあるのが、大正時代にできた大塚公園だ。「開園は1928(昭和3)年で文京区ラジオ体操発祥の地(昭和4年に始まったと言われているので全国的にも一番早く始まったくらい)と言われています」。

 

 春の夜桜見物もお勧めだそうだ。「電灯に照らされた花びらが浮かび上がり美しいです」。会社帰りにご主人と待ち合わせして缶ビール片手に立ち寄るという。

 

 「大塚は、とても静かで住みやすい所です。とくに自宅付近は緑が多く、朝は鳥のさえずり、夏にはアゲハ蝶、夕方になるとヒグラシ(蝉)の声も聞こえます。秋はトンボ、雨降りの時期にはヒキガエル、そして蛇さえ見かけることがあります。古さと新しさが混在する……それが魅力だと思います」。

 

 毎日欠かさず聖書を読み、美味しいものを食べることが好きという二藤部さん。「どちらも自分を養い育ててくれる」と、満面の笑みが印象に残る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

新規入国希望者数、8月25日(木)で2万3074人(観光庁)

2022年8月26日(金) 配信

観光庁は8月25日(木)時点の外国人観光客の受け入れ状況を発表した

 観光庁は8月25日(木)時点の外国人観光客の受け入れ状況を発表した。入国健康確認システム(ERFS)における8月25日(木)午後6時時点の新規入国希望者数は2万3074人で、先週の8月18日(木)までの希望者数より3819人増加した。

 時期別の新規入国希望者数は、8月26(金)~31日(水)は2252人、9月1(木)~30日(金)は1万2112人、10月以降は8710人。

 国籍別では、上位5カ国は韓国(4892人)、米国(3046人)、タイ(2006人)、フランス(1754人)、オーストラリア(1623人)の順。

 新規入国希望者数は、毎週発表される。

97・4%増の454億円を要求 「観光立国復活」に向けた基盤強化へ(23年度観光庁予算概算要求)

2022年8月26日(金) 配信

概算要求総括表(観光庁資料より編集部が作成)

 観光庁は2023年度予算の概算要求で、前年度予算比97・4%増となる454億5800万円を求めた。このうち、一般会計は同25・0%増の176億8800万円、東北復興枠は前年度と同額の7億7000万円を求めた。国際観光旅客税(出国税)を充当する項目には同234・0%増の270億円。観光立国復活への基盤強化のため、観光産業の高付加価値化や、インバウンド回復に向けた事業へ取り組む。

 

 23年度予算は前年度と同様に、コロナへの対応や緊要な経費は上限額なしの「事項要求」として、別途所要の要望を行うことができる。

 今回は、宿泊施設のリニューアルや廃屋撤去などによる「観光地再生・高付加価値化事業」と、旅行者の継続的な獲得や、地域社会・経済・環境に好循環をもたらすコンテンツの造成を支援する「地域のブランド化に繋がるような観光資源の磨き上げ」などの事業を検討している。

 ポストコロナを見据え、地方経済や雇用を支える観光立国の復活をはかり、地方創生を進める目的。

 観光地再生・高付加価値化事業は、複数年度での支援の要望が寄せられていたことから、基金化などを含めた計画的・継続的な支援策ができるよう制度を拡充する。

 観光資源の磨き上げ事業は、「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」をさらに進化させたものとして、旅行者の再訪意欲を掻き立て、地域のブランド化につながり、地域に収益をもたらすような観光コンテンツの造成を支援していく。

 このほど、新たに取り組む4事業では、新たな交流市場の創出事業に6億5000万円、地域の資源を生かした宿泊業等の食の価値向上事業に5700万円、DXや事業者間連携等を通じた観光地や観光産業の付加価値向上支援に15億円、地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり支援事業に4億円を計上。

 このうち、新たな交流市場の創出と、観光地や観光産業の付加価値向上支援は、関連する今年度事業の進化版として予算を要求した。

 

旅行者のニーズ満たす 価値を高める新規事業

 食の価値向上事業では、地域の食材の積極活用などで食の価値を高め、旅行客への訴求力を高めて宿泊業の付加価値向上・地域経済への裨益効果を高める目的で事業を行う。食をウリとして滞在価値を高めるために、一流シェフのマッチング支援などを行い、地域食材を有効活用する。

 既に同様の事業に取り組み、付加価値向上を実現しているトップランナーの宿泊施設の事例収集・周知を行う。

 地方におけるインバウンド観光地づくり支援事業は、地方創生や訪日外国人旅行者の観光消費額拡大を目指し、22年5月に策定した「地方における高付加価値なインバウンド観光地域づくりに向けたアクションプラン」に基づいて行われる。

 22年度中にモデル観光地を10カ所ほど選定し、これらの地域に対して総合的な施策を集中的に講じる。

 高付加価値旅行者のニーズを満たす滞在価値を「ウリ」、上質な滞在・宿泊施設の整備を「ヤド」、ガイドやホスピタリティ人材を「ヒト」、海外の高付加価値総とのネットワーク・情報発信力強化を「コネ」、シームレスな移動環境の整備を「アシ」──など、5つの観点でアクションプランをまとめた。

 同事業では、専門人材派遣による戦略・計画の策定や、市場調査、マーケティング戦略の策定の面から支援をしていく。

 

出国税は270億円 回復見込み234%増

 出国税の規模は、前年度比234・0%増の270億円を要求した。コロナ前では前年度4~3月の出国者実績で出国税を算出していたが、渡航制限・入国制限が掛けられている状況を鑑みて、国際民間航空機関(ICAO)による23年度の航空需要の回復推計値や回復シナリオをもとに算出した。

 出国税を充当する予算に関しては、既存政策の財源の単なる穴埋めをするのではなく、①受益と負担の関係から負担者の納得が得られる②先進性が高く費用対効果が高い取り組み③地方創生を始めとする日本が直面する重要な政策課題に合致する――の3点を基本的な考え方としている。

 前年度の事業例として、ストレスフリーで快適に旅行ができる環境の整備や、地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備などによる地域での体験滞在の満足度向上──などを実施した。

 具体的な施策・事業については、硬直的な予算配分とならず、毎年度洗い替えが行えるように、観光戦略実行推進会議において、民間の有識者の意見を踏まえつつ検討を行い、予算を編成する。

 

復興枠は同5億円求める 本省・運輸局へ増員要求

 東日本大震災からの復興(復興枠)としては、福島県における観光関連復興支援事業に5億円を要求した。このほか、ブルーツーリズム推進支援事業として3億円を要求。ALPS処理水の海洋放出による風評被害の対策として、ブルーフラッグ認証取得への支援などを通じ、海の魅力を発信するブルーツーリズムの推進をはかる。

 なお、復興枠は前年度同額を計上した。

 また、IRに関する税制について、22年度与党税制改正大綱を踏まえて具体化する。

 定員要求では、観光地の再生・高付加価値化に関する体制構築などを念頭にして、本省3人、地方運輸局2人の増員を要求している。組織要求はなし。

元磐梯グループ社長の小黒太平氏が死去

2022年8月26日(金) 配信

小黒太平氏

 元磐梯グループ代表取締役社長の小黒太平(おぐろ・たへい)氏が8月12日午後3時34分に病気療養のところ死去した。96歳。

 通夜は19日(金)、葬儀は20日(土)に栃木県小山市の小山聖苑で行われた。

 喪主は長男で、小山整形外科内科理事長の小黒賢二氏。

 小黒氏はJR6社指定協定連盟初代会長、ビッグホリデー協力会会長、JTB旅行スタンプ連盟東北支部長などを歴任した。