変なホテル鹿児島 天文館オープン、会社全体で42施設に

2022年12月21日(水) 配信

スタッフを介さず、利用客のタイミングで荷物を預けられる「バゲッジポート」を用意した

 H.I.S.ホテルホールディングス(澤田秀雄社長、東京都港区)は12月15日(木)、鹿児島県初となる「変なホテル鹿児島 天文館」(鹿児島市)をオープンした。これにより、「変なホテル」は日本国内・海外あわせて20施設、同社全体では世界5カ国8ブランド全42施設となる。

 ホテル最上階には、同ブランド初となる大浴場と男性用サウナを設けた。大浴場と客室のお湯は世界中のアスリートから支持を受け、肌や体のリラックスを体感できるという「ファイテンウォーター」を採用。また、美容ブランド「ReFa」の肌に負担をかけない細やかな水を出すウルトラファインバブルシャワーを用意した。

 フロントでは映像を投影する最新技術「光のホログラム」を用い、恐竜と忍者、執事、侍のキャラクターがチェックインを手続きを行う。ロビーには約1800冊のマンガを有する「マンガコーナー」を設けた。また、スタッフを介することなく、利用客のタイミングで荷物を預けることができる「バゲッジポート」も用意した。

 環境保護ため、館内着やアメニティ類は客室に用意せず、必要な分だけ利用してもらう「アメニティバー」を備えた。ホテルは12階建て、全90室。料金はスタンダードダブルが6000円から、デラックスダブルが6750円から、ツインが7500円からで、コネクティングが1万6500円からとなる。

JAL、クレスコと共同開発 エンジン検査を医療AIで

2022年12月21日(水)配信

AI活用の内部検査で予備整備につなげる

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)とクレスコ(冨永宏社長、東京都港区)は12月20日(火)、医療AI(人工知能)を活用した「航空機エンジン内部検査ツール」を開発すると発表した。両社の蓄積された検査情報と運航中に収集しているエンジンデータを融合させることで、不具合の発生を予測し事前に整備処置を行う予測整備につなげる。

 同検査ツールは、JALの持つエンジン整備の豊富なノウハウと、クレスコが医療分野で培った画像認識技術や、コンピューターがデータから学習する機械学習の知見を掛け合わせたもの。タービンブレードの詳細な検査記録をデータベース化し、より精密な内視鏡検査を可能にする。

 検査ツールの活用により、ベテラン整備士の持つ豊富な知見や高度な内視鏡操作技術を、若手整備士へ継承することにも取り組むとした。

旧正月の人気訪問国1位は日本 都道府県ランキングでは大阪が1位に(KKday)

2022年12月20日(火) 配信

調査は旧正月休みがある国・地域を対象に実施した

 アジアでオプショナルツアー予約サイトを運営するKKday Japan(大淵公晴支社長、東京都新宿区)が12月6日(火)に発表した同グループにおける2023年の旧正月(1月21~23日)の人気訪問国ランキングによると、1 位は日本となった。2 位以降はタイ、韓国と続いた。

 調査は台湾や香港、韓国、シンガポール、マレーシア、フィリピンなど旧正月の休みがある国・地域を対象にした。

 また、旧正月に日本へ訪れる旅行客に人気の都道府県ランキングでは、大阪府が1位だった。次いで、東京都、京都府、山梨県、沖縄県となった。

 同社は「旧正月は台湾や韓国、東南アジアなどのアジア各国で盛大に祝われ、多くの人が帰省や国内外への旅行を楽しむ。23 年は自国よりも海外の現地体験の予約数が多くなっている」という。

ガスツーの旅行先として日本をPR 第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム(JNTO)

2022年12月20日(火) 配信

第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム開会式のようす(JNTOから)

 日本政府観光局(JNTO)は12月12(月)~15日(木)の4日間、奈良県で開かれた第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラムで、国内外からの参加者に向けて日本で体験できる食や食文化などの魅力を発信した。

 同フォーラムには、食と観光に携わる各国政府関係者や民間事業者などが会場に約30カ国450人以上(国内約300人、国外約150人)が集まった。オンラインでは約125カ国から1000人以上が参加した。

 食を通じて地域の経済循環を加速させ、持続可能性を高めるガストロノミーツーリズムについて、活発な議論が交わされた。

 JNTOでは、サイドイベント「Gastronomy Tourism×Sustainable Tourism×Culture」へ中山理映子理事が登壇。パネルディスカッションで生産者・料理人・教育者・支援事業者の観点からガストロノミーツーリズムに関する取り組みの発表や意見交換を行った。

 また、広報ブースでの来場者向け日本観光情報の発信のほか、韓国・香港・フランス・スペインの海外メディアの日本支局を招請し、メディアツアーを実施。奈良に受け継がれる食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた日本の酒や醤油、精進料理、茶の湯文化などの体験取材の機会を設けた。

日本初開催 奈良でガストロノミーツーリズム世界フォーラム

2022年12月20日(火) 配信

(左から)ホセ・マリ=アイセガBCC学長、荒井奈良県知事、ズラブ・ポロリカシュヴィリUNWTO事務局長、石井副大臣

 奈良県コンベンションセンター(奈良県奈良市)で12月12(月)~15日(木)、日本初のガストロノミーツーリズム世界フォーラムが開かれた。

 国連世界観光機関(UNWTO)とバスクカリナリーセンター(BCC)による7回目の世界フオーラム。約30カ国から食と観光に携わる政府関係者ら約450人が参加。「女性と若者の活躍促進」や「観光地、生産者の価値向上」に焦点を当て、ガストロノミーツーリズムの成功事例や課題などを共有した。

 ガストロノミーツーリズムとは、その土地ならではの食を歩きながら楽しみ、歴史や文化を知る旅のこと。

 開会式でUNWTO事務局長のズラブ・ポロリカシュヴィリ氏は岸田文雄首相が10月3日に行った所信表明演説で「インバウンド観光を復活により、訪日外国人旅行消費額の年間5兆円超の達成を目指す」と語ったことに触れ、「ガストロノミーツーリズムはそのための非常に素晴らしい方法。目標が達成されるよう、我われも支援する」と表明。「ガストロノミーツーリズムは社会を発展させ、雇用を創出し、地域の結束を強め持続可能な開発を可能にする。新しい観光地に人々を呼び込む力がある」と力を込めた。

 一方国土交通省の石井浩郎副大臣は、観光庁の調査で海外から日本を訪れる人が期待することの第1位が日本食を食べることに触れ、「まさに日本の食文化は海外の方を引き付ける重要な観光資源であり、(この結果は)ガストロノミーツーリズムへの期待の高さを表している。国土交通省としても本フォーラムを契機に、地域活性化の柱の一つとしてガストロノミーツーリズムを推進する」とあいさつ。荒井正吾奈良県知事は「皆様と今日、明日とここでお話しすることは、持続可能な開発のためにも、地域的な社会の貢献のためにも必要なことであり、奈良でのデスカッションが実りあるものになることを祈願している」と語った。

日本各地約30の自治体や団体らがブースを設け、地域の食や文化、観光の魅力を発信

 3日間にわたり行われたフォーラムでは、事例の共有やフィールドワークなどを展開したほか、旭川大雪圏地域連携中枢都市圏や岩手県、下呂市観光協会など日本各地約30の自治体や団体らがブースを設け、地域の食や文化、観光の魅力を発信した。

22年度かわまち大賞 盛岡地区・石巻地区が受賞(国交省)

2022年12月20日(火) 配信

上・盛岡地区かわまちづくり、下・石巻地区かわまちづくり

 国土交通省はこのほど、2022年度「かわまち大賞」を決定した。11件の応募の中から受賞したのは、盛岡地区かわまちづくり(岩手県盛岡市)と、石巻地区かわまちづくり(宮城県石巻市)の2件。

 盛岡地区かわまちづくり(取組名・住民参加の「かわ」の活用 ~観光客数も着実に増加~)では、北上川沿いの木伏緑地においては東北地方初となる民間資金を活用した公園整備と併せ、河川空間を一体的に再整備することで、「かわ」と「まち」の一体的なにぎわいを創出し、まちなかへの波及効果を出したことなどが評価につながった。

 石巻地区かわまちづくり(取組名・かわと共に発展する石巻市のまちづくり)は、東日本大震災直前に策定したかわまちづくり構想を継承し、震災後の復興まちづくりとして無堤部区間への堤防整備と併せて取り組みを実施した。河川堤防上の利活用に配慮した整備のほか、さまざまな関係主体がかわまちづくりのプロセスに参画しているなど、かわとまちをつなげたにぎわい・憩いの水辺づくりなどを評価された。

 かわまち大賞は、河川空間を活用し、地域のにぎわいを創出したほかの模範となる先進的な取り組みを国交省が表彰するもの。

 同省では、地域の資源や地域の総意に富んだ知恵を生かし、市町村、民間事業者と地域住民、河川管理者が連携し、河川空間と町空間が誘導した良好な空間形成を目指している。

 これに伴い、ソフト施策とハード施策の両方の面からかわまちづくり支援制度を用意し、22年8月時点で252地区を支援している。

トラベルライティングアワード2022 最優秀は近藤純夫氏の「ハワイ 虹色の島へ」(立教大学舛谷鋭研究室)

2022年12月20日(火) 配信

近藤純夫さん(左から7番目)と受賞した学生、奨励賞選考委員など

 立教大学観光学部舛谷鋭研究室は12月20日(月)、新座キャンパス(埼玉県)で、機内誌または車内誌に掲載された旅の体験を文章で表現したもののなかで、優れた作品を表彰するトラベルライティングアワード2022の授賞式を開いた。最優秀賞には、日本航空の機内誌「SKYWARD」3月号に掲載された近藤純夫氏の「ハワイ 虹色の島へ~アーヌエヌエを待ちながら~」が選ばれた。

 同賞は2007年に、日本での知名度が低い「トラベルライティング」の認知度向上を目的に設立。舛谷研究室の学生が昨年に掲載された作品から、テーマが魅力的か、新鮮な驚きや発見があるか、行ってみたいか、写真などのビジュアル面で惹きつけられるか――などを基準に投票し、選出している。今年の対象は89誌115作品。

 近藤氏は「大変うれしく思う。これからも初心を忘れないで、頑張っていきたい」と述べた。

 同日には、学生奨励賞の授賞式も開催した。17年にスタートした同賞は、立教大学観光学部の講義「トラベルライティング」で提出された学生の作品を表彰している。旅の文章として優れた内容だけでなく、場所・土地の理解の容易さ、タイトルとリードが本文と内容と合致していること、筆者ならではのメッセージの強さで受賞者を決める。

 今回の対象は400強の作品。同講義の担当講師・抜井ゆかり氏が1次審査で23篇に絞ったあと、舛谷ゼミの同賞担当学生が9篇を選出。ダイヤモンド・ビッグ社元社長の藤岡比左志氏や作家の田中真知氏らで構成する奨励賞選考委員会が、このなかから最優秀作品1篇と優秀作品3篇を選んだ。

 最優秀賞は深堀絢さん(観光学部観光学科)の「星を追いかける時間」が選ばれた。星を追って車を走らせた一夜で再確認した、想像を膨らませたうえで、挑戦し続けることの大切さなどについて綴った。

 講評で藤岡氏は「今年は最後まで読ませてくれる作品が多く、極めてレベルが高かった」と評価。「旅は回数を重ねるほど、風景を見るだけから人との交流をはかるなど深みを持つ経験を積める。見聞を広め、より良い作品を書いてほしい」と語った。

 一方導入部分について、長い文章が多かったため、「半分以上になった場合は3分の1を削るべき」とアドバイスした。

 抜井氏はコロナ禍で学生の旅の経験が少なくなったなか、「(最優秀賞は)表現力を発揮できており、映像として思い浮かべることができた」と評した。

 優勝賞は、大和真子さん(同交流学科)の「你好!インディファレンス」と、小林真歩子さん(同)の「第2のふるさと、私の源」、寛隆希さん(社会学部社会学科)の「今を生きる」が受賞した。

 舛谷教授は同賞の開始から15年が経過したことを振り返り、「トラベルライティングは当初より定着してきた」と語った。学生奨励賞については「300点程度だった作品数は今年、400強ほど。多い年では約500点になった」と話した。

東武トップツアーズ、支店と連携強化へ 「全国支援室」など新設

2022年12月20日(火)配信

2023年1月1日付で組織改正

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は2023年1月1日(日)付で組織改正を実施する。ポストコロナを見据え、全国支店との連携強化に向けた組織の再編成などを行い、事業構造改革を深化・効率化させて、顧客価値の最大化をはかる方針だ。

 ソーシャルイノベーション推進部内に、全国の自治体をはじめ、大会・MICE、宗教、万博など特定分野の営業推進を担う「全国支援室」を設け、全国支店との連携を強化。あわせて、「関連商品室」を設置し、新たな関連商品の開発や、全国支店への物品提供に関する機能を持たせることで、物販の基幹部署として体制の強化をはかる。

 東京支社内には、全国展開が必要な企業・法人営業の推進、連携、支援をはかる「コーポレート・マーケティング担当」を設置し、組織的な連携の強化をはかるとした。

 ニューノーマルにおける非対面での販売スタイルの浸透と店舗機能の見直しに伴い、「池袋アップルロード支店」は「池袋駅支店」へ、「草加駅支店」が「新越谷駅支店」への統合も行う。

 このほか、現在池袋と浅草の2事業所体制となっているTIC(ツーリストインフォメーションセンター)事業を1つに統合。「TIC東武」として、案内業務などの受託事業を柔軟に対応できる組織体制とする。

【PR】インタビュー「選ばれる地域であり続けるために」 八ヶ岳観光圏が取り組むサステナブル・ツーリズム

2022年12月20日(火)配信

観光地に求められるもの

 UNWTO(国連世界観光機構)が、「責任ある旅行者になるために推奨される具体的な行動例」のヒントにしているのは、「その土地の環境や文化等に配慮した旅行商品の利用」や「自然環境への負荷軽減を意識した行動」「地元産品の消費や購入」「旅行先でのポジティブな経験」など、ただ旅をするのではなく、環境や文化健康を意識した旅行プログラムの利用です。私たち、八ヶ岳観光圏(山梨県北杜市、長野県富士見町、原村)では、この世界ツーリズムの動向に対応するために「地域資源を活用したサステナブルな未来創造事業」に取り組んでいます。地域と来訪者の協働による取り組みで関係人口を増やす狙いも含まれています。

 これからの観光は、日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)の取り組みの「多様性」と「郷土愛」による関係人口の創出が重要になると言われています。持続可能というと「環境」を思い浮かべることが多いですが、「経済・社会」も持続可能である必要があります。

 現在、取り組んでいる事業も八ヶ岳の住民と訪問者が交流をしていくことを通じて、2拠点生活や移住も見据えたプログラムを開発しています。それはただ観光客に来てもらうということだけを考えているわけではありません。

 登山道を地域の人と協働して整備をする。八ヶ岳の自然を教材として親子で環境保全について学ぶ。耕作放棄地を解消するプログラムを提供する。このような取り組みを活用して、持続可能な地域の実現を事業者や来訪者それに地域が住民一緒になって目指します。

 また、(一社)八ヶ岳ツーリズムマネジメントだけでなく、住民や八ヶ岳事業者との協働があるからこの取り組みができています。私たちが採択を目指す「国補助事業」は、基本的には八ヶ岳観光圏内の事業者が既に取り組んでいることを後押しするような事業の申請を心掛けています。なぜなら、補助金欲しさに計画を書いて採択をされてから事業者を募るようなやり方では、補助金事業が終るとコンテンツの提供が止まってしまいます。持続可能ではありません。またサステナブルに私達だけが取り組んでいても、そうでない事業者がいると来訪者からするとチグハグに感じてしまいます。八ヶ岳の環境を守っていくことが事業者の収益になることに気づいてもらいながら、地域全体で仕組みをつくっていきたい。

 ただ、私たちはサステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)への取り組みをしていますが、まだ道半ばです。私自身も勉強している途中です。もしかすると今言っていることややっていることがこれから先変わっていくかもしれない。でも完成して、これでおしまいという取り組みではなく、継続・持続していくことがサステナブルと考えています。

話者:(一社)八ヶ岳ツーリズムマネジメント 代表理事 小林 昭治 (こばやし しょうじ)氏

HIS、企業ロゴ一新 経営軸にパーパス据える決意込め

2022年12月19日(月) 配信

3種の企業ロゴを用意した

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は12月19日(月)、HISグループの社会における存在意義を示すために制定したパーパス「『心躍る』を解き放つ」を経営の軸に据える決意を込めて、企業ロゴを一新した。

 パーパスは12月15日(木)の決算会見で発表した。旅を通じて未知との出会いを解き放ち、常識を問い直してきた創業時からの軌跡と常に「挑戦者」であるという同社のアイデンティティを基に策定した。「これからも、あらゆる出会いとつながりを創出し、豊かでかけがえのない時間の創造と相互理解を促進することで、世界を近づけ、新たな価値を提供していく」思いを込めた。

 また、これまでの理念体系も見直し、HIS Group Philosophyにまとめた。「創業の精神」を基盤に社会に対する行動規範としての「行動憲章」を守りながら、パーパスを実現するために、バリューを実行していくことを定めた。

HIS Group Philosophyのイメージ

 バリューは、「挑戦は夢中で追いかけられる冒険か」や「どんな状況においても常にプラス思考で行動できているかなどを従業員に問う。

 ロゴにはパーパス「『心躍る』を解き放つ」を併記。また、旧ロゴの背景にあった図形を外したデザインに変えた。外形に囲われていた状態を「解き放つ」ことで、パーパスを表現している。

HISの旧ロゴ

 矢田社長は「創業40年を迎えた2020年にコロナ禍に見舞われ、これを機として将来構想の策定に着手した」とコメント。最終的なゴールとして、「パーパスを意識した行動を自発的に実践するスタッフを輩出する」こととした。