ベネッセ 直島に新アート施設 安藤建築ギャラリーなど

2022年4月4日(月) 配信

ヴァレーギャラリー展示作品「ナルシスの庭」

 ベネッセホールディングス(小林仁社長、岡山県岡山市)は3月12日、直島(香川県・直島町)に2つの新しいアート施設をオープンした。

 1つが世界的建築家・安藤忠雄氏が設計した「ヴァレーギャラリー」。同じく同氏が設計した「ベネッセハウス」と「地中美術館」の間に位置し、祠をイメージした半屋外建築と周囲の屋外エリアで構成する。このギャラリーオープンで直島における安藤建築は9つとなった。ギャラリーの建物内外で、芸術家・草間彌生氏の代表的なインスタレーションである「ナルシスの庭」を展開。約1700個のミラーボールが各所に配される。

 もう1つは、2006年に開館したベネッセハウスパークの現代美術家・杉本博司氏の作品空間を拡大・整備した「杉本博司ギャラリー時の回廊」。多彩に活躍する同氏の作品群が鑑賞できる。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(135)一杯のコーヒーを美味しくの想い 「心」を育てる教育

2022年4月4日(月) 配信 

 

 数年前ですが、新幹線から乗り換え予定の在来線が遅れ、時間調整のため新幹線改札内の喫茶店で過ごし、支払いをして店を出るときのことです。レジ係が自動ドアのボタンを素早く押して開け、「行ってらっしゃいませ」と送り出してくれたのです。

 そのときの言葉と、ウキウキする気持ち良さを忘れられず、翌月から新幹線を1本早くして、その喫茶店に月1回は立ち寄るようになりました。しばらく通ううちに、「今日もありがとうございます。コーヒーでよろしいですか」と、スタッフが声を掛けてくれるようになりました。

 ただ、コロナの影響でその後店は休業となり、私自身もしばらく出張がなく、その店に立ち寄ることもなくなりました。数カ月後、久しぶりにその店に立ち寄る機会がありました。休業中にリニューアルした店は、残念なことにスタッフも全員替わってしまい、また馴染み客になることからのスタートとなりました。

 それから何度か店を訪ねましたが、その度にスタッフが替わり、以前のような固定スタッフでの営業ではなく、多くのスタッフから日々どの店に出るかを決めているようでした。

 ベンチマーク自体を止めようと思いながら行ったとき、「もう少し行ってみたい」と思わせるスタッフの行動に出逢えたのです。入口の消毒機械に手をかざして入店すると、「ご協力ありがとうございます」と元気な声で迎えられました。

 「今日は何か違う」、と期待感を膨らませて着席しオーダーしたとき電話が入ったので、いったん店を出て対応しました。

 席に戻ると、テーブルに置かれたコーヒーの上に、ナフキンが載せられていたのです。
「感染対策」か「冷めない様に」かと考えていると、スタッフが私に気付きやって来て「少し時間が経ってしまったので、新しい温かいコーヒーに変えましょうか」と声を掛けてきたのです。

 淹れたてのコーヒーを持って来ても、お客様が席を外していたら、そのまま置かずに引き返し、お客様が戻って来てから改めて持ってくる店もあります。時間が経っていたら「すぐに淹れ直しますので、少しお待ちください」と声を掛けてくれます。

 店のやり方はそれぞれですが、オーダーされた商品が出来上がったら、そこにお客様が居ようと居まいと関係なくテーブルに運ぶ、という店も多いなかで、こうしたコーヒー一杯にも「美味しく飲んでもらいたい」と考えるスタッフに出逢えると、本当に心がウキウキとして来ます。

 サービススタッフの心を育てることで、こうした「考動」のできる人を創って行くことが教育であり、企業の力です。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「街のデッサン(252)」 そうだ、パリを着物で街歩き、日常の“生きる”を認証する試み

2022年4月2日(土) 配信

早く、着物でパリを遊歩したい

 このコロナ禍の終焉が期待されるが、思うに在宅時間がずいぶん増えた。私などは日課にしている散歩以外、外出することが極めて少なくなった。同じような境遇にある友人・知人たちは、やることはなくなったと暇を弄ばせているが、幸いなことにそれでもやることは結構ある。このところビジネスする必要性が少なくなったのが有難いが、生きている意味を認証し支える作業は大切だ。ものを書き、講義のシナリオ作りなど思考を覚醒させる一部の時間は和服を着て過ごすことにしてみた。自分へのエンカレッジかも知れない。結果、着物を着るのが実に楽しい行為であることに得心したのだ。

 私は一人息子として育った。母親は娘がいないことを生涯残念に思っていた。その最大の理由は、彼女が大の着物好きで娘の着物を選ぶ楽しみを享受できなかったからである。そこで、近所のお嬢さんが成人式やお嫁に行く段になると、我が家に呉服屋や反物屋を呼び、そのお嬢さんの母親と一緒になって着物選びを手伝っていた。このセレモニーには近所の女性群まで集まり、にぎやかな寄り合いになった。結局、その余波は私にまで回り、母親は私に大島紬や、山繭の極めて貴重だといわれる着物を仕立ててくれた。お義理に数回それらの着物の袖に手を通したが、実家が静岡の私は東京の大学で学ぶために上京し、和服生活には縁がなくなった。

 しかし、このパンデミックの事態で突然私は着物を思い出し、ゆっくり暮らしを楽しむホームウェアとしての和服着用を発想したのだ。その背景には、例えば小津安二郎の家庭を描く一連の映画の残像があって、主役の笠智衆が帰宅すると早速着物に着替えて寛ぐというシーンが戦後の平和なイメージとしてあったからかもしれない。

 長い間仕舞われていた山繭の紬を引っ張り出してみると、その柔らかな深い藍色に感動し、苦労して着付けると体にしっくりくる着心地に日本人だと腑に落ちた。着物は人間を解放してくれると、普段着用をネットで探すとデニム生地でアンサンブルがそろうようになっている。さらに、羽織に緑と紺のチェックの柄を見つけて手に入れた。人気の鬼滅の刃の竈門炭治郎のスタイルだ。これでまた、在宅ライフの行き場のない人生を彩ってくれると、自閉も孤立も炭治郎のように切って捨てることになる。着こなし始めると、勿体ないと近場のレストランや文化施設に外出し始めた。今では外国へもと、最近手に入れた結城紬でパリを街歩きし、衆目を集めたいなどと野望を抱いているのだ。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(245) 幸福度と観光

2022年4月2日(土) 配信

 日本ではあまり知られていないが、3月20日(日)は国際連合が定めた「国際幸福の日」である。国連は2012年の総会で満場一致で「国際幸福の日」を定めた。目的は幸福やウェルビーイングを啓発・促進することだ。

 併せて、同年から国連の「持続可能な開発ソリューションネットワーク」が毎年「世界幸福度ランキング」を公表している。それは世界の約150カ国を対象に行う調査に基づいている。具体的には、①1人当たり国内総生産②社会保障制度などの社会的支援③健康寿命④人生の自由度⑤他者への寛容度⑥国への信頼度――について、対象国・地域の数千人を対象に行う面接調査に基づいている。

 22年の世界幸福度ランキングのベスト10は、①フィンランド②デンマーク③アイスランド④スイス⑤オランダ⑥ルクセンブルグ⑦スウェーデン⑧ノルウェー⑨イスラエル⑩ニュージーランド――。日本は54位で、先進諸国の中で最下位。

 フィンランドは5年連続で第1位を占めている。1人当たり国内総生産は世界13位、消費税は24%で世界6位であるが、税金が社会保障として還元され、政治の透明性や富の再分配が実現されていると共に、子育て支援が充実し、個々人が自由に進路を選べる環境が整っている。

 日本は経済的に豊かで社会保障も充実しているうえに、健康寿命も高く、治安が良くて暮らし易いはずであるが、残念ながら主観的な幸福度は低い。理由は「人生の自由度」と「他者への寛容さ」にある。日本では学業や就業において選択の幅が限られており、ジェンダーギャップ(男女格差)でも先進諸国で最下位。

 人の幸福度に最も影響を与えるのは「温かな人間関係」であり、自分と意見が違う人や立場が異なる人に対して、どれだけ理解を示すことができるかという「他者への寛容さ」が重要になる。

 フィンランドではライフスタイルそのものが魅力的な観光資源になり、世界中から観光客を惹きつけている。フィンランドではライフスタイルに根ざしたサウナや、さまざまなデザイン分野に力点を置いた観光振興が行われている。日本でも「観光の量的拡大」ではなく、各地域における暮らしに力点を置いた「観光の質的向上」を重視する観光振興を行うべきであろう。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

「めぐる」「たべる」「つかる」3つの視点で地域の宝探し 前橋と四万十でON・ガスイベント

2022年4月1日(金) 配信

古墳ガイドツアー

□群馬県前橋市

 群馬県前橋市で2月27日(日)、ONSEN・ガストロノミーイベントが行われた。前橋市の「スローシティエリア」である赤城山南麓の「温泉」と「食」、「自然」、「文化・歴史」などの地域資源を、ウォーキングを通じ体験してもらい、その魅力を存分に堪能してもらうことで、新たな着地型観光コンテンツの1つとして確立・発展させることが狙いだ。

 2回目となる今回は、イチゴ狩りや、群馬県産の豚肉と地元の野菜・味噌を使用した「まえばしtonton汁(豚汁)」など前回好評だったメニューに加え、オーベルジュ音羽倶楽部のシェフが同イベントのために特別に考案した、フレンチ料理と地元食材のコラボレーションデリボックスを提供することで、特別感を演出。

まえばしtonton汁(豚汁)

 また、前橋の2大酒蔵の日本酒を共に味わえるようにすることで、水のきれいな前橋ならではの酒蔵のPRも行った。

 コース途中に古墳ガイドツアーを設け、文化や歴史に触れる時間も用意し、食以外でも楽しめるようにした今回のイベント。

 主催者は、「地元の食材などを知ってもらい、地域のファンを増やすいい機会なので、開催日前後にイベントに絡めた地域の食・生産者のPRなどを強化し、より多くの県内外の方々に参加いただけるようにしていきたい。市内の事業者に対しても、イベントに参画することで県内外へのアピール・集客につながることをメリットとして伝え、多くの事業者に参画いただけるよう展開していく。そのなかで、事業者同士のつながりを構築することによる盛り上がりも期待したい」と今後の展開を語った。

□高知県四万十市

1000万本の菜の花が咲き誇る

 高知県四万十市で3月5日(土)、ONSEN・ガストロノミーイベントが開かれた。土地や気候、風土が生んだ食文化・伝統・歴史など地域の魅力をコンパクトに楽しめる約10㌔のコース。ガストロノミーポイントを運営する地域の人々との触れ合いを通して、四万十市のファンになっていただき再来訪してもらうことを目指した。

 2月下旬から3月上旬にかけて、入田ヤナギ林で約1千万本の菜の花が咲き誇る四万十市。コース設定では、参加者のイベントに対する期待感が最高潮に高まるタイミングで、朝陽がこぼれる満開の菜の花畑からスタートすることに拘った。

 提供する食は、カツオのたたきを同地域ならではの「中村塩たたき」にするなど昔ながらの郷土料理や地元の食文化が体感できるメニューを意識。見晴らしのいい高台で寛ぎながら、田舎寿司と温かいツガニ汁でほっとできる場所を演出するなど、提供する場所も重要視した。

四万十の魅力を満喫した参加者

 参加者によるアンケートで満足度98・5%と高い評価を受けた今回のイベント。コース上で提供した食事や、四万十市郷土博物館や一條神社などの観光名所への訪問も好評だった。

 主催者は「ONSEN・ガストロノミーウォーキングは、『たべる』、『めぐる』、『つかる』の3本柱ですが、コンパクトに地域の魅力が伝わる素晴らしいイベントであることを体感できました。同時に、コロナ禍で、さまざまなイベントが中止になったり、旅行が憚られたりしますが、これからは、感染対策を万全に講じたうえで、『できる方法』にカタチを変えながら観光イベントを復活させていきたいと感じました」とイベントを振り返った。

ONSEN・ガストロノミーツーリズムコラム 都市から最も近い国立公園(東京都・奥多摩)

2022年4月1日(金) 配信


奥多摩湖の桜

 奥多摩エリアは 都心から最も近い国立公園「秩父多摩甲斐国立公園」のなかに位置していて、多摩川上流の清流など豊かな水資源、その水を守るための人の手によってつくられた森(東京都水道水源林など)が広がる場所です。

 キャンプ場が多く、アウトドアや、自然アクティビティ(カヤック、SUP、サイクリング、トレッキング)などが盛んで、最近は平日でもソロキャンパーがたくさんいます。

 またあまり知られていませんが、奥多摩エリアには奥多摩温泉・鶴の湯温泉・麻葉の湯温泉・松乃温泉・鳩ノ巣温泉など5種の温泉があります。なかでもおすすめなのが、小河内地区の鶴の湯温泉。同地区は昔湯治場だったのですが、小河内ダムの建設により沈んでしまいました。今は沈んでしまった「シカの湯」、「ムシの湯」、「ツルの湯」の3源泉を合流してくみ上げそれをタンクローリーで各旅館に配湯することで温泉をよみがえらせています。

 桜の咲く奥多摩湖や、5~9月だけしか見ることができない幻想的な朝もやのかかる白丸湖など四季折々に美しい風景を楽しめる奥多摩エリアは、夜も柳小路ではしご酒など地元の人と交流や、奥多摩湖からの星空観察などさまざまな楽しみがある、魅力あふれる場所です。また、森の中の魅力的なカフェめぐりや森林セラピーツアーなどもおすすめです。

         グッドライフ多摩 旅行事業部 青木祥民氏

日産と高萩市(茨城県)、実験の連携協定結ぶ 車中泊で滞在時間増へ

2022年4月1日(金) 配信

(左から)大部勝規市長、神田昌明日本マーケティング&セールス理事。車は日産キャラバン

 日産自動車(内田誠社長、神奈川県横浜市)と茨城県高萩市(大部勝規市長)は3月28日(月)、「車中泊体験の実証実験に関する協定」を結んだ。

 同市は、市内を訪れる観光客の76・3%が日帰りで旅行していることから、車中泊可能な日産キャラバンを提供し、滞在時間の長期化をはかる。

 日産自動車はこれまで商用車として使用されてきた同車を、ベッドやカーテンなどを設けて車内で宿泊できる仕様にしたうえで、高萩市に提供。車中泊を行う利用者のニーズを把握し、販路を拡大したい考え。

 実証実験は4月28日(木)~5月17日(火)まで。10組20人に、同車のほか、市内5カ所の車中泊スポットのうち、1カ所を貸し出す。また、市内の民間事業者が展開する釣りや乗馬など7種類のアクティビティから、2種を体験してもらう。同市の名産品常陸牛などを楽しめる1泊2食の食事も付ける。

 属性データや行動履歴の調査、アンケートなども行い、10月を目途に始める本格的な運用に向けて、料金設定などを検討していく。

 大部市長は「観光客に『もう1度泊まりたい』と思ってもらえる環境も整え、経済をより活性化させたい」と意気込みを述べた。

 日産自動車の神田昌明日本マーケティング&セールス理事は「滞在時間に悩む地域が多いなか、実証実験をモデルケースとして自治体などに車中泊を提案したい」と語った。

JTB、謎解きは新幹線で JR東海でリアル宝探しツアー

2022年4月1日(金)配信

東海道新幹線で謎解き宝探しツアーを実施

 JTBはこのほど、東海旅客鉄道(JR東海)とタカラッシュと連携し、新幹線を利用した謎解き個人向け旅行商品「新米車掌トウカイと失くし物の迷子さん」を売り出した。東京駅発の日帰りで、3月30日(水)~8月31日(水)まで毎日運行する。

 同ツアーは、東海道新幹線を移動手段ではなく、乗車することが旅行の目的となるリアル宝探しツアー。JTBが、体験型コンテンツ「リアル宝探し」の企画・制作・運営を手掛けるタカラッシュと共に、JR東海へ提案して実現した。

 ツアー参加者は壮大なストーリーの主人公となり、東京駅を出発。各駅構内で謎を解くヒントを探し、LINEやポスターを手掛かりに次の行き先を探していく。特定のエリアでの謎解きや宝探しではなく、新幹線での移動と共に謎を解き、宝を探すユニークなツアーとなり、1人から参加可能な個人型商品とした。

 参加者特典として、先着1800人に「JR東海オリジナルマルシェバッグ」が付く。さらに、謎解き終了後のアンケートの回答者から抽選で200人に、「JR東海オリジナルステンレスボトル」をプレゼントする。

 旅行代金は税込で大人2万1000円、子供1万5500円。旅行申し込みはJTBのWebサイトから。

九州運輸局と九州運輸振興センター 採用増で人手不足解消へ 女性の資質生かす

2022年4月1日(金) 配信

女性バス運転手採用を訴える中嶋美恵氏

 九州運輸局と九州運輸振興センターは3月18日、福岡県福岡市で運輸・観光の企業を対象に、女性の採用や登用拡大に向けた課題などを探る「女性活躍促進セミナー」を開催した。Web参加も含めて200人以上が視聴した。

 セミナーには、女性バス運転手協会代表理事の中嶋美恵氏と大正大学公共政策学科教授の柏木千春氏、リクルートジョブズリサーチセンターセンター長の宇佐川邦子氏、厚生労働省福岡労働局雇用環境・均等部部長の室谷留美氏の女性4人が登壇。女性採用に向けた企業の意識改革や採用ポイント、女性力の生かし方、女性が活躍するための環境整備などについて、それぞれの立場から講演した。

 このなかで、バス運転手に特化した人材採用支援サービス事業を行うリッツMC社長でもある中嶋氏は、「女性採用に向けた事業者の意識改革」をテーマに講演した。

 男性中高年に採用が偏るバス業界の、深刻な人手不足と路線バス減便の増加という現状を報告。「運転者の約6割が60歳以上で、女性が少ない」と話し、運転手確保に「若者と女性、LGBTなどターゲットを限りなく広げた採用、または絞った採用が必要だ」と提案した。

 とくに女性運転手は「運転やアナウンスがソフトで、お年寄りや子供たちに好評」と分析。子供が手離れした40―50代を対象に、「女性を積極的に採用すると企業側がPRしてほしい」と訴えた。

 柏木氏のテーマは「観光における女性の力」で、「宿泊、旅行回数、観光消費額など女性が観光旅行市場を創造している」と指摘し、女性の資質と経験を生かした「女子的観光地域づくりが必要」と提案した。

 宇佐川氏は「女性採用活動におけるポイント」で、「どの産業も人手不足」と話し、労働時間の負荷を下げるため、8時間労働の2人分割や、仕事難易度を簡単と複雑に分ける、働きたいママを短期的に雇用するなどの「プチ勤務」を成功例で紹介。それが、「結果的に社員の離職防止になる」と強調した。

 最後に室谷氏が「女性活躍のための環境整備に向けて」をテーマに、女性の活躍状況や課題を分析し、改正育児・介護休業法の取り組み、支援策などを紹介した。

 この後、4者による全体討論も行われた。

【PR】天然鯛など料理と絶景温泉が自慢 ホテル清風館(広島県大崎上島きのえ温泉)

2022年4月1日(金)配信

瀬戸内を五感で感じる

 料理と温泉が自慢の宿。料理はプロが選ぶ日本のホテル・旅館100選に3年連続で入選。とくに「天然鯛」にこだわっている。ホテルから2㌔離れた漁港の漁師が網で獲った鯛を、水深15㍍から配管した海水層で1日落ち着かせ、翌朝の8時に絞めて神経抜きをしてくれるという、漁師の下作業のおかげで甘くて新鮮な状態で提供できる。
 温泉の売りは絶景露天風呂。多島美の間を縫うように走る船、日に照らされて光る海に心が癒される。この風呂は「秘密のケンミンSHOW」や「世界ふしぎ発見!」「めざましテレビ」など多くのテレビ番組でも取り上げられている。
 夕食後は帝国ホテルで41年カクテルを作り続け、島に移住したバーテンダーが地元の柑橘を使って作る創作カクテルで、夜のひと時を過ごすのもおすすめ。