武田の笹かまぼこ(宮城県塩竃市)のこだわり 隠し味は地元の銘酒「浦霞」

2024年8月30日(金) 配信

自慢の笹かまぼこのほか、地元の名産品がそろう土産売り場

 旅行新聞新社主催の「プロが選ぶ観光・食事・土産物100選」(2024年12発表)に初入選した「武田の笹かまぼこ」(宮城県塩竃市)が、飛躍的に売り上げを伸ばしている。

 同社の笹かまぼこへのこだわりは、原材料に高ランクのスケソウダラだけでなく、イトヨリダイを使っていること。武田武士社長は「イトヨリダイに加え、隠し味に地元の銘酒『浦霞』」も使用し、昔ながらの石臼で笹かまをつくる会社はほかにないのでは」と、自信をのぞかせる。

 おすすめの土産は、「笹かまぼこプレーン(真空)」や「牛たんの利久笹かまぼこ」、「蔵王チーズかまぼこ」など。併せて「最近人気を呼んでいるのが、新東北みやげコンテストで最優秀賞を受賞した、白ワインとの相性がバツグンの『canささ笹かまアヒージョ』」(武田社長)という。

松島海岸への遊覧船が発着する「マリンゲート塩釜」からは徒歩10分

 店舗はJR仙石線本塩釜駅から徒歩20分の立地。売店のほか、塩竈の生マグロや、三陸産の蒸し牡蠣食べ放題が楽しめる「レストラン」、笹かまの製造・袋詰め工程の「工場見学」、自分で串に刺した笹かまを焼く「笹かまぼこ手焼き体験」など、楽しみ方はさまざまだ。

旅行ライター&エディター 三堀 裕雄

〈旅行新聞9月1日号コラム〉――日本の夏の旅行スタイル 「避暑地での長期滞在」に関心高まる

2024年8月30日(金) 配信

 今年の夏はとりわけ暑かった。7月から8月にかけての酷暑はある程度予想ができたので、「観光スポットを巡るような旅行はムリかな」と早期に諦め、夏休みを先延ばしにして仕事に励んだ。8月にまとまった休暇を取らなかったのは、おそらく社会人になってから初めてのことで、どうも自分のなかでは起伏の小さな、印象の薄い季節になりそうな感じがしていた。

 だから、8月終盤の週末に、どこか涼しい場所で過ごしたいと、旅先を探していたところ、群馬県渋川市の「伊香保グリーン牧場」のチケットを持っていたことを思い出し、以前から宿泊してみたいと思っていた伊香保温泉の名宿を予約した。

 「夏の避暑は緯度よりも標高の高い場所へ」は、私が長年数々の旅の失敗から得た経験則だ。伊香保温泉の標高は700~800㍍ということもあり、期待を込めて向かった。

 午前中に立ち寄った伊香保グリーン牧場の「シープドッグショー」はよく訓練された牧羊犬が山の斜面に散在するヒツジの群れを見事にスタッフの笛の指示通りに動かし、壮観だった。牧場ではウサギとの触れ合いもでき、自宅でお留守番をしているリクガメ同様に可愛くて癒された。冷房の効いたカフェでハーブティーを飲んだり、濃厚ミルクソフトクリームを食べたり、楽しい時間を過ごした。

 その後、昼食には定番の水沢うどんを食べ、少し時間があったので、異様な存在感を示す巨大寺院「佛光山法水寺」にも立ち寄った。長い階段を上る途中に日差しは強くなり、上まで行くことを諦めようと何度か思ったが、最後まで登り切った。

 宿泊予約した「千明仁泉亭」は、伊香保温泉石段街の真ん中辺りにある。365段の石段を何度か上り下りするうちに、佛光山法水寺の階段がボディブローのように効いてきた。昼間は暑かった伊香保温泉もチェックインと同時に雷雨となり、夜には涼しさを感じた。深夜には、館内のバー「楽水楽山」でジントニックを飲みながら、伊香保の静かな夜を満喫した。

 宿に20時間ほど滞在する間、源泉掛け流しの黄金の湯に何度も浸かり、雨に濡れた緑の山々を眺め、持ち込んだ葡萄酒でほろ酔いするなど、避暑地の宿で理想的な過ごし方ができた。

 今後、日本の夏の旅のスタイルは大きく変わるだろう。「避暑地での長期滞在」への関心がますます高まっていくはずだ。

 高原の宿は好立地を生かし、緑豊かな自然の中で涼しく散策できるコースが整備されているといいなと思う。滞在中には温泉にいつでも入れるように、幾つかの浴槽の清掃時間をずらしていくなどの工夫も必要かもしれない。図書室や、ゆったりくつろげるカフェ、エステなど、数日間滞在しても退屈しない環境づくりは、宿泊客の重要な選択基準の1つとなるだろう。

 一方、海辺の宿や、南に位置する宿でも十分に「避暑地」になり得ると思っている。

 私は毎年冬から早春に避寒地、避花粉地として沖縄を訪れる。だが、灼熱の夏も、夕方や早朝は島を吹き渡る風が心地よい。太陽が近い真昼は冷房の効いたホテルの客室で、青い海を眺めながらオリオンビールや泡盛、パイナップルワインを飲みながらくつろげると、私にとって沖縄は立派な「避暑地」である。真夏に涼しく過ごせる避暑地としての「定宿」を探すのが楽しみだ。

(編集長・増田 剛)

 

日旅、台北MRT社と観光交通における事業連携検討へ 日台の相互交流目指す

2024年8月29日(木) 配信

(右から)台北大衆捷運股份有限公司の詹文滔副総経理、仲介人を務めた台北市政府の李泰興秘書長、日本旅行の小谷野悦光社長

 日本旅行(小谷野悦光社長)は、台湾・台北市内の公共交通機関「台北MRT」を運営する台北大衆捷運股份有限公司(台湾MRT社、董瑞斌董事長)と、台北市の観光における次世代の交通手段の利用促進と、沿線地域観光の活性化を目的とした、観光交通における事業連携検討に関する覚書を結んだ。

 連携事項は、①日本から台北への旅行の利用促進に関すること②台北MRTが発行する乗車券や協力会社とともに発行する観光商品の利用促進に関すること③台北から日本への旅行の利用促進に関すること④その他、台北MRT社おとび日本旅行の協議により決定した共同事業とその活性化に関すること──など4項目。

 台北MRTは台北市に路線を持ち、台北市民の日々の生活を支えている。

 この度の連携で、海外旅行における観光MaaS推進の一環として、訪台日本人観光客への台北MRTの利用促進をきっかけに、沿線地域観光の活性化に寄与することを目的としている。将来的には、日台双方向の相互交流を創り出す旅行商品の共同開発や販売促進につなげていく。

日本ナショナルトラスト、文化遺産活用支援事業の公募受付 将来への継承目指す

2024年8月29日(木) 配信

支援事業のイメージ

 日本ナショナルトラスト(JNT、安富正文会長、東京都千代田区)は9月1日(日)~11月10日(日)まで、自然・文化遺産の保存・活用を行う地域を支援する新事業「地域遺産支援プログラム【トラスト・エール】」の公募を受け付ける。

 JNTは過去50年間、文化遺産などを所有・管理し、地域遺産の保全に関わる知識と経験・実績を築いてきた。こうしたノウハウを生かし、地域の特性や課題に応じた地域遺産を守るための持続的な「仕組み」を地域に構築し、日本各地の地域遺産を将来に継承することを目指す。

 同プログラムでは、JNTが支援対象地域にあった専門家を派遣。情報やノウハウの提供などソフト面で支援する。申請可能な組織は自治体や、営利を目的としない民間の活動団体など。採択数は最大4件で、事業期間は最長3年。

 また、JNTの実績を知ってもらおうと、9月29(日)~30(月)に同会において所有・管理する旧安田楠雄邸庭園(東京都文京区)で事業説明会と個別相談会を開催する。

大阪・空庭温泉の「あそび処」リニューアル お祭り気分味わえる空間に

2024年8月29日(木) 配信

「あそび処」イメージ

 関西最大級の温泉施設「空庭温泉 OSAKA BAY TOWER」(大阪府大阪市港区)は8月24日(土)、2階アミューズメントエリア「あそび処」をリニューアルオープンした。日本の「MATSURI」をテーマに、賑やかでお祭り気分が味わえる空間に一新した。

 ベトナム提灯が飾られたホイアン通りを抜けると、全長250センチの黄金のえびす様に見立てたオブジェが出迎える。その後ろには100個以上の風鈴が並ぶ棚やお稲荷様をイメージしたキツネ像など、フォトスポットを用意した。

 また、アメリカ発祥のカーニバルゲームも登場。斜めに設置されたバケツにボールを何個入れられるかを競う「タボトス」、ボールを転がして遠くの的に入れる「スキーボール」、積み上げられた缶を倒す「缶スマッシュ」など多彩なゲームを備えた。

 以前から人気の射的や輪投げ、金魚すくい、スマートボールなどの「縁日あそび」に加え、子供に人気のわた菓子を全自動で作る「COTTON CANDY MACHINE」を設置した。

 同施設は天然温泉の露天風呂をはじめとする9種類の風呂や飲食施設を備え、屋上には3000平方メートルを超える日本庭園が広がる温泉型テーマパーク。タオルや浴衣などは入館料に含まれるため、手ぶらで楽しめる。入館料は変動制で、大人2310円から。子供は一律1320円、70歳以上は一律1800円。1501円以上の入館料には別途入湯税(150円)がかかる。アクセスは弁天駅(JR大阪環状線・大阪メトロ中央線)連絡通路直結。

日本旅行と読売旅行、2社連携商品「あわら温泉まつり」発売

2024年8月29日(木) 配信

「あわら温泉まつり」パンフレット(日本旅行)

 日本旅行(小谷野悦光社長)と読売旅行(貞広貴志社長)は11月、2社連携商品の第1弾として福井県・あわら温泉で「あわら温泉まつり」を実施する。両社は実施にあわせて、北陸新幹線を利用したあわら温泉の宿泊商品を売り出す。

 「あわら温泉まつり」は、西日本旅客鉄道(JR西日本)とあわら温泉の協力を得て、北陸デスティネーションキャンペーン(DC)の一環として実施するもの。芦原温泉駅併設の施設で福井名物の「饅頭まき」や、あわら温泉の芸妓による演舞、あわら市公式キャラクター「湯巡権三」の出迎え、ノベルティーグッズ配布などの歓迎イベントを実施する。また、温泉街の協力を得て各旅館の大浴場を楽しめる「湯めぐり」体験も行う。

 宿泊商品は、日本旅行では関西発着のおとなび・ジパング会員向けエスコートプラン、首都圏・関西・中部・北陸各地区発着の個人プランを、読売旅行では関東・関西・中国地区発着の団体型プランを販売する。

 ツアーの一例として、日本旅行は「あわら温泉まつり」を販売する。出発日は11月1日(金)、2日(土)、3日(日・祝)、4日(月・振)。旅行代金は1人当たり1泊5万3800円から(東京発着)。募集人員は各日70人予定。

9月1(日)~16日(月)、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024」 蔵王温泉・東北芸工大を会場に

2024年8月29日(木) 配信

メインビジュアル

 東北芸術工科大学(中山ダイスケ学長、山形県山形市)は9月1(日)~16日(月)、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024」を蔵王温泉エリアと、同学キャンパスの2会場で開催する。

 今回で6回目となる同イベントは、初めて蔵王温泉をメイン会場にして開催。西暦110年に開湯したといわれ、長く人々を癒してきた蔵王温泉からインスピレーションを得て、「いのちをうたう」をテーマに、プロジェクトを展開する。プロジェクトは、「ひとひのうた」「山と土と茶と」「現代山形考~山はうたう~」「夏芸大」──の4つを用意した。

 総合プロデューサーの中山ダイスケ学長は、「蔵王温泉は多くの人々を魅了し、この中には斎藤茂吉や岡本太郎などの著名人も含まれる。参加するアーティストも、この場所で感じたことを作品化している。温泉街を散策し、温泉に浸かり、現代の創作に触れる、そんな体験型のアートフェスティバルにしたい」とコメントしている。

資生堂パーラーとのコラボメニュー提供 JAL、中国方面の機内食で

2024年8月29日(木) 配信

提供メニュー例(2024年9~10月メニュー)

 日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)は9月1日(日)から、資生堂パーラー(宮澤雅之社長、東京都中央区)とコラボレーションし、同総料理長監修のオリジナルメニューを中国方面路線の機内食で提供する。期間は来年8月31日(日)までの1年間。

 両社は以前、ハワイ線でコラボレーションメニューを提供した経験があり、好評だったという。今回は資生堂パーラー伝統の味である、ビーフシチューやシュリンプドリア、チキングリルシャスールソースなど、特別メニューを6種類提供。さらに、デザートには資生堂パーラーを代表する「チーズケーキ」を用意する。

 提供路線は成田・羽田・中部・関西発の北京と大連、天津、上海、広州、香港、台北行き。対象クラスはプレミアムエコノミーとエコノミー。2カ月に1度、メニューを変更して計6種類を提供する。

「箱根遊船 SORAKAZE」がキッズデザイン賞を受賞 創造性と未来を拓くデザインと評価

2024年8月29日(木) 配信

靴を脱いで遊べるキッズスペースも

 富士急グループの箱根遊船(野出直輝社長、神奈川県・箱根町)が箱根・芦ノ湖で運航する「箱根遊船 SORAKAZE」がこのほど、第18回キッズデザイン賞を受賞した。「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門」で評価された。

 同船は今年2月に登場した新船で、「湖に浮かぶ緑の公園」がコンセプト。デザインは特急列車などを手掛けるデザイナー・建築家の川西康之氏が行った。

 船内には子供たちがワクワクするようなさまざまな工夫が施されており、操舵室を見ることができるキッズスペースや、その周りを囲むカウンター席、畳の小上がり、ゆりかごチェアなどユニークな席を用意した。屋外デッキには天然芝の広場やブランコ型ベンチ、最上階デッキには神社をイメージした富士山モチーフのモニュメントや「ケンケンパ」ができる玉砂利デザインの石畳など仕掛けを充実させ、回遊性を高めている。船内1階はバリアフリー対応とし、ベビーカー置き場や車いすスペース、多目的トイレを設置した。就航以来、乗客からも「子供に優しい」と評判という。

 同船の運航ルートは箱根関所跡港~元箱根港~箱根園港~箱根関所跡港。各港で乗船・下船できる。周遊航路往復の乗船料は大人1800円、子供(小学生)900円。周遊は約40分。

畠ひで子会長が続投、お宿冊子をQRコードから閲覧可能に(第13回ピンクリボンのお宿ネットワーク通常総会)

2024年8月29日(木) 配信

総会のようす

 ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は8月27日(火)、東京都内で2024年度第13回通常総会を開いた。今年度は新たに3施設が加入し126会員となった。協力会員は、病院が5施設加入し、合計で26会員となった。

 新年度事業では、「ピンクリボンのお宿」冊子2025年版の発行部数を5万部とし、新たにQRコードで冊子PDFを閲覧・印刷できるお宿冊子周知ポスターを製作する。

畠ひで子会長

 任期満了による役員改選では、畠会長をはじめ、9人が留任。また、24年度のピンクリボンのお宿シンポジウムの会場にもなった岡山県・湯郷グランドホテル女将の峯平ゆかり氏が、新理事として選出され、全会一致の承認を得た。

 畠ひで子会長は冒頭、「冊子発行やホームページ、マスコミなどを通じた情報発信をさらに強化する。全国病院や乳がん患者団体などと連携したシンポジウムや勉強会を開催し、会員宿泊施設の温泉入浴などの快適な環境づくり、さらなるおもてなし向上につなげていく。宿泊業界だけではなく、広く社会に向けた啓発の輪を広げていく」と説明した。

 会員報告では、24年度の新しい施設会員として、蛍雪の宿 尚文(群馬県・水上温泉)、天空の湯 なかや旅館(同)、やさしさの宿 竹亭(岡山県・湯郷温泉)が入会した。

 現在の会員数は、宿泊施設が102軒、旅館組合・女将会が6団体、企業会員が15社、賛助会員が3社の合計126会員。

 会の活動としては、「ピンクリボンのお宿」冊子10万部を発行・配布したほか、プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選表彰式会場や、東京・ビッグサイトで行われたウェルネスツーリズムEXPOにて配布した。

 今年の5月に開かれたピンクリボンのお宿シンポジウム(岡山県・湯郷グランドホテル)では、地元新聞や地方放送局から取材を受け、大きな宣伝となった。

 このほか、JTBガイアレックのWeb商品との連携では、23年度のピンクリボンのお宿送客実績が35軒1698人となった。

 総会後は同会場で茶話会を開き、各宿・企業の取り組みやブース展示を通して、会員同士が交流を深めた。

茶話会では会員同士が交流を深めた

 24・25年度新体制の役員は次の各氏。

【会長】

畠ひで子(匠のこころ 吉川屋女将・福島県)

【副会長】

石井貞德(旅行新聞新社社長)
池山紀之(池山メディカルジャパン代表・愛知県)

【理事】

浅野謙一(大江戸温泉汐美荘顧問・新潟県)
松﨑久美子(ふもと旅館女将・熊本県)
清水隆太郎(結びの宿 愛隣館社長・岩手県)
湯本英里(湯本旅館女将・長野県)
峯平ゆかり(湯郷グランドホテル・岡山県)新任

【監事】

西川丈次(観光ビジネスコンサルタンツ代表・大阪府)
湯通堂温(いぶすき秀水園社長・鹿児島県)