14年に組織改定を、藤本武夫氏が新会長に 農旅ホ連

農旅連・藤本新会長
農旅連・藤本新会長

 農協観光協定旅館ホテル連盟(日垣信三会長、1685会員)は6月30日、東京都文京区の東京ドームホテルで2011年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で長野県・ホテル圓山荘社長の藤本武夫氏を新会長に選出した。藤本新会長は「微力ながら、日垣会長に負けないよう旅連発展のためにがんばりたい」と抱負を述べた。

 日垣会長は冒頭のあいさつで「会員の減少や活動費の縮小などで誘客事業にも多少影響がでている。2014年4月1日の組織改定を目指して、今年度から組織検討委員会を立ち上げ改革の一歩を踏み出した」と新たな動きを紹介した。また、「震災による自粛ムードが続いているが、こんなときこそ“絆”を胸に会員相互や農協観光との関係を深めていきたい」と一層の連携を強調した。

 農協観光の田辺豊社長は「数年来、販売高は前年を割る状況が続いた。10年度は減少を食い止められると見込んでいたが、震災の影響をカバーできなかった」と昨年度の事業を報告。「今年度は、スタート時点から大きな影響を受けた。しかし、今こそ事業パートナーの皆さんの力とJAグループの力を結集し、農をベースとした絆づくりのために旅行を利用してもらうことが、被災地の復興支援や農村の理解につながる」と語った。

 

農協観光・田辺社長
農協観光・田辺社長

 前年度は宿泊券増売対策で宿泊商品「こだわりの宿」の告知支援をし、旅連施設の利用拡大をはかった。JAグループの販売拡大に協力するためのフレンドリーキャンペーンは、1会員30万円を目標に展開し、1億6千万円の実績を上げた。

 

 今年度は宿泊券増売対策として、地方空港を利用した国内線チャーター便、JR列車の貸切商品などの地域商品と連携したグリーンツーリズム商品の販売支援や「こだわりの宿」の商品造成と取扱拡大に積極的に参画する。また、フレンドリーキャンペーンは3年目として、1会員30万円を目標に掲げる。

 同日は農協観光協力みのり会(岩原繁弘会長、1283会員)も11年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で岩原会長を再任した。今年度は創立30周年を迎えるため、9月14日に宮崎県・宮崎観光ホテルで記念式典を開く。

「セブン旅ネット」開設、宿泊7サイトの横断検索

 セブン&アイ・ホールディングス(鈴木敏文会長、東京都千代田区)傘下のセブンネットショッピング、セブンカルチャーネットワークは7月5日、旅行サイト「セブン旅net」(http://7netshopping.jp/7tabi/)を開設した。セブンネットショッピング内に「トラベル」のコーナーを新設し、そのなかに「セブン旅net」を設置。セブンカルチャーネットワークが旅行、宿泊プランを提供する。 旅行サイト20社と提携し、セブンカルチャーネットワークならではのテーマ性のある商品を用意する。オリジナル商品を申し込むと、同社が展開する電子マネーnanacoにポイントが付く。
 国内、海外の宿泊プランは宿泊7サイトから2万軒の宿、80万件を一括して横断検索できる仕組みを導入。航空会社や大手旅行会社の予約サイトに採用されるフォルシアの検索プラットフォーム、spook(スプーク)を導入した。
 そのほか、国内の航空券予約、高速バス、レンタカー、海外の現地ツアー、鉄道などもサービス提供する。
 同サービスの開始により、セブンネットショッピングのネット通販サービス、イトーヨカドーのネットスーパー、そごう・西武のネットサービス、セブンカルチャーネットワークのネットサービスが同一空間で利用可能となった。

三重県伊勢市、副市長を募集

伊勢市のまちづくりに、熱意ある人材求む

 三重県伊勢市ではこのほど、2人目の副市長の募集を開始した。応募資格は、日本国籍を有し、今年4月1日現在満25歳以上の人で、性別、学歴は問わない。給与は月額78万3千円、期末手当3・95月分。任期は4年間。 伊勢市では伊勢神宮の式年遷宮を2013年に迎えることから、約1千万人の観光客を迎えるためのインフラ整備と、人口減少対策を市の政策課題に掲げている。鈴木健一市長は「伊勢のまちづくりに熱意を持って挑戦する人材を求める」と話す。
 募集は8月19日(必着)までに、所定の申込書に必要事項を記入し、課題論文を添えて総務部職員課に郵送または持参。所定用紙は市のホームページからダウンロードできる。
 問い合わせ=同市総務部職員課 電話:0596(21)5505。

新部会長に多田氏、会員1千軒を目指す

野澤前部会長(左)と多田新部会長
野澤前部会長(左)と多田新部会長

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会シルバースター部会(野澤幸司部会長、903会員)は6月29日、東京都千代田区の都道府県会館で2011年度総代会を開き、任期満了に伴う役員改選で、ゆけむりの宿美湾荘(石川県・和倉温泉)の多田計介社長が新しく部会長に就任した。

 全旅連の佐藤信幸会長はあいさつに立ち、「今65歳以上の人口が増えており、これからは高齢者の時代。高齢者向けの新しい企画が必要」と呼びかけた。

 2期4年を務め上げた野澤部会長は「シルバースター部会はいろいろな仕掛けを試せる貴重な部会。全旅連のなかで唯一旅館と直接やり取りできるので、業者からさまざまなアプローチがあり、前向きに取り組んでいける」とシルバースター部会の意義について語った。

 11年度は旅館の記念日キャンペーン第4弾などの販促ツールの配布や、全旅連ホームページ「宿ネット」でのPR、「人に優しい地域の宿づくり賞」のエントリー推進、シルバースターキャンペーンに力を入れる。

 新しく部会長に就任した多田氏は「有意義な活動で再度、会員数1千軒を目指す。業者と連携し、会員皆の力を借りて新しい方向性を見出したい。旅館3団体に認められる組織になるよう努力していく」と力を込めた。

 また、総代会後には、研修会として講演を実施。退任する野澤部会長は4年間のシルバースター部会事業を振り返り、ダイキン工業は節電対策の提案を行った。

 新役員は以下の通り。

 【部会長】多田計介(石川県・ゆけむりの宿美湾荘)【副部会長】中村実彦(長野県・ホテル五龍舘)【常任委員】金道太朗(北海道・湯の浜ホテル)▽四竈健彦(宮城県・旅館かつらや)▽中村実彦(長野県・ホテル五龍舘)▽柳澤伸雄(東京都・ホテルたてしな)▽加藤昌利(静岡県・稲取銀水荘)▽山岸繁樹(石川県・加賀観光ホテル)▽前川為夫(滋賀県・白浜荘)▽古林伸美(岡山県・プチホテルゆばらリゾート)▽宮村耕資(高知県・ホテル南水)▽西田陽一(大分県・ホテル白菊)

10年度の定観62万人、間際予約対応でウェブ強化

前田会長
前田会長

 はとバスの受入先の施設で構成するはとバス共栄会(会長=前田伸・日本電波塔社長)は7月8日、東京都内のホテルで2011年度通常総会を開き、今年度の事業計画案などを承認した。

 あいさつに立った前田会長は「3月11日の東日本大震災以降、我われ観光業は苦境に立たされている。直接被害のないところでも風評被害や自粛ムードで影響を受けている。こうしたなか、多くの方々に出席していただきありがたい。何とかこの難局を乗り切り前に進んでいくために互いに知恵を出し合っていこう。今日はその決起大会にしたい」と述べた。

 続いて、同会名誉会長の松尾均はとバス社長が「今年初めまでは順調だったが、3月11日を境にまさに天と地がひっくり返った。最終的に10年度は定期観光で62万人、企画旅行で24万2500人の合計86万2500人。当初目標の100万人に届かないばかりか09年度の98万7千人にも及ばなかった」と報告するとともに「このまま手を拱いているわけにはいかない。今期ははとバスならではの一層の断トツ商品、話題の先取りの商品、そして東北方面を中心とした復興支援ツアーを、さらに間際予約の増加に対応したウェブ強化などに努め共栄会の施設に多くの人を送客したい。そして100万人さらに次のステージに進むことを目標にしたい」と結んだ。

 総会では10年度事業報告・収支決算報告・監査報告、11年度事業計画案・予算案、役員改選案について審議、いずれも承認された。

はとバス・松尾社長
はとバス・松尾社長

 今年度の事業計画は(1)会員相互の啓発と親睦及び情報交換を目的とした事業(2)CS増進を目的とした研修会(3)多角的な共同宣伝・共同販売促進を目的とした相互の営業増進事業(4)喝采!!はとバス劇場への協力・協賛などを実施する。また、役員改選は2人の役員の退任に伴うもので常務理事に三枝幸雄はとバス取締役観光バス事業本部長、理事に門村輝夫同副本部長が選任された。

 なお、総会終了後の懇親会でははとバス感謝大賞の表彰式が行われ赤坂エクセルホテル東急(東京都)と春茂登旅館(栃木県)の2施設が表彰された。さらに東日本大震災で被害の大きかった岩手県、宮城県、福島県、茨城県からの参加者に対し、はとバスの門村副本部長から激励のメッセージが送られた。

 

訪日外客36%減の43万人、JNTO、6月の推計値発表

 日本政府観光局(JNTO)が発表した2011年6月の訪日外客数推計値は、前年同月比36.0%減の43万3100人。6月として過去最高を記録した08年と比べ、約24万8500人少なかった。震災発生後、4カ月連続の減少となるが、減少幅は徐々に縮小傾向にある。 韓国は同42.0%減の10万3800人、台湾は同23.0%減の8万7700人、中国は同40.7%減の6万1500人、米国は同29.4%減の5万700人、香港は同40.0%減の2万8500人、豪州は同41.9%減の9400人。
 一方、出国日本人数は、前年同月比2.9%減の127万4000人で、4カ月連続の減少となった。

二階会長が再任、3副会長、専務理事は一新 ― ANTA

二階俊博会長
二階俊博会長

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長、5499会員)は6月22日、ホテルラフォーレ東京で2011年度通常総会を開き、二階会長の再任、3副会長と専務理事の一新を決定。副会長に徳永雅典氏(極東航空交通観光代表)、加藤正明氏(ツーリスト・トップジャパン会長)、鈴木明治氏(大輪観光社長)、専務理事に地域伝統芸能活用センター前理事長の有野一馬氏が選ばれた。

 11年度事業の大きな柱として、東日本大震災による被災会員への支援や被災地域の復興への協力を挙げる。二階会長は総会冒頭で「これからが活動の本番。片時も手を休めることなく、被災地の人のことを思い、努めていかなくてはいけない。皆で協力し合い、全旅協中心に国内・海外ともに成果をあげていかなくては」と力を込めた。

 会員からは年会費の免除や東京電力と国への賠償要望が寄せられ、ANTAでは営業停止が3カ月以上の会員会社の年会費1年間免除を決定。現在まで3県5支部、会員本社43社から計162万2千円の免除申請があがっている。賠償問題については、5月31日の原子力損害賠償紛争審査会のヒアリングに参加し、2次指針で福島県内の旅行業の損害が認定され、県外については今後の市場調査や動向を考慮したうえで判断されることになる旨を報告した。

 そのほかの事業では、国内観光活性化フォーラムに代表される着地型旅行の推進や、国内観光交流の拡大と国内観光の活性化、国内旅行業務取扱管理者研修などの各種研修に注力する。

 また、一般社団法人への移行にあたり、定款を変更。地方支部を全旅協の内部組織の出先機関として位置づけることや、常務理事の廃止、理事数を会長、副会長、専務理事を含め25人以内とすることなどが決められた。なお、11年度は地方支部選出の15人、常務理事選出の18人、計33人の理事が選出され、会長、副会長、専務理事5人を加え理事38人体制となった。

鈴木明治副会長

加藤正明副会長

徳永雅典副会長

No.285 3・11後のインバウンド激減 - 風評被害ですませるな

3・11後のインバウンド激減
風評被害ですませるな

 3月11日発生した東日本大震災以降、旅行業界のなかで最も被害を受けたのがインバウンド(訪日旅行)関係者だといわれる。福島第一原子力発電所の事故、それに伴う放射能漏れの影響で、外国人旅行者は限りなくゼロに近く激減した。震災から4カ月以上経つ今も原発事故は収束しておらず、回復の見通しは立っていない。訪日外国人を対象とする旅行会社、サイト運営会社、旅館の経営者に震災後の状況を聞いた。

【聞き手=沖永 篤郎】

「やってはいけない過ち」
AISO 理事 ― 岡本 立雄氏

 アジアインバウンド観光振興会(AISO、王一仁理事長、正会員37社)は、インバウンドを扱う旅行会社が集まり2006年に設立された団体です。現在、会員会社で圧倒的に多いのは中国の訪日旅行を扱う会社。次いで香港、台湾、韓国などを扱う会社の順です。昨年実績で、AISO会員の旅行会社で扱う訪日旅行者数は350万人以上。中国に限定すると半数以上のシェアを扱っています。
7月現在も中国からの旅行者は震災前の水準の5%ほどしか回復していません。それもメディア、旅行会社を対象としたファムトリップ(現地視察旅行)や、通常の半額以下の格安旅行です。…

「正確な情報がユーザーの信頼に」
ジャパンガイド 社長 ― シャウエッカー ステファン氏

 英語による日本紹介サイト「ジャパンガイド」( http://www.Japan-guide.com/ )を運営しています。メインユーザーは欧米の20―30代の若い世代で、月間の訪問者数は100万人、ページビューは400万を超えます。旅行のほか、生活、仕事などのコンテンツを設置。旅行レポートは4人のスタッフで全国をカバーしています。
震災発生直後からジャパンガイドのアクセス数は普段の2―3倍、1日のサイト訪問者は5万人ほどに急増。この状況が2週間ほど続きました。…

「遠慮せずに声をあげよう」
行燈旅館 女将 ― 石井 敏子さん

 震災発生前までは桜の一番いい時期を控え、予約表は1カ月先まで埋まっていましたが、震災が起こり3、4日で真っ白になりました。震災以降の宿泊実績は対前年比9割減です。
震災発生当初は地震だけの影響で3カ月くらいはしょうがないと考えていました。しかし、今回の最大の原因は原発事故です。原発と放射能の報道を見て1年くらいはダメかなと考えています。…

 

※ 詳細は本紙1427号または日経テレコン21でお読みいただけます。

心までほぐす ― 自然体で接する大切さ(7/21付)

 その居酒屋は焼き鳥がすごく美味しく、とても気に入っているのだが、フロアのスタッフが慢性的に足りないため、サワーのお代りを注文したくても見当たらず、しばらく空のグラスを片手に持ちながら、きょろきょろと探さなければならない。その時間が少し興醒めとなる。味もよく、少ないスタッフも一生懸命。だから余計に「客商売としてすごくもったいないな」と毎回感じてしまう。あと1人、2人いればせっかくの心地よさが途切れないのにと残念だ。 私自身、客商売以外のアルバイトも経験したが、やはり楽しかったのは人を相手にした仕事だった。多くの人間を観察したいという欲求が、まだ若く、恐ろしく経験不足だった自分の中にあったのだろうと思う。
 居酒屋で働いていたときは、カウンターに1人で座り、ビールの中瓶と冷奴、冷やしトマトを求める中年男の姿が人生勉強になった。肩の力を抜き、差し向いの板長と言葉少なに会話を交わし、ざわめきの中で時間を過ごす。その客はよく来ていたから、きっとその居酒屋は居心地が良かったのだろう。
 その頃は、下北沢の居酒屋で夜の11時まで働き、そのまま新宿のバーに行き、始発電車の時刻まで1人で飲んでいた。スコッチのオン・ザ・ロックばかりを飲んでいたから、歌舞伎町付近でしばしば吐いた。そこのバーテンダーが私の中で今でも接客の一つの基準となっている。12席程のカウンターだったが、見ていないようですべての客のグラスの状態、灰皿の中、体調まで把握していた。
 その後、別の店でやたらとしゃべりかけたり、不自然に次の飲み物を勧めるバーテンダーと出会うと興醒めし、二度と行かなくなった。
 少し前、腰を痛めて整形外科の2階のリハビリに通った。そこの白い服を着た整体師の若い男女のスタッフは自然な笑顔で、明るく接してくれる。接客マニュアルなどあるはずもない。相手は客ではなく、患者なのだから。彼らは、本当に相手の心の動きが見えているんだなと感心する。患者の体をほぐすということは、何よりも患者の心をほぐしてあげることが大事なんだと知っており、笑顔の効力、そして自然体で接することの大切さを理解しているのだ。医療現場のコミュニケーション能力が年々高まっているのを感じる。

(編集長・増田 剛)

夢の体験ツアー当たる、三重の夏旅CP

東北3県の名産当たる 「みちのく応援賞」も

 三重県観光連盟は7月1日から8月31日まで、三重を旅すると「夢の体験ツアー」や宿泊券、特産品など豪華賞品が当たるキャンペーンをはじめた。東日本大震災の被災地応援のための岩手、宮城、福島県の名産品が当たる「みちのく応援賞」も用意した。 「夢みえーる賞」では、県内宿泊の領収書などを添付して応募すると、3種類の夢の体験ツアーが抽選で最大4組12人に当たる。1泊2日の「海の恵みとパワースポットで美しくなる伊勢志摩の休日」では、鳥羽国際ホテルの美肌ランチと真珠スパ体験や、タラサ志摩のパーフェクトタラソ体験とランチ、ミキモト真珠島での796個の真珠を使用した王冠の戴冠体験などの企画を用意する。
 2泊3日の「美食・美湯・うっとり伊賀紀行」は清少納言ゆかりの榊原温泉やメナード青山に宿泊し、伊賀焼での地産地消の料理も味わえる。
 3歳から小学6年生を含む家族を対象にしたナガシマリゾートと鈴鹿サーキットを満喫できる1泊2日のツアーもある。
 応募方法は、宿泊施設の領収書や観光施設の入場券または旅先の風景や、郷土料理などを撮影した写真を応募用紙に張り、9月5日までに三重県観光連盟に郵送する。「観光三重」ホームページからも応募が可能だ。