日本バス協会、自民党バス議連ら 自動運転EVバスを視察

2024年6月18日(火) 配信

バス車内で説明を聞く(左から)日本バス協会の清水一郎会長、自民党バス議員連盟の田村憲久副会長、逢沢一郎会長

 日本バス協会(会長=清水一郎・伊予鉄グループ社長)は6月13日(木)、東京・永田町の衆議院第一議員会館に自動運転バスを展示し、自民党バス議員連盟が視察した。自民党バス議員連盟の逢沢一郎会長をはじめとする議連メンバーが参加し、自動運転バスを試乗した。

 視察した車両は、ソフトバンク子会社のBOLDLY(ボードリー、佐治友基社長兼CEO)が代理で販売している自動運転EV「MiCa(ミカ)」。同社がエストニア共和国のAuve Tech(オーブテック)と連携し、自動運転レベル4対応の日本仕様モデルとして開発されたもの。最大8人乗りで運転席はなく、遠隔監視による自動運転を実現する。視察中、これまでの実証実験の成果や安全性が確保されているかなど、参加者から熱心な質問が相次いだ。

自民党バス議員連盟総会のようす

 視察前には自民党バス議員連盟総会が開かれ、日本バス協会からバス事業の現状と要望事項が報告され、意見交換が行われた。自民党バス議連の逢沢会長は、自動運転バスについて「より腰を入れてスピード感をもって取り組み、実効性を確保していく段階を迎えた」という見解を示した。

 日本バス協会の清水会長も「今年中に伊予鉄グループで、自動運転レベル4の本格運用を目指す」考えを明かした。

神奈川県旅行業協会、地区会などで新たな強み構築へ 国内活性化フォーラム参加も呼び掛け

2024年6月18日(火) 配信

会場のようす

 神奈川県旅行業協会(田中幸一会長、151会員)は6月14日(金)、ホテルウェルシティ湯河原(静岡県・湯河原温泉)で2024年度通常総会を開いた。

 田中新会長は「会長に就任してから1年が経ち、皆様の協力で会を運営できた」と謝辞を述べた。また、「来年1月に、同じ京浜地方支部に所属する全国旅行業協会東京都支部主催の国内観光活性化フォーラムin東京に出席してほしい」と呼び掛けた。

田中幸一会長

 今年度は、地区会や研修会などで意見交換や懇親を深め、新たな強みの分野を築いていくほか、メール配信を受入施設などで構成する賛助会会員にも導入する準備を行い、同協会での動向を速やかに連絡する。

 来賓の全国旅行業協会(ANTA)の駒井輝男副会長は、旅行業の更新登録で基準資産額が法で定める額を下回った際、直近の決算書ではなくコロナ禍前の決算で同資産額を計算できる救済措置について、「観光庁に延長を繰り返し求めてきた。来週もこれまで以上に強い思いで要望に行く。皆様に喜んでもらえるようにしたい」と意気込みを述べた。

駒井輝男副会長

 旅行新聞新社の石井貞德社長は「国内旅行を活性化するには、お客に喜んでもらうことに限る。普段、お客と接するなかでニーズを感じ、いち早くカタチにしてほしい」と提言。そのうえで「お客には地域の魅力を活用し営業することが大事。そのためには情報が欠かせない。皆様の役に立つよう情報を発信していく」と語った。

石井貞德社長

 ㈱全旅の中間幹夫社長は、全旅マルっとペイは修学旅行などの団体旅行の集金や取消時の料金の返金などを行っていることを紹介。「人手不足を補ううえで、便利なシステム」とアピールした。さらに、「皆様の悩みや課題などをすべて解消したい。全力を尽くすので、懇親会で要望を話してほしい」と呼び掛けた。

中間幹夫社長

 同日には神奈川県旅行業協同組合(田中幸一理事長、141会員)の総会も開催した。

 今年度は、旅行業の更新登録をよりスムーズに行うためのインターネットを活用した方法などの情報を提供する。さらに、組合員増収に寄与する取引システムの研究開発や、組合レクリエーションの再開の検討、組合員の加入増強などに努める。

海からKIXを見てみよう! 関空30周年で大阪湾の多様性学ぶツアー企画

2024年6月18日(火) 配信

小学4~6年生対象に8月3、4日開催

 関西エアポートと大阪府漁業協同組合連合会は8月3日(土)、4日(日)に関西国際空港で「関西国際空港開港30周年特別企画『海からKIXを見てみようツアー』」を開く。小学4~6年生を対象に、大阪湾の多様性と環境の取り組みを学ぶ。参加費は無料。

 ツアーではチャーター船で海上から関西国際空港周辺の海域見学などを行う。藻場育成環境の見学やキジハタの放流体験など、大阪湾に生育する魚類の観察や触れ合いを通じて楽しく環境学習ができる。大阪湾の多様性や漁業の仕事、関空の環境保全の取り組みなどに理解を深めて関心を持ってもらうのが目的。

 各日とも午前と午後の2回開催で、小雨決行・雨天中止。対象の子供と保護者の付き添いが必須。1回の定員は10組20人。計40組80人を募集する。募集は7月5日(金)までKIXホームページで行っている。応募多数の場合は抽選となる。

道の駅まえばし赤城で台湾フェア2024 6月29~30日に開く

2024年6月18日(火) 配信

オリジナル台湾メニューなど提供

 道の駅まえばし赤城(群馬県前橋市)は6月29日(土)・30日(日)の2日間、「台湾フェア2024」を開く。各店舗でオリジナル台湾メニューの提供や台湾産マンゴーの販売、台湾文化の体験ブースなどを用意する。また、ステージでは群馬県、前橋市を代表する文化団体が台湾の曲を披露する。

 同市と台湾・台南市は昔から交流があり、昨年開催した際には台南市長も訪れ、台南をアピールしたという。今年は4月に台湾で地震が起きたことから、復興支援も兼ねて台湾文化に触れることで、交流を促進するのが狙い。

 フェアは両日とも午前10時~午後4時まで。なお、道の駅内各店舗での台湾フードの提供は6月21日~7月21日まで行う。

HIS第2四半期連結決算、旅行需要回復で5年ぶりの黒字転換 営業利益57億5900万円に

2024年6月17日(月) 配信 

(左から)織田正幸常務、矢田素史社長、中森達也専務

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)が6月14日(金)に発表した2024年10月期第2四半期(23年11月1日~24年4月30日)連結決算によると、売上高は同56・6%増の1611億7300万円と大幅な増収となった。

 営業利益は57億5900万円(前年同期は33億5800万円の損失)、経常利益は60億8200万円(同35億6100万円の損失)、純利益は38億7700万円(前年同期は48億900万円の損失)と、約5年ぶりの黒字となった。

 売上高は、旅行事業とホテル事業が順調に推移したことで、業績予想の通り着地した。

 事業別では、ホテル事業の売上高が前年同期比39・4%増の114億6800万円、旅行事業は同65・2%増の1316億600万円となった。

 24年10月期第2四半期の業績が、当初の予想よりも上振れしたことを受け、通期(23年11月1日~24年10月31日)の連結業績予想を上方修正した。営業利益が前回発表から10億円増の110億円、経常利益が同20億円増の110億円、純利益が同10億円増の70億円を見込んでいる。

 また、夏の海外旅行は19年比で約80%の回復を想定していたが、現状は60%程度の回復に留まっている。このことから、24年度下半期の営業利益を67億円から52億円に下方修正した。

 回復鈍化が続く海外旅行市場の活性化をはかるために、夏の集客強化として、海外旅行のさらなる需要創出に向け、コアターゲットとなるファミリー層や団体旅行には、着地後の食事代込みのプランなどを充実させたハワイ・ミクロネシアの需要の掘り起こしを行う方針。

 矢田社長は、「収益性の高いビーチの回復が喫緊の課題」とし、「円安やインフレ、燃油サーチャージ、航空運賃の高止まりなどの理由のほか、粗利を確保するための保守的な値付けも、旅行代金の増加につながっている」との課題認識を示した。

 国内旅行では、強化デスティネーションである北海道と沖縄において、オリジナルコンテンツで差別化をはかり、競争力ある商品の造成で収益性を向上させていく。

 訪日旅行では、HIS海外ネットワークを通じて、各地域からの特性を掴み、商品ラインナップを拡充させるとともに、現地旅行会社へのB2B営業を強化し、グループシナジーの最大化に努める。

 ホテル事業では、インバウンド需要が活発化するなか、客室単価の向上に見合う「変なホテル」のプレミア化やリゾート化を実施する。

京阪電気鉄道が7月27日から2200系デビュー60周年の記念企画

2024年6月17日(月) 配信

リバイバル塗装(8両編成時代のもの)

 京阪電気鉄道(平川良浩社長、大阪府大阪市)は7月27日(土)から、京阪本線・鴨東線・中之島線を走る2200系がデビュー60周年を迎えるにあたり、記念企画を実施する。1988(昭和63)年当時の車体外観に復元するほか、記念ヘッドマークの掲出などを行う。

 2200系は1964年に登場した各駅停車用の2000系スーパーカーに続いて新造した急行用車両で、最盛期には100両が在籍していたというが、現在は4両のみ。今回はデビュー当時の塗装を復元して7月28日(日)から営業運転する。これに先駆け、27日にはリバイバル塗装編成によるミステリーツアーを開催する。

 記念ヘッドマーク掲出は7月27日~8月31日。リバイバル塗装ヘッドマークと記念ヘッドマークがある。

 7月27日の午前11時~午後2時まで、樟葉駅下車KUZUHA MALL内のSANZEN-HIROBAで京阪電車オリジナルグッズ販売会を実施する。キーホルダーやTシャツ、缶バッジスタンドなどが並ぶ。

 また、記念企画展として「―高度経済成長期における京阪間の輸送を支えた車両―」をSANZEN-HIROBAで7月27日~11月28日まで開く。

 このほか、記念デザインの企画乗車券を7月27日~2025年3月31日まで売り出す。大阪・京都1日観光チケットと京都1日観光チケットが同企画デザインになる。

宿で旅する呑み比べセット 定山渓花もみじが夏酒の提供開始

2024年6月17日(月) 配信

3種の夏酒セット

 ホテル鹿の湯が運営する「定山渓花もみじ」(北海道札幌市)は6月17日(月)から、札幌の1910年創業の老舗酒屋「桜本商店」が厳選した全国各地の日本酒「夏酒」の吞み比べセットを期間限定で売り出した。

 「宿で旅する吞み比べセット」と題し、北海道の旬食材を使用した夏限定の和食会席の夕食とともに楽しめる。3種3勺の各60ミリリットルで、価格は1650円(税込)。販売は8月31日(土)まで。なお、それぞれ1合でも注文できる。

6月19日からJR上野駅で岩手産直市開く 新幹線で商品運ぶ

2024年6月17日(月) 配信

産直市のイメージ

 東日本旅客鉄道(JR東日本)盛岡支社は6月19日(水)~23日(日)までの5日間、東京・上野駅で「岩手産直市」(協力・岩手県、いわて観光キャンペーン推進協議会)を開催する。

 産直市では21日(金)に、新幹線で荷物を運ぶ「はこビュン」(上野着午後2時1分)を利用し、盛岡市の人気パン「福田パン」や花巻市の「花巻温泉のあんぱん」を運び販売するほか、期間中は農水産加工品や地酒、菓子、果物などを販売する。

 また、観光コーナーでは県内観光地のパンフレット配布や観光PR動画を放映する。

JALが調査研究を行う新会社「JAL航空みらいラボ」7月設立へ

2024年6月17日(月) 配信

 

 日本航空(JAL)は7月1日(月)、航空業界の持続的な成長・発展に向けた調査研究を行う新たなグループ会社「JAL航空みらいラボ」を設立する。航空会社を取り巻く環境が急速に変化していることから、広範囲な調査や研究が必要だと判断した。

 国や地域、人とモノのつながりなどを支える航空会社の果たすべき役割の重要性がますます高まっている一方、国内の人口減少や地域課題、環境負荷への対応など取り巻く環境の急速な変化・複雑化に直面している。これらの課題に適切に対応するため、新会社を立ち上げる。

 「JAL航空みらいラボ」は、JALが有する航空に関わる専門的知見に加えて、教育機関や研究機関などを含めた社外からの見識を取り入れた客観的な調査研究を推進し、航空業界の持続的な成長・発展、安全・安心でサステナブルな社会の実現に貢献していきたい考え。主な事業内容は航空業界および関連する諸分野に関する総合的な情報の収集、分析、調査研究および課題解決支援や産学連携を通じた価値創造および次世代育成の推進など。

会社概要
名称:株式会社JAL航空みらいラボ(英文名: JAL AVIOFUTURE LAB CO., LTD.)
代表取締役社長(予定):柏 頼之(かしわぎ よりゆき) ※JAL取締役と兼任予定 
資本金:1000万円
株主:日本航空100%
住所:東京都品川区東品川2-4-11  野村不動産天王洲ビル
設立:2024年7月1日予定

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(161)お客様に寄り添うとは 想像力をはたらかせて

2024年6月16日(日) 配信

 

 クライアント企業に、「対応が冷たい」という「お客様の声」が届きました。「接客」を大切にする企業だけに、「もてなし」に疑問を持つその声は、経営者の受け止めも重く、私に対応への相談をされました。とくに現場の担当者は、常に丁寧な対応を心掛けていただけに、とてもショックを受けたようです。

 近年、医療関係者の「おもてなし」に対する関心が高まっています。これまでは病院の大きさや医師の評判などで病院を選んでいた利用者は、その対応に不快な思いをしても、仕方ないとあきらめていました。

 先日、内科に行ったときに、毎年の検診予約をしました。看護師から「説明をしますので、外でお待ちください」と言われ、「外とはどこですか」と質問すると「出たところです」といったやり取りがありました。

 このときに、クライアント企業が受けた「対応が冷たい」という言葉の意味が分かりました。看護師は患者に不快な思いをさせている、という認識はないでしょう。しかし、利用者の多くは、言いたいことを我慢しているのです。看護師は毎日、患者に話すことでしょうが、私は戸惑うばかりでした。

 理由は、看護師には、外のイメージが明確にあって話しているのですが、私は同じイメージを持っていない。こういうときに、誤解が生まれ説明不足といった苦情を受けるのです。説明も、後遺症などについて書類を見ながら小さな声で早口に話されるだけです。何度か受診しているので内容は分かりますが、これで「サインしてください」と言われても納得できません。「言う」ではなく、「伝える」ことが大切なのです。

 そのためには、聞いてもらえる環境をつくり、クッション言葉を使うことが有効です。「恐れ入りますが」「お聞きいただいたこともおありだと思いますが、大切なことですので」という、相手に寄り添う言葉を使えば、聞く側も話す人に意識を向けます。さらに動作がそこに加われば、良い対応と評価が上がります。

 ある日伊丹空港で、家族から頼まれたチーズケーキを購入するため、売り場を探しましたが見つかりません。レジのスタッフに聞くと、「30分後の14時から個数限定で販売される」と説明して、その後に自分の持ち場に「レジ中止中」の看板を出して、レジから出て来てその場所まで案内してくれたのです。

 しかしそこでは、「このラインでお待ちいただければ、整理券が配られますのでしばらくお待ちください」と案内されました。空のワゴンを前に30分間どうしたらよいのかと悩む私をイメージして、掛けてくれたその寄り添う言葉に感動すら覚えたのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。