国交省、2024年秋の叙勲伝達式開く 全旅協副会長の駒井輝男氏などが授与

2024年11月18日(月) 配信

駒井輝男氏

 政府が11月3日(日・祝日)付で、2024年度秋の叙勲受章者を発表した。国土交通省の大綬章と重光章の受章者は11月6日(水)に皇居で親授式と伝達式が行われ、中綬章以下は14日(木)に東京プリンスホテル(東京都港区)で行った。

 本紙関連では、旭日双光章を受章した全国旅行業協会副会長・東日本ツーリストの駒井輝男氏と、日本旅館協会理事・十八楼社長の伊藤善男が、瑞宝双光章を受けた元全国旅行業協会事務局長の若井茂氏が勲章と勲記を授与された。

伊藤善男氏

 14日(木)の伝達式では、吉岡幹夫国土交通事務次官が中野洋昌国土交通大臣の祝辞を代読し、「国土交通行政の各分野での輝かしい功績に敬意を表する。引き続き、施策に対する支援をお願いしたい」と述べた。

厚労省・24年秋の叙勲伝達式、全旅連元会長の佐藤信幸氏(日本の宿古窯)が旭日小綬章

2024年11月18日(月) 配信

厚生労働省の福岡資麿大臣が登壇

 政府は11月3日(日)付で、2024年秋の叙勲および褒章受章者を発表した。本紙関連では、旭日小綬章に元全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長・日本の宿古窯会長の佐藤信幸氏、旭日双光章に全国旅行業協会副会長・東日本ツーリスト社長の駒井輝男氏ら8人が受章した。

 厚生労働省の叙勲伝達式は、11月18日(月)に東京都・ホテルニューオータニで行われた。

 伝達式で福岡資麿厚生労働大臣は、受章者に対し、「厚生労働行政の根幹を支えていただいている。引き続きのご協力を賜りたい」と謝辞を述べた。

佐藤信幸氏(左)と洋詩恵夫人
加藤昌利氏(左)と早苗夫人

 本紙関連の受章者は次の各氏。

【勲章】

旭日小綬章
佐藤信幸(日本の宿古窯会長)=元全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長 生活衛生功労

旭日双光章
伊藤善男(十八楼社長)=日本旅館協会理事 観光事業振興功労

加藤昌利(稲取銀水荘会長)=元静岡県ホテル旅館生活衛生同業組合理事長 生活衛生功労

駒井輝男(東日本ツーリスト社長)=全国旅行業協会副会長 観光事業振興功労

鈴木茂男(ホテル南風荘社長)=神奈川県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長 生活衛生功労

増田友宏(春日ホテル社長)=奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合理事長 生活衛生功労

森浦源泰(剣山ホテル会長)=元徳島県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長 生活衛生功労

瑞宝双光章
若井茂(元全国旅行業協会事務局長)=元観光庁観光産業課観光産業高度化企画官 国土交通行政事務功労

2025年秋「1 Hotel Tokyo」が日本初進出 森トラストが東京ワールドゲート赤坂に開業

2024年11月18日(月) 配信

ラウル・レアルCEO(左)と伊達美和子社長

 森トラスト(伊達美和子社長、東京都港区)は11月18日(月)に会見を開き、2025年秋に「東京ワールドゲート赤坂」に「1 Hotel Tokyo」を開業すると発表した。同ホテルブランド「1 Hotels(ワンホテルズ)」は米国のホテル運営会社、SH Hotels&Resorts(ラウル・レアルCEO)が展開するサステナビリティを重視したラグジュアリーライフスタイルホテルで、日本初進出となる。

 森トラストらが進める大規模複合開発プロジェクト「東京ワールドゲート赤坂」は、東京圏国家戦略特別区域の国家戦略都市計画建築物等整備事業として認定を受けたもの。その中心を担うのが「赤坂トラストタワー」で、新ホテルはこの上層階にオープンする。同日の会見は第1期竣工を終えた同ビルのオフィスエントランスで行われた。

 伊達社長は2000年代初頭から、東京で不足していた富裕層向けのホテルを数々手がけてきたことを紹介したうえで、「その時代にあったホテルを開業し、新潮流となる新たな価値観を提案してきた」と自負した。今後も国際的な競争力維持と持続可能な観光業の実現をはかるため、「ホテル、リゾート事業を通じて真の観光立国の地位確立に寄与していきたい」と意気込んだ。

 ワンホテルズに関しては、10年ほど前から注目していたブランドであることを明かし、「理念にこだわりを持たれているので、MC(マネジメントコントラクト)方式で開業する。来年が楽しみだ」と期待した。

「1 Hotel Tokyo」ロビーラウンジイメージ

 ラウル・レアルCEOは「1 Hotels」ブランドの特性として、省エネ、節水システム、再生材料の使用などあるゆる場面でサステナビリティへの取り組みを実現していることを紹介。東京では、日本ならではの魅力とブランドコンセプトの「自然との調和」を掛け合わせたホテルとする計画。日本古来の大谷石を利用するほか、植物から作られたアートなどを配する。

 レアルCEOは「我われは単なる宿泊施設ではない。本当に大切なものとの関係を再構築する体験を提供したい。ホスピタリティとサステナビリティはパートナーになり得る」と力強く語った。将来的には、ワンホテルズのみならず、同社の他ブランドの日本進出も狙っていくという。

 新ホテルは赤坂トラストタワー(東京都港区赤坂2丁目)の38~43階、客室数は211室。レストランやカフェ、フィットネス、スパ、プールなどを備える。

沖縄ペア宿泊券が当たる、「たびとも×たびらいCP第2弾」

2024年11月18日(月)配信 

「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」の1泊2日朝食付きペア宿泊券が当たる

 パム(長嶺由成社長、沖縄県那覇市)は、運営する旅行予約サイト「たびらい」と今年7月に開設した沖縄ファンコミュニティサイト「たびとも」のコラボ企画として、「たびとも×たびらいキャンペーン第2弾」を実施している。応募者から抽選で、沖縄のリゾートホテル「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」の1泊2日朝食付きペア宿泊券を10組20人にプレゼントする。

 「たびとも」と「たびらい」の2サイトの無料会員に登録して、11月15日(金)~12月16日(月)までに「たびらい」でレンタカーまたはアクティビティを予約し、利用対象期間中に利用すると自動的に応募できる。利用対象期間は11月15日(金)~2025年1月31日(金)まで。

東武トップツアーズ、「ブラックフライデー」11月26日から

2024年11月18日(月)配信 

11月26日~12月2日までの7日間限定で

 東武トップツアーズ(百木田康二社長、東京都墨田区)は、「ブラックフライデー」として11月26日(火)午前10時~12月2日(月)午後6時までの7日間、WEB旅行商品の一部国内ツアーを特別旅行代金で売り出す。

 対象商品は、同キャンペーンサイトで順次発表する予定。最大1200円引きの日帰りプランのほか、宿泊付きプランや日光・鬼怒川エリア限定のデジタルフリーパスプランなど多数用意するという。

 対象出発日は11月28日(木)~12月25日(水)。同社旅行販売サイトに掲載されている商品のうち、プランの名称に「◆ブラックフライデー企画◆」の記載がある商品が対象となる。

12月1日から大型観光CP「誰と行く?冬の秋田」 わらび座が参加型ステージ上演

2024年11月18日(月) 配信

「This is Akita!」

 秋田県と東日本旅客鉄道(JR東日本)秋田支社は、12月1日(日)から2025年2月28日(金)まで、秋田県冬の大型観光キャンペーン「誰と行く?冬の秋田」を開く。「温泉」「食・酒」「小正月行事」「雪」をキーワードに、秋田ならではの特別な体験を通じて、冬の秋田の魅力を再発見してもらうのが狙い。

 CPでは県内事業者と連携した500を超える特別企画を用意。このなかで、仙北市の「わらび座」は12月1日~1月3日まで、あきた芸術村の温泉ゆぽぽで全席参加型祭ステージ「This is Akita!」を上演する。大宴会場が特設シアター「祭の国」に変身。すべての席に太鼓と提灯を設置し、目の前の役者と一緒に太鼓を叩き、提灯を灯すことで、秋田の祭りを体験・体感できる。

 同公演は観光キャンペーン対象コンテンツとして、「秋田冬アソビ割」クーポンが適用される。クーポン利用は体験予約サイト「アソビュー!」「じゃらん遊び・体験」からの申し込み限定で、観劇のみの場合、通常価格3600円が1800円になる。

「劇映画 孤独のグルメ」とタイアップCP開始 JAL「クラスJ」20周年記念で

2024年11月18日(月) 配信

航空券などが当たる

 日本航空(JAL)は11月15日(金)から、国内線クラスJ20周年を記念して「劇映画 孤独のグルメ」とタイアップしたキャンペーンを開始した。2025年1月10日(金)の映画公開までは第1弾期間として、応募した人のなかから抽選で10組20人に国内線往復航空券(クラスJ)をプレゼントする。

 第1弾の受付は1月9日(木)までで、国内のJMB会員が誰でも専用Webサイトから応募できる。クラスJ搭乗の特典は12月1日(日)~1月9日(木)までの搭乗で加算マイルが20%にアップする。専用サイトからのキャンペーン登録が必要。

 第2弾の応募期間は1月10日~2月28日(金)まで。56人に「井之頭五郎賞」として、「孤独のグルメ セリフキーホルダー」が当たる。また、キャンペーン登録のうえ、同期間にクラスJに2回搭乗した人のなかから1000人にeJALポイント2万ポイントが当たる。

 このほか、公開日限定特典として、1月10日に羽田空港発のJALグループ国内線に搭乗した人全員に映画内で井之頭五郎が食べているJALのドライなっとうをプレゼントする。

  JALの国内線クラスJは「もっと気軽にくつろぎの空間を、より多くのお客さまにお楽しみいただきたい。」をコンセプトに2004年に開始。普通席とファーストクラスの間に位置する座席で、普通席にプラス1100円から利用できる。

皇居三の丸尚蔵館で「瑞祥のかたち」展 25年1月4日から

2024年11月18日(月) 配信

 

 新年の到来を喜び、人生の節目に幸福を願う気持ちは、古くからさまざまな造形にたくされてきた。古代中国では不老不死の仙人が住むと伝えられた蓬莱山、日本では吉祥図として描かれた長寿を象徴する鶴と亀が添えられた島台が縁起物とされ、理想郷として蓬莱山へのあこがれ、霊峰・富士の姿に重ねられる。伝説の鳥・鳳凰は高貴さを象徴して絵画、工芸に取り込まれている。麒麟(キリン)、唐獅子も空想上の霊獣だが、威厳のある凛とした姿は泰平の願いを込めて表現されている。

 東京の皇居三の丸尚蔵館では2025年1月4日(土)から3月2日(日)まで、「瑞祥(ずいしょう)のかたち」展が開かれる。皇室伝来の書跡・絵画・工芸品の中から、蓬莱山や霊峰富士、松や鶴・亀、宝船、霊獣などのめでたいモチーフの数々、巨匠・伊藤若冲や横山大観、江戸時代から近代にかけて活躍した作家による日本美術の名品46点を一堂に会し、新年の幕開けにふさわしい縁起物の美を楽しめる。

ジャーナリスト 貞廣 長昭

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(166)いつもとちがう行動を創造する研修 継続は新しい行動へ

2024年11月17日(日) 配信 

 

 ホテルの朝食会場で働くスタッフの研修を行ったとき、「多くのお客様が順番待ちする満席の会場」を事例に「1つのテーブルが空き、次のお客様を迎える準備ができて、お客様をテーブルに案内するというシーン」という設定で順番にロープレしました。

 研修に参加したスタッフは明るく元気に「おはようございます。いらっしゃいませ。お待たせいたしました。ご案内いたします」と丁寧にあいさつしていました。あなたならどのような行動と声掛けをするでしょうか。

 研修で伝えたのは、案内するお客様への対応と同時に、列に並ぶお客様への対応です。案内するお客様は宿泊者がほとんどですが、スタッフから「昨夜はゆっくりとお休みいただけましたか」という言葉を、朝食会場で聞く機会は非常に少ないのが現実です。

 チェックアウト時にフロントから問われることはありますが先を急いでいると、何か問題があってもほとんど「はい」とだけ応えています。

 しかし、朝食時の少し余裕があるこの時間を、有効に使わない手はないのです。もし何か問題があれば、直ぐにフロントに伝えて対応できます。問題点を何も語らずに去って行くお客様(サイレントカスタマー)が最も怖いことは、皆様もご存じの通りです。

 さらに、お待ちいただいているお客様のことも忘れてはなりません。「混み合って大変申し訳ございません。順番にご案内しますのでしばらくお待ちください」といった声を聞くこともありますが、待っているというイライラ感はほとんど解消されません。

 航空会社の客室乗務員の研修時、ドリンクサービス中、コーヒーを希望されたお客様の直前にコーヒーを切らしたとき、どのように声を掛けるべきかという話をしたことがあります。ロープレ研修時に客室乗務員がお客様から称賛の声をもらった事例を話しました。

 それは、ご案内するお客様だけでなく、お待ちいただくお客様にも関心を寄せる。つまり「席が空き次第、すぐにご案内いたします」という言葉を掛けること。この「すぐに」を加えることで、待たなければならない時間を少しでも気持ちよくするのです。

 ロープレ研修では、社内スタッフだけでなく外部の人も入れることが大事です。社内の当たり前やできない理由を排除しなければ、良い成果を上げることはできません。成果とは、昨日と違う行動を創造することです。

 さらに重要なのは、生み出された新しい行動を、勇気を持って実行する。はじめは上手くいかないかもしれませんが、やり続けることで、昨日の行動をお客様に喜ばれる新しい行動に変えていくことができるのです。

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(276) パーマカルチャー

2024年11月16日(土) 配信

 本稿脱稿寸前に衆院選開票結果(自公与党の過半数割れ)が判明した。世界の不安定化と混迷化に加えて、日本政界の大変動が明らかになり、日本の近未来に大きな不安を感じる。先行きの不透明な時には物事の本質に立ち返ることも必要だ。

 1974年にオーストラリアの2人の研究者がその後の世界に大きな影響を与える重要な提言を行った。B・モリソン(当時46歳)とD・ホルムグレン(19歳)は「パーマカルチャー(Permaculture)」という新しいコンセプトを提唱した。

 パーマカルチャーとはパーマネント(永続性)、アグリカルチャー(農業)、カルチャー(文化)を組み合わせた造語。永続可能な循環型農業を基本に自然と人間が共に豊かになるような関係性を築いていくためのデザイン手法だ。無農薬、有機農業を基本に自然循環を生かした持続可能な暮らしの実現を目指す運動である。

 モリソンはタスマニアで生まれ、猟師や漁師を経て、連邦調査機関で野生生物の研究員に採用され、その後タスマニア大学の教員を務めた。その間に自然環境が壊され、野生生物が急速に失われていく現実を危惧して、パーマカルチャーの必要性を実感した。一方ホルムグレンは環境デザインを学ぶなかでモリソンの考えに共鳴して、パーマカルチャーに関わる倫理やデザイン原則を提案した。

 パーマカルチャーは①地球への配慮②人々への配慮③余剰の分かち合い――という3つの倫理が基本。

 モリソンは「地球を森で覆い尽くすこと」を目指し、無限の命を生み出す森を守り育てていくことが地球への最大の配慮と考えた。人々の個性や才能を自分のためだけでなく、社会全体へと用いることで豊かな社会へ導いていけると考え、人間と自然が共存するなかで人々が互いに助け合い、恵みを分かち合うことで、生活や心の安定が生まれると提唱した。

 パーマカルチャーは既に世界各国のエコビレッジなどで実践されており、日本各地でもさまざまな試みが行われている。1996年に神奈川県相模原市でパーマカルチャー・センター・ジャパンが設立され、パーマカルチャーデザイナーの制度的育成も行われている。観光業界でもパーマカルチャーの理念を尊重しながら、地域社会との新たな連携協力の模索すべきだろう。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。