HIS、ドローンや花火によるショー開催 札幌市で需要回復事業の採択で

2022年10月18日(火) 配信

イベントのイメージ

 札幌市による観光需要回復支援事業の採択を受け、エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は12月1日(木)~4日(日)、大倉山ジャンプ競技場でドローンと花火と音楽によるエンターテインメントショー「SAPPORO WINTER SKYART -KIZUNA-」を開催する。

 同イベントは札幌市制100周年を迎えることを記念して実施し、市の冬の象徴として大倉山ジャンプ競技場を会場に選んだ。冬の澄みきった夜空に上がる花火は光の屈折が起こりにくく、色や光をより美しく見ることができるという。

 入場料金は大人1人3000~1万9800円(税込)。ANAクラウンプラザホテルなどを発着するシャトルバスのチケットが付く。

 HISは「今までにない光と音によるエンターテインメントとして、札幌の新しい冬の風物詩となることを目指す」としている。

スーパーまつかぜで行く山陰・名湯の旅 地元の良さを再発見(日本旅行×JR西日本)

2022年10月17日(月) 配信

スーパーまつかぜ(イメージ)

 日本旅行と西日本旅客鉄道(JR西日本)は、10月11日(火)から始まった全国旅行支援に合わせ、「地元再発見 特急列車でGO!!山陰・名湯の旅」を売り出した。地元の良さを再発見してもらうことを目的に、特急列車に乗って車窓からの景色と山陰の名湯で癒される旅を提供する。

 利用する特急列車は、来年に運行開始から20周年を迎える「スーパーまつかぜ」。鳥取駅発~玉造温泉と、浜田駅発~三朝温泉の2コースを用意した。

 玉造温泉は、日本最古の湯の1つともいわれており、美肌の湯として知られる。玉湯神社やおしろい地蔵などのパワースポットのほか、温泉街歩きも楽しめる。

 三朝温泉のラジウムは世界有数のラドン含有量を誇っており、世界的にもトップクラスと言われている。三朝橋から見下ろす「河原露天風呂」や、日本遺産の三徳山、倉吉白壁土蔵群など観光スポットも満喫できる。

 設定期間は22年10月8日(土)~23年3月31日(金)帰着。ただし、22年12月27日(火)~23年1月4日(水)泊は除く。

 全国旅行支援の対象期間は、10月18日(火)~12月21日(水)帰着分まで。各県および日本旅行の予算上限に達した時点で割引キャンペーンは終了する。

 内容は、往復JR(特急列車普通車指定席)+1泊2食付きプラン。2人から申し込み可能。鳥取駅発~玉造温泉は大人1人当たり1万7800円~3万3600円。浜田駅発~三朝温泉は1万6600円~3万2200円。

古民家をアプローチ練習場を併設したゴルファー向け一棟貸し施設に再生 11月1日、千葉県・大多喜町に宿泊施設「緑邸」開業

2022年10月17日(月) 配信

全長15㍍のアプローチ練習場を完備

 空き家流通プラットフォーム「FANTAS repro」の運営などを行うFANTAS technology (國師康平代表、東京都渋谷区)は11月1日(火)、千葉県・大多喜町に一棟貸切の宿泊施設「緑邸」を開業する。

 築約120年の古民家を、アプローチ練習場を併設したゴルファー向けの一棟貸し施設に再生した。

 緑邸の特徴は、上質な人工芝を用いた全長15㍍のアプローチ練習上を完備していること。またゴルフ場に併設される宿泊施設の多くはグループ利用に向いていないが、同施設は一棟貸しのため最大7人まで宿泊が可能。別棟には、コンロやテーブルなどを完備したバーベキュー用の施設も用意した。

リビング

 一方の宿泊施設内はツインルーム2室とトリプルルーム1室、ダイニング・キッチン、リビングなどで構成する、リノベーションにあたっては、梁や天井、壁を当時の状態を残すことを大切にした。

 千葉県がゴルフ場の数全国2位、年間動員数全国1位(一季出版調べ)で、宿泊施設から車で20以内の場所にも初級・中級者向けのゴルフ場が20カ所あることから同社は、緑邸のターゲットを若いゴルファーに設定。

 今後も敷地面積が広い、立地が悪いなどの理由で住むには適さない全国の古民家を、地域特性に合わせた宿泊施設などに再生させていく予定だ。

コンセプトは「地元農家のおすそわけ」 八王子にTOKYO FARM VILLAGE開業

2022年10月17日(月) 配信

中西農園の中西ファームスタンドでは、朝採れの野菜を販売

 東京都八王子市に10月8日(土)、TOKYO FARM VILLAGEが開業した。

 コンセプトは「地元農家のおすそわけ」。小比企の豊かな自然を見渡せる牧場の丘に建つ施設で、牧場を営む磯沼ミルクファームと中西農園、洋菓子店「BASEL」のショップで構成する。

 内装は牧場の中の素朴な納屋をイメージしており、古材を使用した家具やアンティーク家具などなどで空間を構成、入口ドアや照明などには磯沼家や中西家で農作業などに使われてきた家具をできる限り使用している。

 磯沼ミルクファームのミルクスタンドでは、牧場の牛乳でつくるソフトクリームやミルクドリンク、牛乳を使った焼き菓子などを、中西農園の中西ファームスタンドでは、朝採れの野菜をそれぞれ販売する。

ファームカフェ「FARM BASEL」のハンバーガー

 また、「BASEL」が手がけるファームカフェ「FARM BASEL」では、磯沼ファームの牛乳や磯沼牛、中西ファームの旬の果物や野菜を用いたメニューを提供。同カフェのおすすめは磯沼牛と同ファームでつくるヨーグルト、中西農園の野菜などをふんだんに使用したハンバーガーで、そのほかにもパイやキッシュなどを楽しむことができる。

 一方、カフェエリアの南側に張り出したテラス席は南面に広がる小比企町の丘陵地帯の自然を切り取って堪能できるようになっており、春は桜が美しく咲き乱れるという。

 10月5日に行われた内覧会で同施設の村長、磯沼正徳氏は「この建物は私の10年来の夢。多くの方の協力で緑の空間を楽しめる、牧場につながったおもてなしの施設ができました。ここが地域の活性化、農業の振興、町と農地をつなげるステーションとなり、皆さんに愛される場所になれば」と思いを語った。 

生き物たちの「死」と「その先」 サンシャイン水族館で「終わりは始まり展~生き物たちの終焉~」開催中

2022年10月17日(月) 配信♯旬刊旅行新聞 ♯サンシャイン水族館 ♯特別展

同館で飼育していたロシアラッコの剥製

 サンシャイン水族館(東京・池袋、館長:丸山 克志)は12月18日(日)まで、「終わりは始まり展~生き物たちの終焉~」を展開している。

 生き物たちの「死」と「その先」をコンセプトとする、通常営業終了後の夜間に行われる特別展。

 1階では生き物としての「死」、2階では種としての死(絶滅)、屋外エリアのマリンガーデンでは人が関わることによって起こる死について館内に暮らす17種の生き物を例に説明。詳細な解説は、パネルのQRコードを読み取ることで読むことができる。

 解説パネルに加え館内には、同館で飼育していたロシアラッコの剥製や絶滅危惧種に指定されているチュウゴクオオサンショウウオ、海の環境問題について考えるオリジナル模型も展示する。

 また、生き物たちが過酷な自然界を生き抜く術をクイズ形式で学べるコンテンツ「命を繋げ!運命の選択~自然の中を生き延びろ!~」も飼育スタッフが制作した。

同イベントをイメージした照明の大水槽「サンシャインラグーン」

JTB、SDGsを旅で応援 プラごみ削減宿泊プラン売り出す

2022年10月17日(月)配信

マイボトルサービス(イメージ)

 JTB(山北栄二郎社長)は10月13日(木)、フィルズ(飯田百合子CEO、神奈川県横浜市)と連携し、長野県・志賀高原エリアで宿泊施設のプラスチックごみ削減を目的とした宿泊プランを売り出した。ドリンクやフードの中身だけを売買できるプラットフォームを運用するフィルズのサービスと連携し、商品化した。

 今回のプラン化は、JTBにおける社員参加型の新規サービス開発プロジェクトである「JTB Tourism Lab」で、脱炭素やサステナビリティに問題意識を持つ社員を中心に商品化をはかった。

 プラン名は、「マイボトルから始める脱プラスチック! ボトルへの1ドリンク付き&ホテルアメニティ無し」。志賀高原エリアの宿泊事業者と連携し、「アメニティ無し」と「宿泊施設でドリンクをリフィル(補給)するサービス」を組み合わせることで、「プラスチックごみ削減宿泊プラン」として、SDGsを旅で応援する。

 宿泊先は志賀パークホテル、硯川ホテル、木戸池温泉ホテルから選べ、設定期間は11月6日(日)当日宿泊まで。

 JTBとフィルズは今回の連携を通じて、宿泊(旅行)をするときはマイボトルの持参を推進し、使い捨てプラスチックを削減し、新しい旅のカタチを提案する。今後は利用者のニーズを分析し、設定エリアと参画施設を拡大する見込み。自治体と連携して地域全体の脱プラスチック推進に寄与、さらにはフードロス解決にもつなげていきたい考えだ。

10月14日、鉄道開業150周年を祝う 「出発進行」のあいさつで新たな時代へ

2022年10月17日(月) 配信

真貝康一副会長(中央)が出発進行のあいさつで開業150年を祝った

 1872(明治5)年に日本で最初に新橋―横浜間で鉄道が開業してから、10月14日(金)に150年を迎えた。同日には、「鉄道の日」実行委員会(森地茂会長)が東京都内で祝賀会を開き、150年の歴史を振り返りながら、「出発進行」のあいさつで新たな時代に向けて走り始めた。

森地茂会長が主催者あいさつ

 主催者を代表して冒頭、森地会長は「新幹線開通や、民営化など数々の先進事例、鉄道人のモラルの高さなど、日本の鉄道が世界に誇るものがたくさんある」とあいさつ。「コロナ禍と人口減少で地方鉄道はシステムの変革を迫られている」と課題をあげる一方で、「鉄道会社は沿線の生活や産業活性化に直結し、大きな期待をされている。150年の歴史を支えてこられた先人に思いを馳せたい」と語った。

斉藤鉄夫国土交通大臣

 来賓の斉藤鉄夫国土交通大臣は、「鉄道開業150周年を記念したイベントにいくつか参加してきたが、鉄道が多くの人々に愛され、社会生活にとって重要であることを改めて実感した。日本の鉄道の発展に尽力されてこられた方々に、敬意と感謝を申し上げたい」と祝辞を述べた。そのうえで、「地域の足を守る公共交通機関として、持続可能な輸送サービスを提供する大きな使命と責任を果たしていくことが求められている」と強調し、今後のさらなる発展に期待を寄せた。

 その後、乾杯の代わりに、真貝康一副会長が壇上で「出発進行」のあいさつを行い、150周年を祝った。

「街のデッサン(258)」 文明が衰亡するとき、地球の未来を発明できるか

2022年10月16日(日) 配信

美しい家並が村の平和を語る(ルーマニア)

 人類は太陽系の他の惑星に人間を運び、また安全に帰還させられる高度な科学技術を発達させたが、いまだにその技術を使ってミサイルや戦車で殺しあう戦争が絶えないのを見ると、構築してきた文明の構造に致命的な欠陥が存在しているのではないか、と疑念を持ってしまう。この世に生まれた文明は、局所的に盛衰を繰り返してきたが、地球規模の戦争やウイルスの感染は一挙に人類を滅ぼしてしまうだろう。ウクライナとロシアの戦争は、EUやユーラシア大陸の問題に留まらず、世界の存亡に深く関わっているのである。

 電子工学者で未来学者のデニス・ゲイバー(ガボール)は1963年に書いた本で、既に人類の3つの危機を挙げている。それが「核戦争」「人口問題」「余暇の時代」の3つである。書棚から引っ張り出した彼の著作を開いてその慧眼に驚嘆した。まさにプーチンが仄めかした「核兵器」の使用可能性への言動は、その危機の1つが現実化することを示唆していた。そして、世界の穀物庫であるウクライナの農産物の輸出阻止による食糧危機は、「人口(増大)問題」を浮き彫りにしている。

 3つ目の「余暇(レジャー)」の問題は、観光業界全体にもかかわる課題を提供している。すなわち私の理解では、ゲイバーは人類を「平凡人の楽園」と「非凡人の将来」に分けて、レジャーが例え愉楽であっても、それらを自分自身の経験的叡智としてチャージできるか、あるいはその機会をディスチャージ(浪費)のみで過ごしてしまうか、2つの隘路をイメージしているようだ。本来、レジャーとは人間を「自由にさせる時間」のことであるが、その時間を強靭な思考の基盤にするのが「非凡人」であり、平凡人は享楽だけで終わらせてしまう。核戦争を破棄させ永続する幸せ社会を創造するのが非凡人の未来的役割であり、平凡人は悦楽に身を委ね戦争を阻止できず食糧危機を回避させることはできない。ゲイバーが書いた本のタイトルは「INVENTING THE FUTURE(未来を発明する)」。このコンセプトは「未来は予測できないが、それを発明することはできる」という有名なキーワードとなって語り継がれてきた。

 日本の政治学者・高坂正尭が81年に書いた本「文明が衰亡するとき」で、ローマ帝国の崩壊とヴェネツィアの挫折、現代アメリカの凋落を分析し、それぞれの「社会的叡智の衰退」を指摘している。日本の観光業界が今後「観光大国」を目指すとき、この社会的叡智の涵養基盤をどう考えるべきか問われている。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。

 

全国運輸環境協会、コロナ感染者搬送 拡大防止の経験で安全確保

2022年10月15日(土) 配信

旅行会社や貸切バス事業者などで構成する

 旅行会社や貸切バス事業者などで構成する全国運輸環境協会(竹島美香子会長、東京都新宿区)は、自治体向けに新型コロナウイルスに感染した軽症者をホテルなどの療養施設に搬送する事業を展開している。

 コロナ禍で団体旅行の需要が減少するなか、会員各社の新たな収入源を提供。さらに、万が一ツアーで感染者が乗車した際も、ほかの利用者への感染を防ぐ経験を得ることで、貸切バスの安心・安全を確保する。

 会員には、全国旅行業協会(ANTA)の会員も所属する。

 同協会は2014年に、女性バス運転士の労働環境向上のために設立。コロナ禍では、運転士や添乗員向けの感染対策の講習会を開いている。

 コロナ感染者の搬送は会員各社の運転士に加え、社員が添乗員として乗車し、感染者の自宅などを1軒ずつ訪れ、療養施設まで運んでいる。

 20年に集団感染が起きたダイヤモンドプリンセス号からの搬送した民間救急の会員がいる。

 竹島会長は「(民間救急の会員が)感染対策に関する情報共有と研修を行い、安全を確保している」とアピールする。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(141)感謝の想いがおもてなし行動を生み出す 細やかな気付きを生む

2022年10月15日(土) 配信

 

 クライアント企業から、地元のプロジェクトに料理人を紹介してほしいと依頼され、山形のアル・ケッチァーノのオーナー奥田政行シェフに連絡をしました。とても忙しいシェフなのですが、連絡するとすぐに快諾いただき、現地にお迎えすることができました。

 さらに「皆さんがお集まりになる機会に、少しお話もしましょう」と、講演もしていただきました。その講演のあとにシェフから「この機会をつくってもらった西川さんへ、お礼を述べることができなかったのが失敗でした。ごめんなさい」との一言が、とてもうれしく記憶に残るものとなりました。

 シェフに依頼するために山形まで伺い、何度も日程調整のための連絡をして、ようやく決まったプロジェクトでした。その言葉で、すべてが報われた想いでした。

 そうした細やかな気遣いができるシェフだからこそ、常にお客様方に喜ばれる料理を提供することができるのだと思います。

 シェフの料理を食べ始めたころ、あるパーティーに参加されることを知り、申し込みました。テレビや雑誌などでも紹介されている有名シェフが何人も参加され、1皿ずつ腕を振るうというとても魅力的なパーティーでした。

 ただ料理が作られるだけでなく、その渾身のお皿が提供される度に、その料理を作ったシェフが、料理について解説をしてくれるのも楽しみの1つでした。食事だけでも特別感があるのに、それを作ったシェフが直接話をしてくれることは、料理の味をさらに高め楽しいものでした。

 いくつかの料理を食べたあとに、奥田シェフの順番が来ました。他のシェフは自作の料理を得意げに話すなかで、奥田シェフだけは、「前後の料理がこうだから、それをつなぐためにこういった料理を作りました」と、そのパーティーの料理全体を見た1皿を作られていたのです。

 提供されたすべての料理は、間違いなく美味しいものでしたが、コース料理となるとそれぞれが主張し合っているようにも感じていたのです。シェフのそのコメントを聞いたときの感動は、忘れることができません。それがきっかけで、その後も奥田シェフのレストランに機会がある度に伺うようになったのです。

 講演のあとに私に掛けていただいた言葉からは、同時に感謝の想いを持つことの大切さを改めて感じた瞬間でもありました。

 気付かないなかで、たくさんの方々の力を借りて私たちは仕事をしています。今の結果は、そのすべての人たちの力があったからです。

 感謝する想いが、シェフのように細やかな気付きを生み、お客様に喜ばれる仕事につながるのです。