「人が活躍するツーリズム産業の価値共創」発刊 島川氏、矢嶋氏らが執筆「大切なのは、価値を共創すること」

2022年3月4日(金) 配信

 

 「人が活躍するツーリズム産業の価値共創」(成山堂書店)は、「ツーリズムに関わるすべての人が、それを喜びとし、価値をともに創発していける環境を作らなければ、この業界は確実に衰退する」との危機感を根底に書かれた書だ。

 「大切なのは、価値を共創すること」とし、ツーリズムに関わる皆が喜びを感じ、その果実の正当な分配を受けることができる環境の構築の必要性を訴える。

 島川崇氏(神奈川大学国際日本学部教授)、神田達哉氏(サービス連合情報総研業務執行理事兼事務局長)、青木昌城(ホスピタリティーコーチングサービス代表)、矢嶋敏朗氏(日本大学国際関係学部准教授)の4氏がそれぞれの専門分野で執筆し、これからの観光産業を担う学生たちにエールを送る。定価2500円(外税)。

ANTA、国内観光活性化フォーラム5月31日に延期 コロナの全国拡大で

2022年3月4日(金) 配信

会場は山梨県甲府市のYCC県民文化ホールで、変更はない

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は3月9日(火)に開催を予定していた「第16回国内観光活性化フォーラム」を5月31日(火)に延期する。

 新型コロナウイルスが全国的に拡大していることが理由。会場は山梨県甲府市のYCC県民文化ホールで、変更はない。

HIS、新社長に矢田氏 澤田氏は会長とCEO留任

2022年3月4日(金) 配信

矢田素史新社長。経営と執行の分離をより明確化し、落ち込んだ業績の回復をはかる

 エイチ・アイ・エス(HIS)は2月25日(金)に取締役会を開き、3月1日(火)付で取締役の矢田素史氏が代表取締役社長(COO)に昇格する人事を決めた。澤田秀雄社長は同日付で退任。兼務する代表取締役会長とグループ最高経営責任者(CEO)は留任した。

 同社は経営と執行の分離をより明確化することで、コロナ禍で落ち込んだ業績の回復とさらなる企業価値向上を目指す。

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 矢田 素史(やだ・もとし)氏 1961年生まれ。84年4月陸上自衛隊入隊。93年8月HIS入社。98年5月関東営業本部次長、2004年11月関西営業本部部長、05年10月九州産業交通顧問、同年11月九州産業交通代表取締役社長などを経て、21年1月取締役上席執行役員などを兼任。

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(134)フロアスタッフにできる美味しい料理の提供 気づき・機転・共有

2022年3月4日(金) 配信

 

 小さな子供連れの夫婦が食事に来たとき、イスの用意や周りのお客様との席位置を考えて案内するスタッフがいます。提供する水のコップや使うカトラリーなどに配慮する人もいるでしょう。

 お子様向けのメニューを丁寧に説明し、オーダーを厨房に伝えて出来上がった食事をスピーディにテーブルに運ぶ。そこには、日ごろの研修で身に付けた素晴らしい笑顔と身のこなしがあり、とても素敵なことです。さらにクレームになるようなミスがなければ、お客様も満足されるでしょう。

 しかし「次もここで」、あるいは「ここを誰かに紹介したい、紹介せずにはいられない」という気持ちにさせるには、何かが足りない。それは「感動」です。

 ただ単に食事に「感動」を求めるお客様がいるでしょうか。美味しい食事を安く、気持ち良く食べてもらえばまた来てもらえる、という考えの人もいるでしょう。

 しかし、それはお客様の気持ちに委ねただけで、偶然にまかせたビジネスです。私たちサービス業が目指すべき、本来の姿ではないと思います。サービス業の仕事とは、料理はもちろんですが、「人による接客」でリピーターを創造することです。

 当社が主催した「おもてなしセミナー」で、「あなたが感動したサービス」について、参加者から「小さな子供を連れて夫婦で行ったレストラン」での、スタッフの言葉に感動したという話がありました。

 そのスタッフはオーダーを取りに来て「ご注文のお食事はお出しするタイミングを、少しずらしましょうか」と言ったそうです。家族で外食するときは、いつも子供の食事を優先させ、それが一段落して自分たちが食事をするのが当たり前だったのです。

 そのために、美味しい料理も冷めてしまい、それも仕方がないと諦めていたようです。ところがスタッフからの思わぬ提案に驚き、感動されたというのです。

 そこにはスタッフの気づきと機転、それを厨房に伝える勇気と、それを面倒くさいと思わずに実行するシェフたちとのチームプレーの素晴らしさがあります。

 サービスを提供する人が、自分自身の体験からこうした行動を思いつくこともあるでしょう。

 その体験をスタッフ間でシェアできれば、ほかのスタッフも同様の行動ができるかもしれません。

 しかし、そうした体験がなくても、どのような行動を取ればシェフたちが創る料理をより美味しく食べてもらえるかに強い想いを持てば、感動を創り出すことができるのです。こういう店に笑顔があふれ、リピーターが増えるのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(244) 北京冬季五輪の光と影

2022年3月4日(金) 配信

 コロナ禍の中で北京冬季五輪が行われた。北京は2008年に夏季五輪を開催しており、夏季・冬季を開催した唯一の都市になった。北京冬季五輪には91の国・地域から約3千人の選手が参加した。

 コロナ禍の故に選手・関係者と一般市民が接触しないように厳格なバブル方式が徹底された。雪の少ない乾燥地帯での開催なので「100%人工雪」での開催であった。さらに米英などは人権問題を理由に政府代表を派遣しない「外交ボイコット」を行い、米中対立を反映する世界分断的な祭典になった。

 幸い日本の若人たちは実力を発揮し、冬季五輪で最多の18個のメダルを獲得し、さまざまな人間ドラマが展開された。スピードスケートの高木美帆選手とジャンプの小林陵侑選手、スノーボードの平野歩夢選手、カーリングのロコ・ソラーレなどの大活躍によって、コロナ禍の長期化で沈滞している日本に元気を与えてくれた。

 大会は閉幕したが、運営面ではルールの曖昧さや不公正な競技判定やドーピング問題などが噴出し、スキャンダラスなオリンピックという批判がなされた。また五輪では国家は本来脇役であるが、長期政権を画策する習近平国家主席は独裁権力を確立するための「政治ショー」として利用したと批判された。

 「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進のためにスポーツを役立てる」という五輪憲章の理念とは裏腹に商業主義に走る国際オリンピック委員会のバッハ会長への批判も高まっている。

 今大会のメダル最終獲得数の一覧表を見ると、アフリカと中南米、中近東、東南アジアなどの国々や地域は1つもメダルを獲得していない。雪がほとんど無い国々や地域とはいえ、冬季五輪は北の裕福な先進諸国のためのスポーツの祭典であることも事実だ。

 26年の冬季五輪はイタリアのミラノ・コルティナ・ダンペッツオで開催される予定で、70年ぶり2度目の開催になる。札幌市は30年に2度目の冬季五輪誘致を目指している。共産党独裁体制の中国とは異なり、札幌での2度目の五輪開催には市民の十分なる理解が必要不可欠になる。

 いつまでも五輪や万国博覧会などの問題だらけのビッグイベントに固執せずに、独自のユニークかつ「未来志向」の地域活性化策を案出すべきであろう。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

JR西の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」のチョロQ販売 日本旅行

2022年3月3日(木) 配信

「etSETOra(エトセトラ)」チョロQ

 日本旅行(小谷野悦光社長、東京都中央区)は3月4日(金)から、西日本旅客鉄道(JR 西日本)広島支社とともに、観光列車「etSETOra(エトセトラ)」のオリジナルチョロQをエトセトラ車内で先行販売する。

 同社は、観光列車「etSETOra」の車内サービス業務をJR 西日本広島支社から業務受託している。今回のチョロQは、車両から広がる瀬戸内海の海をイメージした「青」と、海岸線から見える波の「白」をコンセプトにした車両デザイン、特徴的な大きな丸窓やロゴマークを忠実に再現した。なお、「チョロQ」はタカラトミーの登録商品。

 販売価格は 1320 円(税込)。4 月以降、広島エリア主要駅のおみやげ売場や、広島・岡山エリアの日本旅行一部店舗など、発売箇所を売り出す予定だ。

泉南市が関空でギャラリー展 3月27日のANAチャーターに合わせ開催

2022年3月3日(木) 配信

空港利用者に泉南市の魅力を発信

 大阪府泉南市は3月27日(日)、ANAグループが開催するフライトイベント「ANA FLYING HONUチャーターフライトin関西国際空港」に合わせ、同空港内に「泉南市ギャラリー展」を出展する。市内の学生からデザインを募って制作した全長6メートルの巨大海ガメバルーンの展示や、これまでに開催された、さまざまなイベントフォトを集めた「泉南市イベントギャラリー」などで市の魅力を発信する。

 「ANA FLYING HONUチャーターフライトin関西国際空港」は、東京とホノルルを結ぶ、エアバスA380型機「FLYING HONU」による遊覧飛行体験や、実際のANA国内線プレミアムクラスの昼食の提供など、旅行気分を味わうことができるフライトイベント。なお、同市は市民を対象に抽選で15組をチャーターフライトへ招待するキャンペーンを実施している。公募期間は3月6日(日)まで。泉南市民であれば誰でも応募できる。詳細は泉南市観光協会のホームページなどを参照。

世界遺産の伊・ポンペイから生中継 ジャルパックのオンラインツアー

2022年3月2日(水) 配信

世界遺産ポンペイの魅力を堪能

 ジャルパック(江利川宗光社長、東京都品川区)はこのほど、3月26日(土)にオンラインで開く「イタリア オンラインツアー ~遺跡内からのライブ中継!~ ロマンあふれる世界遺産ポンペイ遺跡の今と過去に触れる!」を売り出した。

 世界遺産として有名な古代ローマ時代に繁栄したポンペイの遺跡から、ベテランガイドが生中継する。約2000年前のベスビオ山大噴火当時のまま再現されたポンペイ遺跡には、まだまた日本人が知らない事実が多い。同社は「ポンペイ遺跡の魅力に触れて、イタリア旅行気分をぜひ堪能してほしい」とアピールする。

 開催は3月26日(土)の午後6時から1時間の予定。Zoomを使用する。料金は1接続1800円(税込)。

自治体向け「大阪・関西万博」シンポジウム開く 3月9日にオンラインで

2022年3月2日(水) 配信

「海の万博」へ関心を

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は、ホストタウンアピール実行委員会と共同で、3月9日(水)の自治体向けオンラインシンポジウム「海を楽しむ、海を守る、“笑顔輝く”日本の海」を運営する。主催は、2025年日本国際博覧会協会。

 同シンポジウムは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)への全国の自治体の参加促進や機運醸成、また会場の四方を海に囲まれた初の国際博覧会「海の万博」に対する関心をより高めることが目的。海を楽しむとともに、海の現状や海が拓く未来への可能性を探る。

 当日は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンで、サーフィン競技に参加した国を受け入れた5つの自治体が登場。ホストタウン交流の成果や課題、海に関する取り組みについて紹介するほか、トークセッションで「海」でつながる大阪・関西万博に向けて、自治体が連携して取り組めることを議論する。参加自治体は福島県南相馬市と千葉県いすみ市、静岡県下田市、静岡県牧之原市、宮崎県日向市。

 シンポジウムへの参加費は無料、事前申込制で先着1000人の定員制。詳細は2025年日本国際博覧会協会のホームページから。

〈観光最前線〉長崎駅に商業施設オープン

2022年3月2日(水)配信

3月18日にオープンする「長崎街道かもめ市場」

 今年9月23日の西九州新幹線(武雄温泉―長崎間)開業に向け、着々と整備が進む長崎駅で3月18日、長崎の銘菓や物産を取り扱う土産店、地元食材を使ったメニューやご当地グルメが味わえる飲食店などが入った商業施設「長崎街道かもめ市場」がオープンする。

 駅高架下に整備されるもので、土産店27店舗、飲食店14店舗(横丁ゾーン8店舗・ご当地ゾーン6店舗)、コンビニやベーカリー、ファーストフード、ATMなどのデイリーサービス店13店舗の計54店舗が出店する。

 営業時間は、土産店が午前8時30分から午後8時まで。飲食店は午前11時からで、横丁ゾーンは午後11時まで、ご当地ゾーンは同10時30分まで。店舗により一部営業時間が異なる。

【塩野 俊誉】