HIS、アニメコラボ旅「アニ旅」始動 第1弾は「進撃の巨人」

2022年3月23日(水) 配信

ARから流れるオリジナルボイスのサポートを基に、北海道または沖縄を巡る

 エイチ・アイ・エス(HIS、澤田秀雄会長兼社長)はこのほど、アニメとコラボした「アニ旅」プロジェクトを始動した。3月22日(火)から、第1弾としてTVアニメ「進撃の巨人」とのコラボツアーを売り出している。

 同作品は2009年から、講談社で漫画の連載を開始。昨年4月に、13年にわたる連載が完結したことが話題になったという。テレビアニメについては「13年から放送をスタートし、世界中で人気を博した。今年1月に再開した『The Final Season Part2』は放送のたびに評判となっている」(同社)と説明する。

 コラボツアーは、モデルコースとなっているスタンプラリーや、AR(拡張現実)から流れるオリジナルボイスのサポートを基に、北海道または沖縄を巡る。フォトフレームを配布するほか、スタンプを集めた人に、限定の壁紙をプレゼントする。

 さらに、B5クリアファイルと特製旅行タグ、選べるアクリルスタンドも付けた。北海道のツアーでは、雪印パーラー札幌本店で限定のコラボパフェを食べることができる。

 同ツアーの世界観を体験してもらおうと、HISは3月27日(日)~4月20日(水)、池袋パルコ本館でキャラクターの等身大フィギュアやパネル、オリジナルグッズを展示する。予約は、2022年9月21日(水)まで受け付ける。催行期間は11月21日(月)到着分までとなる。

「戦国最強の家老―細川家を支えた重臣松井家とその至宝―」 5月8日まで永青文庫で

2022年3月23日(水) 配信

「松井興長自筆諫言状」(部分)万治3年(1660)3月12日、松井文庫(八代市立博物館寄託)

 永青文庫(東京都文京区)で5月8日(日)まで、「戦国最強の家老―細川家を支えた重臣松井家とその至宝―」が行われている。

 細川家筆頭家老松井家の初代・康之と二代・興長にスポットを当て、永青文庫と松井文庫(熊本県八代市)の伝来品から、主君と家老の関係を東京で初紹介する展覧会。

 松井康之はとりわけ豊臣秀吉からその働きが評価され、直参大名取り立ての申し出を受けるも、細川家への忠義から固辞した人物。会場では細川家への忠義に感動した秀吉が与えた「唐物茶壺 銘 深山」が展示されている。

「松井興長自筆諫言状」(部分)万治3年(1660)3月12日、松井文庫(八代市立博物館寄託)

 松井興長は主君に対しても忌憚のない意見を述べ、50年にわたって細川家を支え続けた。今回の展覧会では、熊本藩3代藩主細川綱利に対し、領国・熊本で相撲取りを召し抱えようとしたことを諫めた5㍍にも及ぶ自筆の書状や、徳川家光から拝領したと伝わる「緋黒羅紗段替陣羽織」などを見ることができる。

 併せて、細川、松井両家と深いつながりを築いた千利休や古田織部、細川家に招かれた宮本武蔵ゆかりの名品も展示される。

「緋黒羅紗段替陣羽織」をイメージした寿司御膳

 同展覧会では、ホテル椿山荘東京とのコラボレーションランチも展開する。同ホテル内日本料理「みゆき」で、「緋黒羅紗段替陣羽織」をイメージした寿司御膳が味わえるプラン。永青文庫で次回行われる展覧会でもメニュー内容を変更したうえで同様のプランを展開することが決まっており、今後も両者でのコラボレーションを展開するなど、目白台エリアの活性化を目指す。

「開運魚からフォーチュンをもらえる水族館」 3月26日中華街にオープン

2022年3月23日(水) 配信

水中の中華街をテーマにしたエリア

 神奈川県横浜市・横浜中華街にある商業施設「チャイナスクエア」内に3月26日(土)、「横浜開運水族館 フォーチュンアクアリウム」が開業する。

 「開運魚からフォーチュン(福)をもらえる水族館」をコンセプトに、金運・色福運・健康運・恋愛運など6つのゾーンで構成する国内唯一の「占い」をテーマにした水族館。

 来館者の生年月日や性別などの情報から一人ひとりに「開運おみくじ」を発券し、その開運おみくじに書かれた開運魚からのメッセージを頼りに館内を巡るスタイル。

中華街のカフェをテーマにしたエリア

 館内は「水中の中華街」と「中華街のカフェ」をテーマにしたエリアに分かれており、88の水槽には恋愛上手な魚や金運アップの由来を持つ魚、縁起の良い名前をもつ魚など88種を展示。

 開運おみくじは、横浜中華街で最も歴史のある占い館「鳳占やかた」が監修している。

来場者一人ひとりに合わせたパーソナル体験 「ネイキッドフラワーズフォーユー」有楽町マルイに開業

2022年3月23日(水) 配信

フローズン フラワー ガーデン

 有楽町マルイ(東京都千代田区)内に3月19日(土)、「ネイキッドフラワーズフォーユー」が開業した。「花」を五感で楽しむ体験型アート展「ネイキッドフラワーズ」の東京都内初常設となる施設。「フィトセラピー」(植物療法)を取り入れたプロフィール診断と画像解析データによる、来場者一人ひとりに合わせたパーソナル体験が楽しめる施設になっている。

 来場者は最初に、日常過ごしているなかで感じる体調や感情などに関する10の質問に回答する。すべての回答は、施設内の各作品に紐づいており、「チョコレート ガーデン」で自身に必要なメディカルチョコレートを収穫したり、フローズン フラワー ガーデンで自分に合ったアロマと瞑想プランを体験できたりと、個々に合わせたパーソナライズ体験が提供できる仕組み。またネイキッド フラワーズ カフェでは、会場内で診断された自身の結果に合わせ、今の自分に必要な栄養素が摂れるパーソナライズドリンクがスムージーで味わえる。

JATA、4月3日からハワイ視察 海外旅行再開に向け第1弾の視察団派遣

2022年3月23日(水) 配信

髙橋広行会長

 日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は3月23日(水)に会見を開き、4月3~7日にハワイへの視察を行うことを発表した。海外企画旅行の再開に向けた準備として、まず日本人の海外旅行のシンボルであるハワイに第1弾の視察団を派遣する。視察団の規模は旅行会社8社、日米航空会社5社から計21人。

 視察団団長の髙橋会長は「コロナ禍で2年間海外旅行ができず、何とか持ちこたえている状況。一方でブースター接種が進むなど、コロナを取り巻く環境も大きく変わりつつある。すでに諸外国では国際的な人の往来に舵を切っている」と述べ、他国と比べて厳しい日本の水際対策に言及。「立ち遅れ感は否めない」と、経済団体連合会と連携して、最大のボトルネックである1日の入国者数の制限撤廃や、空港での新型コロナウイルス検査の廃止を国へ求めている。

 「一刻も早く海外旅行が再開し、安心して自由に海外へ行けることを願っている」とし、遅くとも夏休み前までに再開できるよう声を上げていく。

 また、3月1日から運用されている水際対策で、「非指定国」からの入国でワクチン3回接種済みであれば、日本到着後の待機期間はなく過ごせるが、依然として外務省の感染症危険度レベルが3の国・地域が多いという矛盾点も指摘。「我われはレベル2にならないと安全面の自主規制により、パッケージ旅行ができない。このダブルスタンダードを撤廃しなければならない」と強調した。

 こうしたなか、今回のハワイ視察では、再開後に安心で安全に旅行できるようハワイ側の受け入れ態勢を確認・確立するのが狙い。昨年JATAが作成した海外旅行ガイドラインへの適合性を確認し、観光素材の開拓などを行う。

 ハワイでの日本市場に対するプレゼンスを向上させることも大きな目的だ。コロナ前はハワイの年間観光客1千万人のうち、150万人のウエイトを占めていた日本だが、2021年は677万人中、2万4000人に落ち込んだ。ハワイは米国本土からの来島が多く、予想以上にホテルの稼働率が下がらなかったため、一部で「日本人が来なくてもいいのでは」という意見もあるという。髙橋会長は「ネガティブな芽は摘んでおきたい」とし、「消費単価も高いことから日本市場への期待は変わっていないと思うが、再開後にホテルの仕入れなどに支障をきたさず、日本人が訪れた際に以前と変わらないホスピタリティ溢れるサービスを受けられる体制を整えていく」と意気込んだ。

 今後、他のデスティネーションへの視察も計画する。4月17日から第2弾として韓国へ視察団を派遣する予定。ヨーロッパはウクライナ危機で当面見通せないが、東南アジアの国などで順次行っていく。

 髙橋会長は「業界内で活発な姿勢を示して士気を高める。あわせて、消費者の期待と意欲を醸成する一助にしていきたい」と視察団などの活動を広く発信していく意向を示した。

Klook、ブランドの刷新へ 事業者向け支援事業開始

2022年3月23日(水) 配信

新ロゴマーク

 旅行・レジャーのeコマースプラットフォームのKlook(クルック)は3月1日(火)、リブランディングによる新たなブランドアイデンティティと事業者支援サービスを発表した。新しいロゴやカラー、文字商標のほか、事業者向けデジタルソリューションの新ブランド「Flickket(フリケット)」を立ち上げ、テクノロジー面でも業界の発展への貢献をはかる。

 新しいブランドアイデンティティは、「楽観的で、楽しく、情熱的に」あらゆることを経験するよう人々に呼び掛けるもの。リブランディングにより、アイコン、ロゴ、書体、カラー、イラストなどを刷新。新しいアイコン「Joysplash(ジョイスプラッシュ)」は、新たなブランドの目的である彩り豊かな心と生きる情熱を表現している。

 一方、事業者のデジタル変革を加速させるための新ブランド「フリケット」は、非接触決済の「Express Go!(エクスプレスゴー)」を利用できる。これにより、世界中の顧客に非接触かつキャッシュレスで入場チケットを購入できるようになる。また、インバウンド集客を支援する機能も充実。2020年以降、同社のソリューションを使い、デジタル変革に乗り出す事業者は8倍に増加したという。

国内旅行事業への転換、コロナ前上回る水準に

 クルックは、国内旅行事業への転換と成長により、2021年の売上高はコロナ前を上回る水準に回復。国内旅行だけで19年の売上高を超え、月間アクティブユーザー数もコロナ前を超えた。さらに、旅行・レジャーのスーパーアプリとして、ホテルやステイケーション、レンタカー、観光施設チケット、コロナ検査や旅行関連保険などの新商品が加わっている。商品数は19年のコロナ前が10万件に対して、21年は49万件超と4倍以上に拡大し、旅行先も21年には世界1千都市以上に倍増した。

エリック・ノック・ファーCOO

 共同創業者兼最高執行責任者(COO)のエリック・ノック・ファー氏は「旅行の魔法を恋しがっているお客様に喜びを取り戻し、国内外での旅行やレジャーの頼れるアプリとなることを約束する」と提言。「新しい時代の旅行スタイルを再構築する私たちに期待してほしい」と締め括った。

22年の日本市場の展望、19年の事業規模目指す

 日本法人の増田航ゼネラルマネージャーは22年の日本市場の展望について、日本は「国内・アウトバウンド・インバウンドの3本柱とし、22年には19年と同水準の事業規模を目指す」と述べた。

 22年の重点施策としては、①施設入場券分野でNo1確立②沖縄への送客に貢献③旅行・レジャー業界のDX推進④ユーザーエンゲージメント向上⑤価格・利便性におけるマーケットリーダー⑥インバウンド・アウトバウンド本格再開――の6つを紹介した。国内は、観光施設入場チケットを中心とした近場レジャーから、国内旅行の需要回復時には沖縄を集中プロモーション。アウトバウンドは、ハワイ・タイを強化し、若年層から需要回復をはかる。一方のインバウンドは、従来の強みに加え、鉄道を起点とした企画商品を強化していく。

観光業の構造的な弱点克服へ 21年度を振り返る(観光庁長官会見)

2022年3月23日(水) 配信

観光庁の和田浩一長官は3月18日(金)に会見を開いた

 観光庁の和田浩一長官は3月18日(金)に開いた会見で、2021年度の振り返りを行った。「観光関係者は未だ厳しい状況から抜け出せていない。来年度は、引き続き雇調金などの支援策や観光需要の喚起を行っていく。コロナ禍で見つかった観光業の構造的な弱点を克服するための取り組みを推進する」と語った。観光庁はGo Toトラベル事業の再開について、「時期が来たら迅速に再開できるよう準備を進める」考えだ。

 

 政府は4月1日(金)から、地域観光事業支援(県民割)の割引対象を、地域ブロックへ拡大することを決定した。18都道府県でのまん延防止等重点措置が3月21日(月)に解除することを受け、3月16日(水)の会見で岸田文雄首相は、「県民割拡大後の感染状況を見極めたうえで、Go Toの再開時期を探る」方針を示した。

 また、和田長官は、Go To事業に割り当てられた予算のうち、今年度内に支出できないとして2022年度に繰り越せない額がおおよそ7200億円と報告。

 「既にGo To再開に向けての予算は確保している。具体的な再開時期は未定だが、適切な時期が来たならば速やかに再開する」と準備を進めている旨を話した。

 

観光地再生・商品造成 事業公募を受付中

 観光庁は3月から、21年度経済対策で確保した予算を充当した事業である「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」と「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の公募を始めた。

 観光地の顔となる宿泊施設を中心とした観光地再生・高付加価値化について、地域計画の作成や、同計画に基づく改修事業などを強力に支援する。公募は4月18日(月)まで。

 稼げる看板商品の創出は、一般型と、文化財や日本遺産を活用した文化資源連携型の2種類型を補助対象事業として設定。商品作りから販路開拓まで一貫した支援を行うとして、800~1000件程度の採用を想定している。公募は4月15日(金)まで。

 

ロシアの侵攻問題 市場の回復遅れ懸念

 また、ロシアの侵攻問題については、「ロシアからの訪日旅行者数の伸び率が高いということで、15年に訪日プロモーション重点市場に追加し、さらなる旅行者の増加を目指していた。観光分野の共同活動プログラムに基づき、2国間の相互交流を促進し、両国の発展や友好関係の強化をはかろうとしてきた」と振り返る。

 しかし、新型コロナの感染拡大で交流が途絶えている状況と併せて、ロシア・ウクライナ侵攻により、当面は往来ができない状況と見ているとしたうえで、「現在でも欧州線の運休や燃油費の高騰など起きている。中期的な目線から、ポストコロナの国際観光市場の回復の遅れが懸念される」とし、引き続き諸情勢を注視する意向を示した。

【PR】「Agoda」×「花もみじ」(北海道定山渓温泉) 観光業界の回復に向け、戦略的支援を

2022年3月23日(水) 配信

アゴダロゴマーク

 ホテルや航空券、アクティビティー予約を提供するグローバル旅行プラットフォーム「Agoda(アゴダ)」はコロナ禍においても、日本国内の旅行需要を捉えるために、宿泊施設それぞれに最適なサービスを提供している。本紙はこのほど、アゴダ北アジア統括アソシエイト・バイスプレジデントの大尾嘉宏人氏と、北海道・定山渓温泉の「花もみじ」マネージングディレクター兼鹿の湯グループ専務取締役の金川浩幸氏の対談を実施。アゴダのサポート体制やコロナ禍での取り組み、今後の展望を聞いた。

日本の旅館ホテルに特化した新プラン

Agoda北アジア統括アソシエイト・バイスプレジデント 大尾嘉 宏人 氏

 ――アゴダのキーとなるセールスポイントを教えてください。

 大尾嘉:アゴダは各国ごとに即したサービスを提供するグローバル企業です。ユーザー(消費者)へのアプローチ機能として昨年、日本の旅館・ホテル向けに料金プランをカスタマイズできるシステムを導入しました。客室在庫や宿泊プランを、フレキシブルに組み合わせられる機能です。部屋タイプや夕朝食の有無、滞在時間などを柔軟に組み変えたプランを掲載できます。このプランを導入され、予約数を伸ばした旅館・ホテルも多いです。

 また、アプリやWebサイトから、ユーザーが志向に合った旅館・ホテルを簡単に見つけられるようサポートしています。どのような価格で何ができるのか。的確にマッチするよう、表示をパーソナライズ(ユーザー一人ひとりの属性や購買・行動履歴に基づいて最適な情報を提供する仕組み)させ、潜在顧客にもリーチします。旅館・ホテルと日本国内のユーザーが上手くマッチングすることで、予約数を伸ばしつつ、各施設に合ったユーザーの送客をサポートしています。

 ――カスタマイズ料金プランについて詳しく教えてください。

 大尾嘉:例えばユーザーニーズとして「もっと長時間滞在したい」や「早くチェックインしたい」、さらに「料理メニューや写真を見て決めたい」などがあります。このようなニーズに対して、フレキシブルかつ豊富に宿泊プランを設定することで、「旅マエ」に必要な情報がユーザーに伝わります。さまざまな要望に対して、丁寧に応えられる仕組みを提供しています。

 ――宿泊施設へのサポート体制はいかがですか。

 大尾嘉:機能面では、アゴダのプラットフォームは旅館・ホテルにとって非常に使いやすいものとなっています。販売価格や客室在庫、売上、予約状況などを旅館・ホテルの担当者が自由に操作し、的確に把握できる管理システムを提供しています。

 また、日本国内6拠点のうち5カ所に事業所を設け、アゴダに新規参画する際は、必要な事務手続きを代行するなど、テクノロジーを不得意とする方にも安心できるサービスを提供しています。これにより登録完了後は、即座に客室在庫を販売いただけます。各地域にいる専任のアカウントマネージャーがしっかり旅館・ホテルをサポートすることは、これからも粛々と取り組んでまいります。

「花もみじ」マネージングディレクター 兼 鹿の湯グループ専務取締役
金川 浩幸 氏

 ――アゴダのプラットフォームを利用したきっかけは。どのようなことに役立ちましたか。

 金川:利用前の鹿の湯グループは、FIT(海外個人旅行)に未対応でした。温泉街にある宿と話すなかで、アゴダ含め数社のグローバルOTA(外資系オンライン旅行会社)により、海外からの宿泊が増えていると耳にしたのが始まりです。つまり、FITを取り込む1つの手段としてアゴダを採用しました。恐らく地方の大手旅館・ホテルはこのパターンが多いと思います。

 実際に運用すると、とくに集客面で、韓国からの宿泊客が急増しました。韓国のFITマーケットに向け、プロモーションに取り組むさなかでしたが、アゴダ経由の韓国人宿泊客が爆発的に増えました。今はコロナ禍でインバウンドの動きは止まっていますが、当時は、インバウンド全体のうち韓国人宿泊客の割合は40%弱、月間約5千人を記録しました。

 大尾嘉:アゴダはブッキング・ホールディングスグループの中で、アジアで強いブランド力と高い評価を得ています。日本は、韓国だけでなく中国やタイ、ベトナム、台湾などインバウンド旅行客に最も人気のある旅行先です。コロナが収束すれば、旅行業界および訪日旅行は急激に回復すると確信しています。これは同時にアゴダが強みを発揮できるときでもあります。

ビッグデータを活用し、コロナ禍も好調(大尾嘉氏)

 ――コロナ禍で事業の方向転換はありましたか。

 金川:定山渓温泉には、宿泊施設が20軒ほどありますが、営業しているのが2施設くらいのときもありました。それほど感染症拡大による影響は大きかったです。当初は未知のウイルス蔓延に、旅行など考えてもらえず、集客に向け試行錯誤が続きました。

 ただ、花もみじは、比較的コロナ禍に即した個人対応ができました。例えば個室での夕食や露天風呂付き客室がない代わりに貸切風呂を提供するなどです。プライベート空間の提供をしっかり打ち出しました。

 その後、国のGo To事業が始まりトラベルバブルを経験しましたが、この流れに乗じないように気を引き締めました。事業が最終的にどこまで続くのか、わからなかったからです。コロナ禍でも、Go To事業が終わったあとでも、リピートしてもらえることが、私共にとって大切だと考えます。このほか、館内各所に相当な設備投資を行いました。 

 ――コロナ禍で旅行者の行動は変わりましたか。観光需要回復に向けての取り組みは。

 大尾嘉:最も大きな変化は、海外旅行に行けなくなり、国内旅行にシフトしたことです。行動が制限されても、旅行をしたいという思いは依然高く、とくに国内旅行における変化は、マイクロツーリズムの台頭です。自宅から車で1、2時間掛けて行けるような近場旅行のことで、宿泊が旅行の手段というよりも、泊まること自体が目的に変わりました。旅館・ホテルを訪れ、そこでの体験を楽しむようなユーザーが増えています。この変化を受け、アゴダはカスタマイズプランを開発し、より宿泊滞在時のイメージや魅力が旅行者に伝わるよう改善しました。

 実際に私共のサイトでみても、2019年と21年の第4四半期を比べると、旅館というキーワードでの検索が約2倍に増えています。さらに、温泉地という言葉で探す人は3倍近くになりました。自粛疲れもあると思いますが、日本国内で温泉や旅館への関心が高まっています。

 また、コロナ禍でアゴダは3つの企画をリリースしました。1つ目は「Easy Cancel(イージー・キャンセル)」です。コロナ禍による急な旅行制限に対応できるように、宿泊プランの変更・キャンセルを簡単にしたいユーザー側のニーズに対応した仕組みです。施設側から見ると負担ともとれますが、導入した宿の予約数は大幅に増えています。この事実をお伝えすることで、選択いただくケースは多いです。2つ目は「Hygiene Plus(ハイジーン=衛生・プラス)」です。これにより、ユーザーは健康と安全に関する規約のチェックリストを持つ宿泊施設をじん速に識別できるようになりました。最後は「Beds Network(ベッズ・ネットワーク)」です。ブッキング・ホールディングスが誇る世界最大級の提携アフィリエイトパートナーや、ホールセラーに販路を拡大できるプログラムです。煩雑な手続きや追加コストなしで、宿泊施設のB2B業務を効率化します。

コロナ禍の旅行需要に応えるため、3つのサービスを開始

 ――現状はいかがですか。

 大尾嘉:2021年の国内予約数は、コロナ禍前の19年を上回りました。伸び率も、日本のマーケットや産業の平均と比べ、はるかに高いです。コロナ禍の日本においても、アゴダは国内予約数を伸ばしています。

 その要因は、さまざまありますが、まず1つは、予約検索のパーソナライズ化です。旅行客の過去の検索行動やアゴダが持つマーケティング・インテリジェンス(市場戦略情報)で集積された情報に基づき、最適な検索結果を表示しています。例えば、北海道の花もみじ様と親和性があるユーザーと判断したら、アゴダのプラットフォームをはじめ、外部のアフィリエイトやサイト上で、宣伝・誘導します。この仕組みを、日本国内のさまざまな旅館・ホテルに提供したため、インバウンドを失った一方で国内の予約数が増加しました。

 2つ目は、日本の旅館・ホテル向けカスタマイズプランの導入です。これにより、特定ユーザーに向けた、マーケティングやクーポンキャンペーンも展開できました。

 ――日本市場拡大に向けての取り組みは。

 大尾嘉:コロナ禍を経て、旅行も様変わりしました。日本のユーザーニーズを捉え、さらに旅館・ホテルの要望もしっかり理解しながらより最適化していきます。テクノロジー会社として情報技術を生かし、客室稼働を上げるとともに、その魅力を全国に伝えていきます。

 アゴダは日本国内で約150人の社員を雇用していますが、今年末までにチームを大幅に増強する計画で、旅館・ホテルのサポート体制をより強固にしていきます。

提案から企画も、密な連携を期待(金川氏)

 ――今後どのようなサポートを期待しますか。

 金川:アゴダからは、他の海外OTAと比べ、頻繁にコンタクトいただきます。このやりとりが、企画にも生きています。海外で圧倒的なシェアを誇りながらも、国内の契約施設向けサービスを充実させている点を評価しています。マイクロツーリズムという観点では、札幌中心部からも近いので、市内のお客様をしっかり送客いただいています。今後も密な連携を期待しています。

 大尾嘉:アゴダの強みの1つは、旅館・ホテルへ赴き、提案し続けることです。それはやみくもに訪問するのではなく、データを基に改善提案を行うことです。さまざまな事例を踏まえ、戦略的に提案するよう心掛けています。

 金川:今は間違いなくコロナ禍前より友好な関係にあります。色々な提案をいただきますが、国内OTAとはまた違うフィードバックなので、とても新鮮です。
 グローバルOTAの管理画面は、国内OTAとは異なり、慣れないうちは使いづらい部分もあります。海外のお客様をより多く取り込みたいのであれば、アゴダのプラットフォームに合わせていくという視点も大切だと感じています。

 大尾嘉:ご指摘を一つひとつクリアしていこうと進めています。グローバルというと共通した基準、すなわち標準的なものをつくり、全部を同じにするイメージがありますが、アゴダには国ごとにそれを適用し、順応させていくというマインドがあります。その結果、海外旅行を予約する際に、アゴダを使っていたという旅行客が、国内旅行にもアゴダを利用してくれるようになり、需要はますます増えています。今後も引き続き、しっかりと日本のニーズに応えられるように改善していきます。

 ――最後にアゴダの今後の展望をお願いします。

 大尾嘉:国ごとに宿泊施設の選び方は異なり、日本のユーザーにも特有のものがあります。その需要を見極め、グローバルOTAにしかできないデジタルマーケティングを提供し続けます。テクノロジーは常に進化しますが、社内には総勢1千人以上のエンジニアが在籍し、日本国内のユーザーや旅館・ホテルに適応したサービスやサポートを提供します。
 インバウンドは必ず戻るので、日本国内の旅館・ホテルを世界のユーザーに、どのようにアピールするのかも課題です。海外のユーザーニーズを的確にとらえ、日本という国や四季折々の魅力的な観光地を、世界にしっかり発信して行きます。

 ――ありがとうございました。

ホテル・旅館予約サイト「Agoda」とは

Agodaご登録に関する問い合わせ

電話番号:03-6634-5058

新規参画申し込みフォームはこちら(アゴダ社サイトへのリンクです)

3月26日から佐倉チューリップフェスタ2022が開催

2022年3月22日(火) 配信

55万本のチューリップ畑が広がる

 千葉県佐倉市と佐倉市観光協会は3月26日(土)から、印旛沼湖畔の佐倉ふるさと広場で「佐倉チューリップフェスタ2022」を開く。今年は、昨年よりも多い約80種類55万本のチューリップがオランダ風車を背景に咲き誇る。4月17日(日)まで。

 期間中は、チューリップの掘り取り販売や観光船による印旛沼遊覧、ストリートオルガンの演奏、風車まつりなど各種イベントを企画している。インスタグラムフォトコンテスト「春のふぉとこんてすと」は、3月19日~5月8日に撮影して投稿した写真が対象。佐倉市観光協会のインスタアカウントをフォローし、「#春ふぉと佐倉2022」をつけて投稿する。会場の佐倉ふるさと広場には、花言葉にちなんだインスタスポットも登場するという。

 

JALとANAが国交省バリアフリー化推進功労者大臣表彰を共同受賞

2022年3月22日(火) 配信

2社合同で8空港と意見交換会を実施

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長)と全日本空輸(ANA、平子裕志社長)は、3月17日(木)、第15回「国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰」を共同受賞した。同表彰は2007年度に創設。国土交通分野におけるバリアフリー化の推進に多大な貢献が認められた個人または団体を表彰し、バリアフリー化に関する優れた取り組みを広く普及・奨励することを目指す。

 JALとANAは、コロナ禍でもすべての搭乗客に安全・安心に旅行してもらえるよう、障害者参画のもと、さまざまな当事者ニーズに寄り添った接遇ガイドラインを策定。21年5月から、国内主要8大空港の空港ビルや空港運営会社の理解促進に向け、接遇ガイドライン座学や案内の実演、意見交換会を実施してきた。ANAは16年度、JALは17年度に各社単体で表彰を受けているが、共同での受賞は今回が初めて。会社の垣根を超え共同で航空業界におけるバリアフリー化の推進に取り組んだことが高く評価された。