掛け流し温泉と光彫りの作品が楽しめる 上野屋別邸(神奈川県・湯河原町)開業

2023年3月7日(火) 配信

洋室

 源泉上野屋(神奈川県・湯河原町)は昨年、掛け流し温泉と光彫りの作品を楽しめる別邸を開業した。

 湯河原にアトリエを構える作家のゆるかわふう氏の作品7点を館内に飾る一棟貸しの宿で、作品は不定期で入れ替わる。最大宿泊人数は6人、「まちに出て食事を楽しんでもらう」目的で素泊まりを基本プランに据える。

 これに加え、本館で食事ができる1泊2食付きや朝食のみ利用のプランも用意している。

 「空き家を活用し、湯元通りを再びにぎやかにしたい」という思いを込め、室伏常夫代表が空き家となっていた床屋を改装して開業した上野屋別邸は、「宿に特徴を持たせたい」という室伏氏の想いと、展示する場所を探していたゆるかわ氏の想いが重なり、「泊まれる美術館」となった。

 断熱材に彫刻を施し背後からLED照明を当て鑑賞する光彫りは、同氏が考案した技法。作品を飾るにあたっては旅館でしか見られない展示の仕方にこだわり、寝室や風呂、お手洗いなどパーソナルスペースに、湯河原の景観をモチーフにした光彫り作品を展示した。

 上野屋別邸はワーケションでの利用も想定、高速Wi‐Fiやコンセント付テーブル、大画面テレビといった設備を整えている。また宿泊客は浴衣で湯元通りをそぞろ歩き、本館の温泉を楽しむことができる。

湯河原梅林で「梅の宴」 3月12日(日)まで開催中

2023年3月7日(火) 配信

ほのかな香りに包まれる

 湯河原梅林(神奈川県・湯河原町)で3月12日(日)まで、「梅の宴」が行われている。

 会場の幕山公園(湯河原梅林)には約4千本の紅梅・白梅がさながら「梅のじゅうたん」のごとく咲きほこり、園内はほのかな梅の香りに包まれる。

 園内出店ブースでは、湯河原の地場産品や土産品などが購入できるほか、会場限定の梅ソフトクリームをはじめ、湯河原ならではの味覚などが楽しめる。

園内出店ブースでは、湯河原の地場産品や土産品などが購入できるほか、会場限定の梅ソフトクリームをはじめ、湯河原ならではの味覚などが楽しめる。また各出店ブースで買い物をすると、100円ごとに1㌽のサービス券がもらえ、15㌽で甘酒やきび餅に交換可能。これに加え20㌽貯めると、真鶴ブルーラインの無料券ももらえ
る。

 入園料金は200円、町民と町内宿泊の人は無料。期間中は、駅と会場を約15
分で結ぶバスも運行する。

新会長に白石武博氏(カヌチャベイホテル&ヴィラズ) 会社と共働共生へ(日旅ホ連23年度通常総会)

2023年3月7日(火) 配信

新会長に就任した白石武博氏

 日本旅行協定旅館ホテル連盟(桑島繁行会長、1799会員)は3月2日(木)、東京都内で2023年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、新会長には白石武博氏(カヌチャベイホテル&ヴィラズ、沖縄県)が就任した。

 白石氏は、「旅行・観光の復活を期した新しい年になっていく。新年度の事業は私が引き継いでいくが、皆さんとコミュニケーションを交わしながら、相互理解のなかで会が一体となり、日本旅行と一緒になって共働共生していきたい」と意気込みを述べた。

 3年ぶりのリアル開催となった今期で3期6年間にわたり会長を務めた桑島氏が退任した。桑島氏は退任あいさつで、「今年は国際観光復活の年」であるとし、人流の活発化に期待を寄せた。

 退任に当たり、桑島氏は「今年は国際観光復活の年になると期待している。これからウィズコロナ・アフターコロナの生活が日常化していくと考えられ、人流そのものが活発化していく」と期待を寄せた。

桑島繁行会長

 日本旅行の小谷野悦光社長は、「カーボンオフセットや地域の課題解決などの切り口を大事にしながら、価値を生み出してもらいたい。地域との連動性を高めて単価アップを目指していく」と力を込めた。

 また、日本旅行・JR西日本・野村総合研究所のアライアンス契約に触れ、ツーリズム事業のデジタル化の実現に向けた提携について、大都市部に集中していたニーズを分散させ、「地域に持っていくインバウンドに最大注力する」考えを示した。

小谷野悦光社長

 23年度の主な事業計画は、宿泊販売拡大への取り組みに加え、ワークショップの開催、会員の加盟促進、顧客紹介運動の推進、第14回日旅連塾の開催──など5項目を挙げた。

 また、SDGs推進特別賞表彰を行った。

 取り組み発表ではSDGs推進特別賞に選ばれた、北海道支部連合会知床地区の「知床地区の生物多様性をより深く知り、知床での滞在を充実させるプログラム開発」と、北陸支部連合会加賀地区の「教育旅行担当者現地研修の実施とSDGsの素材開発」を紹介した。

福島県浜通りでアウトドア アクティビティ 古民家キャンプやSUP、テントサウナなど、ユニークなプログラムを体験

2023年3月7日(火)配信

「アウトドア アクティビティ」を通じて観光再生を目指す

 福島県双葉郡の8町村が交流人口拡大や移住・定住促進を目指して連携する組織「ふたばエイト(双葉郡まちづくり協議会)」はこのほど、浜通りの「アウトドア アクティビティ」を通じて観光再生を目指すプロジェクトをスタートさせた。各地で楽しめるプログラムを通じて各町村が持つ魅力を体感してもらい、観光客と地元住民とが交流を深めることで、地域の活性化を目指す。

 東日本大震災、福島第一原発事故の発生で、大きなダメージを受けた浜通り地区に位置する双葉郡の8町村(楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、広野町)は、10年以上の歳月をかけ、復興と再生を進めてきた。プロジェクトの第1弾として、木戸川河口でのSUP体験(楢葉町)や古民家キャンプ場「TATSUNO BASE」(浪江町)、テントサウナ体験(川内町)など、受入態勢が整った7町村のメニューをPRしている。

テレワーク・ワーケーション官民推進協議会の設立(観光庁)

2023年3月6日(月) 配信 

観光庁はこのほど「テレワーク・ワーケ―ション官民推進協」を立ち上げた

 観光庁はこのほど、「テレワーク・ワーケーション官民推進協議会」を立ち上げた。取り組みの見える化やネットワーク化を通じて、テレワーク・ワーケーションの普及や定着をはかる。

 会長には、官民共創未来コンソーシアム理事の箕浦龍一氏が就任。副会長には、東日本旅客鉄道マーケティング本部くらしづくり・地方創生部門 部門長の小崎博子氏、YeeY代表取締役の島田由香氏、JTB執行役員の高﨑邦子氏。

 同協議会には、観光庁や総務省、企業、関連団体、個人、地方自治体が参画し、会員数は139機関。引き続き入会を受け付けている。

 設立総会の後、第1回運営委員会で今後の活動方針について詳しく討議を行った。

 今後は、討議の結果を踏まえ、テレワーク・ワーケーションの機運醸成や、企業における制度導入に向けて、情報発信のためのセミナーなどを開催する方針だ。

FDA、北海道路線を開設 JALとの共同運航始める

2023年3月6日(月)配信

名古屋(小牧)⇒札幌(丘珠)

 フジドリームエアラインズ(FDA、楠瀬俊一社長)は3月6日(月)、名古屋(小牧)~札幌(丘珠)線を開設すると発表した。夏ダイヤの運航開始日である同月26日(日)から、日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とのコードシェア(共同運航)便を始める。

 FDAによると、同社の拠点空港である名古屋(小牧)空港から北海道地区への就航は初めて。1日2往復4便。両空港を約1時間40分~1時間50分で運航する。9月30日(土)までの運航予定が決まり、10月1日(日)~28日(土)の搭乗分は別途調整中という。

札幌(丘珠)⇒名古屋(小牧)

 運航時刻は、名古屋発が午前8時発の9時40分着、午後4時55分発の6時35分着で、札幌発が午前10時25分発の午後0時15分着、午後7時5分発の午後8時55分着。

 航空券は、JALのWebサイト上で3月13日(月)の午前9時30分から販売する。就航を記念して、14日前までに予約・購入ができる「就航記念運賃」(片道4500円)を、3月7日(火)の午前9時から4月28日(金)まで販売する。

丸峰観光ホテル(福島県・会津芦ノ牧温泉)民事再生法の適用を申請 負債は2社合計で約25億5500万円(帝国データバンク調べ)

2023年3月6日(月) 配信

 丸峰観光ホテル(星保洋社長、福島県会津若松市)と、関係会社の丸峰庵(同社長、福島県郡山市)は2月28日(火)に福島地裁会津若松支部に民事再生法の適用を申請し、同日保全処分を受けた。 

 帝国データバンクによると、負債は2社合計で約25億5500万円。

 同社は1965(昭和40)年5月に設立。観光温泉ホテル「丸峰本館」「丸峰別館 川音」「離れ山翠」を運営していた。丸峰本館は、600畳で舞台付きの会食場「瑞峰」や、最大1000人収容可能なコンベンションホール「麗峰」などを有し、会津芦ノ牧温泉では最大規模の温泉観光ホテルの1つとして知名度も高く、2002年3月期には年間収入高約17億7100万円を計上していた。

 しかし、過年度の設備投資による有利子負債が重荷となっていたほか、2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原発事故による風評被害の影響から、19年3月期の年間収入高は10億円を割り込んでいた。

 さらに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛により利用客が減少し、22年3月期の年間収入高は約5億2300万円に落ち込んだ。施設維持経費がかさむなか、燃料費の急激な高騰を受けて、利益面の改善も進まず、今回の措置となった。

 なお、丸峰庵は06(平成18)年2月に設立。郡山市内で3店舗の飲食店を経営していた。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(217)」 東京湾要塞ヘリクルーズ(神奈川県横須賀市・千葉県富津市)

2023年3月5日(日) 配信

ヘリから眺める東京湾第二海堡

 1月初旬、東京湾の横須賀・富津間に築かれた「第二海堡」(海上に人工的に造成した要塞)から、東京湾要塞の全貌を俯瞰するヘリコプターによるツアーを経験した。

 観光庁「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の支援を得て、横須賀市で軍港や猿島クルーズを手掛ける、㈱トライアングルの社会実験の一環である。

 東京湾要塞とは、首都東京の入口である東京湾周辺の防衛を目的として、海上に設置された人工要塞のことである。横須賀など三浦半島と対岸の富津など房総半島に設置された、合計32の砲台と海堡で構成され、これらを総称して東京湾要塞と呼んだ。

 要塞は1880(明治13)年に横須賀観音崎砲台から建設が始まった。東京湾で最も幅が狭い富津岬と観音崎間の東京湾湾口部が防衛線とされ、日清戦争までの間、横須賀軍港周辺の8カ所、観音崎・走水地区に15カ所、富津岬の1カ所、第一海堡の計25カ所の砲台が完成した。

 ただ、1923(大正12)年に発生した関東大震災では、東京湾に浮かぶ3つの海堡のうち、第二・第三海堡は大きな被害を受け、とくに横須賀側の第三海堡は修復困難と判断され、そのまま除籍となった。

 その東京湾要塞のうち、猿島と千代ヶ崎砲台跡は、2015年に「東京湾要塞跡」の名称で国の史跡に指定された。明治以降の軍事関連施設では初の指定である。猿島は既に観光資源として活用され、千代ヶ崎砲台跡も昨年以降、横須賀市が実施する近代化産業遺産を訪ねる「めぐるプロジェクト」の一環で開放され、浦賀の赤煉瓦ドックとともに、大変な人気となっている。

東京湾要塞の全体が俯瞰できるサプライズツアー

 今回の社会実験の舞台となった第二海堡は、安全上の理由などから、長く立ち入りが禁止されていたが、19年以来、㈱トライアングルが事務局を担う東京湾海堡ツーリズム機構が核となり活用が始まった。昨年実績で年間40回以上の各種民間業者による上陸ツアーが行われてきた。しかし、洋上からだけだと東京湾要塞の全貌が見えず、要塞全体を俯瞰したいという思いから今回の企画につながった。

 第二海堡には、砲台跡や砲台をつなぐレンガ造りの地下施設、昭和期に増設された中央砲塔観測台など多くの遺構がある。テレビ番組「ブラタモリ」にも取り上げられたことから近年、人気急上昇中である。

 今回の社会実験は、横須賀の三笠ターミナルから第二海堡までをクルーズした。第二海堡から3つの飛行コースでヘリコプターによる上空遊覧を楽しむというツアーである。現在、国土交通省の管轄下にあるが、その許可条件とともに、気象条件などによって年間催行回数が決められる。その状況によってコスト条件なども大きく変わるが、近代化遺産活用に向けた、今後の活用に期待が膨らむところである。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

「提言!これからの日本観光」 〝ホーム〟の音楽(?)

2023年3月4日(土) 配信

 近年駅のプラットフォームで流される発車(閉扉)前の警報音が以前の発車ベル、ブザーなどから急速に“メロディー”(発車テーマ音楽ともいうべきか)に変わりつつある。

 先日、出先で友人危篤の報に接し、某鉄道で急きょ病院に急ぐ途中、長い待ち時間の末に、ようやく来た電車に乗車した。さらに長い停車時間の後、ようやくドア閉扉を知らせる“メロディー”が流れ、その音楽の悠長な調べに苛立った思いをした経験がある。

 何でも安全上、乗客に慌てず、焦らず乗車してもらうため、落ち着いた“メロディー”を流しているとのことであったが、“音楽”を聞いて苛立った思いをしたのは初めてのほろ苦い経験であった。

 そういえば、東北新幹線開業の際、筆者は国鉄の営業担当者だったが、試乗会の折、ある評論家から「開業後に、車内放送で駅停車の案内をする際、民謡の宝庫である東北に相応しい、各駅の所在地の民謡をテーマ音楽として流してはどうだろうか」との提案を受けた。

 早速、関係地域の代表的な民謡を地元から推薦してもらい、これを停車案内前のテーマ音楽として車内で放送した。その結果、地元の方々には歓迎していただき、「ふるさと」が近づく実感が湧いてきて、「感慨無量」だったなどの好評を得た。

 しかし、そのほかの乗客の声や一部の投書では、「列車内の落ち着いた雰囲気が壊れる」とか、「現代の鉄道(新幹線)に昔の民謡は、相応しくない」などの意見も寄せられたため、間もなく、民謡を車内放送のテーマとすることは止めて、チャイムのみとした記憶がある。

 考えてみると音楽(少なくともメロディー)は作曲者ないし、撰曲者の音楽に寄せるこころないしは、興趣を反映して選ばれるものであるだけに、聞く人にとっては、曲が好き嫌いの対象となることは否定することができない。

 しかし、駅のホームで流される音楽は本来ドア閉扉を乗客に告げ、速やかな乗車を促すものであり、安全に関わる警報音でもある。

 従って、乗客には「閉扉近し」という情報を伝えることに徹した、いわば好き嫌いの対象外となる「音」(音楽ではなく)に徹する必要がある。

 駅ホームの「音」は聞く人に辛かった過去を思い出させたり、旅行の楽しい思い出を蘇らせるなどの効果のある“音楽”とは異次元の「音」に徹することが、必要なのではなかろうか。

 安全第一の見地から私見としてホームで流される音は音質と音量、鳴動時間、などを駅の実情に応じて、調整のうえ、ベルやブザーなどの単純な音に、徹するべきであると思う。

 ホームでの待ち時間に名曲の一部のような音楽を流すことよりも、待ち時間が少なくなるダイヤ面での工夫こそ、真のサービスではないだろうか。

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

ロイヤルウイング、今年5月で営業休止に 新造船の計画も

2023年3月3日(金) 配信

ロイヤルウイング

 ロイヤルウイングはこのほど、5月をもって営業を休止すると発表した。コロナ禍における諸般の事情が理由で、再開時期は未定。なお同社は、新造船の計画があることも報告した。

 レストラン船「ロイヤルウイング」は、1960~70年代にかけて、関西汽船が大阪・神戸と大分県の別府を結ぶ別府航路で就航していた「くれない丸」をリニューアルし使用している。「くれない丸」は客船で、1959年に建造された客船で「瀬戸内海の女王」と呼ばれていた。艦齢が60年を超える船が現役で運航していること自体が貴重なことで、国内で就航している船としても最も艦齢を重ねているが、外観やエンジン、操舵室は当時のままで、操船時には今では珍しくなった舵輪を現役で使用している。