11月に島根で全国大会、井上体制の集大成に(全旅連青年部)

 全国旅館生活衛生同業組合連合会青年部(井上善博部長、1649会員)は4月15日、東京都内で第42回定時総会を開き、2年間の井上体制の集大成となる全国大会に向け、残り1年を各委員会事業やブロックごとの活動に全力で取り組んでいくことを確認した。

 井上部長は「誇りば持とう青年部~『誇り』『絆』『友情』をテーマに、1年間頑張ってきた。私も過去10年間、良き先輩や友人にご指導いただきながら、青年部で一生懸命活動したことでしっかりとした業績をあげることができるようになった」と語った。さらに、「11月の全国大会には県部長がたくさんの部員を島根に連れてきて、誇りと絆と友情を体感してほしい」と述べた。

 「第20回全旅連青年部全国大会in縁結びの地しまね」は11月25日、松江市のくにびきメッセで開催される。

 来賓の全旅連の佐藤信幸会長は「全旅連は環境問題にも取り組んでいく第一歩として日産と提携し、今年発売される電気自動車『リーフ』の充電網の整備を、我われ旅館も協力して推進していこう」と述べた。

 日産「リーフ」の走行距離は160キロ以上で、急速充電設備は700万円ほどかかるが、すでに多くの旅館の外壁には、ネオンや自動販売機用の100Vコンセントが設置されており、これを利用すれば充電に16時間かかるが、旅館では宿泊客が滞在中に充電できる。

 第9代青年部長の小原健史氏は「2大政党化しており、それぞれの地域で候補者が推薦状を求めたときに、旅館業のために何をしてくれるかという政策協定を結んだ方がいい」と提案した。

 青年部活動に貢献した各地青年部の功績を讃える褒賞制度は、今年はグランプリを30万円から50万円に引き上げる計画で、各都道府県からの積極的なエントリーを呼び掛けている。

国際航空券仕入れを統合、今夏に共同出資会社設立(日旅、トップツアーなど4社)

 日本旅行とトップツアーなど旅行会社4社は4月16日、今夏にも共同出資会社を設立し、国際航空券発券業務と公示運賃に関わる仕入れ業務を統合することを発表した。発券業務の効率化やコスト削減などが狙い。

 参加会社は2社のほか、エヌオーイー(林田建夫社長、東京都千代田区)とエフネス(岡田直樹社長、東京都千代田区)。4社の2008年度公示運賃取扱実績は、合計で1200億円弱にのぼる。

 新会社は、各社が保有する国際航空券発券業務と、公示運賃仕入業務に関する経営リソースを有効活用。組織の効率化と高品質化をはかり、発券コストの削減とサービス向上、4社計の発券ボリュームを背景に、業務遂行に関わる収益確保を目的にする。また、国際航空運送協会(IATA)債務保証制度の財務要件変更で、自社発券を見直すIATA代理店が増加するなか、発券受託サービスの需要が伸びると見込み、この分野でのリーダー的ポジションを目指し、発券受託ビジネスの競争力強化をはかる。

青森で国内活性化フォーラム、売れる地旅商品づくりなど討論(ANTA)

 全国旅行業協会(ANTA)は4月8日、青森市内の青森市文化会館で「第7回国内観光活性化フォーラム」を開き、全国から1千人を超える会員らが参加した。12月の東北新幹線全線開通を控え、9日には県内を巡るエクスカーションも4コースで設定し、青森の観光資源を視察した。

 二階俊博会長は「青森は観光にまだまだ余地を残している。さまざまな範囲での青森の発展に、我われが一緒になって活動したいという決意で今日お邪魔している」とあいさつ。「私は旅行業を出前産業だといっているが、冷えないうちに配達できる範囲は自ずと決まってくる。我われはそのご近所の旅行を受け、国内はもとより、国際的にも積極的に旅行業を振興させるために努力している。一人ひとりは小さいが、5700会員が団結することにより、国際的にも十分競争できる」と述べた。

 また、三村申吾青森県知事は「38年間待ちに待った東北新幹線が12月に全線開通し、大きなチャンスがやってくる。今、いかに多くのお客様にきていただき、リピーターになっていただけるような仕組みづくりに取り組んでいるところだが、新しい成長産業としての観光業が大いに進展するものと期待している。青森が皆さんのモデルケースとなるよう私も全力で仕事をしていく」と力強く語った。

 フォーラムは、第1部のシンポジウムで「売れる着地型旅行商品(地旅)づくりに向けた課題」と題したパネルディスカッションなどを行った。第2部の記念講演は地元出身でラジオやテレビなどで活躍し、著書物なども多く手掛ける伊奈かっぺい氏が登壇し、地元愛溢れる内容で会場を大いに沸かせた。

 このほか、株式会社全旅による第2回地旅大賞の発表も行われ、大賞を受賞したエアポートトラベルなどを表彰した。

 なお、次回の第8回国内観光活性化フォーラムは、2011年4月26、27日に富山県で開く。

GW海外旅行予約動向、ソウルが5年連続1位(HIS)

 エイチ・アイ・エス(HIS)はこのほど、ゴールデンウイークの(GW)海外旅行予約動向速報を発表した。これによると、今年は日並びがよく、4月24日から5月5日までで最大12連休、4月29日から5月9日までで最大11連休の大型連休となる可能性もあり、同社の予約人数の前年同日比は6・0%増と好調に推移している。

 今年の主な傾向として、ヨーロッパが同7・0%増、オセアニア同9・0%増など、長距離方面が好調。中近東方面への増便や新規就航で、座席供給数が増加したエジプトやトルコの予約伸び率も大きく上昇しているという。

 一方、人気渡航先総合ランキングは06年から5年連続でソウルが1位。香港や台北など定番のアジアに加え、万博の開幕で上海もランキングの上位にあがっている。ビーチリゾート部門では、定番のハワイやグアムのほか、チャーター便を設定している海南島やセブ島が上位に入った。

旅フェア2010 5月28-30日、幕張メッセ、旅にでるきっかけの場に、テーマ、目的別に構成

 5月28―30日、千葉県千葉市の幕張メッセで「旅フェア2010」が開かれる。地方公共団体、観光協会、関連企業が一堂に会し、「国内旅行の需要喚起」と「観光業界の力を終結させた観光の活性化」を目的とした国内最大級の「旅の総合見本市」で、例年、来場者は10万人以上を誇る。今年で16回目を迎える。主催は旅フェア実行委員会(日本観光協会)。

 今年のテーマは「新旅行宣言」。近年、生活者の「旅」に対するニーズが多様化・高度化するなかで、「旅」を取り巻く環境は急激に変化している。「旅フェア2010」では、会場を「旅にでるきっかけ」づくりの場と位置づけ、この急激な旅行ニーズの変化に対応し、今までになかった旅の情報を提供できるようリニューアル。観光需要の喚起につながるイベントとして抜本的な構造変化をはかったことを「宣言」するという意味を込めた。

 今年度は、新しい会場レイアウトの試みとして、テーマ別・目的別に会場を構成し、来場者が目的のエリアやブースにすばやくアクセスできる環境を整える。

 また、各地域が誇る特産品の飲食や試食ができる「ふるさと自慢市ゾーン」や、目的地に着くまでの過程を楽しむ「乗りもの大好きコーナー」、来場者が宿泊施設の情報を集中的に集められ、予約販売も実施する「思い出の宿ゾーン」など、個性豊かなゾーンやコーナーを展開する。

 入場料は前売り料金が、大人400円、当日が500円。高校生以下は無料。

 問い合わせ=電話03(6222)2540。

12年度までの数値目標設定へ、3カ年の観光戦略を策定(四国ツーリズム創造機構)

「四国はひとつ」をイメージ、ロゴマークとキャッチコピーを発表  四国ツーリズム創造機構(梅原利之会長)は3月26日、高松市内のホテルで理事会を開き、10年度から3カ年間の「四国観光交流戦略」を決定。統一のロゴマークとキャッチコピーを発表した。

 同機構は昨年7月に四国4県と民間企業・団体が参画する広域観光組織として発足し、高松市内に事業推進本部を設置。4県とJR四国、航空会社、旅行会社などがスタッフを派遣し、国内外からの観光客誘致に取り組んでいる。

 観光戦略では四国の社会・経済・文化の発展にとって、観光が重要な役割を果たすテーマと位置づけ、「四国がひとつ」になって「お遍路」「歴史」「食」などの魅力を生かした観光交流人口の拡大に取り組むことの重要性を強調する。

 策定にあたっては過去のキャンペーン、広報宣伝、インバウンド施策などの実績と効果の評価を行い、国内、海外客の延べ宿泊者数が全国10地域で最低水準という観光の課題も踏まえ、重点着地エリアの設定や12年度までの具体的な数値目標、東アジアや欧米市場へのインバウンド強化を柱に「選択と集中」で取り組むことを明記した。

 数値目標は四国外から観光で訪れる延べ宿泊者数を、09年度が257万人となった場合15%(約40万人)増、海外観光客は同30%(約1万人)増に設定した。

 目標実現に向け首都圏を中心に中部、関西の大都市圏に向けた誘客戦略を展開し、インバウンドでは東アジア・欧米にプロモーションを実施。四国の魅力を高める戦略として、観光素材の開発や2次交通の充実、利便性の向上をはかる。

 重点着地では四万十・足摺・宇和島の「四国西南部」エリアを売り込み、滞在期間の拡大と四国全体への波及を目指す。

 なお、ロゴマークは四国の形と人と人、心と心を結ぶ「水引」をモチーフにしてデザイン。キャッチコピーの「しあわせぐるり、しこくるり」は、幸せな気分になれる四国と「四国はひとつ」のイメージを表現している。

立山黒部アルペンルート、大町側が開通

 立山黒部アルペンルートは北アルプス・立山連峰を貫き長野県大町市と富山県立山町を結ぶ、日本を代表する山岳ルート。晴天に恵まれた4月10日、長野県側ルートに当たる大町市―室堂間の約30キロが冬季閉鎖を終えて開通した。当日は地元観光関係者や一般招待者など約300人が恒例の「オープンカーニバル」に参加。黒部ダムや黒部平、大観峰などから、白銀の北アルプスの山々の雄大な眺望を楽しんだ。

 関電トンネルトロリーバス発着地の扇沢駅や黒部ケーブルカー乗り場の黒部湖駅などで、テープカットや花束贈呈などの開通セレモニーを行うとともに、黒部ダムでは今シーズンの安全を願って玉ぐしをささげるなど安全祈願祭を実施した。

 また、富山城主佐々成政の冬の北アルプス越えの故事にちなんで、県内外から公募した武者軍団による雪中行軍も再現。黒部平では埋蔵金掘り出しや勝どきを上げ、黒部ダムではくす玉を割るなどして、アルペンルートの開通を祝った。

 JR信濃大町駅前の開通式であいさつに立った牛腰徹大町市長は、昨シーズンも利用者は100万人台を維持したとし、「長い冬の期間を経てアルペンルートが今日から開通するが、今シーズンも雄大で素晴らしい景観を一人でも多くの人たちに味わってほしい」と述べた。

 富山県側の雪の大谷などを含む全線開通は、1週間後の17日だった。

09年度の企業倒産、件数5年ぶり減、サービス業は微増

 帝国データバンクがまとめた2009年度(09年4月―10年3月)の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理のみ)によると、倒産件数は前年度比2・8%減の1万2866件となり、5年ぶりに下回った。負債総額は48・6%減の7兆214億6100万円で、3年ぶりの減少。

 倒産件数が減少した主な要因は(1)一連の景気対策や緊急保証制度が効果を上げ、年度後半は減少が顕著だった(2)公共工事の前倒し執行による建設業倒産の減少が地方圏を中心に目立った――など。上場企業の倒産も日本航空など7件で、戦後最悪だった08年度の45件を大きく下回った。

 負債総額の減少については、負債100億円以上の大型倒産が58件(前年度135件)と半減したのが大きいとしている。

 業種別では7業種中5業種が減少。建設業は6・5%減の3325件、卸売業は9・2%減の1904件、不動産業が8・6%減の438件など。一方、製造業は8・7%増の2009件、サービス業は1・9%増の2345件。

 倒産の原因別では「不況型倒産」の合計が0・2%減の1万526件となるが、構成比では81・8%を占め、4年連続の増加。依然として経営環境が厳しい状況にあることは変わらない。

 負債額を規模別に見ると、負債5千万円未満の零細企業の倒産が6・7%増の5739件となった。負債額別では唯一の増加。

 地域別では9地域中7地域で下回った。なかでも北海道は30%減(346件)。ほかに東北、中国、九州などの地方圏で減少が目立った。関東、中部は上回った。

できる限り学生の力で、KNT×共立大学 実践型授業スタート

 共栄大学(山田和利学長、埼玉県春日部市)は4月から、産学連携を活用し観光ビジネスを実践する新しいリアルビジネス(RB)型授業「ワールドラン」を始める。近畿日本ツーリスト(KNT)は講師を派遣するなど、この実施・運営に協力する。

 ワールドランは、旅行商品の商品開発からオペレーションまでを、できる限り学生の力で行う実践型の授業。1回目の今年は世界遺産の街、マカオでウェディングとツアーをプロデュースする。受講できるのは観光ビジネスコース在籍の選抜20人。15回4単位の授業で、10回は、専任講師や関連企業の実務家教員による、基本講義やフィールドワークを通して業界の基礎知識を習得。その後、ウェディングとツアーのハンドリンググループに分かれ、商品開発、オペレーションを行う。

 この取り組みに協力してくれる、実際の挙式者は一般から募集する。費用はすべて大学が負担する。数回程度の挙式の打ち合わせに協力できるなど、カップル指定条件はウェブサイト( http://knt.co.jp/ec/2010/kyoei/Index.html )で案内している。5月末日で締め切り、6月中旬に決定。挙式日程は9月12―15日。挙式会場は「ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル」。

 KNTの田ヶ原聡団体旅行事業本部カンパニー長は3月31日、行った会見で「個別スポット的な対応はこれまでもあったが、履修単位として正式なカリキュラムのなかに組み込まれ、学校の要請によってお手伝いする取り組みは初めて。学校のブランディングのお手伝いの一歩になる」と説明した。

 すでに同大学では、学生が講義を通じてプロスポーツの公式戦を企画・運営する[共栄Spolas(スポラス)]という、RB型の授業も実施している。ワールドランは、文部科学省の認可では特別講義としての分類。しかし、学校側は常設の科目として、取り組みを継続していく考え。

 山田学長は「ワールドランは、教室を飛び出し別世界で学ぶ授業。大学教育の転換期に、規制にとらわれず新しい教育を目指し、歴史の扉を開いていきたい。何年かかけて形にしていく」と意気込みを語った。

伊勢神宮に観光ステーション、着地型販売で周遊促進(鳥羽市)

 三重県鳥羽市は4月28日、伊勢神宮・内宮前の土産・食事施設「勢乃國屋」内に、伊勢志摩の観光情報発信や旅行商品のクーポン対応などを行う「美し国観光ステーション伊勢・鳥羽・志摩」をオープンする。

 伊勢志摩を訪れる団体や個人客の多くが初日に伊勢神宮を訪れることから、伊勢志摩の集客拠点として内宮前に開設する。厚生労働省のふるさと雇用再生特別基金事業を活用し、運営は鳥羽市から委託を受けた観光販売システムズが行う。

 主な業務は伊勢・鳥羽・志摩3市の観光情報の発信や、各種旅行商品のクーポン対応やチケット交換など。鳥羽を含めた着地型商品の造成・販売も行い、伊勢志摩の周遊観光を促進する狙いだ。スタッフは4人で、年中無休で営業する。

 最大の特徴は各旅行会社や雑誌、宿泊施設などが発行した各種クーポンに対応すること。とくに各旅行会社のクーポン対応を1カ所で行うのは全国の観光地でも初めて。複数のクーポン対応が1カ所に集約されると、例えば従来は宿泊施設でチェックイン時に引き換えるランチやイベントクーポンなどを、チェックイン前に渡すことも可能になる。

 2番目の特徴は、鳥羽を含めた伊勢志摩周遊の着地型商品を造成・販売すること。旅行会社である同システムズの1営業所として運営し、旅行業務取扱管理者を配して、当日の宿泊手配や2次交通の手配なども行う。

 鳥羽市観光課の山下正樹課長は「伊勢神宮は2013年の遷宮に向けて年々参拝客が増加している。いかに伊勢神宮から鳥羽へ誘客し、少しでも伊勢志摩の滞在時間を増やすためには内宮前での情報発信が一番だと考えた。鳥羽を含めた伊勢志摩の着地型商品を造成、販売することで宿泊客増加につなげたい」と意気込む。

 同システムズの小高直弘専務は「複数の旅行会社のクーポンを1カ所で扱うのは全国の観光地でも例がない。旅行初日にオプションツアーやイベントなどの情報を入手できれば、観光客の利便性も高まり旅行行程にも組み込みやすい。伊勢志摩の滞在時間の増加にもつながる」と語る。