日本文化を感じる宿 静寂の中で立ち止まる場所(ABBA RESORTS IZU ― 坐漁荘)

2024年6月3日(月) 配信

六角形の庭園露天檜風呂「葵」

 「ABBA RESORTS IZU ― 坐漁荘」(静岡県伊東市・浮山温泉)は、国立公園の中に建つ老舗旅館。静寂の中で心休まるひと時を過ごせる宿で、温泉と自然、美食を心行くまで堪能できる。また、館内に日本刀を展示するギャラリー「義の心」を設けているのも特徴。同館を所有するCIVIL GROUP(台湾台中市)の葉信村総裁の「旅館で日本文化を感じてほしい」という想いをカタチにした場所で、解説を聴きながら貴重なコレクションを間近で鑑賞することができる。

 本館は純和風旅館のたたずまいで、各客室に温泉を楽しめる露天風呂が備えられている。加えて、館内には露天風呂と大浴場、貸し切り露天風呂がそれぞれ2カ所ずつ設けられている。大浴場「紫苑」では春、桜を愛でながら入浴ができるなど、それぞれ時間帯や季節で個々の景観や雰囲気が変化するのが魅力の一つ。2カ所の貸し切り露天風呂からは、この宿で唯一伊豆の海を眺めながら、温泉を楽しむことができる。

 提供する食事は、和食とフレンチ、鉄板焼きの3種類で、和の要素も取り入れた創作フレンチの夕食では、アローカナの卵「下田ブルー」や天城のジビエ「天空の鹿」など、伊豆半島をはじめとする全国各地で獲れる逸品をふんだんに使用したコース料理を楽しむことができる。

長期滞在に注力落ち着ける価値追求

 「ABBA RESORTS IZU ― 坐漁荘」は、

彫刻欄間が特徴的な新客室「別邸大奥の間」 二百年の農家屋敷 宮本家

2024年6月3日(月) 配信

別邸大奥の間

 宮本荘グループ(宮本一輝社長)の宿「二百年の農家屋敷 宮本家」(埼玉県・小鹿野町)は4月26日、新客室「別邸大奥の間」の供用を開始した。宮大工の技が光る彫刻欄間や、床の間が象徴的な最高級グレードのモダン客室。庭園を眺めながら入浴できる風呂では、農家屋敷を代表する食材「ゆず」を使ったゆず湯を楽しめる。

 これに先駆け2月10日には、客室2室をリニューアルし、コンセプトルームとして供用を開始した。コンセプトルーム「力士の間」は、

2030年60万人集客へ 日本では3万人目指す イントレピッドトラベル(豪)

2024年6月3日(月) 配信

(左から)ナタリー・キッド取締役、ジェームズ・ソーントンCEO、大西良樹ゼネラルマネージャー

 オーストラリア・メルボルンに本社を構える旅行会社「Intrepid Travel(イントレピッドトラベル)」は5月13日、大阪市内でサプライヤーや各自治体担当者、メディア関係者など約90人を招き懇親会を開いた。ジェームズ・ソーントン最高経営責任者(CEO)と、ナタリー・キッドアジア地域取締役も来日し、2030年に向けた営業戦略なども発表した。

 同社は1989年に設立。「体験」と「サステナブル」を重視したスモールグループ(12人程度)によるアドベンチャーツアーを展開しており、これまでに100カ国以上、1千種類を超えるツアーを実施している。顧客層は豪、北米、ヨーロッパが中心。日本へは2017年に参入し、昨年は日本国内で過去最高となる486ツアーを催行。約8500人を集客した。

 ソーントンCEOは「我われのミッションは、旅行の喜びを通じてポジティブな変化を創造すること。昨年はグループ全体で延べ約32万8千人を集客できたが、30年までに、より多くの人々を結び付け、グループ全体で60万人、日本で2―3万人の集客を目指したい」と目標を掲げた。

 また、日本の拠点となる「Intrepid Japan」の大西良樹ゼネラルマネージャーは「二酸化炭素排出削減のため、可能な限り公共交通機関を利用している。日本は公共交通が充実しており、ダイヤも正確」と利点を紹介。オーバーツーリズム対策については「ツアーの立ち寄り先を人気の神奈川県・鎌倉から静岡県・川根本町でのファームステイに変更するなど、今後は地元と連携しながら、地方への誘導を増やしていく。地域活性化も重要なミッションと捉えている」と述べた。

【塩野 俊誉】

〈観光最前線〉時刻表の思い出

2024年6月2日(日)配信

 小学生のころ、時刻表を見るのが好きだった。地名のみのしりとりなど、端から見たら変わった遊びを楽しんでいた。中学生のときには紀行作家の宮脇俊三著の「時刻表2万㌔」「最長片道切符の旅」を、時刻表を脇に読み、机上で旅に思いを馳せた。

 その後、興味が別のものに移り、長いこと疎遠になった。仕事でも鉄道を使う際はネット頼みになっていた。

 先日何十年かぶりに時刻表を購入。路線の少なさにあらためて驚いた。仕事では移動の速さを求めた新幹線がありがたいが、次々と廃線になっていった地方路線に乗れなかった、という心残りが。

 今さらながらだが、これから地方路線も楽しもうと思う。もちろん時刻表をお供に。まずは一部区間の廃線が濃厚な久留里線から始めよう。

【野村 一史】

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その38-奈良国立博物館「空海展」(奈良県奈良市) 1250年の時空を超えて 〝空海の想い〟を辿る

2024年6月2日(日) 配信

 空海の足跡を辿れば辿るほど、もっと知りたいと思う気持ちが増幅してくる。

 奈良国立博物館でかつてない規模の空海展が開催されているということを知り、一路奈良へと旅立った。

 

 

 まず展示室に入ると、京都・安祥寺に安置されている国宝の五智如来坐像にいきなり圧倒される。これは、大日如来を中心とした曼荼羅を立体的に表現している。密教の世界観は文字では到底表せられないということから、金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅という2つの曼荼羅絵図で表しているが、この曼荼羅の世界観を仏像で表現したものだ。

 さらに、空海が制作に関して直接指揮を執ったとされる日本最古にして唯一の両界曼荼羅も展示されている。京都の高雄山神護寺に伝わったことから高雄曼荼羅と呼ばれており、2022年に修理が完了し、金銀泥で描かれる諸尊の輝きがよみがえった。

 さらに、空海は20年という約束で留学僧として入唐したが、長安で恵果との運命的な出会いを果たし、密教のすべてを短期間で伝授してもらい、恵果からも早く日本に戻って密教を伝道せよとの言葉をもらって、2年後に帰国した。しかし、当初の約束よりも早く帰ってきてしまったことから、大宰府で留め置かれてしまう。そこで、密教がどのように伝わってきたかという経緯と、今回恵果から譲り受けた経典や絵画、仏具などの一覧を記した巻物を都に送り、都入りを許されたが、まさにその巻物「弘法大師請来目録」そのものが展示されている。

 話に聞いていたものの現物が目の前にある、その感動は計り知れない。そして、なにもそのような背景を知らなかったら単なる箇条書きのリストなのだが、これが書かれた背景を知るからこそ、感動のあまり打ち震えるのだ。

 この「弘法大師請来目録」に恵果が密教の正統な継承者だということが書かれてある。恵果の業績の偉大なところは、それまで密教はインドから中国に陸路で伝わった「大日経」の系統と、スリランカ、インドネシアを経由して海路で伝わった「金剛頂経」の系統があり、その2系統を融合させたのが恵果その人であった。

奈良国立博物館「空海展」6月9日(日)まで

 今回の展覧会では、インドネシアのジャワ島東部、ガンジュクから発掘された金剛界曼荼羅の彫像群を集め、円形台を重ねて、立体曼荼羅がつくられていた。これらから、海路で伝わった密教のルーツにアプローチができる。海路からの密教は平面的ではなく、より立体的で、むしろ密教の本来的な特徴を表しているのではないだろうか。

 空海はことあるごとに密教は文字では表せないと語っている。最澄と最終的に決別したのも、最澄が弟子を派遣して経典を写させたりして、本当の修行に来なかったことによる。結局経典の文字を追っただけではわからない、言葉の奥に秘められた何たるかにアプローチできなければ、密教を理解したことにはならない。

 曼荼羅図や声明などありとあらゆる感覚を研ぎ澄ませて、空海が恵果から伝授された密教の奥義をこの展覧会で一気に感じることができる。

 旅行新聞の「観光人文学の遡航」でも紹介した秘密曼荼羅十住心論も展示されている。空海の世界にどっぷりとつかることができる見事な展覧会であった。

興福寺の五重塔

 この展覧会は6月9日まで開催されている。また、奈良国立博物館に行くなら、そろそろ修復のための覆いで囲まれる興福寺の五重塔を今ならまだ見ることができる。

 今年は空海生誕1250周年なので、各地で空海を偲ぶさまざまなイベントが開催されるが、東京国立博物館では、7月17日から「神護寺―空海と真言密教のはじまり」展が予定されている。24年は空海をたっぷり堪能できる1年になりそうだ。

 

旅人・執筆 島川 崇
神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。2019年「精神性の高い観光研究部会」創設メンバーの1人。

「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(5月号)」

2024年6月1日(土) 配信

https://zoomjapon.info

特集&主な内容

 今月号の特集は「紫式部と源氏物語」です。フランスでもNHKワールドで大河ドラマが見られますし、パリのギメ東洋美術館では、源氏物語をテーマにした展示会が3月末まで開催され、山口伊太郎氏の西陣織「源氏物語錦織絵巻」も展示され、大盛況でした。今年のカンヌ映画祭でも#MeToo運動が大きく取り上げられていたフランスで、1000年前に日本の女性が書いた「源氏物語」が読まれる状況をまとめました。紫式部という女性については、「光る君へ」の制作統括・内田ゆきさんと原作の大石静さんからお話を伺いました。また、英語版「源氏物語」を現代日本語に再翻訳した毬矢まりえ・森山恵姉妹にもインタビューしています。旅行ページで取り上げたのは鯉のぼり。山口県岩国市、いろり山賊の鯉のぼりなどを紹介しています。

〈フランスの様子〉気候変動とワイン畑

「ワイン畑の凍結:リスクが高い地域」4月22日付Le Figaro紙のウェブサイトより。写真は、凍結防止のためにロウソクを並べたワイン畑

 4月から5月にかけて、春先のフランスの話題の一つが、ブドウ畑を襲う霜害。◆今年も4月末から、南仏のブドウ畑などで、霜が降りる日が数日続き、育ち始めたブドウ畑に大きな被害がでた。今年は暖冬で苗木の生育が早かったことも晩春の霜のダメージを大きくした。◆これまでは10年に一度くらいで、規模も限られていた凍結の被害だが、最近の気候変動の影響で、頻繁になり、規模も大きくなっているという。◆今年の冷害の被害はかなり大きく、ブドウ畑の9割近くもだめになった地域もあり、今年のワインは絶望的だという。さらにこれからも、大雨や夏の乾燥による水不足も心配されている。◆政府からの補助や支援も求められているが、毎年のように気候変動の影響を受けざるを得ないワインづくりのビジネスモデルも転換期だという。◆しかし逆に気候変動の恩恵を受けるところもある。◆かつてはフランス最大のワイン産地だったパリでもブドウ畑の規模が拡大したり、フランス北西部のブルターニュ地方も新たなワイン産地として開発が始まっている。

ズーム・ジャポン日本窓口 
樫尾 岳-氏

フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旅行新聞 編集部〉

「観光人文学への遡航(48)」 それでも晴れないライドシェアへの疑問

2024年6月1日(土) 配信

 深く議論もされずにとうとうライドシェアが導入された。

 先行して導入された東京、神奈川、愛知、京都の4都府県の一部地域と長野県・軽井沢町の計5地域に対して、国土交通省は、運行回数が5月5日までの約1カ月間で1万2628回、稼働台数は2283台であったと公表した。1時間当たりの乗車回数は、ライドシェアは東京が1・5回、愛知が1・3回、京都が1・0回などとなり、通常のタクシーの全国平均である0・7回よりも上回ったとし、斉藤鉄夫国交相は、タクシー不足の解消に「一定の効果が発揮されつつある」と評価した。

 もうこのような発表が出ることからも、導入ありきで進んできたことが見え見えである。それこそ今回導入されたライドシェアは時間が限定されていて、供給と比べて需要の逼迫している時間帯に限られているわけだから、需要のない時間もまんべんなく運行を続けているタクシーと比較してライドシェアの方が上回るのは当然である。このような記事を出して、いかにも消費者からライドシェアの方が選ばれているような印象を持たせるのは、印象操作以外の何物でもない。

 そして、続いて導入されていくのは札幌、仙台、さいたま、千葉、大阪、神戸、広島、福岡の8地域であることも発表された。どこも高需要の地域だけではないか。ライドシェアは「公共の福祉」の観点から、タクシーが不足している地域に新たな移動手段として導入されるのではなかったのか。 

 そして、今回はあたかも新たな法制度が創設されたかのような印象操作が行われているが、実際には、法改正をせず、道路運送法78条3号が定める「公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき」に該当するとしている。

 しかし、この条文は、とくに福祉的対応において、福祉施設やNPOなどが福祉輸送を実施する極めて例外的な場面に限定し、自家用自動車による有償旅客運送を許容しているのであって、このような「タクシーが足りない」といった単なる印象論に基づいて適用されるようなものではない。

 結局、タクシーサービスが行われていないところをライドシェアが補完するということが最初に言われていたが、まったくそのような代物ではなく、高需要なところだけに導入されようとしている。

 神奈川県では、大都市圏とともに三浦市でもライドシェアが導入された。三浦市こそ、本来のライドシェア導入のイメージに近い地域であったが、ここでは利用はかなり低調であった。三浦市の利用状況こそ、当初主張されていた本来のライドシェアのあるべき姿に近いものであり、この事例こそ、全国的に検討していくべきではないか。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

大阪産・食ツアー開催 大東市で第1弾日帰り 大阪産・食のマイクロツーリズム推進協議会

2024年6月1日(土) 配信

御領地区で田舟体験

 大阪府内で生産される農林水産物や、それらを使った加工品を府が認証する「大阪産(もん)」を切り口に、マイクロツーリズムの確立を目指す「大阪産・食のマイクロツーリズム推進協議会」(原田彰子代表理事、大阪府大阪市)は5月18、19日の2日間、同府大東市でガストロノミー日帰りバスツアーを実施した。19日の2日目に参加し、その魅力を取材した。

【土橋 孝秀】

 同協議会は2021年10月、コロナ禍のなか大阪経済を「食」で盛り上げたいと発足した。大阪産の産地めぐりバスツアーの構想を進め、今回第1弾が実現した。ツアーは河内屋ネクストラベル(河内崇代表、大阪府門真市)との共同企画で実施した。

 約20人の満員となった2日目ツアーは、JR住道駅をマイクロバスで出発。まずは車で10分ほどのところにある、水郷の里・御領地区へ。ここは1960年代まで稲作や蓮根作りが盛んで、水路が網の目のように走り、運搬手段として農業用田舟が行き交っていたという。

 現在、ほとんどの水路は埋め立てられているが、一部の約290㍍が地域住民の努力によって、「御領せせらぎ水路」として保存され、そのうち約半分の区間で4―9月の第1・3日曜日に田舟体験を実施している。

 実際に乗ってみると、石垣を組んでその上に建物を建てる段蔵造りが間近に見え、水際に降りる際に使った階段が今も残っているのがよく分かる。人力で進む田舟に乗りながら、ものづくりのまち・大東の賑やかさとはまるで違う、のどかな雰囲気を感じた。

橋本さんがトマト栽培について説明

 続いて、同市唯一の専業農家であり、大阪産に認定されている「橋本ファミリーファーム」へ。ミニトマトを中心に、米や多品種の野菜を栽培している大規模農家だが、家族4人で経営しているというから驚きだ。ミニトマトを栽培する温室ハウスで、6代目の橋本嘉昭さんが迎えてくれた。30年ほど前、当時最先端技術と言われた水耕栽培をいち早く取り入れたミニトマトは看板商品。液肥を常に流すことで生育が良く、甘く瑞々しい食感になる。流れる水はタンクで循環させ、外部に排出させず、自然環境にも配慮する。

 6代目になってからは、地元スーパーなど販路を開拓し、トマト以外は全量直売している。市場に出すと相場で価格が決められてしまうからだ。お土産でミニトマトをもらった。「自分の野菜は自分で価格を決めて売る」との気骨ある話を聞いて味わうトマトは、よりおいしく感じた。

大阪産の特製弁当

 昼食は大阪産の食材を詰め込んだオリジナル弁当の予定だったが、2日目ツアーは関連食イベントが雨で中止になった影響で味わうことができなかった。初日は阪南市なにわ黒牛の希少部位「カイノミ」の焼肉をはじめ、前述の橋本さんのミニトマトを使ったマリネ、羽曳野市七彩ファームのズッキーニソテーなど盛りだくさんの内容だったという。

野崎観音を参拝

 午後は、野崎観音の通称で知られる慈眼寺と生駒山龍眼寺を訪問。慈眼寺では、その昔、大阪市内から同寺まで通う「のざきまいり」があり、屋形船で参拝に来る人と陸路で来る人とが罵り合う風習があった、と大東市観光ボランティアガイド「やまびこ」の高橋洋代表が教えてくれた。

 また、今回のツアーで大東市は岸和田市と肩を並べるほど、地車が盛んなところと知った。大東市の地車の特徴はその大きさ。岸和田は高さ約4㍍前後だが、大東のものは5㍍を超えるものもあるという。ちょうど、住道駅前の末広公園で、「だんじりフェスティバル2024」が行われ、4台の地車が集結し、迫力ある曳行を披露していた。

 協議会の原田代表は「2年半掛けてようやく実現しました。“遠くへ行かないバスツアー”がコンセプト。いつでも行ける近場に、大阪産の産地があり、そこで生産者との交流や収穫体験、そして歴史や文化再発見の旅が楽しめます」とし、「第2弾、第3弾を企画していきたい」と話していた。

NAA2023年度連結決算、4期ぶりに黒字化 訪日客が過去最高を更新

2024年5月31日(金) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が5月30日(木)に発表した2024年3月期(23年4月1日~24年3月31日)連結決算によると、当期純利益は100億6100万円(前年同期比502億1800万円の損失)で、4期ぶりの最終黒字に転換した。

 売上高は同65.2%増の2169億2800万円で、3期連続の増収となった。国際線は水際対策の撤廃や円安の後押しにより訪日客が好調で、国内線は新型コロナウイルス感染症の5類移行などにより、発着回数や旅客数が大幅に前期を上回ったことが主な要因。とくに外国人旅客数や国内線旅客数は、共に開港以来の最高値を更新した。

 営業利益は129億6700万円(同317億8800万円の損失)、経常利益は106億8700万円(同482億9700万円の損失)。

 国際線と国内線を合わせた総発着回数は同23.6%増の21万9000回、総旅客数は同71.9%増の3525万人となった。

24年度の業績見通し、4期連続改善を想定

 24年度通期では、売上高は同12.1%増の2431億円、営業利益は同54.2%増の200億円、経常利益は同56.3%増の167億円、当期純利益は同20.3%増の121億円を見込む。売上高は4期連続の増収、このほか前期比で増益となるとみている。

 国際線と国内線を合わせた総発着回数は同14.2%増の25万1000回、総旅客数は同13.2%増の3990万人とした。

 国際線の発着回数や旅客数はLCCの増便に加え、中国からの訪日需要が通期化することから、前期を上回ると想定。国内線の発着回数は新規に運航する貨物便があることから前期を上回り、旅客数は前期並みの水準を維持するとして、コロナ禍前に迫る水準まで回復すると想定している。

 他方で、田村社長は24年度も需要回復に対応して費用などの増加要素があると説明。「施設運営や老朽化対策などで費用が増える部分もあるが、引き続き空港の安全と安定運用を大前提に、コストマネジメントを徹底する」と話した。

H.I.S.ホテルHD、缶ラベル制作できるサービス導入 大阪・心斎橋や京都市などで

2024年5月31日(金) 配信

スナップドリンクの制作例

 H.I.S.ホテルホールディングス(澤田秀雄社長、東京都港区)はこのほど、運営する変なホテル大阪 心斎橋(大阪府大阪市)とウォーターマークホテル京都(京都府京都市)、アクアイグニス 関西空港 泉州温泉(大阪府泉佐野市)で、オリジナル缶ラベルを制作できるサントリー(新浪剛史社長、大阪府大阪市)のサービス「スナップドリンク」を導入した。
  
 スナップドリンクは、スマートフォンで撮影した写真と日付、場所のほか、自由に書いたテキストを缶飲料のラベルとして印刷できる。大阪府と京都府のホテルとして初めてサービスの提供を始めた。飲料を飲んだ後のラベルはステッカーにもなるため、旅の思い出として残すこともできるという。

 サービス込みの宿泊プランの価格は、1泊朝食付で1室当たり1万3000円(税・サ込)から。スナップドリンクだけを利用する場合は1缶800円(税込)。