長野県内9カ所の神社仏閣を巡る「邂逅遭遇 御利益巡り」、8月31日まで実施

2022年5月10日(火) 配信

思いがけず巡り合った御利益を集め、長野県を旅してみませんか

  信州上田観光協会(長野県上田市)は8月31日(水)まで、「邂逅遭遇 御利益巡り」を展開している。県内9カ所の神社仏閣を巡り、専用色紙に御朱印をもらう企画。新型コロナウイルス感染症の影響で善光寺の御開帳が1年延期されたことにより、御開帳と諏訪大社の御柱祭が同時に開催されることになった今年。思いがけず一大行事が同時に開催されることから、同協会では今回の企画を始めた。

 対象となる神社仏閣は、善光寺、諏訪大社上社本宮・前宮、同下社春宮・秋宮、生島足島神社、北向観音、穗髙神社、元善光寺の9社寺。専用色紙は、諏訪大社を除く神社仏閣や安曇野市観光情報センター、上田市観光会館などで購入できる(詳しくは同協会ホームページ参照)。

 担当者は「2022年は善光寺の御開帳や諏訪大社の御柱祭など、長野県を代表する一大行事が同時開催されます。コロナ禍のなか、思いがけず巡り合った御利益を集め、長野県を旅してみませんか」とPRする。

KNT-CT、業績予想を上方修正 損失の改善で赤字縮小に

2022年5月10日(火)配信

営業損失と経常損失、当期純損失はいずれも上方修正(画像はイメージ)

 KNT-CTホールディングス(米田昭正社長)は5月9日(月)、2022年3月期(21年4月1日~22年3月31日)の通期連結業績予想を上方修正すると発表した。売上高は前回発表から変わらず1400億円の予想となるが、営業損失と経常損失、当期純損失はいずれも上方修正した。

 今回の修正内容は、営業損失は110億円から77億円に、経常損失は75億円が39億円を見込むほか、当期純損失も95億円が58億円となる見通し。

 新型コロナウイルスのオミクロン株亜種の感染拡大により、旅行関連の売上が低迷した一方、PCR検査受付業務などの取り扱いが想定以上に増加した。加えて、各案件の売上原価の圧縮に努めた結果、売上総利益率が大幅に改善。営業外収益で雇用調整助成金などの助成金収入の増加もあり、損失が改善される見込みとなった。

ホテル業界初 ホテルスプリングス幕張がロケ地ガイド発行 GWにはイベントも

2022年5月10日(火) 配信

ロケ地マップ

 ホテルスプリングス幕張(千葉県千葉市)は4月29日~5月6日まで、ロケ地ガイド発行記念イベントを展開した。

ドラマ「恋はDeepに」が撮影された宴会場「エメラルド」

 ホテル業界がロケ地ガイドを発行するのは、初めて。ロケ利用が一番多い 「宴会場エメラルド」をはじめ「メインバー ヴィオレ」や「ガーデンチャペル」などを無料で公開、期間中100人以上が訪れた同企画。ホテル公式SNS(交流サイト)のフォロー画面を提示した人には、ロケ地ガイドもプレゼントした。

乃木坂46のMVなどが撮られた新館エントランスとロビー

 同ホテルでは2020年11月から、ロケ誘致を開始しその年だけで60件のロケを受け入れ、約2000万円の収益を上げた。この経緯を金田幸二総支配人は「新型コロナウイルス感染症の流行拡大前からホテルの開業が続き、競争が激しかった。そこにさらにコロナウイルスが流行し、業界の競争が激化していた。こうした状況下で優位性を得るために取り組んだのがロケ誘致」と説明。「ロケを受け入れることで、ホテルにどのような波及効果が生まれるかを大事にしている」と狙いを語り、「ホテルの認知度を上げる、またはファンを増やす。そのための施策の1つが、今回のイベント。『ようこそ、スターが訪れ続けるロケ地ホテルへ』とロケ地マップの表紙にあるように、まずは地域の中で、取り組みを浸透させていければ」と思いを語る。

 さらに、ロケの受け入れと宿泊業を「平等のビジネス」と考え「単体で展開」するのではなく、宿泊客やレストラン利用者らと同じもてなしをすることが重要とし、「先に予約が入った方を優先する。ロケの場合はリードタイムが短いが、その場合でも考え方は同じ。ロケが行われているときはさまざまな制約が発生するが、この場合も婚礼や宴会などでホテル利用者にご協力いただくのと同じ考え方で説明することで、理解し、協力してもらえる」との考えを示す。

ドラマ「文豪少年!」などが撮影されたメインバー「ヴィオレ」

シーナッツ、在庫をTrip全旅へ表示可能に 宿の販路拡大はかる

2022年5月9日(月) 配信

TL-リンカーンのトップページ。Trip全旅を利用する約2800社の旅行会社が在庫を販売できるようになった

 宿泊施設の予約・販売管理システム「TL-リンカーン」を提供するシーナッツ(山田英樹社長、東京都港区)は5月9日(月)、㈱全旅(中間幹夫社長)が展開する「Trip全旅」に在庫を表示できる環境を整えた。TL-リンカーンを利用する宿泊施設の販路拡大につなげる狙い。

 宿泊施設は、㈱全旅に在庫を開放することで、Trip全旅に掲載できる。残室数などは一括で両システムに反映される。

 ㈱全旅はTrip全旅を利用する全国約2800社の旅行会社に、仕入力強化を支援する。旅行会社はホテル・旅館などに、㈱全旅が発券する全旅クーポンで支払う。

HIS、安中市に人材派遣 国内と訪日旅行の需要回復はかる

2022年5月9日(月) 配信

(左から)大竹将夫安中市産業環境部長と粟野好映副市長、岩井均市長、 高野清執行役員、小林健二官公庁・自治体営業グループ統括部長、五日市一訓氏

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)と群馬県安中市(岩井均市長)は4月28日(木)、総務省が推進する「地域活性化起業人制度」を活用し、同社から安中市へ人材を派遣する協定を締結した。観光資源の開発や磨き上げを行い、魅力を国内外に発信することで、国内と訪日旅行の需要回復と産品の販路拡大をはかる。

 群馬県西南部に位置する安中市は、温泉記号「♨」の発祥地という「磯部温泉」や鉄道遺産の観光地「碓氷峠鉄道施設」、ぐんま三大梅林「秋間梅林」などの観光資源を有する。

 HISは、海外60カ国に展開する集客・送客機能とこれまでの事業を通じて培った経験を生かし、観光振興と課題解決に取り組んでいく。

 同制度は、3大都市圏に所在する企業などの社員が、地方自治体で地域独自の魅力や価値の向上、安心・安全につながる業務に従事する。地方自治体と企業が協力して、地方圏へ人の流れを創出する狙い。

「街のデッサン(253)」 いま一度、「易経」で観光を考える、ツーリズムの本源とは何か

2022年5月8日(日) 配信

私の所有する「易経」研究の原点

 文明開化以前の日本の知の歴史で識者の多くが学んだのは、四書五経と呼ばれる中国の古典だった。四書とは「大学」「論語」「中庸」「孟子」であり、五経は「詩経」「書経」「礼記」「易経」「春秋」だ。支配階級や学識者の家庭では、子供時代からこれらの古典を素読し、暗記することが教育の基盤だった。

 近年、渋沢栄一がテレビの大河ドラマや1万円札の顔になり衆目を集めたが、「論語と算盤」が彼のお題目だった。渋沢は、武蔵国(現埼玉県)血洗島の藍を扱う豪農の出身だったが、親戚筋に学者が多く、やはり幼いときからこれらの古典に親しんでいただろう。それらの学習が役立ったのは、日本の資本主義の父と言われ、経済社会での欲望をコントロールする道徳のようなものが不可欠だ、と認識していたことである。この哲理は、経済学の始祖とされるアダム・スミスの思想と同一で、日本の健全な資本主義の軌道を描いた渋沢の存在は崇高である。

 一方で注視が必要なのは五経の中の「易経」である。「易経」は実に面白い古典だ。「論語」は孔子の教えを、弟子たちがまとめた人間の「仁」を高める言行録であるが、「易経」の出自はそのタイトル通りに「占い」の本だ。占いは、私たちが判断に迷ったときに頼りにするものだ。従って、権力者が争いの戦略選びや勝敗の行方を占い、商人たちが商売の盛衰を占うのに使ったと推察できる。

 しかし、この書物の本質は、実利的ではあるが地球社会の自然の摂理に倣った物事の「動態(変化や推移)」の「構造」を読み解く書物である、と多くの易経を解説する本から私が得た結論である。街の凹みにいる占い師が手相を見て、あなたの将来はこうなりますよと断定するのとは違って、易経は宇宙の原理である陰と陽の大極を見据え、これまでの人類や社会にストックされた経験知と集合知を駆使し、書を紐解く人が自らの運命を切り拓いていく引導の書であるのだ。

 ここでは、その実に驚くべき設計と使い方を解説する余裕はないが、私たち観光関係の研究者や実利者が引用する易の20番目の卦「風地観」の4番目の爻(こう)である「国の光を観る」から、誰しもが語る「国の宝を見せるのが観光」という呪縛を、超克するときが来ているように思える。この卦には、観音菩薩の「観」と同じく「人生を深く愛し洞察する生き方」が秘められていて、「観光」がUX(ユニバーサル・トランスフォーメション)に直面している現在、大いなる道標となるべきものである。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(246) 夜景サミットの開催

2022年5月8日(日) 配信

 ロシアによるウクライナ侵攻で一般市民への虐殺が生じており、国際司法裁判所(ICJ)が調査を開始した。日本ではコロナ禍の長期化と共に、諸物価も上昇し、旅行・観光の復活は容易ではない。

 暗い話題が多いなかで明るいニュースを知って嬉しくなった。3月25日に北海道・札幌で一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューロー主催による「夜景サミット」が開催された。美しい夜景を観光資源に生かしたいと願う全国の行政・民間企業の関係者が一堂に会した。

 目的は「夜景の魅力」と「夜の観光コンテンツ」を時代に即した観光視点から、より強力な夜景資源へと昇華させることだ。全国各地の夜景観光の成功事例のケーススタディが行われ、4年ぶりとなる「日本新三大夜景」と「日本三大イルミネーション」が発表された。

 日本新三大夜景は15年に夜景観光活性化を目指して誕生した夜景ブランドで基本的に3年に一度の更新が行われている。全国の約6千人の夜景観光士による投票結果に基づいている。今回の最終ランキングは以下の通り。①北九州市②札幌市③長崎市④神戸市⑤静岡市⑥横浜市⑦東京都⑧函館市⑨大阪市⑩京都市――。その結果、日本新三大夜景は北九州市と札幌市、長崎市に決まった。

 日本三大イルミネーションも発表された。夜景マイスターなどによる投票結果の最終ランキングは①あしかがフラワーパーク「光と花の庭」(群馬県足利市)②ハウステンボス「光の国」(長崎県佐世保市)③さっぽろホワイトイルミネーション(北海道札幌市)④湘南の宝石:江ノ島を彩る光と色の祭典(神奈川県藤沢市)⑤伊豆高原グランイルミ(静岡県伊東市)⑥さがみ湖イルミリオン(神奈川県相模原市)⑦東京ドイツ村ウインターイルミネーション(千葉県袖ヶ浦市)⑧レオマリゾート・レオマ光ワールド(香川県丸亀市)⑨SENDAI光のページェント(宮城県仙台市)⑩大阪・光の饗宴(大阪府大阪市)――。この結果から上位3カ所が選定された。

 夜景観光コンベンション・ビューローは「日本夜景遺産活動(日本各地に埋もれている美夜景を再発見&発掘し紹介する活動)を主導し、自治体や観光事業者と一体となって夜景観光の発展に貢献する。さらなる活動に期待し、注目したい。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

「観光人文学への遡航(22)」 福祉施設から学ぶ新たなホスピタリティ

2022年5月7日(土) 配信

 最近は福祉施設もホスピタリティを重視するという方針が多くの組織で取り入れられ、ホテルマンやマナー講師からのホスピタリティ講座を職員に対して受講させている施設もかなり多くなった。

 このため、入所者の方々への対応、家族への対応が昔とは大きく変わったと言われることが多くなった。しかし、そのようなホスピタリティ教育が施された福祉施設で働く人々と接したときに、上述したような一流のホテルマンやキャビンアテンダントと接したときの感覚とは違う感覚を抱くことが何度もあった。

 さらに言うと、ホスピタリティとよく口にする人ほど、どこかにあざとさやずるがしこさを見てしまうこともしばしばあるのだが、福祉関係者の方々からは、あざとさやずるがしこさを感じることが明らかに少ない。この違いに対して説明がつかないため、先進的な取り組みをしているという福祉施設を訪ねて対話を重ね、その違いの由来に迫った。

 神奈川・湘南地区を中心に高齢者と保育事業を広げている福祉法人伸こう福祉会では、「入所者の方にありがとうと言わせるな」としているそうである。「ありがとう」などの感謝の言葉こそが、接客時のモチベーションの源泉のようにいわれている。しかし、あまりにそれがフォーカスされ過ぎて、お年寄りの側は常に「ありがとう」、「すみません」を言い続けなければならない状況に陥っている。利他といいながら自分に見返りを求めていることからこそこの現象は起こっている。

 伸こう福祉会では、その「相互信頼関係」を無理に結ぼうとするあまり、相手に感謝を強要することの矛盾を日常業務から見抜いていた。

 一流ホテルは非日常であるから、ありがとうも連発できるけれど、福祉施設は日常である。だからこそ余計にそのような一時的、表面的な対応だと化けの皮が剥がれてしまうのである。

 さらに、ディズニーやリッツカールトンといった感動経営、感動のホスピタリティの事例が世間にあふれ、ときには感動の強要まで至っている場合もあるが、観光のプロセスにおいてお客様はすべてにおいて感動を求めているわけではない。自然に、普通に、さわやかな空気のような存在で気持ちよくサービスを受けることも求めているはずである。

 また、お客様のために誠心誠意尽くしたとしても、それが伝わらないことがある。そして、「相互信頼関係」を構築できたと思っても、信頼は往々にして裏切られることがある。サービスの現場でも、サービスの達人と言われる人からも、心を尽くすサービスをしたときにその恩をあだで返される話を耳にする。

 一方で、福祉関係者の方々とお話をすると、お客様に裏切られるという感覚が一様にない。ここにも福祉施設から学ぶ意味が込められている。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。日本国際観光学会会長。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

世界旅行ツーリズム協議会の副会長、JTB会長の髙橋氏が就任

2022年5月6日(金)配信

新副会長の髙橋広行氏

 世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が4月にフィリピンで開いたグローバルサミット2022で、WTTCの副会長にJTB会長の髙橋広行氏を選任した。任期は2022年4月から3年間を予定する。

 これまで副会長を務めていたJTB相談役の田川博己氏は退任。世界のツーリズム産業発展への貢献が評価され、「GLOBAL ICON 2022 AWARD」を受賞し、日本人で初となるWTTCアンバサダーに就任した。今後ツーリズム業界における持続可能な観光の推進を担う。

 WTTCは、世界の主要ツーリズム関連企業や団体のトップ178人で構成される、世界最大の国際観光領域の民間非営利団体。国連世界観光機関(UNWTO)の民間団体としてのカウンターパートとして、ツーリズムに関わる調査研究や、各国政府・国際機関に対するさまざまな働き掛けを行っている。

22年春の叙勲・褒章、國谷一男氏(元全旅協副会長)が旭日双光章

2022年5月6日(金)配信

國谷一男氏

 政府は4月29日(金)付で、2022年度春の叙勲および褒章受章者を発表した。本紙関連では、旭日双光章に元全国旅行業協会副会長・国谷観光社長の國谷一男氏、湯の浜ホテル社長の金道太朗氏、漁火の宿シーサイド観潮会長の坂口邦嗣氏らが受章した。

 本紙関連の受章者は次の各氏。

 【勲章】旭日双光章 國谷一男(国谷観光社長)=元全国旅行業協会副会長 観光事業振興功労▽金道太朗(湯の浜ホテル社長)=北海道ホテル旅館生活衛生同業組合副理事長、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会理事 生活衛生功労▽坂口邦嗣(漁火の宿シーサイド観潮会長)=和歌山県旅館ホテル生活衛生同業組合相談役、元全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会副会長 生活衛生功労

 瑞宝単光章 大橋義信(旅館寿亭取締役総料理長)技能検定功労

 【褒章】黄綬褒章 杉澤むつ子(杉澤興業会長・ホテルグランメール山海荘女将)=青森県旅館ホテル生活衛生同業組合副理事長 業務精励功労▽大澤守(西武・プリンスホテルズワールドワイド軽井沢浅間プリンスホテルサービスアシスタントマネージャー)業務精励功労