JTB、5G・XR・AIを活用 「新しい移動体験」の実証実験で

2022年2月4日(金)配信

車室空間コンセプト「SQUAL」の外観と内装

 JTBはトヨタ自動車とトヨタ紡織、NTTドコモと共同で2月10日(木)~16日(水)まで、愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で「新しい移動体験」の実証実験を実施する。5G、XR、AIを活用して、車室内でエンターテインメントコンテンツやオンラインツアーが楽しめるものを提供する。

 同実証では、広島県・鞆の浦の観光ガイドと愛知県の車室空間コンセプト「SQUAL(スクォール)」をつなぎ、相互通信を活用しながらリアルタイムでオンラインツアーを提供する。車両内に設置されている3面ディスプレイを用いて、臨場感と没入感のあるオンラインツアーの実証を実施する。

オンラインツアー撮影のようす

 併せて、ライドアトラクション用バス「MOOX(ムークス) on FCバス」では、立体音響やXR技術による新しい車室空間を提供。同時に複数人が同じインタラクティブなコンテンツを体験しながら移動する実証も実施する。

 JTBは今後、先進技術を生かした「新しい移動体験」を観光やエンターテインメントの領域で活用し、旅を含めたさまざまなシーンにおける新たな顧客体験価値の創造を目指すとしている。

新たな旅行の選択肢に「農泊」提案 ステイジャパンが推し農泊CPを展開中

2022年2月3日(木) 配信

キャンペーン参加動画の一例

 ​百戦錬磨( 上山康博社長、宮城県仙台市)が運営する農泊など地域の暮らしや文化に根差した宿を集めた予約サイト「STAY JAPAN(ステイジャパン)」は、1月31日(月)から、 著名人やYouTuberなどによる農泊体験動画の中から気に入った動画に投票し、ナンバーワンを決める「推し農泊投票キャンペーン」を始めた。アフターコロナにおける新たな旅行の選択肢として「農泊」を提案するのが狙い。

 「農泊」とは、 農山漁村で日本ならではの伝統的な生活体験と農村地域の人々との交流を楽しみ、農家民宿や古民家を活用した宿泊施設など、多様な宿泊手段によりその土地の魅力を味わう農山漁村滞在型旅行のこと。

 投票した人のなかから、抽選で12人に農泊予約サイト「STAY JAPAN 」で使えるクーポンをプレゼントする。なお、「推し農泊No.1」に選ばれた地域は3月下旬ごろに発表する予定という。応募などはSTAY JAPANのサイトから。

京都の旧任天堂社屋をホテルに 安藤忠雄氏が設計監修

2022年2月3日(木) 配信

安藤氏による「丸福樓」の外観デザイン

 Plan・Do・See(野田豊社長、東京都千代田区)は4月、京都・下京区鍵屋町にホテル「丸福樓(まるふくろう)」を開業する。旧任天堂社屋を世界的建築家・安藤忠雄氏設計監修のもと、生まれ変わらせる。1月20日(木)からオフィシャルサイトで宿泊予約を開始した。

 任天堂の基となる事業として、初代が1889年に京都で花札の製造を開始。1947年には任天堂の前身として、花札・かるた・トランプの製造や販売をする会社「丸福株式会社」を設立した。その歴史をつむぎ、当時の屋号をホテル名に取り入れたという。

 既存の建物と安藤忠雄氏が設計監修した新しい建物が融合し、全18室のホテルが誕生する。

 食事は料理家・細川亜衣氏が監修し、季節の食材を生かした体に優しい無国籍料理を、夕食・朝食ともにコース仕立てで提供する。

 料金は1泊(1室2人利用時)10万円から。

クラツー、サブスクで新サービス「バス前席指定特典」始める

2022年2月3日(木) 配信

クラブツーリズムパス会員専用のワンコインイベントも展開している

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)は2月1日(火)から、月額定額制サービス「クラブツーリズムパス」会員の特典サービスとして、「バス前席指定」付帯サービスの提供を始めた。日帰りバスツアーで通常1500円で販売しているもので、乗降しやすく前方の車窓が見えやすいため人気があるバスの前方席を指定できる。

 クラブツーリズムパスは、KDDIと協業で2021年10月からスタートしたサブスクリプションサービス。「趣味」「生活」「旅行」の3ジャンルで、オンラインサービスを提供している。「趣味」のジャンルは、趣味のオンデマンド講座「学び放題」と、生配信の「オンライントークライブ」、各テーマに紐付いたリアルイベント「オフ会」の3本柱で展開。月額利用料550円。

ホテルメトロポリタン鎌倉、鎌倉武士に愛された「勝⾊」で染めたオリジナル⼿ぬぐいプレゼントのお得な宿泊プランを販売

2022年2月2日(水) 配信

「勝⾊」で染めたホテルオリジナルの⼿ぬぐい

 ホテルメトロポリタン 鎌倉(神奈川県鎌倉市)は12月31日(土)まで、鎌倉武士に愛された「勝⾊(かちいろ)」で染めたホテルオリジナルの⼿ぬぐいをプレゼントするお得な宿泊プランを販売している。ホテル滞在中に指定のハッシュタグをつけ、館内や客室などの写真をインスタグラムに投稿することが条件。

 同プランで宿泊すると、ホテル1階「Café&Meal MUJI」の地元⾷材などを使⽤した朝⾷も無料となる。

 オリジナル手ぬぐいは、ホテルのビジュアルイメージでもあるイチョウの葉が舞い散るようすをデザイン。染⾊に使⽤している藍⾊は、「褐⾊(かちいろ)」とも呼ばれ、「かつ」に「勝」の字をあて「勝⾊」とも表現されたことから、縁起⾊として鎌倉に幕府を開いた源頼朝に仕える武⼠たちに愛され、武具や鎧や兜に使われたという。

 また同ホテルでは、源頼朝と彼に仕えた北条義時ら13人の重臣に焦点を当て、それぞれのゆかりの地を紹介する、ホテルスタッフ⼿作りのリーフレットをロビーに用意している。

オリパラのプロモ効果を調査 3億9000万人の訪日意欲向上(JNTO)

2022年2月2日(水) 配信

蔵持京治理事

 日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は1月26日(水)に開いた会見で、東京オリンピック・パラリンピックについて海外への情報発信の効果を調査した。効果測定レポートによると、「海外居住者向けアンケート」の38.6%の回答者(推計3億9000万人)が、東京オリ・パラを契機としたプロモーションやSNS(交流サイト)投稿、報道などを通じて、将来の訪日意欲が新たに向上したという結果が得られた。

 同アンケートは、13カ国・地域の20歳以上の男女8034人の海外居住者を対象に、東京オリ・パラを通じた日本への関心動向や、態度変容などについて調査を行った。

 JNTOでは、米国や中国、イギリス、フランスを重点市場としてプロモーションを強化した。オンライン広告・テレビCM・屋外広告で訪日を喚起するプロモーション動画をこの4カ国で集中的に配信したところ、3.1億回以上視聴された。アンケート対象者のうち、70%以上が広告を見て「訪日意欲が高まった」と回答。米国でオリ・パラの独占放映権を持つNBCのアンケートでは、CM視聴者の95%以上が日本にポジティブな印象を持ち、40%が次の海外旅行は「日本を予約検討する」と答えた。

 来日した海外メディア209人にアンケートを行ったところ、今回の取材に置いて最も日本に魅力を感じたことは「歴史・伝統文化」が39.2%と最多に。次いで「食文化」が38.3%、「有名な観光スポット」が29.7%となった。

 このほか、今後の取材対象として「アクティビティ」や「大阪・関西万博」にも関心が寄せられていた。

 JNTOの蔵持京治理事は、「メディア調査と海外居住者ともに、2025大阪・関西万博への関心があり、万博に向けての訪日が期待できる」とし、「今回のオリ・パラで得たレガシーを活用し、さらなる日本のファンの獲得に注力する」考え。

22年度の重点は「高付加価値旅行」など3分野

 JNTOは、段階的なインバウンド再開を見据え、22年度は「高付加価値旅行」、「サステナブルツーリズム」、「アドベンチャーツーリズム」の3分野を重点として取り組んでいく方針を示した。

 高付加価値旅行では、今年1月に「高付加価値旅行推進室」を設置。富裕層向けの観光コンテンツ収集・蓄積を強化し、国内のオペレーターやコンシェルジュなどとのネットワーク化をはかる。効果的な情報発信の実践・強化などを通じて、組織横断で取り組みを強化していく。

 同様に、新たに「サステナブル・ツーリズム推進室」を設置し、全国のサステナブルツーリズムに関わる施設やアクティビティを紹介するデジタルパンフレットを制作するなどした。22年度はコンテンツを拡充したうえで、一般消費者向けの情報発信を強化する。

 23年に開かれる「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット」(ATWS、ATTA主催)の開催地に北海道が選ばれたことから、これをきっかけにPRを強化する。JNTOの特設ページを拡充してモデルルートやアクティビティを海外に発信していく。

八重洲地下街の魅力向上へ 東京駅・八重洲地区再開発に合わせたリニューアル進む

2022年2月2日(水) 配信

窪田弘美社長

 八重洲地下街(窪田弘美社長)が運営する東京駅直結の八重洲地下街(ヤエチカ)で、東京駅・八重洲地区再開発に合わせたリニューアルが進んでいる。

 2月2日(水)には、リニューアルの第1弾となる「TOKYO CURRY QUARTET」が、8月竣工予定のヤンマー東京ビルや東京ミッドタウン八重洲に合わせ開業した。同地区の再開発により商業施設やオフィス、大規模バスターミナルなどが続々と開業し、段階的に来街者数の拡大が見込まれることから、ヤエチカの魅力を向上させることが狙いだ。

 リニューアルのポイントは、「Yae―Chic―Style(多様な人が往来し交差する場に相応しい八重洲らしい場所づくり)」と、「街のLDK(様々な街とつながる、各エリアでの拠点となる場づくり)」の2つ。

 「街のLDK」は、公共の地下道であるヤエチカが抱える「1日の来街者(通行者)数が約15万人なのに対し、利用者が約3割」という課題を解決するべく設定された。今後、2022~28年に掛けて段階的に開業する八重洲バスターミナル(仮称)などの完成後となる29年には、ビジネス環境で約8~9万人、観光・交通環境で7~9万5千人の増加(コロナ以前の試算)を見込む同社。

 同試算を踏まえ今回開業した「TOKYO CURRY QUARTET」のような、立ち寄りたくなる場所、回遊してもらえる場所、何度も足を運びたくなる場所を随所に展開していく。

 2月2日(水)に行われた同エリアの内覧会でリニューアル計画を説明した丹羽亨専務は、「八重洲地区の中心位置し、周辺の一部再開発ビルやバスターミナルも地下でつながるヤエチカをまちのハブ機能をもつ地下街に」と思いを語った。

 また、窪田社長は「お客様が新ビルやバスターミナルをご利用いただく際に東京駅から通路を通って直接行ける絶好の立地にあるので、そういった方に利用いただける拠点になる。駅と周辺地域をつなげる架け橋となるべく、魅力ある地下街を目指す」と力を込めた。なお、ヤエチカ全体のリニューアルは今後も同エリアの整備に合わせて進められるため、終了は29年となる予定だ。

名店の味を1カ所で 八重洲地下街に「TOKYO CURRY QUARTET」開業 

2022年2月2日(水) 配信

元祖カツカレー(銀座スイス)

 東京駅に直結する「八重洲地下街(ヤエチカ)」に2月2日(水)、「TOKYO CURRY QUARTET」が開業した。

バターチキントほうれん草チーズ(シターラ ダイナー)

 カツカレー発祥の店「銀座スイス」や「奥芝商店」、「コロンビア8」、「シターラ ダイナー」からなる同エリア。運営する八重洲地下街(窪田弘美社長)が1つのテーマでエリアをまとめるのはこれが初めて。

 1日に行われた内覧会で窪田社長は「それぞれ多くのお客様から絶大な支持を集めている人気店。その4店舗の味を1カ所で味わえる場所はここだけ。カレーの奏でる4重奏のハーモニーを楽しんで」とPRした。

宗谷黒牛100㌫おくしバーグカレー(奥芝商店)

 東京23区初出店の「奥芝商店」は、北海道を代表するスープカレー店の1つで、毎朝約2千匹の甘海老の頭で出汁をとった元祖「海老出汁」スープが特徴。店頭では催事などの際にしか購入できなかったカレーパン「小麦のかたまり」全6種を数量限定で販売する。また、3月中旬ごろから数量限定で羅臼産のガサエビやきんき、ドスイカを使用したヤエチカの店舗限定のカレーも販売を予定する。

キーマカレー(コロンビア8)

 「右手にスプーン、左手にししとう」を合言葉に少し変わったカレーの食べ方を楽しめる「コロンビア8」は、関東初出店。30種以上のスパイスを使用したキーマカレーが味わえる。同店舗の合言葉は、スパイスの香りを感じやすくする目的でししとうを少しづつかじりながら食べる、同店ならではの食べ方を表している。

学研×クラブツーリズム、加齢医学の第一人者によるライブ配信セミナー開く(2月23日)

2022年2月2日(水)配信

最新の医学、脳科学の知見をもとに講演が行われる(写真はイメージ)

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都新宿区)は2月23日(水)、学研ホールディングス(宮原博昭社長、東京都品川区)の認知症予防研究室と共催で、認知症予防に役立つオンラインセミナーを開く。

 講師は、東北大学加齢医学研究所の東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター副センター長の瀧靖之氏。過去に5回開催している学研ウェルネスCLUBの認知症予防オンラインセミナーを、今回はクラブツーリズムとの共催にし、さらに内容を充実させて実施する。

 開催時間は午前11:00~午後0:30。配信形式はZoomウェビナー。参加費は無料で、2月21日(月)までに申し込みが必要となる。定員は500人の先着順。申し込みは学研ホールディングスのウェブサイトから。

「街のデッサン(250)」 動態型社会創造の時が来た、江戸の鎖国が齎した内発型活性化手法

2022年2月2日(水) 配信

こんな楽しい風景を早く見たい

 この数年続くコロナ禍で、世界中の国々が自閉した時代を過ごした。いわば世界が疑似的鎖国をしている状況にある。感染者がワクチン接種のお陰で一時期減少傾向に入ったが、新株出現でまたぞろ増加に転じている。オミクロン株の強い感染力が鎖国状態を持続させ、国際交流も、インバウンド復興もお預けだ。

 しかし、最近私は日本が江戸時代に試みた鎖国という世界でも珍しい奇策が、実は国内の経済や文化を活性化させた試みだったのではないかと考えている。アダム・スミスは「国富論」で、国の繁栄は他国との交易が必須と唱えているから、経済学的に鎖国は愚策であったはずだ。だが、実際には日本の鎖国が、国内の産業経済の活力を生み出し、日本型初期資本主義が大きく育ち、それらを基盤に文化や芸術も特異に開花した時代であった。その理由は、外に閉じたお陰で国内が「動態型社会」に移行したからと仮説が浮かぶ。

 江戸時代は日本中の地域とそこに暮らす多様な階層の人々が、それこそ動き回った社会であったのだ。要するに江戸時代は、「静態社会」を超えて「動態社会」を生み出していた。それは人々が移動する社会制度や学び、遊び、祈り、体験(旅や観光など)といった仕組みや仕掛けが多様に生み出された内発アクティビティのデザインに鍵がある。

 例えば、徳川幕府が制度化した「参勤交代」といういわば移住強要は、驚くべき動態社会を支える仕組みだ。藩と江戸を行き来する大名の集団的移動は莫大な費用が掛かっただろうし、その使われたお金の多くは宿泊費や兵糧、交通費として街道の各地の経済を活性化させた。さらに藩は資金調達のため独自の地場産業育成を進め、産業創造を競うようになった。江戸に滞留する大名らは中央と地方の文化的差異を生かし、江戸と郷里の両極に芸術文化を育む苗床を醸成した。

 結局、大名らはお金を蕩尽し幕府に楯突く猶予もなく、世の中は平穏無事を保留した。一方、都市の町民や周辺部の農民らは、伊勢講や富士講など巧妙な金融策で長期の旅を楽しんだ。講で得る自前の旅であるから、臆面もなく羽目を外す自在な旅であっただろう。

 パンデミックを乗り越える最大の叡智は、コロナウイルスとの親和性だ。その親和性のデザインは、弘法大師の四国の88カ所お遍路旅が秀逸だ。お遍路は個人が軸で集団にはならない。この散逸行動が辺鄙な島の経済と文化を共創させた。外に閉じても、個と自律分散集合の躍動する動態社会の実現に、現代社会が学ぶ点は少なくない。

コラムニスト紹介

望月 照彦 氏

エッセイスト 望月 照彦 氏

若き時代、童話創作とコピーライターで糊口を凌ぎ、ベンチャー企業を複数起業した。その数奇な経験を評価され、先達・中村秀一郎先生に多摩大学教授に推薦される。現在、鎌倉極楽寺に、人類の未来を俯瞰する『構想博物館』を創設し運営する。人間と社会を見据える旅を重ね『旅と構想』など複数著す。