人気温泉地ランキング2010、リクルートの「じゃらん」調査

 「もう一度行ってみたい温泉地」で、箱根が4年連続トップ 高湯などが秘湯部門で満点、有名温泉地部門では登別温泉が1位  リクルートの「人気温泉地ランキング2010」によると、「もう一度行ってみたい温泉地」は箱根(神奈川県)で、4年連続トップになった。2位は湯布院温泉(大分県)、3位は草津温泉(群馬県)と続き、ベスト10までの上位の変動は少なかった。また、「満足度」では高湯温泉(福島県)が2年連続の1位。

 調査は今回が4回目となり、対象はリクルートが運営する宿泊予約サイト「じゃらんネット」の利用者。31万7044人のうち有効回答数は5106人。温泉地は全国331カ所を選択肢として設定。

 これまでに行ったことがある温泉地のうち、もう一度行ってみたい温泉地トップの箱根は、首都圏からのアクセスのよさや自然に囲まれた街の雰囲気などが支持されている。2位の湯布院は街の雰囲気が好きだや自然に囲まれているなどの情緒的価値が高く、3位の草津温泉は街の雰囲気が好きだからに加え、温泉の効能や泉質が気に入っているというのが特徴。10位までに今回新たにランクインしたのは有馬温泉(兵庫県)で9位(前回は13位)。

 性別にみると、男性は1位の箱根に続き2位が草津、3位は登別温泉(北海道)、9位に下呂温泉(岐阜県)、10位に熱海温泉(静岡県)が入っている。これに対して女性は9位に有馬温泉、10位に城崎温泉がランクインしている。

 満足度は「最近1年間に行ったことがある」温泉地のうち、満足したと回答した割合。今回から来訪者30人以上の有名温泉地と、同15人以上30人未満の秘湯の2部門に分けた。有名温泉地のトップは登別温泉。2位は黒川温泉(熊本県)、3位は草津温泉。理由のコメントは登別、草津が泉質、黒川は宿泊施設や街中の環境というのが多い。

 一方、秘湯部門は高湯温泉、雲見温泉(静岡県)、湯の峰温泉(和歌山県)の3温泉地が同率(100%)トップ。秘湯なので母数(最近1年で行ったことのある人の数)は少ないものの、訪れた全員が「満足した」と回答している。高湯と湯の峰は泉質の評価が高く、雲見は民宿を中心とした料理と、素朴な雰囲気についてのコメントが多かった。

 「あこがれ温泉地ランキング」(まだ行ったことはないが、一度は行ってみたい温泉地)はトップが湯布院温泉、2位は登別温泉、3位は草津温泉。上位にランクインしている温泉地に共通しているのが、有名なのでという回答。ほかに温泉の泉質や効能に興味があるから、自然に囲まれているからといった理由が多いという。

 また、最近1年間に、行ったことがある温泉地「訪問経験ランキング」のトップは箱根。2位には昨年6位の熱海が入り3位は湯布院。4位は昨年11位から大きく上昇した下呂。

長崎県は210億円、高知県が234億円、「龍馬伝」経済効果を試算(日銀)

 大河ドラマ「龍馬伝」による観光客増加などの経済効果を、日本銀行の長崎、高知の2支店が昨年7月と10月にそれぞれ試算し発表した。長崎支店は長崎県への経済効果を210億円、高知支店は高知県への効果を234億円と見込む。

 長崎では2010年の県観光客数を08年比で5%増(141万2千人増)の2965万3千人と見込み、03年以来の3千万人台回復も視野に入ると予想する。経済効果の210億円は県内総生産の0・5%に相当する。

 主舞台の1つ長崎市の観光客数も08年比で15%増(84万6千人増)の648万7千人と予想し、03年以来の600万人超を期待。経済効果では市総生産の0・9%に相当する137億円と試算する。

 観光客底上げをはかるための対応課題として(1)坂本龍馬と長崎の密接な関係の周知(2)主演の福山雅治さんが長崎出身であることでの相乗効果を高める(3)龍馬伝関連施設へのアクセスの確保――などをあげる。

 観光消費額アップでは、特産物を生かした郷土料理や土産品の開発、飲食・ショッピング場所や雰囲気の提供の必要性を指摘。県内滞在日数の長期化をはかるため、龍馬伝関連施設と既存の観光資源との連携強化した観光メニューの拡充、体験型宿泊プランの提供、東京、大阪など大都市圏でのPR展開なども提案する。

 一方、高知では県外観光客数が08年比で37万3千人増の342万6千人。このうち宿泊客は17万6千人増の237万4千人と試算。消費額も74億円増の851億円と見込む。

 同県では06年に大河ドラマ「功名が辻」の舞台となり、宿泊客数が5%、観光施設入込客数が12%それぞれ増加。今回はそのデータを基に、「坂の上の雲」など四国を舞台のドラマ放映で相乗効果があるとして、3%を上乗せして算出した。

 観光客1人当たりの土産代が500円増加しただけで、60億円の経済波及効果が新たに生み出されると試算。観光客のニーズにあった新商品・サービスの開発・販売と08年の「花・人・土佐であい博」の経験を生かした官民一体の歓迎対策で、試算以上の経済効果を生み出すことが可能と指摘する。

「自分スタイルの旅」が本格的に定着、JTB2010年旅行動向見通し

 JTBはこのほど、2010年の旅行動向の見通しを発表した。これによると、国内旅行人数は前年比0・3%増の2億9千万人、海外旅行人数は同8・9%増の1680万人、訪日外国人数は同17・2%増の790万人と、いずれも旅行市場が拡大する見通しだ。

 国内旅行は、平城遷都1300年を迎えイベントが続く奈良や、大河ドラマ「龍馬伝」の主人公、坂本龍馬ゆかりの地である高知、長崎、京都、ドラマ「坂の上の雲」の舞台の愛媛県松山市など西日本に話題が集中しており、テーマを持って周遊する旅のブームも予想される。

 12月には東北新幹線青森延伸により、北東北周遊や北海道を組み合わせたツアーも注目を集めそう。

 JTBは「『自分スタイル』の旅の本格的な定着」に焦点を当てる。効率重視で閉塞感がある日常から離れ、より豊かで人間的な時間を過ごしたいという欲求が旅の形で現れつつある傾向を指摘。「自転車や徒歩で街を巡る」「町家、古民家での宿泊」「現地での体験ツアー」「一眼レフカメラを持って身近な街を巡る」など趣味やテーマに重きを置いた旅が浸透し、自分の価値観や生活スタイルに合った旅が人気を呼ぶのではないかと分析する。

 海外旅行は昨年5、6月の新型インフルエンザの影響による反動に加え、上海万博の開催、成田、羽田の2空港の発着枠拡大などが追い風となり旅行人数は増加。一方、デフレの影響を受け「安近短」傾向が強まると予想する。

第35回「100選」表彰式、1月22日、京王プラザホテル

 旅行新聞新社が主催し、全国旅行業協会(ANTA)および日本旅行業協会(JATA)後援による第35回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」、第30回「プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」、第19回「プロが選ぶ優良観光バス30選」の表彰式・祝賀パーティーを1月22日、東京・新宿の京王プラザホテルで開催します。1990年からスタートした選考審査委員特別賞「小規模和風の宿」に選ばれた10軒の表彰式も行います。

 表彰式は午前11時から本館5階「コンコードボールルームC」で、祝賀パーティーは正午から本館5階「コンコードボールルームA・B」で開きます。

 今回は表彰式参加者を対象に午前9時30分から1時間、「売場が変わる旅行新聞早朝セミナー」も開きます。現在、本紙で企画している同名のプロジェクトについて、これまで実施した事例も交え学びます。

発表号では宿泊券・土産物を抽選で贈呈

 1月22日の表彰式・祝賀パーティー出席者と本紙読者には、すべてのランキングをまとめた小冊子「100選発表号」をお配りいたします。また、100選発表号のなかで、一般読者を対象にプレゼント企画を実施します。アンケート回答を募り、入選施設からご提供いただいた宿泊券や土産物を抽選で贈呈いたします。例年通り、日産レンタカーの各営業所に加え、一昨年から中日本高速道路会社管轄のサービスエリアで配布する同社の冊子(15万部)でも、プレゼント応募を受け付けます。抽選は5月初旬を予定しています。

 「優秀バスガイド」「もてなしの達人」表彰式は2月19日

 第8回「優秀バスガイド」、第7回「もてなしの達人」の表彰式は2月19日、東京都港区の世界貿易センタービル内・浜松町東京會舘で行います。詳細は後日、発表いたします。

観光庁予算127億円に、訪日外客3000万人事業は3倍増(10年度政府予算案)

 昨年12月25日に2010年度政府予算案が閣議決定され、10年度の観光庁関係予算は09年度予算(63億円)比2・02倍の126億5200万円となった。10月15日にまとめた概算要求では、09年度予算の約4倍の257億円を要求したが、行政刷新会議の「事業仕分け」の結果を受けて、半減したものの前年度予算の倍増を獲得した。

 事業別にみると、「訪日外国人3000万人プログラムの第1期」事業は、前年度予算の2・97倍となる94億7700万円を計上。なかでも、13年までに1500万人の目標達成を目指す訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)に86億4800万円(前年度予算は27億8800万円)をつけた。地域別では、中国をはじめとする東アジア諸国を最重点市場とし、大規模な海外プロモーションを展開する。また、重点12市場に加え、今後大きな伸びが期待できるインド、ロシア、マレーシアの3市場を追加して戦略的なプロモーションを展開する。「MICEの開催・誘致の推進」事業は同1・24倍の4億4900万円とした。

 観光を核とした地域の再生・活性化には、6億4300万円を計上した。主要事業である「観光圏の形成支援等による国際競争力の高い魅力ある観光地づくりの推進」は6億200万円(前年度予算は5億8300万円)と微増。現在認定されている観光圏30地域については、年間平均宿泊数が5年間で約14%アップすることを目標に掲げた。

 また、ワークライフバランスの実現に向けた環境整備として、休暇取得・分散化促進実証事業には前年度予算の3倍となる2800万円を計上。関係省庁や地方自治体、経済界、労働界、教育界などの関係者で構成する有識者会議で連携を取りながら、実証事業などを実施し、効果の検証や取りまとめを行う。

観光庁・新長官に溝畑氏

「訪日外客1000万人早期達成」 「地域に自信と元気と誇りを」

 1月4日付で観光庁長官に就任した溝畑宏氏は同日、国土交通省で観光庁長官就任会見を開き、「いち早く訪日外客1千万人を達成させたい」と抱負を述べた。

 溝畑長官は、サッカー・Jリーグクラブ「大分トリニータ」の運営会社「大分フットボールクラブ」の前社長を務め、同クラブは08年にはJリーグナビスコ杯のタイトルを獲得した経歴を持つ。なお、初代観光庁長官の本保芳明氏は同日付で辞任した。

 昨年末、前原誠司国土交通大臣から観光庁長官を要請された際、「(地方のサッカークラブを)ゼロからスタートして日本一に育て上げたパワーで、日本の地域を元気にしてほしい。それが観光の大きな原動力になる。また、訪日外国人3千万人の早期達成に向け、中国市場を重点的に取り組んでほしい」と2点の使命を託されたという。溝畑長官は、「2002年日韓共催サッカーワールドカップ誘致など、これまで自分が韓国、中国などと深く関わり合ったこともあり、天命だと思い引き受けた」と語った。

 そのうえで、(1)早期に訪日外客1千万人の達成(2)観光立国へ関係省庁との連携、リーダーシップの発揮(3)休暇の分散による国内旅行需要の拡大――を課題にあげた。

 地域を魅力あるものにするためには、「自信と元気と誇りを一人ひとりの住民が持つことが重要」とし、地域間競争の必要性を強調。一方、訪日外客の約7割が訪れる大都市圏については「受入れが整備されているのか、都市政策を含めて考えていく必要性がある」と語った。

 溝畑長官は大分県庁に出向した際、当時の平松守彦知事が推進する、地域にあるものを生かし、付加価値をつけてブランド化し世界に向けてセールスしていく「一村一品」運動の理念に共鳴したという。その後、2002年日韓共催サッカーワールドカップや立命館アジア太平洋大学など、スポーツや学術、文化などを通じて地方を活性化し、世界へ発信するさまざまなプロジェクトを担当した。そして、昨年まで陣頭指揮をとっていた大分トリニータは「地方から日本一、世界を目指そう」という理念のもと、ゼロから立ち上げ、県民、企業、行政が一つになって08年には日本一のタイトルを獲得。残念ながら09年はJ2降格、経営不振などにより11月に経営責任をとって辞任した。

 溝畑 宏氏(みぞはた・ひろし)1960年京都府生まれ。85年東京大学法学部卒業後、自治省(現総務省)入省。北海道庁地方課・財政課、自治省財政局準公営企画室などを経て、90年に大分県に出向。02年大分県企画文化部長、04年大分フットボールクラブ代表取締役に就任。09年12月同職を辞任。

加賀屋、30年連続の栄冠

 旅行新聞新社が主催する第35回「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」、第30回「プロが選ぶ観光・食事、土産物施設100選」、第19回「プロが選ぶ優良観光バス30選」と選考審査委員特別賞「小規模和風の宿」10施設が決まった。総合100選は、石川県・和倉温泉の加賀屋が30年連続1位の栄冠を獲得した。部門別の上位入賞、各賞入選施設を紹介する。表彰式は1月22日、東京・新宿の京王プラザホテルで開かれる。

(関連記事2、4、5面)

 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は全国1万2882の旅行会社(本社主要部門、営業本部、支店、営業所を含む)に投票用紙(専用はがき)を配布。09年10月1―31日までの投票期間中に「もてなし」「料理」「施設」「企画」の各部門で優れていると思われる旅館・ホテル、観光・食事施設、土産物施設、観光バス会社を選出してもらった。12月1日には、旅行業団体関係者や旅行作家、旅行雑誌編集者らで構成される「選考審査委員会」が開かれ、100選ランキングが決定した。

 「ホテル・旅館」の総合では、加賀屋(石川県・和倉温泉)が30年連続1位という快挙を成し遂げた。2位は稲取銀水荘(静岡県・稲取温泉)、3位は日本の宿古窯(山形県・かみのやま温泉)、4位は白玉の湯泉慶・華鳳(新潟県・月岡温泉)、5位は草津白根観光ホテル櫻井(群馬県・草津温泉)、6位はホテル秀水園(鹿児島県・指宿温泉)、7位は水明館(岐阜県・下呂温泉)、8位は指宿白水館(鹿児島県・指宿温泉)、9位はあかん遊久の里鶴雅(北海道・阿寒湖温泉)、10位は萬国屋(山形県・あつみ温泉)となった。1位の加賀屋と3位の日本の宿古窯は35年連続でトップ10入選。8位の指宿白水館は昨年の10位から2ランクアップ、9位のあかん遊久の里鶴雅は初めてトップ10入りした。また、新たに11軒の施設が総合100選に入選した。

 部門別では、「もてなし」部門のトップは稲取銀水荘、「料理」はホテル秀水園、「施設」は加賀屋、「企画」は日本の宿古窯が1位を獲得。

 30回目を迎えた「プロが選ぶ観光・食事施設100選」の1位は浅間酒造観光センター(群馬県・長野原)、2位はザ・フィッシュ(千葉県・浜金谷)、3位は佐久乃おぎのや(長野県・佐久インター)、4位は阿蘇ファームランド(熊本県・阿蘇)、5位は磐梯日光店(栃木県・日光)、6位は伊達の牛たん本舗(宮城県・仙台)、7位はSUWAガラスの里(長野県・諏訪)、8位はサッポロビール園(北海道・札幌)、9位は平泉レストハウス(岩手県・平泉)、10位はアサヒビール園(北海道・札幌)の順。

 「プロが選ぶ土産物施設100選」の1位は浅間酒造観光センターで、6年連続で両部門の1位に輝いた。2位は蔵元 綾 酒泉の杜(宮崎県・綾)、3位は上杉城史苑(山形県・米沢)、4位はえびせんべいの里(愛知県・美浜)、5位は庄内観光物産館ふるさと本舗(山形県・鶴岡)、6位はお菓子の城那須ハートランド(栃木県・那須)、7位は日光ろばたづけ鬼怒川店(栃木県・鬼怒川)、8位は庵古堂(群馬県・伊香保)、9位はいちごの里(栃木県・小山)、10位は益子焼窯元共販センター(栃木県・益子)がトップ10にランクインした。

 第19回「プロが選ぶ優良観光バス30選」では、はとバス(東京都大田区)が9年連続で1位。2位は名阪近鉄バス(愛知県名古屋市)、3位は名鉄観光バス(愛知県名古屋市)、4位は三重交通(三重県津市)、5位は山交バス(山形県山形市)、6位は三八五バス(青森県八戸市)、7位は日の丸自動車興業(東京都文京区)、8位はアルピコハイランドバス(長野県松本市)、9位は新潟交通観光バス(新潟県新潟市)、10位は神奈中観光(東京都町田市)が上位入選を果たした。  選考審査委員特別賞「小規模和風の宿」に推薦された10施設は4面で紹介している。

嵐山に高級旅館開業、泊食分離の「星のや 京都」(星野リゾート)

 星野リゾートは12月12日、京都・嵐山に高級旅館「星のや 京都」をオープンした。宿泊と食事を分けた泊食分離で、館内で夕食をとる場合は、和洋のアラカルトから自由に選ぶ。外での食事希望者には「京都吉兆嵐山店」に船で送迎するなど、周辺の料亭・飲食店を紹介する。

 客室数は25室で、音楽や映画を楽しめる書斎などを備えた2―3人の部屋(約120平方メートル)や涼み台を設えた眺望の良い2―4人利用の和室、ツイン(約35平方メートル)などがある。客室の通常料金は、2人以上で泊まる部屋の場合が6万9千円からの設定。1人用の客室も用意した。料金は5万5千円から。

 付帯施設としてダイニングやライブラリーラウンジ、2つの庭園などがある。

 同館は明治期創業の老舗旅館「嵐山温泉 嵐峡館」の本館を改装した。渡月橋の上流の保津川の右岸にある。31室あった客室を減らして1室当たりの面積を広げた。

2年連続100万人超え、立山黒部アルペンルート

 11月30日で今年の営業を終了した立山黒部貫光(富山市)がまとめた 立山黒部アルペンルートの2009年度の利用者数は前年度比2%増の103万7千人となり、2年連続で100万人を超えた。

 外国人観光客が新型インフルエンザや円高などの影響で54%減の6万8500人にとどまったが、高速道路のETC割引やテレビドラマ・映画などとのタイアップが奏効し、国内客が9%増の96万8500人と伸びた。とくに個人客が好調だったという。外国人客の内訳は台湾が52%減の4万9千人、韓国が30%減の5900人、中国・香港が1%増の9300人になる。

 方面別では富山からの利用客が9%減の48万4千人。約半減した外国人観光客が主に富山ルートをとっているためという。長野県大町市側からは14%増の55万3千人になる。

 なお、扇沢―黒部ダム間を結ぶ関西電力のトロリーバスの利用者数は約10%増の111万1157人だった。

 立山黒部アルペンルートは、長野県大町市と富山県立山町を結ぶ国内有数の山岳観光ルート。来年度の営業は4月10日に部分開通(電鉄富山―弥陀ヶ原、室堂―信濃大町間)、17日に全線開通(電鉄富山―信濃大町間)。雪の大谷ウォークは17日から5月31日を予定。

草津で毎晩「寄席」、出演者は中堅落語家が中心

 群馬県草津温泉は12月12日から、湯もみショーで有名な「熱の湯」で毎晩、落語寄席を開いている。草津ナウリゾートホテル内に事務局(小林恵生事務局長)を設け、ホテルマンが中心となって運営する。

 出演者は落語芸術協会に所属する2ツ目の中堅落語家が中心になる。公演スケジュールは公式ホームページ( http://www.onsen-rakugo.com/  )で順次公開される。

 開演時間は午後8時から8時40分まで。入場料は大人1千円、幼児・子供(4―11歳)が500円。電話とネットで事前予約も可能で、当日空席があれば予約なしでも入場できる。全席自由、年中無休。

 夜間の落語寄席は、昼間だけでなく夜間も楽しいというイメージ作りを目的に、顧客満足度やリピート率の向上、湯畑を中心とした地域の再活性化などを目指す。

 小林事務局長は「草津温泉のシンボルの湯畑で毎晩8時に落語を実施することで、継続的に提案できる新名物にしたい。期間限定のイベントではなく毎日公演することが重要。ボランティア公演と違い、きちんと商品提案をして入場料をいただくことで、継続運営の仕組みを考えたい」と語っている。  問い合わせ=電話0279(88)5118。