2022年7月21日(木)配信
JTB(山北栄二郎社長)はこのほど、「夏休み(7月15日~8月31日)に1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向見通しを発表した。夏休み期間中の国内旅行人数は7000万人で、前年比75.0%増と大幅に増加。近場旅行が減少する一方で、日数を増やし遠方に旅行する傾向が強まり、大都市圏への旅行が回復傾向になると予測する。
今夏の旅行の傾向は、同行者が近しい家族中心から友人・知人などに拡大傾向がうかがえ、行先はテーマパークやレジャー施設などが増加する傾向がみられる。また、鉄道や航空機、バスなどの他人と同乗する公共交通機関の利用も増加するとみられ、旅行費用も前年と比べて増加の見通し。
国内の旅行動向は、各種経済指標や交通機関各社の動き、宿泊施設の予約状況などを基に算出。国内旅行人数は7000万人(2019年比3.3%減)、国内旅行平均費用は3万5500円(前年比7.6%増、19年比2.7%減)、総額2兆4850億円と推計する。
旅行日数は「1泊」が35.7%と最も多く、次いで「2泊」が33.1%、「3泊」が18.3%の順。「1泊」は同6.2ポイント減となった一方で、「2泊」「3泊」はそれぞれ増加し、旅行日数は長くなる結果となった。
旅行先は、居住地と同じ地方である域内旅行の割合がすべての地域で減少した。一方で首都圏を含む関東居住者はとくに北海道、九州・沖縄を、近畿居住者も北海道、関東、九州・沖縄と、遠方を旅行先に選ぶ傾向が増えた。地方部からは関東、近畿のような大都市を含む地域への旅行も増加した。
利用宿泊施設は、「ホテル(63.2%)」が最も多く、前年より20.1ポイント増加し、都市部への旅行の回復がうかがえる。次に「旅館(24.3%)」、「実家や親族の家(18.9%)」となったものの、いずれも減少。これまで感染対策を兼ねて、「キャンプ場・グランピング・キャンピングカー・車中泊など、アウトドアに関する宿泊(5.1%)」や「民泊・貸別荘(2.2%)」が増加していたが、今夏はいずれも減少となった。
調査は22年6月22~24日の期間、全国の15~79歳までの男女1万人を対象に、インターネットで実施した。夏休みに旅行に「行く」または「たぶん行く」と回答した人の合計は36.1%。生年代別でみると、男女とも若い年代ほど旅行意向が高くなる傾向がみられた。
旅行に行かない理由は「夏休み期間は混雑するから」が29.3%と最多で、「家でのんびりしたいので」(25.0%)と続いた。また、「新型コロナウイルス感染症がまだ収束していないから/拡大の懸念があるから」(24・8%)は、前年から39.7ポイント減と大きく減少した。
なお、夏休み期間の海外旅行人数は50万人(前年455.6%増)を予測。海外パッケージツアーの一部再開に伴い関心は高いものの、水際対策や入国者数制限に伴う出入国手続き、入国規制が現在の大きな壁になっているとみている。