2022年5月20日(金) 配信
観光庁の和田浩一長官は5月18日(水)に開いた会見で、観光目的の訪日客受入再開に向け、5月中に訪日観光実証事業を行うことを報告した。日本の旅行会社による行動管理を伴う少人数のパッケージツアー形式で、添乗員が同行する形態が対象。和田長官は、「昨年実施を見合わせたモニターツアーだが、訪日観光としては実に2年ぶりの実施。データを有意義に活用し、水際対策緩和後に備えたい」と期待を語った。
訪日観光実証事業では、観光庁と日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)が連携しモニターツアーを実施する。開始は5月23日(月)以降、終了は遅くとも6月初旬を予定。
出発地は、新型コロナ感染症の変異株に対する非指定で、訪日重点市場である米国、豪州、タイ、シンガポール。ツアーには出発地4か国の旅行業者などが参加する。実施規模は1回当たり4人以下、合計で10~15のツアーを実施する予定。総参加人数は50人程度としている。
観光庁では、「受入地域の理解や安心感の醸成がはかれるように、実証事業における検証や、旅行会社と宿泊会社などが留意すべき点をまとめたガイドラインの策定を行う」考え。
和田長官は、「本来21年中の予定で準備を進めていたが、オミクロン株の流行により見合わせていた。今回の実施は大きな一歩だと思っている。モニターツアーを有意義に活用し、本丸である訪日観光の準備を整えたい」との意向を示した。
また、日本政府観光局(JNTO)は4月28日(木)、世界22市場で訪日旅行意向に関する独自調査を行い、調査結果を発表した。JNTOが22市場横並びで大規模市場調査を行ったのは初となる。
調査によると、アジア市場と欧米豪市場ではリピーター率の傾向に大きな違いがあり、リピーター率の多いアジア市場で地方訪問に興味のある人は7割を超えていることが分かった。
また、旅行関心度において無認知、認知、興味関心、比較検討、予約購入──の5段階のステップに分類し、各国の状況がどのポジションに位置しているのかを把握した。
この調査結果を踏まえ、観光庁では「調査結果とモニターツアーの結果も踏まえたうえで、国別・年代別のきめ細やかなプロモーションを行い、訪日旅行の推進につなげていきたい」考え。
□6月以降の県民割 要望により延長検討
観光庁は、地域観光事業支援を活用した県民割事業では、4月1日(金)から支援の対象の範囲を地域ブロックまで拡大している。各地域からは期間延長の要望が届いていると報告した。
これにより、5月20日(金)に支援期間を5月31日(火)宿泊分から、6月30日(木)宿泊分(7月1日チェックアウト分)まで延長することを決めた。
5月18日(水)現在、38道県が地域ブロックで県民割を拡大実施している。