プロ登山家の竹内洋岳氏と登る「雲ノ平」 小学4年生~中学3年生までの挑戦者募集(ノエビアグリーン財団)

2024年5月7日(火) 配信

ノエビアグリーン財団は「未来につながる環境教室 年間プログラム」の挑戦者を募集している

 ノエビアグリーン財団(赤川正志代表理事、東京都中央区)はこのほど、2025年8月に北アルプスの「雲ノ平」(富山県富山市)完登を目指す「未来につながる環境教室 年間プログラム」の挑戦者を募集する。

 同企画は、日本人初8000㍍峰14座登頂を達成したプロ登山家の竹内洋岳氏がプロデュースした。1年間で複数回の登山を実施し、最終的に「雲ノ平」完登を目指す年間プログラム。身体的な能力だけではなく、判断能力や集中力、困難を乗り越える強い精神力を養うとともに、登山を通して環境保全について考え、自ら行動を起こせる人材を育成することが目的。

 対象者は小学4年生から中学3年生まで(24年4月1日時点の学年)。書類選考(1次選考)と、山梨県で24年9月15日に行われる日帰り登山(2次選考)により、挑戦者5~8人を決定する。

 同財団は、「ひとり親家庭など、さまざまな環境下の子供達に参加してもらえるプログラムを実施している。この企画でも、活動中の食費や宿泊費などの負担のほか、登山用具のサポートをする」とした。

ペット来場匹数が「1111(ワンワンワンワン匹」に 富岡製糸場、ペット同伴開始1年で

2024年5月7日(火) 配信

富岡製糸場入場1,111匹目の「ジュニちゃん(千葉県佐倉市)」

 群馬県・富岡市観光協会(武井哲郎会長)は4月30日(火)、世界文化遺産「富岡製糸場」のペット来場匹数が「1111(ワンワンワンワン)匹目」に到達したと発表した。2023年3月からペット同伴可能になってから、1年1カ月での達成。

 記念すべき「1111匹目」は千葉県佐倉市からきた「ジュニちゃん」(12)。ジュニちゃんには記念品として、ペット用富岡シルクリボン(蝶ネクタイ)が贈られた。富岡製糸場はネコも来場可能で、1111匹のうち、ネコは4匹来場した。ペットを同伴させる場合は観光案内所で手続きが必要で、屋外のみの見学。

 ペット同伴1周年を記念して、リードやハーネスに通して蝶ネクタイとして使える「ペット用富岡シルクリボン(全3色)」をまちなか観光物産館「お富ちゃん家」(観光案内所)などで販売している。

「ペット用富岡シルクリボン」

 同商品は、富岡市観光協会と富岡シルク推進機構がコラボレーションし、富岡シルク100%を使用。繊細なデザインと耐久性を兼ね備えた職人こだわりの一品という。価格は3000円(税込)で、オレンジとリヨンブルー、ワインの3色を用意した。富岡シルク推進機構のオンラインショップでも販売している。

 このほか、同観光協会は「ペットと楽しむTOMIOKA周遊マップ」を数量限定で配布しており、製糸場周辺だけでなく「妙義山」周辺エリアも網羅してペット連れの旅を楽しめるよう案内している。

なごアグリパーク、農と食の複合施設 5月5日リニューアル

2024年5月7日(火) 配信

なごアグリパーク施設内のスイーツガーデン

 沖縄県名護市の農業と食の複合施設「なごアグリパーク」が5月5日(日・祝日)、リニューアルオープンした。地元食材を使った世界の屋台料理をテーマにしたレストランカフェやスイーツが楽しめるカフェが開業し、同月24日(金)に名護を中心とした沖縄北部の食にまつわるセレクトショップが誕生する。

 同施設は、名護市の農産物6次産業化支援拠点として2018年に開業し、24年4月から沖縄JTB(桂原耕一社長)とみらいおきなわ(宮里尚社長)の共同事業体が運営管理を開始した。コンセプトは食の育みと、ものづくりへのこだわりを意味する「ファーム&クラフト」。リニューアルでは、沖縄の豊かな自然の恵みを感じられるグルメや土産、体験があふれ出す、食のテーマパークとして生まれ変わった。

 沖縄JTBが運営する3つの直営店舗では、それぞれやんばるの地域食材を主役に据える。全国で活躍する一流シェフが屋台料理をテーマにメニューを監修したレストランカフェ「フード」。大型ビニールハウス内にさまざまな植物を配置し、卵やフルーツをふんだんに使ったスイーツが楽しめるカフェ「スイーツガーデン」、そしてやんばるの食にまつわるセレクトショップ「マルシェ」で構成する。

地元のフルーツや卵などを使用したスイーツプレート(イメージ)

 また、Green Neighbors合同会社(篠崎ロビン夏子代表)と連携し、地域の農産物で景観を構成する取り組み「フードスケーピング」(食と景観を組み合わせた造語)を県内初めて導入した。地域農産物を施設内のエントランスや広場、スイーツガーデンの各所に植え、触れて・育てて・楽しむという価値転換により、新たな緑との交流を提起するとしている。

特急「かんぱち」号に乗車 別府・大宰府の旅 JALとJR九州の客室乗務員が同乗

2024年5月7日(火) 配信

designed by IFOO 特急「かんぱち・いちろく」(イメージ)

 日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)とジャルパック(平井登社長、東京都品川区)、九州旅客鉄道(JR九州、古宮洋二社長、福岡県福岡市)はこのほど、4月26日(金)から運行を開始した、特急「かんぱち・いちろく」に乗車する別府・大宰府のツアーを売り出した。同列車は観光列車で、JR九州は「D&S(デザイン&ストーリー)列車」と呼んでいる。

 商品は地域活性化の取り組みとして、博多―別府間を運行する「かんぱち」号を貸し切り、JR九州の客室乗務員とJALふるさとアンバサダーが乗車。列車で楽しい時間を過ごせるように、両客室乗務員が協力してさまざまな企画を用意する。

 ツアーの出発日は8月24日(土)で、出発地は東京か福岡。1泊2日で宿泊先はべっぷの宿 ホテル白菊。同ツアーは抽選販売となる。料金例は東京発で2人1室利用時で1人16万5000円。

山梨県立文学館開館35周年記念で特設展 生誕140年 歿後50年 中村星湖展 6月23日(日)まで

2024年5月7日(火) 配信

「少年行」原稿(山梨県立文学館提供)

 山梨県立文学館(山梨県甲府市)で2024年6月23日(日)まで、開館35周年記念特設展「生誕140年 歿後50年 中村星湖展」が開かれている。

 1907(明治40)年、自然主義文学の隆盛期に小説「少年行(しょうねんこう)」で文壇に登場した中村星湖(なかむら せいこ 1884~1974)の生涯と作品を取り上げる。同館では1994年(平成6)年の企画展以来、30年ぶりの展覧会だ。

 中村星湖は山梨県富士河口湖町の生まれ。本名は将為(まさため)。早稲田大学在学中に応募した小説「少年行」が1等に選ばれ自然主義作家として一躍知られるようになった。卒業後、雑誌「早稲田文学」の記者として大正8年まで在職した。小説だけでなくフローベール、モーパッサンの作品を翻訳したり、鈴木三重吉の児童雑誌「赤い鳥」に童話を発表。さらに強い好奇心と探求心によって民衆芸術、農民文学にかかわる評論活動など、幅広い分野で活躍した。特別展では90年の生涯を紹介する。

 主な展示資料は、富士山麓の美しい自然を背景に主人公と転入生との友情と成長、別れを描いた小説「少年行」の原稿。夏目漱石から星湖あての手紙(1911(明治44)年7月25日)、1928(昭和3)年にパリ留学中に下宿の窓から描いた風景画、茅ヶ崎南湖院で療養中の国木田独歩を見舞った文学仲間たちとの写真など。

 観覧料は一般330円、大学生220円。20人以上の団体は割引あり。高校生以下、65歳以上は無料。休館日は月曜日(ただし5月6日は開館)と5月7日(火)。

【ジャーナリスト・貞廣長昭】

「もてなし上手」~ホスピタリティによる創客~(160)情緒的価値を高めよう 「おっ」という感動を

2024年5月6日(月) 配信 

 

 「西川さん、昨年もお越しくださいましたね。ありがとうございます。今回も大阪から来て下さったのですか」。受付で名乗ったときに返ってきた言葉です。先日、福島県郡山市で開催された「ゴ・エ・ミヨ2024」のレセプションパーティに参加しました。「ゴ・エ・ミヨ」とは、日本では既にレッドブックとして知られている「ミシュランガイド」同様に、各地にあるレストランを黄色の表紙で評価するガイドブックを発行する団体です。1972年にフランスで創刊。アジア地域では唯一となる日本版が2017年に発売し、今年で8刊目を迎えました。

 今年は47都道府県で532軒が認定されました。そして、東北で認定されたレストランのシェフが集まって開かれるレセプションに、昨年の山形県・鶴岡会場に続いて、親しくしている奥田政行シェフの誘いで参加しました。会場に到着したときの対応が、冒頭に紹介した出来事です。

 昨年は奥田シェフのスタッフの研修で鶴岡に行き、翌日に帰阪する予定でしたが、「お泊りになるなら、来ませんか」と誘われ、飛び入りで参加したのです。

 顧客管理はその多くがダイレクト営業のために必要とされていますが、今回は1年前の情報を生かして、再会の瞬間に心を掴む対応をされたのです。

 最近、初めて行くレストランに予約サイトから予約し、自動返信で予約完了の連絡が来ました。一度の利用で終わるレストランもありますが、再利用する多くのレストランでは、その自動返信とは別に、利用前に電話が入ります。予約へのお礼と当日の要望など、予約サイトで聞けないことなどの確認のためです。この電話は、行く前からワクワク感を高めると共に、聞いた情報から再利用につながる当日の感動を創造しているのです。

 そのレストランでも同様のことがありました。非常に気持ちよく時間を過ごせたので、帰るときに次の予約をしました。するとやはり事前連絡が入ったのです。しかし、そのときは電話に出られず、翌日に連絡をしました。その電話で、さらに感動することが起こりました。電話に出たシェフから「西川さん、お電話ありがとうございます」というものだったのです。

 この2つの事例に共通するのは、はじめの瞬間にインパクトのある声掛けをしている点です。名前を使って「おっ」という感動を提供し、情緒的価値を高める。人は商品を購入するときに、機能的価値とは別にこの情緒的価値に大きく左右さます。その商品を購入・利用することで幸福感や優越感、ワクワク感を強く感じれば、自身の選択に成功感を感じ、また利用したいという帰属意識が生まれるのです。

 

コラムニスト紹介

西川丈次氏

西川丈次(にしかわ・じょうじ)=8年間の旅行会社での勤務後、船井総合研究所に入社。観光ビジネスチームのリーダー・チーフ観光コンサルタントとして活躍。ホスピタリティをテーマとした講演、執筆、ブログ、メルマガは好評で多くのファンを持つ。20年間の観光コンサルタント業で養われた専門性と異業種の成功事例を融合させ、観光業界の新しい在り方とネットワークづくりを追求し、株式会社観光ビジネスコンサルタンツを起業。同社、代表取締役社長。

 

 

 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(232)」大津港に繋がった琵琶湖疏水船(京都市・大津市)

2024年5月5日(日) 配信

琵琶湖疏水のゲート大津閘門

 そろそろ桜が見ごろの3月下旬、個人的には3回目になる琵琶湖疏水船に試乗させていただいた。3月28日から解禁となる疏水船は、今年から乗下船場をミシガンやビアンカなどが停泊する大津港に移動しての新規オープンである。

 船は、大津港から琵琶湖周航の歌碑が残る旧三高艇庫を経由して京阪電車石山坂本線の下をくぐると、正面に石造りの大津閘門が見えてくる。大津閘門は、琵琶湖と疏水の約1メートルの水位差を調整する閘門式ゲートである。重厚な扉は、今回の大津港延伸合わせてすべて電動開閉に改装された。

 閘門の正面からは、伊藤博文の揮毫「気象萬千」(さまざまに変化する風光は素晴らしい)の扁額がかかった全長2436メートルの第1トンネルの入口が見える。

 琵琶湖疏水のことは本紙でも何度か紹介した。琵琶湖の水を都に引く構想は、古くは平清盛の時代にまで遡る「奇想」であった。とくに、地盤が固く湧水の多い第1トンネルの掘削工事は誠に困難を極めた。工事に先立ち2本の竪坑が掘られた。これも工期短縮をはかる「奇想」であった。琵琶湖と京都蹴上までは約8キロ、この間の水位差は4メートル、平均2000分の1という超緩勾配の難工事であった。工事を指揮したのは工部大学校(後の東京大学)を卒業したばかりの若手技師・田邉朔郎。まさに日本最初、日本人だけの手による世紀の大土木工事であった。

 1869(明治2)年の東京奠都により、京都の産業は急激に衰退、人口も激減した。「狐と狸しか棲まない」とまで揶揄された京都の復興を託された世紀のプロジェクトであった。

 この事業は1930年代、世界大恐慌時のテネシーバレー開発を想起させる。疏水工事のあいだ、田邉らはアメリカ・コロラド州アスペンに赴き、水力発電所を視察した。そこで得た知見から、それまでの計画を大幅に修正し、蹴上と岡崎間の落差を生かして、日本初の営業用発電所(蹴上発電所)を提案した。その電力で、京都・伏見間に日本初の電気鉄道(路面電車)を走らせ、紡績、伸銅、機械、タバコなどの新しい産業の振興をはかったのである。まさに京都再生の切り札となった。

インクライン下岡崎船溜と琵琶疏水記念館

 琵琶湖疏水は2020年に文化庁の日本遺産(京都と大津を繋ぐ希望の水路琵琶湖疏水)に認定された。その物語を含め、疏水建設の記録は、琵琶湖インクライン下の琵琶湖疏水記念館に集大成されている。この館を核に、疏水全体をフィールドミュージアムとする計画(文化観光拠点計画)も認定された。

 明治の一大プロジェクトを肌で感じることができる琵琶湖疏水の周辺は、まさに近代京都を生み出した記念すべきエリアである。歴史都市京都のもう一つの顔でもある近代京都の建設。これをテーマとした新しい文化観光拠点づくりが、誠に期待される。

(観光未来プランナー 丁野 朗)

「津田令子のにっぽん風土記(108)」犬も猫も家族もハッピーに~ 東京都・椎名町 編~

2024年5月4日(土) 配信

西武池袋線椎名町駅近くのトリミングサロン「L&M」
トリミングサロン「 L&M」 代表 小岩井千尋さん

 西武池袋線椎名町駅近くにL&Mというトリミングサロン(2007年開業)を構える小岩井千尋さん。当時飼っていた犬Lucy(ルーシー)とMaple(メープル)の頭文字をとって名付けたという。

 そこを拠点に新たにペットシッターとしての活動を始めたのは2年前。「この職業を志したのは、中学生のころ、友達から子犬をもらったのがきっかけで犬に携わる仕事に就きたいと思うようになった」という。「動物関係の専門学校に進学し、動物看護師、トレーナー、トリマーを総合的に学ぶコースに進学するなかでトリマーの仕事をやりたいと思うようになりました」と話す。「最初の勤務先は動物病院でした。『気になる事があれば獣医に即報告・相談』という習慣が身に付き今でもまめに飼い主さんに報告・相談するようにしています。そのおかげで病気の早期発見につながる事もありました」と振り返る。

 トリミングサロンのお客様がペットシッターを始めたのがきっかけで新たな役割も加わった。「トリマーとは違った角度で動物に触れ合える働き方を模索していたのでチャレンジすることにしました」と語る。今は、本業の傍ら1人でお留守番をしている子(わんちゃん、猫ちゃん)のご飯やトイレ、そしてお散歩などシッティングの仕事を織り交ぜながら精力的にペットや飼い主を支えてくれているのだ。

 生まれは、母方の実家のある福島県。転勤族だった父親の関係で生後すぐに大宮に引っ越し、その後神奈川県厚木市、豊島区に移り住み、20歳のころに椎名町に引っ越して来られた。椎名町の印象を「長閑な住宅街で、小学生くらいの子供たちが遊んでいる風景をよく見かけます。夕方にはお散歩中のワンちゃんとよく出会います」。また、アットホームなお店がたくさんあり生活していてとても楽しく住みやすくて気に入っていると話す。

 休みの日には愛犬と駅近くにある「なゆたカフェ」をよく訪ねるという。「お寺のお庭を見ながらご飯やスイーツを食べる事ができ、自然の中にいるような気分になり落ち着きます。ルナとテラス席で過ごせるのは至福の時間です」と語る。

 「夢の夢ですが、室内ドッグランがあるペットカフェもやってみたいですし、最近では旦那さんもペット業界に参入し、一緒にペットがさらにハッピーになれたり、わんわん人生がより素晴らしいものになれるお手伝いができたら」と語る小岩井さんの弾けるような笑顔が印象に残る。

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

「観光革命」地球規模の構造的変化(270) 大阪・関西万博の行方

2024年5月3日(金) 配信

 大阪・関西万博は、来年4月13日の開幕まで残り1年を切った。残念ながら、盛り上がりを欠いており、今後の行方が心配になる。

 万博は19世紀に先進国による産業見本市として誕生し、その後に列強による国威発揚の場として使われた歴史を持つ。フランス・パリに本部を置くBIE(博覧会国際事務局)は1994年に「地球的課題解決の場」と万博を位置づけ直した。

 そのため大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」を基本テーマに掲げており、健康寿命や気候変動など「人類共通の課題解決」を標榜していることは妥当である。しかし展示の詳細が不明であり、70年万博の「月の石」のような目玉を欠いている。

 今のところ161カ国が万博への参加を表明しており、そのうち当初56カ国が参加予定であったタイプAパビリオン(参加国が独自に設計・建設)から8カ国が建設断念、16カ国が建設業者未定だ。タイプAは「万博の華」と呼ばれ、期待が集まるために万博の成否に影響する。工費高騰や人手不足による海外パビリオン建設の遅れが危惧されている。

 会場整備費は当初想定の2倍近い2350億円に膨らみ、運営費も1.4倍の1160億円に膨らむようだ。ハコモノに巨額の公費を投入し、催事で経済効果をはかる手法は「時代遅れ」という批判がなされている。

 万博の想定入場者は2820万人であるが、各種調査では万博に行きたい人の比率が下落し続け、気運が盛り上がっていない。気運低迷は万博協会がさまざまな批判に率直に向き合わず、開催意義理解を求める姿勢の不足が原因といわれる。

 ようやく万博協会は訪日外国人客の誘客に本腰を入れ始めたようだ。協会は海外から約350万人(全体の約12%)の誘客を目指している。しかし旅行会社サイドは万博そのものの内容や魅力が定かではないためにプロモーションへの意欲が高まっていない。今後は万博と国内観光地をリンクさせるツアーなどが企画されるようだ。

 建設業や運送業で時間外労働の規制が強化され、人手不足が深刻化する「2024年問題」が既に現実化しており、万博の行方は予断を許さない厳しい状況が継続する。今こそ「いのち輝く未来社会のデザイン」の本領が発揮されることを切に期待している。

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

Airbnb Japan、新たな検索カテゴリ追加 世界的な作品をテーマにした体験集める 

2024年5月2日(木) 配信

田邉泰之代表

 Airbnb Japan(エアビーアンドビー、田邉泰之代表)はこのほど、世界で有名という人物や作品をテーマとした旅体験を集めた検索カテゴリ「アイコニック」を追加した。

 5月2日(木)に開いた発表会で田邉代表は、airbnbが消費者から泊まる場所を確保するためのサイトとして認知されていたことから、「宿泊以上の楽しい体験を提供していることを知ってほしい。これによって民泊の認知度向上につなげたい」と趣旨を説明した。

 同社はこれまで、着せ替え人形バービーの家をモチーフにした施設や、東京タワーに泊まる体験などを不定期に実施。宿泊だけでなく体験にも力を入れていることをアピールするのに効果的だったことから、定期的に行うことを決めた。

 具体的に同カテゴリでは、アニメ映画「カールじいさんの空飛ぶ家」を再現した施設(メキシコ・アビキュー)や、フェラーリ博物館(アメリカ・ニューヨーク)、ミュージシャンプリンス主演の映画「パープル・レイン」に登場したアメリカ・ミネアポリスの家など11件を掲載した。