2024年5月8日(水)配信
正会員13社と賛助会員9社が参画するONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構。各会員企業は自社のもつコンテンツとONSEN・ガストロノミーツーリズムを掛け合わせ、同ツーリズムの普及と磨き上げを進めている。
今回は、「面的な地域の活性化が使命」と語る三十三総研の伊藤公昭副社長に話を聞いた。
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――ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構に参画した狙いを教えてください。
我われが機構に参画した目的は、「三重県で楽しんでいただく機会」をつくることです。
三重県は鈴鹿山脈やリアス式海岸などの自然景観、伊賀忍者や伊勢神宮、熊野古道などの歴史資源が豊富で、海産物や畜産物など素晴らしい食材の宝庫でもあります。こうした魅力的な素材を組み合わせることで、来県者数や宿泊者数の増加、イベントを通じたリピーターの創出をはかるとともに、新コンテンツ開発のきっかけにもしたいと考え、活動を続けています。
――これまでの取り組みは。
2017年、三十三銀行として合併する前の三重銀行と第三銀行、商号変更前の三重銀総研がONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構、ANA総合研究所と連携協定を結び活動を開始。18年9月、湯の山温泉(菰野町)を舞台に初めてイベントを開催してからこれまでに6回、県内各地でイベントを開催しています。
直近の話題では、22年11月に開催した湯の山温泉でのイベントが、「地元の高校生から企業、役場とまさに産官学一体となったモデルケース」と評価され、ON・ガス推進機構の「2022年度ONSEN・ガストロノミーウォーキング表彰」でホスピタリティ賞を受賞しました。
――地元の方のおもてなしは、このイベントの魅力の一つです。
我われの主催するイベントは現在、参加者の半数をリピーターの方が占めているので、私自身もおもてなしがこのイベントの魅力の一つだと感じています。
またこのイベントでは、開催にあたって地域の幅広い年齢層の方にご協力をお願いするので、「地域の新しいつながり」構築にもつながると思っています。
――ON・ガスイベントの目的は、地域の活性化なので、地銀の取り組みと親和性があります。
「面的な地域の活性化」は我われ地銀の使命なので、ON・ガスの活動は、そこを目指して進めています。
我われがON・ガスイベントを通じて実現したいことは、「地域経済の活性化」と「地域づくり」です。
例えば、19年に860万4000人だった県の延べ宿泊者数は、23年は16・6%減の717万6000人となり、外国人宿泊者数も19年の38万8000人から23年は19万4千人と大幅に減少しています。だからこそ、魅力的なイベントの開催は、来県を促すうえで欠かせない要素だと思います。
また、ON・ガスイベントは外国人も多く参加しているので、インバウンド誘客の観点からも有用だと思っています。
――今後は、三重県全域でのイベント開催が目標になりますか。
24年度は、湯の山温泉(菰野町)といなべ市、志摩市でのイベント開催が決まっています。併せて、まだイベントを開催したことのない東紀州・伊賀・中勢地域などでの開催を目指し、関係者と話し合いを進めています。
目指すのは、三重県全体での開催。そのために、県内各自治体の首長にも協力をお願いしております。併せて、我われの事業エリアである愛知県や和歌山県、とくに紀伊半島全体を網羅できるのが理想です。