阪急交通社、秋田県と連携協定結ぶ 秋田県初の旅行会社との協定

2024年3月11日(月) 配信

2者はこのほど、包括連携協定を結んだ

 阪急交通社(酒井淳社長)は3月7日(木)、秋田県(佐竹敬久知事)と観光振興をはじめとした地域社会の活性化及び、豊かな社会の実現を目的とする包括連携協定を結んだ。秋田県が旅行会社と協定を締結するのは初めてとなる。

 連携協定では、①観光の振興②観光人材の育成・確保③県産農林水産物、県産食品及び工芸品などの振興④危機管理⑤環境保全やエネルギー政策の推進⑥その他両者が必要と認める事項──などに取り組む。

 観光振興では、同社が企画する全国各地発着の募集型企画旅行により、冬季など閑散期の需要増に取り組み、年間を通じて秋田県への観光誘客を目指す。

 秋田県の四季折々の自然や多彩な祭り、伝統芸能など、県独自の特性を生かした観光促進などに努め、秋田県の課題解決に向けて多面的な連携をはかる。

KNT-CT3社合同「とびだせ いざ!にっぽん旅キャンペーン」

2024年3月11日(月) 配信

キャンペーン第1弾は4月1日から

 KNT―CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)は、グループ旅行会社3社とKNT―CTパートナーズ会と共同し、「2024年度とびだせ いざ!にっぽん旅キャンペーン」を実施する。CP期間は4月から1年間。人気の高い九州・沖縄、北海道方面を対象に、2回に分けてCPを行う。

 グループ旅行会社は近畿日本ツーリスト、近畿日本ツーリストブループラネット、クラブツーリズムの3社。同CPは、3社が企画と実施、販売する主に九州・沖縄・北海道を目的地とした個人型旅行商品を中心に展開する。これら以外にも地域を問わず日本全国のKNT―CTパートナーズ会と連携し、地域の旬な情報を今後の企画に盛り込んでいく。

 CP第1弾は、4月1日(月)~9月30日(月)出発の九州・沖縄方面募集型企画旅行や旅行商品の参加者が対象。九州方面は「とらふぐ炙り&唐揚げ」、沖縄方面が「ブルーシールアイスクリームセット」をそれぞれ抽選で300人にプレゼントする。

 第2弾は、10月1日(火)~2025年3月31日(月)出発の北海道方面募集型企画旅行や旅行商品の参加者が対象。抽選で300人に「毛ガニ」をプレゼントする。なお、第2弾の対象商品情報などは、CP開始時にあらためて発信するとしている。

北陸新幹線延伸控え、渋谷で「敦賀・若狭フェア」開催 サイクリングルートや御食国と呼ばれた食文化を紹介

2024年3月11日(月) 配信

花換まつりを体験する杉本知事

 福井県では2024年3月16日(土)の北陸新幹線福井・敦賀延伸に合わせて、「青々吉日TSURUGA WAKASA」のコンセプトのもと、「敦賀・若狭」への周遊を促すさまざまなプロモーションに取り組んでいる。3月8日(金)~10日(日)には東京・渋谷で「青々吉日 敦賀・若狭フェア」を開き、若狭湾サイクリングルート「わかさいくる」や御食国(みけつくに)と呼ばれた食文化などを紹介した。

 2024嶺南誘客キャンペーン実行委員会の主催。8日(金)はメディア向内覧会けとして開催した。杉本達治知事も会場に駆けつけ「渋谷で敦賀・若狭の魅力を体感いただき、3月16日になったら、ぜひ現地へお越しください」と呼び掛けるとともに、「石川・富山・新潟の3県とともに、北陸全体のPRに力をいれていきたい」とあいさつ。卓越した技術者を国が表彰する「現代の名工」に選ばれた、昆布すき職人・別所昭男氏が長さ4メートルもある「おぼろ昆布」をすくようすを披露した。

長さ4メートルもある昆布をすくパフォーマンスを披露

 キャンペーン名称の「青々吉日」は、若狭湾や5色に輝く三方五湖など、豊かな自然の「青々」と、寺社仏閣や暦の風習を連想させる「吉日」を組み合わせたもの。フェア期間中、福娘による花換(はなかえ)まつり(敦賀市・3月30日~4月9日開催)のPRや、若狭塗箸研ぎ出し、若狭パールのアクセサリー作りなど、若狭の工芸体験、福井県自転車アンバサダー中島康晴氏と自転車競技を通して世界を股にかける栗村修氏によるトークショー(9日)を開催した。

宿泊中の体調不良にオンライン診療でサポート ノーススターとベッセルホテルズ連携

2024年3月11日(月) 配信

2者はこのほどの連携で、ホテル宿泊者がオンライン診療を受けられる体制を構築した

 ノーススター(田北浩大社長、東京都中央区)は、ベッセルホテル開発(瀬尾吉郎社長、広島県福山市)と3月1日(金)に包括連携協定を結んだ。ノーススターが運営する子供のオンライン診療アプリ「キッズドクター」と、ベッセルホテル開発が運営する全35ホテルが連携することで、旅行者の急な体調不良時にアプリを介してオンライン診察が受けられる体制を構築する。

 ベッセルホテルズは、運営するすべてのホテルで「18歳以下は同室添い寝で無料」「ベビーカーやベビーベッドなどの子供用グッズを無料貸出」「添い寝利用の5歳以下の子供は朝食無料」などの家族向けサービスを実施している。また、このうち4ホテルは、ウェルカムベビーのお宿に選ばれている。

 今回の連携により、ホテル滞在中に子供や家族が体調を崩した際、ホテルの部屋からオンライン診療で医師の診察を受けられ、医師が必要と判断すれば薬局で薬を受け取ることができる取り組みを始めた。

 また、ホテル従業員向けに、通常は3カ月に3回まで無料となるキッズドクターの「チャット健康相談」が無制限で利用できるプランを提供するなどの取り組みを行っていく予定。

JAL×読売旅行、熊本の酒・グルメ3日間 ソムリエ同行ツアー

2024年3月11日(月) 配信

ソムリエ・米野真理子氏

 日本航空(JAL、赤坂祐二社長、東京都品川区)と読売旅行(貞広貴志社長、東京都中央区)は3月10日(日)、熊本県の「酒」「グルメ」を堪能する「~ソムリエ米野真理子さん同行~熊本県の美酒美食を愉しむ旅3日間」を売り出した。

 同ツアーは6月23日(日)~25日(火)の3日間、ソムリエの米野真理子氏が同行して熊本県内を広く横断しながら、酒蔵・ワイナリーなどを巡り、バラエティ豊かな熊本の酒・グルメの魅力を紹介する。

菊鹿ワイナリーの菊鹿ワイン

 1日目の夕食は、全国チーズコンクール入賞の阿部牧場経営「ASO MILK FACTORY」で、「赤牛のチーズフォンデュ」などコース料理と米野氏セレクトのワインのペアリング。2日目の夕食には、和食店「青柳」で馬刺し、からし蓮根など地産地消の熊本の郷土料理を堪能でき、熊本県の日本酒・ワイン・焼酎全蔵の飲み比べも楽しめる。

 旅行代金は、羽田空港・伊丹空港の発着が1室1人当たり15万円(1~4人利用)、仙台空港・新千歳空港の発着が同16万円(同)。このほか、詳細は読売旅行Webサイトから。

JR新潟駅にファクトリーショップ開業 亀田製菓グループのアジカル

2024年3月11日(月) 配信

限定販売商品

 亀田製菓グループのアジカル(西山徹社長、新潟県新潟市)は3月27日(水)、東日本旅客鉄道(JR)新潟駅に開業する駅ビル「CoCoLo新潟」に初のファクトリーショップ「HAPPY SHOP」をオープンする。店舗限定商品や、同店でしか味わえないキッチンメニューを販売する。

 店舗限定商品は「新潟駅限定 ハッピーターン 佐渡バター風味」と全国のご当地ハッピーターンの人気7種を詰め合わせた「新潟駅限定ハッピーターンアソート」の2種類。

 また、キッチンメニューは、店内で仕上げたサクサクのハッピーターンに好みの粉を選んでかけられる「ハッピーターンクリスピー」(324円・税込)や、ソフトクリームにハッピーパウダーとハッピーターンをトッピングした甘じょっぱさがウリの「ハッピーターンソフトクリーム」(378円・税込)などをそろえる。

 営業時間は午前10:00~午後8:30。キッチンメニューのラストオーダーは午後8時。

 

「観光革命」地球規模の構造的変化(268) 北方領土問題と観光

2024年3月10日(日) 配信

 2月7日が「北方領土の日」ということを知っている人は少ない。日本政府は1981年に2月7日を「北方領土の日」と制定した。1855(安政元)年2月7日に日魯通好条約が調印され、通商が開かれると共に、両国国境を択捉島とウルップ島の間と定められた。この条約によって択捉島、国後島、色丹島および歯舞群島の北方四島は日本領土と確定した。

 ところが第二次大戦の最末期にソ連は日ソ中立条約を破棄して対日参戦し、北方四島を占領した。当時四島全体で約1万7千人の日本人が居住していたが全員強制退去させられ、ソ連は46年に四島を自国領として編入した。それ以降、ソ連とロシアによる実効支配が継続している。

 膠着した状況のなかで、64年から元島民による北方領土墓参が始まり、92年からはビザなし交流が認められ、99年からは自由訪問も始まった。日本政府は2012年に北方四島ビザなし渡航専用船として「えとぴりか丸」を建造して運航を開始した。例年5~9月に掛けて元島民らを乗せて根室港と北方四島との間を年30回以上も往来してきた。

 安倍晋三氏は首相在任中にプーチン露大統領と会談を重ね、16年の山口会談では北方四島における共同経済活動が協議され、海産物の共同増養殖や温室野菜栽培、風力発電の導入、島の特性に応じた観光ツアー開発などが検討された。それを契機に北方四島における「国境観光」への関心が高まった。ところがコロナ禍でビザなし交流が中断され、22年2月のロシアによるウクライナ侵攻で北方四島との交流が途絶した。

 とはいえ、日本企業などが出資する極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」は維持されて液化天然ガスの日本への輸出は継続している。ロシア産水産物の日本による輸入も好調が続いている。互いの利益、地元の利益になる余地は残っている点が重要だ。

 ウクライナ侵攻停戦を視野に入れて、日露関係の改善のために北方四島墓参の枠組みを生かす方策を検討すべきであろう。さらに訪日外国人客を視野に入れて「国境観光」の可能性を追求することも重要だ。

 「観光は平和へのパスポート」なので、困難な局面だからこそ、日本の旅行業界は平和産業としての役割を果たすべきであろう。

 

石森秀三氏

北海道博物館長 石森 秀三 氏

1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。

 

 

【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その35-温泉神社&温泉寺の神仏巡礼(栃木県日光市) 心身を整える健康成就の旅 湯ノ湖の美風景で心潤す

2024年3月9日(土) 配信

 今回の精神性の旅先は、奈良時代に開かれた栃木県日光市の奥日光「湯元温泉」にある、温泉の神仏が宿る「温泉神社&温泉寺」です。東武日光駅から西へバスに揺られて、名所「いろは坂」をのぼった先に出会えるのが、静けさと優美な大自然の魅力に溢れた奥日光エリア。およそ80分で到着します。

 

 その奥日光エリアのなかにある湯元温泉は、古い歴史に刻まれた名湯であり、将軍家ゆかりの温泉としても有名。

 

 

 湯元温泉の宿がある中心地から徒歩で行ける「湯ノ湖」は、目をつむり、深いため息を吐き出して、ゆっくりと何も考えない至福の無の時間を満喫するのに最適な場所。日ごろ積もり積もった悲しみや怒り、不安などの負の感情を吐露して、心を鎮静させることができるでしょう。私自身、負の感情が溜まったら定期的に訪れたい、とっておきの場所。

 

 その湯ノ湖は、戦場ヶ原の北にそびえる「三岳(みつだけ)」が噴火した際の三岳溶岩流により、「湯川」が堰き止められてできた湖。標高1478㍍にあり、周囲はシウリザクラやシラカンバ、アスナロなどの原生林が広がって、奥深い大自然と自分が一つになれるような境地に入るでしょう。また、マス釣りの名所でもあります。

 

 遊歩道があるので散歩しやすく、奥日光の自然で心を潤せます。「湯ノ湖ハイキングコース」(3㌔、所要時間1時間10分程度)もあり、5月から6月にかけては、アズマシャクナゲやトウゴクミツバツツジの花、秋には色彩美に溢れた紅葉と湖面に映る絶景、冬にはマガモやキンクロハジロなどの水鳥とも出会え、どの季節に旅しても風光明媚な世界を満喫できます。

 

日光山 温泉寺

 

 さて、奥日光にある温泉寺は、世界遺産「日光輪王寺」の別院であり、その歴史はとても古く、日光を開山された勝道上人(しょうどうしょうにん)が、788(延歴7)年にこの温泉を発見し、病の苦しみを救う薬師瑠璃光如来様をお祀りしたのが始まりとのこと。一般的な薬師瑠璃光如来様は、薬壺を左手でお持ちになっているお姿ですが、温泉寺の本堂にいらっしゃる薬師瑠璃光如来様は、両手でしっかりと薬壺を持っています。このようなお姿は、珍しいようです。また820(弘仁11)年には、弘法大師空海様が新湯を開き、自在湯(じざいゆ)と命名。848(嘉祥元)年には、慈覚大師(じかくだいし)によって、功徳力のある名湯、日光九湯として世に広められ、輪王寺の支配下に置かれました。

 

 この温泉寺は、全国でも珍しい温泉に入ることのできるお寺です。温泉寺の温泉に入り、薬師瑠璃光如来様の「健康成就・延命長寿」の祈りをささげ、心身をいたわってみてはいかがでしょうか。志納金として、500円をお支払いします。また、泉質は含硫黄、カルシウム・ナトリウム―硫酸塩、炭酸水素塩泉。源泉掛け流しの乳白色の湯(源泉はエメラルドグリーン、加水すると乳白色)で、糖尿病や神経痛、慢性婦人病、病後回復期に効果が期待できるとのこと。メタケイ酸も多く、美肌にも良いとのこと。本堂では、約15分間の写経体験もできますので、温泉とセットがおすすめです。

 

奥日光の温泉神社

 

 次の温泉神社は、湯ノ湖の近くにあり、長く急勾配の石段をのぼると、湯元温泉全体を見渡すことができます。やはり、先述した勝道上人が782(天応2)年に男体山に初登頂されて4年後に白い煙が立ち上る、この高台に温泉神社を創建されました。温泉の神様である、大己貴命(おおなむちのみこと)様をお祀りしています。温泉守護と健康の守り神として、信仰されています。

 

 心身の体調を整える、奥日光の温泉寺&温泉神社の神仏巡礼の旅はいかがでしょうか。

 

旅人・執筆 石井 亜由美
カラーセラピスト&心の旅研究家。和歌山大学、東洋大学国際観光学部講師を歴任。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。

サービス連合が第1回ジェンダー平等フォーラム 加盟組合に取り組み浸透を

2024年3月8日(金) 配信

櫻田あすか会長

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合、櫻田あすか会長)は3月6日(水)、東京都内で第1回となる「ジェンダー平等フォーラム」を開いた。男女平等参画計画(定着)の達成と中長期的な目標の達成に向け、加盟組合や組合員への浸透をはかるため、リアルとオンライン参加を用意し、広く門戸を開いた。

 櫻田会長は「ジェンダー平等は多様性を認める包摂的社会には欠かすことができない取り組み」とし、サービス連合では発足以来、あらゆる分野での女性参画推進を基本理念に活動してきたことを報告した。

 現在は男女平等参画計画をもとに、2021年から24年を定着期として位置付け、取り組みの意義が加盟組合に浸透定着している状態を目指して活動している。「今回は我われの産業として初めてのフォーラム。ジェンダー平等運動へ機運を生み出すとともに、取り組みを着実に加盟組合に浸透させることを目的に開催する。これを機により一層取り組みを推進していきたい」と意気込んだ。

基調講演「なぜジェンダー平等が組織の成長に必要なのか」

羽生祥子氏による基調講演のようす

 フォーラムでは基調講演として、日経DUAL創刊編集長、日経xwoman創刊編集長などの経歴を持ち、内閣府の有識者委員のメンバーなども務める羽生プロ社長の羽生祥子氏が登壇した。「なぜジェンダー平等が組織の成長に必要なのか」をテーマに語った羽生氏は、新たな問題が次々に発生する現代では、「色々な属性が入った方が戦いやすい」と企業経営には多様な人材が必要だと訴えた。

 多様性には「性別」や「年齢」「国籍」「LGBTQ」などがあるが、日本ではとくに遅れているのが「性別」だと言及。「日本の企業はLGBTQの取り組みを推進し、外国人人材も求めているのに、最も多く持っているリソースの女性推進が遅れている」と現状を示した。

 日本ではいまだに高度成長期の歴史的背景による男女の役割分担意識が根強くあり、ジェンダーの議論は度々“炎上”してしまう。企業の経営層からは「女性の役員登用で儲かるのか」と単刀直入に聞かれることも多いというが、「その質問がくること自体がアンバランス。逆に『男性役員継続で増益するのか』ということになる」と指摘。今や投資家は女性役員の不在を大きな経営リスクと捉えており、ジェンダー推進が企業経営に直結する事態となっている事例なども紹介した。

 羽生氏は経済協力開発機構(OECD)のデータから日本のペイギャップが大きい例として、生涯賃金と教育投資差額の男女差が国際比較で異常値となっていることを示し、「女性の活躍はマクロでみるとGDPインパクトが強い」と述べた。賃金格差に加え、非正規雇用女性の是正なども重要で、「非正規の女性を経営上の便利な調整弁としないこと」と強調したうえで、当事者の女性側にも男性と同様の責任や業務体験を経験してもらい、育成することが不可欠とした。

 若い世代ほど私生活とのバランスを重視する人が多く、「男性も必ずしも骨太の働き方を求めていない」とし、「自分たちだけの成功体験を尊重しない。ロールモデルは劣化している。管理職の評価も進化させなければならない」と管理職の多様性をはかり、イノベーションが起こる環境づくりを促すことが企業にとって重要だとした。

 また、サービス産業に向けては「すでに多くの女性が働いており、恵まれている産業。他産業はそもそも就職の段階で女性に選んでもらえず、各企業は手弁当で学校で講演を行うなど頑張っている。現場にすでに女性がいるなら、推進・育成をやるかやらないかだ」と語気を強めた。

政労使によるトークセッション

トークセッションのようす

 トークセッションは「ジェンダー平等の着実な推進にむけて真に必要なものとは何か~政労使の課題と今後について~」をテーマに、政府と労働組合、民間の3者が登壇して語り合った。

 内閣府男女共同参画局推進課企画官の中山奈津美氏は政府が掲げる、男女共同参画基本計画に基づく、女性活躍・男女共同参画の重点方針「女性版骨太の方針」などを説明した。

 また、日本労働組合総連合会(連合)総合政策推進局総合局長の小原成朗氏は、連合が進めている「ジェンダー平等推進計画」を紹介したうえで、「組合における男女平等は目的であると同時に持続可能な社会をつくるための手段でもある」と言及。現在の各組合員の多数である年配男性は働き方の面などで若い世代や女性が望む経験をしてきていないため、「我われだけの知恵ではだめ。今後女性だけではなく若い人が組合に入らなくなってしまう」と危機感を募らせた。

 民間企業からは、日本旅行業協会関東支部LADYJATA委員会委員長で日本旅行の山本綾子氏が登壇した。

 サービス連合の櫻田会長によると、旅行業は女性の労働者が多く、組合員構成も男女ほぼ半数という。山本氏は「旅行業で働く女性は多いが、意思決定権には女性がいない」と問題提起。旅行業における女性管理職の割合としてLADYJATAの調査によると、課長級の女性割合は23・0%と男性に比べ低いことを紹介した。

 このうえで、女性活躍には「経営層・社員・女性自身」の三位一体となった取り組みが重要で、キャリアアップの障壁としては「女性自身が躊躇してしまう。女性のマインドも大きい」と指摘。要因の1つとして、現実には女性は家庭を持つと家事や育児の負担割合が多いこともあり、男性が育児などに参画できるような働き方改革が必要だと説いた。自身の子育て経験なども踏まえたうえで、「幼少期からの教育も重要。家庭や会社で男女区別なく受容し、育てていくことが大切だ」と持論を展開した。

クラブツーリズム、「浜名湖花博2024」10年ぶりの開催をツアーで

2024年3月8日(金) 配信

浜名湖ガーデンパーク・花の美術館

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)はこのほど、10年ぶりに開かれる「浜名湖花博2024」(静岡県浜松市)を訪れるさまざまなツアーを企画し、販売を始めた。

 「浜名湖花博」は、1990年の大阪花博、2000年の淡路花博に次ぐ、国内3回目の国際花博として04年に初回が開催された。この10年後の14年に「浜名湖花博10周年記念事業」として開催し、目標を大幅に上回る130万人が来場した。

 3回目となる今回は、“デジタル田園都市”の実現に向けて、時代に合ったイベントとして「はままつフラワーパーク」(3月23日(土)~6月16日(日))と「浜名湖ガーデンパーク」(4月6日(土)~6月2日(日))の2会場で開催。全国各地で活躍するガーデンデザイナーが創る11の庭園や、現代テクノロジーを駆使した没入型デジタル体感アートなど、多様な楽しみ方を提案している。

 同社ツアーでは、2会場それぞれの案内や、団体限定の優先入場ができるコースなどを用意している。「花博」を起点に、周辺エリアである愛知県、静岡県の観光もツアーに盛り込み、旅行客に楽しんでもらいながら地域への貢献もはかる。

 このほか、目的志向型のツアー「テーマ旅行」を得意とする同社は「こだわりの花めぐりの旅」を展開していて、「花博」会場の「はままつフラワーパーク」開園前の特別貸切を実現したコースも用意した。