札幌市、ANA、ANAあきんど 「Universal MaaS」コンセプトに共同プロジェクト開始

2022年7月19日 (火)配信

22年度は積雪寒冷地である札幌市ならではの課題の抽出と解決を目指す

 2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会の招致を契機に共生社会実現を目標に掲げる北海道札幌市はこのほど、全日本空輸(ANA)、ANAあきんどと共同で、「Universal MaaS」のコンセプトに基づく共同プロジェクトを開始すると発表した。

 2022年度は、シームレスで快適な移動サービスの提供に向け、積雪寒冷地である札幌市ならではの課題の抽出と解決を目指す。9月4日には、街歩きイベントを行い車イスユーザーらと実感している課題などについて意見交換を行う。

 「Universal MaaS」は、移動躊躇層(何らかの理由で移動にためらいのある人)が快適に移動を楽しめるサービス。2020年にはANAと、京浜急行電鉄、神奈川県横須賀市、横浜国立大学の4者が横須賀市周辺を中心に実証実験を重ね、昨年度は都内から航空移動を含めた大阪・京都・神戸エリアを移動する人を対象に、車イスユーザー向け移動支援サービス「一括サポート手配」の実証実験を行った。

 今回の共同プロジェクトでは札幌市がバリアフリー情報収集・提供、実証実験に向けた調整、ANAがとりまとめと全体サービスの設計、開発を、またANAあきんどが地域創生事業として自治体・地域事業者との連携調整と実証実験の実働サポートを担当する。

リビエラリゾート 2つのマリーナにトレーラーハウスを活用した宿泊施設SPACE KEY POINT」グランドオープン

2022年7月19日 (火)配信

SPACE KEY POINT外観(リビエラ逗子マリーナ)

 リビエラリゾートはこのほど、所有、運営する「リビエラ逗子マリーナ」(神奈川県逗子市)と「リビエラシーボニアマリーナ」(神奈川県三浦市)に「SPACE KEY POINT」をグランドオープンした。

 スペースキーポイントはトレーラーハウスを活用した宿泊施設。眺望にこだわり一面ガラス窓を採用し、幻想的なサンセットや海が広がる絶景オーシャンビューを存分に堪能できる。

 それぞれの施設には、宿泊者専用の「絶景サウナ」も完備する。

 リビエラ逗子マリーナの「OCEAN SAUNA」は、大きな窓から一直線にのびる水平線を眺められる絶景サウナ。

リビエラ逗子マリーナの「OCEAN SAUNA」

 一方、「リビエラシーボニアマリーナ」(神奈川県三浦市)には「無煙テントサウナ」を用意、ハーバーから海、その向こうに富士山を望む絶景ととのいスペースでは、水風呂やインフィニティチェア(無重力椅子)を揃え、極上のととのい時間を提供する。

 宿泊プランは朝食付きで、朝は爽やかな海風を感じながらホットサンドモーニングを味わえる。

 また、オプションとして、夕食に契約農家や自社菜園で循環型農法で作られたサステナブルな地野菜、近郊で獲れた新鮮な魚介類やサステナブルシュリンプ、国産牛、鎌倉ハムの粗挽きソーセージなどこだわりの食材を取りそろえたBBQも楽しめる。

岡田美術館 特別展「花鳥風月 名画で見る日本の四季」の秋冬編 (後期)開始 葛飾北斎の「雪中鴉図」など展示

2022年7月19日 (火)配信

7 尾形乾山「色絵竜田川文透彫反鉢」江戸時代中期 18世紀 重要文化財 岡田美術館蔵 [通期]

 岡田美術館(小林忠館長、神奈川県・箱根)は7月16日(土)から、特別展「花鳥風月 名画で見る日本の四季」の秋冬編 ―光琳・歌麿・春草など(後期)が始まった。

 後期は、紅葉や菊など秋を象徴するモチーフから、雪景色など冬をテーマにした作品を展示。尾形乾山の「色絵竜田川文透彫反鉢」や鈴木其一の「秋の七草図」、葛飾北斎の「雪中鴉図」などを見ることができる。 

11 葛飾北斎「雪中鴉図」(部分)江戸時代 弘化4年(1847) 岡田美術館蔵 [後期]

 また、10月3日までの限定で、2012年に再発見された喜多川歌麿の「深川の雪」の実物を展示。同作品は歌麿の「雪月花」3部作と呼ばれる肉筆画の傑作。「花鳥風月 名画で見る日本の四季」会期中は同館所蔵の「深川の雪」に加え「品川の月」、「吉原の花」3作品の高精細複製画を展示するが、同期間のみ「深川の雪」が実物となる。

 特別展「花鳥風月 名画で見る日本の四季」は、 四季折々の自然や風物を題材とした絵画や陶磁、漆工などの工芸品約100件を展示し、季節の移ろいがどのように表現されてきたかを紹介する展覧会。後期は、12月18日(日)まで。

 同館では7月20日(水)から、毎年恒例の夏休み企画も開始する。

子供向けぬりえ

 20日から始まる「ぬりえコンテスト」では、特別展「花鳥風月名画で見る日本の四季」で展示している作品を中心に、子供向け、大人向けのぬりえを用意。受賞者には、2023年カレンダーやペア招待券など豪華賞品をプレゼントする。

 7月31日からは、今年で8回目となる「ヨガイベント」をスタート。今年は多くの参加者の要望に応え、夕方の時間にもイベントを行う。

 実施日は、7月31日(日)と8月7日 (日)、14日(日)、21日(日)、28日(日)の5日間。朝のレッスンは午前7時15分から8時15分まで、夕方のレッスンは17時15分から18時15分となる。

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ちょっと秘境 奥只見湖クルーズ (奥只見湖遊覧船 〈新潟県〉)

2022年7月19日 (火)配信

 「奥只見湖遊覧船」は7月23日~8月31日まで、夏休み限定特別企画「こども船長」体験を開催します。

 小学生以下の子供を対象に、船長の仕事を学んだり、ウォークラリーが楽しめたりするイベントで、体験終了時には「奥只見湖遊覧船こども海技士免状」を発行します。参加は無料で新潟県内の小学生は乗船料金も無料になります。

北欧のフィヨルドのような景色

 クルージングの舞台となる「奥只見湖」は、只見川が奥只見ダムによって堰き止められできた日本最大級の人造湖。周遊コースでは、千代田区とほぼ同じ大きさの湖を40分間でめぐります。

 数あるクルーズの中で一番の見どころは、山並の残雪の美しいころに見られる新緑の景色。まるで北欧のフィヨルドのような景観が広がります。

 天然記念物のイヌワシやクマタカなどの猛禽類、ニホンカモシカやツキノワグマなどさまざまな動物が生息する、首都圏から3時間ほどの「ちょっと秘境へ」出掛けてみませんか。

モデルナ就航30周年 (シンフォニークルーズ〈東京都〉)

2022年7月19日 (火)配信

シンフォニーモデルナ

 シーライン東京が運航するレストラン船「シンフォニー“モデルナ”」は、今年8月就航30周年を迎えます。これを記念し来年3月まで、さまざまな関連イベントを行ってまいります。

 8月11日には、昼と夜の2部制で、限定のオリジナルノベルティが付く「モデルナバースデークルーズ」を実施します。

 フランス料理のコースと東京湾の景色をご堪能いただいた後は、別会場で昼クルーズではサックスの生演奏、夜のクルーズはフラダンスショーをお楽しみいただけるほか、豪華な景品が当たる抽選会も実施します。さらに昼便の出港時には、出港セレモニーの紙テープ投げも実施します。

全旅連シルバースター部会、食品ロス対策マニュアル作成へ 軒数増加にも努める

2022年7月19日(火) 配信

渡邊幾雄部会長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長)のシルバースター部会(渡邊幾雄部会長、670軒)は7月14日(木)、東京都内で2022年度総代会を開いた。今年度はSDGsに対応した旅館・ホテル向けの食品ロス対策マニュアルを作成するほか、部会を周知し、登録軒数の拡大に努める。

 渡邊部会長は会員数が廃業で減ったことを報告。「改めて会員の増強に努めてほしい」と呼び掛けた。

 コロナ禍で宿泊業の業績が厳しいことにも触れ、「昨年に引き続き、楽天トラベルで登録施設限定の割引クーポンを配布してもらうなど、部会のネットワークを生かしたインターネット集客事業で、明るい未来を築いていきたい」と意気込んだ。

 また、「(今日は)食品ロスについての講演も実施する。(マニュアル作成に向けた)情報を得てほしい」と求めた。

 全旅連の多田会長は冒頭、安倍元首相が全国大会で講演予定だったことに触れ、「大変残念なことになった。心より哀悼の意を表したい」と話した。

多田計介会長

 全国大会ではホテル・旅館の課題であるSDGsの食品ロスをテーマにしていることから、シルバースター部会も渡邊部会長を中心に、この問題への取り組みが加速することに期待を寄せた。 

 来賓の厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課の小野陽介課長補佐は「厚生労働省では、日本政策金融公庫から資金支援などを実施できるようにした。活用して事業継続に役立てほしい」と呼び掛けた。

小野陽介課長補佐

 総会終了後には、食品ジャーナリストで、office 3.11社長の井出留美氏が「食品ロスを減らすために旅館・ホテルにできること」と題して講演した。

 食品の廃棄費用に税金が充てられていることや、焼却で発生する温室効果ガスの排出量が自動車と同じであることを強調。宿の問題として、「食事を1品でも増やし、ほかの施設と差をつけている」と指摘し、「お客に合わせて、量を調整してほしい」と述べた。

 そのうえで、披露宴で1テーブル・1シェフ制を採用し、利用客の好みの量を提供する星野リゾートなどの事例を語った。また、宴会での食べ残しを減らすため、開始後30分と終了前10分間着席する3010運動を紹介した。

観光中小個人連合会発足 政策提言や会員間の協業も 57事業主が発起人に

2022年7月19日(火) 配信

観光に関わる57の中小・個人事業主がこのほど連合会を立ち上げた

 新型コロナ禍により大きな影響を受けている観光産業に関わる中小事業者や個人事業主57社・人が発起人となり、このほど、「観光産業を構成する中小及び個人事業主連合会」(TIFS、発起人代表=岡田直樹・エフネス社長)を設立した。同連合会は、観光産業の健全な発展に資する政策の提言や、協業・共創、福利厚生の充実などを目的としている。

 設立の背景として、「国が観光立国を掲げているにも関わらず、政治家や官僚に、観光産業に関わる中小企業やフリーランスの存在が認識されていない」ことや、「いざというときに中小・個人事業主が望む行動・結果を出せる業界団体が存在しない」ことに危機感を抱いたとしている。

 観光産業に属する中小事業者・個人事業主(旅行会社、DMO、アクティビティ、宿泊事業者、添乗員、ガイドなど)で構成し、「観光立国を実現するためには我われが不可欠であることを政官界に認識してもらう」(同連合会)考え。

 また、「政策に反映してもらうためのロビー活動や、単独では実現が難しい福利厚生や、教育機会の創出、会員間での協業・共創による商機会の創出・拡大を当面の目標とする」と定めている。

 将来的には、各種補償金制度や、新たな認証制度も視野に入れて、「名実ともに観光産業内の中小及び個人事業主にとって、なくてはならない団体を目指していく」とした。

 暫定理事は次の各氏。


 ▽岡田直樹(エフネス社長)

 ▽三井紀代子(貴凛庁社長)

 ▽山本龍二(D.T.I.ツアーズ共同代表)

 ▽春山哲朗(ハンディネットワーク社長)

 ▽小野田金司(大阪観光大学観光学部教授)

 ▽村田洋一(ビュート社長)

第3回Attractive JAPAN Award、最優秀賞は「たびぞう」に

2022年7月19日(火)配信

最優秀賞に選ばれた「たびぞう」の提供プランイメージ

 地域ブランディング研究所(吉田博詞社長、東京都台東区)は7月19日(火)、第3回「Attractive JAPAN Award」を発表した。最優秀賞には、「サステイナブルなEVトゥクトゥクで天然記念物コウノトリ×玄武洞のキセキを巡る、城崎ぷちたび」を提供する、たびぞう(兵庫県豊岡市)が選ばれた。

 地域ブランディング研究所は、地域の文化・自然体験プランを取り扱う予約プラットフォーム「Attractive JAPAN」を運営している。同アワードは、同社が全国の着地型観光体験プログラムを提供する事業者や団体を表彰するもの。地域振興やサステナブルツーリズム、インバウンドに関わる専門家や同サイトスタッフにより、ウィズコロナの中で果敢に挑戦した取り組みを選出。今回、3賞の受賞を発表した。

 最優秀賞は、城崎温泉周辺の観光スポットをEVモビリティで巡るセルフガイドツアー。コロナ禍で団体旅行が減少するなか、個人旅行のセルフガイド形式にして感染症対策もでき、地図を見ながら独自のプランで周遊できる利点にもつながった。ニューノーマルな旅のスタイルとして先進的な体験プランの確立ができている点や、地域貢献度などが総合的に高く評価を受けて選出された。

 このほかの受賞者と代表プランは次の通り。

 【地域アイデンティティ賞】おおぎみまるごとツーリズム協会(沖縄県・大宜味村)「長寿の村で三線の音色と焚き火に揺られる地元おじいおばあ交流&滞在プラン」

 【サステナブル賞】こはく(石川県金沢市)「お家で見て、選んで即購入!明日のおかずを食の宝庫金沢で、ただいま大人気のオンライン近江町市場お買いものツアー」。

 なお、今回の受賞者には、7月下旬から8月に掛けて表敬訪問と併せて表彰イベントを行う。

「津田令子のにっぽん風土記(87)」「魅力満載の伊豆半島」~ 伊豆半島編 ~

2022年7月18日(月) 配信

堂ヶ島の夕日
NPO法人ふるさとオンリーワンのまち 監事 原口護久さん

 「ふるさとオンリーワンのまち」11番目の認定式がこのほど、東京・銀座6丁目のレストランバー「サンク」で行われた。NPO法人ふるさとオンリーワンのまちの監事を務める原口護久さんに、伊豆への想いを伺った。

 

 今回認定を受けたのは、原口さんも何度か訪ねたことのある南伊豆町の「郷土割烹 伊豆の味 おか田」。推薦件名は「南伊豆町の風土を活かした郷土料理の創造とお客さま第一のスマイルサービス」。

 

 20年ほど前に同業者との会合で修善寺温泉を訪ねた折に立ち寄ったという。「あのとき食べた金目鯛の煮付けは未だに記憶にあります。会議内容よりも鮮明にね」と笑う。それもそのはず。おか田は南伊豆という漁場を活かしながら、新鮮なうちに独自に開発した濃い目の煮汁で仕上げ提供している。県内外に多くのファンを有し「金目鯛のおか田」を世に知らしめている。

 

 南伊豆町の隣町・下田は、原口さんが興味を持つ歴史ドラマが散りばめられ、何度か足を運んでいるという。

 

 1856(安政3)年、タウンゼンド・ハリス総領事、通訳官ヒュースケンが下田に着任し、その年の8月に玉泉寺を日本最初の米国総領事館として開設したことは有名だ。境内に星条旗が掲揚されて以来2年10カ月、玉泉寺は幕末開国史の中心舞台となった。

 

 歴史好きを自称する原口さんは「幕末から開国の舞台となり、ハリスが初の領事館を開いた瑞龍山玉泉寺を訪ねたときは、感動しました。ハリスとお吉の黒船哀話もここで生まれたわけですからね」と語る。境内には、初代総領事館タウンゼント・ハリスの記念館があり、彼の遺品や当時の記録が陳列されている。

 

 「堂ヶ島の眺望のよさも日本を代表する風景ではないでしょうか。遠くに富士山が望め、沈む夕陽は言葉が出ないほどの美しさで、洞窟『天窓洞』をはじめ、雄大な自然を生かしたスポットをめぐるだけで気分爽快になれます。船でめぐることもできます」。 

 

 金山で有名な西伊豆の土肥温泉もおすすめと話す。土肥温泉は、400年ほど前の金山開発のころに発展した伊豆でも最大級の温泉地だ。海に面し、三方を山に囲まれ風光明媚な土地・温暖な気候は、若山牧水をはじめ多くの文人にも愛されてきた地。「まだ食べていませんが、最近は日本で唯一、土肥にしかない幻の白びわ狩りができると聞いていますので家族を連れて訪ねてみたい」と原口さん。伊豆への想いは尽きることはなさそうだ。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「提言!これからの日本観光」 「観光」と交通(機関)

2022年7月17日(日) 配信

 低迷していた「観光」もようやく復活の兆しを見せ始めた。コロナ禍前京都、鎌倉などの観光都市で市内のバスや電車などの混雑から市民の利用が難しくなり、日常生活にも支障するとして観光客の入市制限を求める声が挙がったのも記憶に新しい。両市民は観光再活性化に期待を寄せつつも混雑再発に心配していると聞く。

 「観光」による交通機関とくに市内バス、電車の混雑は観光シーズン休日をピークとする大きい波動需要の発生にその原因があるだけにその緩和は観光客、観光地、交通機関などの連携による総合的な対策が進まないとその緩和は困難であると思う。なぜなら京都を例にとると市内の主な観光スポットの人出は、春秋の観光シーズン休日とオフシーズンの平日の人出との間に数倍から十数倍にのぼる大きい差があるからだ。

 交通機関側では年間平均値を幾分上回る乗客数を基準に輸送力(便数、要員、車両)を準備するためピーク需要は完全に満たせない。仮にピークに合わせた輸送力を準備するとオフシーズンにはかなりの車両や要員などが遊休化する。鉄道など多額の設備投資を前提とする交通事業では、公私営を問わずこのようなピークに合わせた投資は不可能に近い。

 混雑緩和には需要を時期的時間的に平準化することが必要である。まず観光客が閑散期、閑散時間に観光の重点を移すことだ。観光地など受入側も閑散時の観光を提案したり、イベントなどの閑散期開催を進めるほか観光料金施策(閑散時割引など)も推進し、需要の平準化に取り組む必要がある。

 次に交通機関側についてである。京都のような市内に多くの観光資源を持つ都市では市内交通を観光シーズンの休日に限る臨時的対応として企(事)業別の枠を越えてそれぞれの特性を生かす連携により全体的な効用を高める「総合的観光交通システム」として機能させることを考えたい。

 市内各機関の運賃を統合、ゾーン運賃制とする。さらにシーズン休日に限り各交通事業者、自治体関係者、交通、警察関係者などからなる「臨時総合交通システム運営委員会(仮称)」を設け、一時的に運行調整を委ねる。主要駅、バス停、交差点などにテレビカメラによる交通量観測機器を設置、オンラインで委員会事務局各社に送信する。

 前広に主要観光道路の自家用車流入規制を発動し、交通渋滞の未然防止に努める。同時に観光スポットを結ぶ主要路線区間に限定し、バスの方向別総合輸送力を確保すべく予め登録した予備の車両を会社の枠を超えて緊急配車する、また車間調整を委員会からバス運転者に要請して混雑の発生を抑える努力を進めるなど臨時運行調整機能を発揮させる。

 そして、前記の情報システムにより後刻経費・収入・精算も行う。回送タクシー、自家用車の不使用時情報なども情報システムに入力。バス補完として活用する。このような関係者の連携協働によるピーク時限定の総合策を試行してはと考える。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏