池波正太郎生誕100年、映画「仕掛人・藤枝梅安」公式ツアー発売(クラブツーリズム)

2022年12月12日(月)配信

©「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社

 クラブツーリズム(酒井博社長)は12月9日(金)、日本映画放送(石原隆社長)とスカパーJSAT(米倉英一社長)の協力のもと、池波正太郎生誕100年記念企画・「映画『仕掛人・藤枝梅安』」の公式ツアーを売り出した。

 同ツアーは、2023年1月に迎える「池波正太郎生誕100年」に際して、池波正太郎ゆかりの地や作品に登場する場所を訪れ、池波正太郎が作品に込めた思いを追体験できる企画。東京都台東区、墨田区とも連携し、歴史や周辺地域の魅力を発掘する内容を盛り込んだ。参加者には、池波正太郎ガイドマップやまちあるきマップ、生誕100年記念ノベルティグッズ、映画公開オリジナルノベルティグッズを進呈する。

 商品の一例として、第1弾は作品に登場する浅草・石川島・池上・目黒など、池波正太郎ゆかりの地を巡る上野発・日帰りバスツアーを売り出した。池波正太郎のアシスタントを務めた鶴松房治氏(池波正太郎記念文庫指導員)による池波正太郎講座をはじめ、通常展示していない原稿・原画を特別公開、代表作「鬼平犯科帳」で作中に描かれる「しゃも鍋」を再現した昼食を提供する。

 出発日は2月8日(水)、19日(日)、26日(日)、3月3日(金)、12日(日)の合計5回。旅行代金は2万円。

 第2弾では、小説の舞台をめぐる「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」長谷川平蔵ゆかりの本所界隈を歩く、錦糸町発の日帰りまちあるきツアーを売り出した。主人公の長谷川平蔵が過ごした本所界隈を散策し、小説で描かれた江戸を感じる歴史あるきや、墨田区観光協会所属のガイドによる作中に登場するエリアの解説などが盛り込まれている。

 出発日は3月18日(土)、24日(金)、30日(木)、4月1日(土)、11日(火)の合計5回。旅行代金は1万6500円。

茨城県旅行業協会が創立70周年記念式典開く 木村会長「安全・安心に努め、地域経済に寄与し復活へ」

2022年12月12日(月) 配信

創立70周年記念式典後に記念撮影

 茨城県旅行業協会(木村進会長)は創立70周年記念式典と、賛助会(樋口恵一会長)との合同総会を11月29日(火)、ホテル清風苑(新潟県・月岡温泉)で盛大に開催した。会員と賛助会員、来賓など90人が出席した。

 当日は記念式典前に、賛助会合同総会を開いた。木村茨城県旅行業協会会長(木村トラベル社長)と、樋口賛助会会長(ホテル清風苑会長)は、コロナ禍により2年連続で合同総会を中止したことに触れ、苦渋の決断だったことの理解を求めるあいさつを行った。その後、今年度亡くなられた物故者への黙とう、新規入会者を紹介し議事に入った。

 議事では、根本和幸委員長から「3年目を迎え、事業継続できているのは皆様の努力あってのこと。これからも感染防止対策を講じ、賛助会員とより結束力を高め、さらに歩みを進めていきたい」と報告。樋口会長から賛助会理事候補が提案、承認された。

木村進会長があいさつ

 創立70周年記念式典では、木村会長が1952年からの70年を振り返り、これまで支えてくれたお客様、歴代の役員、賛助会員に感謝を述べ、「これからも安全・安心に努め、観光産業が地域経済に寄与し、皆様と一緒に復活することを誓いたい」とあいさつした。

 樋口会長は「武田將次郎前会長(千葉県・鴨川館)の後任として21年から会長職を務め、コロナ禍で何もできていなかった。これからは次の80年に向けて、協会員ともに連携し、快適な旅行環境づくりをしていきたい」と力強く語った。

 来賓として、二階俊博全国旅行業協会会長・衆議院議員(代理・駒井輝男副会長)をはじめ、大井川和彦茨城県知事(代読・奥川竜県営業戦略部観光物産課副参事)、二階堂馨新発田市市長(代理・清田稲盛樹産業戦略監)、樋口恵一賛助会会長、國谷一男栃木県旅行業協会長、中間幹夫㈱全旅社長が出席し、それぞれの立場で祝辞を述べた。

 記念講演では、旅行新聞新社・石井貞德社長による「専門紙から見る日本観光の未来」が行われた。

 武田前賛助会会長の乾杯で懇親会が始まり、樋口智子女将による歓迎のあいさつや、お楽しみ抽選会で盛会裏に終わった。

長野県酒造組合諏訪支部 冊子「諏訪の酒と、」配布 酒と料理 ペアリング提案へ

2022年12月12日(月)配信

ソムリエ監修のテイスティングブックを制作

 長野県酒造組合諏訪支部(林新一郎理事長)は、日本酒を中心としたお酒と料理のペアリングを提案するテイスティングブック「諏訪の酒と、」を制作し、11月11日から配布を始めた。ソムリエ監修のもと、長野県諏訪地域にある9つの酒蔵のお酒に合う料理を1冊の冊子にまとめた。また、冊子の配布を記念して、紹介されている日本酒と料理を実際に提供するイベントも開催した。

【古沢 克昌】

 長野県の諏訪地域は、江戸時代から商人酒屋として栄え、現在も9つの酒蔵が日本酒などを造っている。例年、市内の酒蔵を歩いて巡る「呑み歩き」イベントの開催や、諏訪湖や諏訪大社と並ぶ観光資源として酒類の販売や試飲の提供を行ってきた。

 昨今、新型コロナウイルス感染拡大や若い世代を中心としたアルコール離れにより、日本酒の売上は減少傾向が続いている。日本の伝統文化である日本酒が廃れていってしまうことに酒蔵は危機感を感じており、さまざまな施策を実施している。そのなかで諏訪の9蔵が協力し合い、日本酒の魅力を伝えられる企画を考案した。

 日本酒は雑味を消すことが主流のアルコール飲料としての印象が強いが、近年はワインのように料理との相性を楽しむ「マリアージュ」が注目されている。各蔵おすすめの日本酒と、相性の良い料理を提案することで、日本酒の奥深さや幅の広さを知ってもらい、魅力を伝えられると期待している。

 今回制作した冊子は、諏訪湖や風景の写真から始まり、各蔵の説明と日本酒を中心としたおすすめのお酒と相性の良い料理を紹介。各蔵の紹介ページでは、伝統ある酒蔵の文化を伝えられるように、普段は見ることができない酒蔵のようすや杜氏のこだわり、酒に対する思いなどを掲載している。

 お酒に関しては、各蔵がおすすめの日本酒やリキュールなど4品を選定。3人のソムリエがそれぞれのお酒に合う料理を提案し、コメントと写真を併せて掲載している。ソムリエによるお酒のテイスティングコメントが添えられており、それぞれのお酒の個性や特徴を深く理解することができる。

 また、ソムリエから提案された料理は、和食だけでなく洋食やエスニックなメニューまで幅広いジャンルの料理が紹介されている。すべての文章に対して英語表記をつけることで、日本だけでなく海外の人にも日本酒の魅力を知ってもらうことを期待している。

 冊子は全64ページで、発行は1千部。諏訪の9蔵や各イベント会場で無料配布する。

銀座NAGANOでメディア向けプレス発表会を開催

 さらに一般消費者向けにお酒と料理のペアリングを紹介するなら実際に味わってもらいたいと考え、日本酒と料理を提供するイベントを11月23日に開催した。長野県の老舗ホテル「長野ホテル犀北館」で、ソムリエセレクトの日本酒と食事のペアリングをコース仕立てで提供。ソムリエ・石田陽介氏の解説とともに1品1品ゆっくりと楽しむ優雅なイベントで、同席する酒蔵のスタッフと直接交流することも実現した。

 なお、イベント開催時にはユーチューブでの動画生配信も実施した。

 諏訪9蔵の酒銘柄は①麗人酒造(酒銘柄=麗人)②酒ぬのや本金酒造(太一)③伊東酒造(横笛)④宮坂醸造(真澄)⑤髙天酒造(髙天)⑥豊島屋(神渡)⑦磐栄運送 諏訪御湖鶴酒造場(御湖鶴)⑧戸田酒造(ダイヤ菊)⑨舞姫(信州舞姫)。

 問い合わせ=長野県酒造組合諏訪支部 電話:0266(23)1123。

【ご案内】プロが選ぶ100選、30選ロゴマークについて

2022年12月11日(日)配信

プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選ロゴ

 旅行新聞新社は2022年12月11日(日)、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」ならびに「プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」、「プロが選ぶ優良観光バス30選」「プロが選ぶ水上観光船30選」の新しいランキングを発表いたしました。これに伴い、年表記を新しくした事業ロゴマークの配布を始めます。引き続き、ご活用いただければと思います。

 ロゴ使用(無料)に際しては、初回利用時に下記のリンクから申請書を入手いただき申請をお願いします。旧ロゴマークの使用を申請いただいた各社・各館様も、お手数ですが再度申請手続きをお願いします。

 申請書はこちらからダウンロードください。 (クリックするとPDFファイルが開きます)

 

【発表】第48回(2023年)プロが選ぶ100選

2022年12月11日配信

プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選ロゴ

 旅行新聞新社(石井貞德社長、本社・東京都千代田区)は「旬刊旅行新聞」12月11・21日合併号と自社ホームページで、第48回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」の総合、もてなし部門、料理部門、施設部門、企画部門の入選施設を発表しました。総合100選の1位は加賀屋(石川県和倉温泉)。2年ぶりにトップの座に返り咲きました。

 ホテル・旅館100選は全国の旅行会社による投票を集計し100選施設を選出するもので、観光業界で最も歴史のあるランキングイベントです。1976年の第1回以来、今回で48回を迎えました。全国の旅行会社(旅行業登録1種、2種、3種)の本社や支店、営業所など1万4376カ所に、投票案内を掲載した「旬刊旅行新聞」と投票用紙(専用はがき)を郵送し、9月21日(水)-10月31日(月)に投票を募りました。また、今回からWEBでも投票を受け付けました。返信いただいた投票ハガキを集計し、「もてなし」「料理」「施設」「企画」の部門ごとの100選および、4部門の合計点からなる「総合100選」が決まりました。また旅行雑誌編集者らでつくる選考審査委員会で「日本の小宿」10軒も選出しました。

 同時に第43回「プロが選ぶ観光・食事施設、土産物施設100選」、第32回「プロが選ぶ優良観光バス30選」、第6回「プロが選ぶ水上観光船30選」も発表しました。観光食事施設100選では浅間酒造観光センター(群馬県長野原)、土産物施設100選では御菓子御殿(沖縄県読谷)、優良観光バス30選でははとバス(東京都大田区)、水上観光船30選では最上峡芭蕉ライン(山形県戸沢村)がそれぞれ1位となりました。

第48回プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選(総合トップ10入選施設)

順位   館名           県・地区名

1位    加賀屋          石川県 和倉温泉
2位    八幡屋          福島県 母畑温泉
3位    水明館          岐阜県 下呂温泉
4位    稲取銀水荘        静岡県 稲取温泉
5位    白玉の湯泉慶・華鳳    新潟県 月岡温泉
6位    指宿白水館        鹿児島県 指宿温泉
7位    ゆのくに天祥       石川県 山代温泉
8位    草津白根観光ホテル櫻井  群馬県 草津温泉
9位    結びの宿 愛隣館     岩手県 新鉛温泉
10位    いぶすき秀水園      鹿児島県 指宿温泉

 総合(11位~100位)、部門(もてなし、料理、施設、企画)、観光・食事施設、土産物施設、優良観光バス、水上観光船、日本の小宿の各入選施設につきましては当社ホームページ(下のリンク)で公開しています。

表彰式

2023年1月13日(金)には東京・京王プラザホテルで表彰式を開催します。

日時: 2023(令和4)年1月13日(金)午前11:00~
会場: 京王プラザホテル5階 コンコードボールルーム
     東京都新宿区西新宿2-2-1 TEL03-3344-0111
※表彰式のみ執り行います。

第48回 プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選発表

2022年12月11日(日) 配信

 旅行新聞新社が主催する第48回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」、第43回「プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」、第32回「プロが選ぶ優良観光バス30選」、第6回「プロが選ぶ水上観光船30選」と選考審査委員特別賞「日本の小宿」10施設が決定した。「ホテル・旅館」の総合は加賀屋(石川県・和倉温泉)が2年ぶりに1位に返り咲いた。また、「優良観光バス」ではとバス(東京都大田区)が、「水上観光船」は最上峡芭蕉ライン観光(山形県・戸沢村)がそれぞれ2年連続で1位に輝いた。各賞入選施設は2、3面に掲載。表彰式は来年1月13日、東京・新宿の京王プラザホテルで開かれる。(2、3面に関連記事)

加賀屋が再びトップに、はとバス2年連続の1位に

 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は全国の旅行会社(本社主要部門、営業本部、支店、営業所含む)1万4376カ所に投票用紙(専用ハガキ)を配布。併せて、今回はWeb投票も受け付けた。9月21日~10月31日までの投票期間に「もてなし」「料理」「施設」「企画」の各部門で優れていると思われる旅館・ホテル、観光・食事施設、土産物施設、観光バス、水上観光船を推薦してもらった。

 11月15日に後援団体の全国旅行業協会(ANTA)や日本旅行業協会(JATA)、旅行雑誌編集者らで構成される選考審査委員会を、東京都千代田区のLEVEL21東京會舘で開催した。そこで、48回を迎える総合100選と選考審査委員特別賞「日本の小宿」を決定した。……

 全部門のランキングは、こちらからご覧いただけます。

【全文は、本紙1890号または12月15日(木)以降、日経テレコン21でお読みいただけます。】

〈旬刊旅行新聞12月11・21日号コラム〉日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2022――下呂温泉観光協会の「E―DMO」が栄冠

2022年12月11日(日) 配信

 2022年が残り少なくなってきた。コロナ禍も丸3年を迎えようとしており、生活様式も無意識のうちに、それなりに対応できるようになった。

 

 しかし、3年経ってもマスク着用を煩わしく感じることが多い。例えば、旅館に宿泊して温泉で温まったあと、まだ汗が引かないなか、再びマスクを着用して客室に戻るときなどだ。

 

 このようななか、星野リゾートが運営する「BEB5沖縄瀬良垣」(沖縄県・恩納村)は12月1日から、マスクフリーでの滞在を可能とした。屋内外が区切りなくつながっている環境にあるため、「十分に喚起できる」との判断からだが、日本の宿泊業界を牽引していく意志と覚悟を感じる。称賛したい。

 

 

 本紙4~5面で「2022年の観光業界 本紙見出しと写真で振り返る」特集を掲載しているが、全般的にダイナミックな動きが少なかった年との印象が強い。おそらく来年にはコロナ禍が明け、「虎視眈々とチャンスを狙って準備をしていた雌伏の1年」だったのだと思う。

 

 

 また、今号で「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2022」を発表した。「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー」は旅行新聞新社が日々の取材活動などを通じて見聞きした観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰する制度だ。昨年に創設して今年が2回目となる。

 

 グランプリに輝いたのは、「下呂温泉観光協会」(岐阜県)のエコツーリズムの理念を、DMO(観光地づくり法人)にプラスした「E―DMO」による持続可能な地域づくりを選出した。地域や住民の一体性ができ、地域の魅力を“見える化”し、持続可能な発展が期待できる取り組みだ。

 

 優秀賞は、「熱川プリンスホテル」(静岡県)と、「常磐ホテル」(山梨県)の2点。

 

 「熱川プリンスホテル」は、館内にカルチャー教室「ミヂカル」専用のルームを設け、エクササイズ・料理・クラフト・ヒーリング――の4カテゴリーの講座を開き、地元住民や、ホテル滞在者も受講できる仕組みを運営している。

 

 「常磐ホテル」(山梨県)は、「やまなしグリーン・ゾーンプレミアム」初回認証交付に選ばれ、感染症予防対策機器の導入や厳格な従業員教育にも努める。いち早く電気自動車対応システムを導入するなど先進的な取り組みが際立つ。さらに、信玄の湯 湯村温泉街の復活再生に向けた取り組みなどにも着手している。

 

 今年は「特別賞」も設けた。コロナ禍で団体客が激減するなか、「全国運輸観光協会」の旅行会社とバス会社が新たな需要獲得につながる地道な取り組みが高く評価された。

 

 

 こうして見ると、約3年にわたるコロナ禍であっても、長期的な視点から持続可能な地域づくりや宿のあり方を決定し、実行している企業や地域が数多くあることに気づかされる。 

 

 ちなみに21年のグランプリは、「リーガロイヤルホテル東京」(東京都)が受賞した。コロナ禍で営業休止を余儀なくされた館内施設で、ドラマ撮影などのロケ誘致により、大きな収益を上げた事業を選出した。

 

 3回目となる23年も、きらりと光る観光業界の優れた取り組みを、取材活動のなかで見つけたいと心躍る。そして、年末に大きく発表したいと考えている。

 

(編集長・増田 剛)

「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2022」発表 グランプリは「下呂温泉観光協会」 優秀賞は「熱川プリンスホテル」と「常磐ホテル」

2022年12月11日(日) 配信

「E-DMO」を推進する下呂温泉(全景)

 旅行新聞新社(石井貞德社長)は12月11日(日)、取材活動などを通じて見聞きした今年の観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰する「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2022」を選出した。同賞は昨年創設し、今年が2回目の実施となる。グランプリは、「E―DMO」による持続可能な地域づくりに挑戦する「下呂温泉観光協会」(岐阜県)を選んだ。優秀賞には「熱川プリンスホテル」(静岡県)と、「常磐ホテル」(山梨県)を選出した。

 

 日本ツーリズム・オブ・ザイヤー2022のグランプリに輝いた「下呂温泉観光協会」(瀧康洋会長、岐阜県・下呂温泉)は、エコツーリズムの理念をDMOにプラスした「E―DMO」による持続可能な地域づくりに挑戦している。

 

 同協会は17年に観光振興体制の確立を目指し、DMO(観光地づくり法人)として法人登録。統計データに基づく観光プロモーションや商品企画に取り組むなか、国の「重点DMO」にも認定された。一方、16年には下呂市エコツーリズム推進協議会を設立し、経済活動と環境保全の両立にも注力する。

 

 DMO側はプロモーション、エコツーリズム側は資源の保全・活用を担う下呂独自のモデル「E―DMO」として発展を続けている。地域や住民の一体性ができ、地域の魅力を“見える化”にも寄与し、持続可能性の高い取り組みとして期待されることが評価された。

 

 優秀賞の「熱川プリンスホテル」(嶋田愼一朗社長、静岡県・熱川温泉)は、カルチャー教室「ミヂカル」事業を8月にスタートした。館内にミヂカル専用の部屋「マルチスペース茅舎」(BOUSHA)を設け、エクササイズや料理、クラフト、ヒーリングの4つのカテゴリーに分けたさまざまな講座が受講できる仕組み。

 

 専用のルームを設け、講座の種類も多岐にわたるなど、街中のカルチャー教室と遜色ない内容を提供。地元住民やホテル滞在者にも開放。地元住民と観光客の交流の場にもなっている。

熱川プリンスホテルのカルチャー教室「ミヂカル」

 同じく優秀賞の「常磐ホテル」(笹本健次社長、山梨県・信玄の湯 湯村温泉)は、「やまなしグリーン・ゾーンプレミアム」初回認証交付に選ばれた。既存の「やまなしグリーン・ゾーン」認証制度の上位に位置づけられるもので、最新の感染症予防対策機器の導入や従業員への教育徹底など、厳格な対策が求められる。

 

 また、コロナ禍にも関わらず積極的な投資を行い、全客室を一新。駐車場にはポルシェの大型充電施設をいち早く導入するなど、電気自動車対応のシステム導入にもいち早く取り組んだ。武田信玄公生誕500年を機に温泉名を「信玄の湯 湯村温泉」と改名し、ホテルだけでなく温泉街の再構築に向け、外湯や足湯広場、廃業旅館の復活再生事業にも着手している。

常磐ホテルの「やまなしグリーン・ゾーンプレミアム」

 さらに、今年は特別賞として「全国運輸環境協会」(竹島美香子会長、東京都新宿区)を選んだ。コロナ禍で旅行会社とバス会社の団体客が減るなか、新たな需要を獲得に取り組んだ。

 

23年1月13日(金)に「100選」会場で表彰

 

 日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2022のグランプリ、優秀賞、特別賞は、23年1月13日に京王プラザホテル(東京都新宿区)で開催する旅行新聞新社主催「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」などの表彰式会場で表彰する。

 受賞者の取り組みについては、順次、本紙で詳しく紹介していく。

〈観光最前線〉びわ湖テラスのクリスマス

2022年12月10日(土)配信

びわ湖テラス Grand-Terrace イルミネーションツリー(イメージ)

 滋賀県大津市のびわ湖バレイは12月17―25日まで、クリスマスイベント「The Biwako Terrace Christmas2022」を開く。標高1100㍍に位置し、琵琶湖の眺望を圧倒的なスケールで楽しめる「びわ湖テラス」がロマンティックなムードに包まれる。

 今年のテーマは「琵琶湖の夜景とイルミネーションのマリアージュ」。メインデッキには高さ約4㍍のイルミネーションツリーが登場する。ブルーにライトアップされた周囲の水面と琵琶湖の夜景のマリアージュが楽しめるという。

 ホールにも高さ5・5㍍のイルミネーションツリーを設置し、週末ごとにサンタクロースが登場する。

 グリルダイニング&バーでは、シャンパーニュカクテルなどクリスマス限定メニューを販売する。

【土橋 孝秀】

じゃらん人気温泉地ランキング2023発表、1位は「箱根温泉」 新設の「穴場温泉地」発表も

2022年12月9日(金)配信

箱根温泉(写真はイメージ)

 観光に関する調査・研究をする地域振興機関「じゃらんリサーチセンター」(沢登次彦センター長)は12月8日(木)、温泉地利用に関するアンケート結果を発表した。今回で17回目となる「じゃらん人気温泉地ランキング2023」は、前年2位だった神奈川県の「箱根温泉」が1位に返り咲いた。新たに設けた「おすすめしたい穴場温泉地ランキング」では、秋田県の「乳頭温泉郷」が1位を獲得した。

 もう一度行ってみたい温泉地を投票する「全国人気温泉地ランキング」は、続けて2位が僅差で草津温泉(群馬県)、3位は登別温泉(北海道)が選ばれた。同社によると、1位の「箱根温泉」は旅行者から旅先でアンケートを回収する仕組みを構築し、データ分析結果に基づいて観光戦略を策定。強化テーマの1つに「サステナブル」を設定し、自然教育につながる体験アクティビティなども提供したことで、20~40代を中心に高い支持を獲得していると説明した。

乳頭温泉郷(写真はイメージ)

 一方、「おすすめしたい穴場温泉地ランキング」は、近隣旅行の需要が引き続き高く、地元ならではの穴場ニーズも増えていることを受け、新設した。2位は山鹿・平山温泉(熊本県)、3位が下風呂・薬研温泉(青森県)が選ばれた。同社によると、1位の「乳頭温泉郷」は近隣旅行者にも楽しめる穴場的な楽しみ方を提供。秘境感満載のワーケーションスペースの設置、ブナの森の中でレンタサイクル、体験イベントウイークの開催やパワースポット湯巡りなど、おすすめしたい穴場温泉地として票の獲得につながったと考えている。

 同調査は8月22日(月)~31日(水)まで、「じゃらんnet」会員を対象にインターネットで実施した。調査対象の温泉地は、東京都・沖縄県除く全国328の温泉地。有効回答数は1万3375人。

 なお、2023年2月号の「じゃらん」(北海道版、関東・東北版、東海版、関西・中国・四国版、九州版)で、結果をもとに周辺のおすすめスポットなどと併せて紹介する編集記事の掲載を予定している。