〈旬刊旅行新聞4月1号コラム〉外出自粛要請 「不要不急」の観光産業守る支援策を

2020年3月31日(火) 配信

「不要不急」の観光産業を守る支援策を

 新型コロナウイルスの感染拡大がどこまで続くのか、現時点では予想ができない。世界中で移動制限がかかるなか、観光業界はこれまでにないほど厳しい環境にあることだけは確かだ。

 
 東京都の小池百合子知事は3月25日に、「感染爆発の重大局面」にあるとして、「週末は不要不急の外出を自粛するように」などを要請した。近隣の神奈川県や埼玉県、千葉県、山梨県も同様に外出の自粛要請を行った。
 
 「不要不急」の産業である旅館・ホテルなどの宿泊施設や、観光施設、飲食店、観光バスなどの運輸機関、イベント主催企業などは、「為す術もない」状況に追い込まれた。
 
 外務省も同日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、全世界に不要不急の渡航中止を促す危険情報の「レベル2」を発出した。さらに、東京オリンピック・パラリンピックも1年程度の延期が決まった。
 
 このように、かつてないほどの厳しい経営環境となっているなか、多くの観光産業は政府や自治体の「外出自粛要請」に協力的な姿勢を示している。これは「自己犠牲」の姿である。
 
 飲食業や観光業は、国際情勢や自然災害、そして感染症拡大などが発生した時に、雇用の基盤が脆弱だ。政府も国の成長戦略の柱として、観光産業の育成を進めるなかで、想定外の事態となってしまったが、観光産業を支えている経営者や、現場でいつも観光客を笑顔で迎え入れているスタッフの雇用を守る、しっかりとした施策に期待したい。観光産業はそれまで何とか持ちこたえてほしい。
 
 田端浩観光庁長官は3月19日に開いた会見で、「現時点では、国内の感染拡大防止が最大の政策であり、支援策。政府を挙げて一刻も早い感染の封じ込めに努力をする」と述べた。
 
 感染拡大が終息に向かえば、「状況の落ち着いた国や地域と連携して観光客の誘客を行っていくほか、反転攻勢に向けた官民一体のキャンペーンの展開」も視野に入れている。
 
 終息後を見据えたさまざまな支援策の案が日々ニュースになっている。「感染の封じ込めに専念すべき」との意見も十分に理解できるが、一方で、将来に希望が持てる支援策を協議するのも政治家の大きな役目の1つだと思っている。
 
 そのなかで、高速道路の通行料割引という案も出ている。割高感のある日本の高速道路が大幅に割り引かれると、国内の主要都市を結ぶ大動脈から、地方の隅々までのびる毛細血管まで人の動きが活発化する効果が期待できる。
 
 現在のような危機的状況では、旅館やホテルは、地元客が頼みである。大分県・別府温泉の長野恭紘市長は、キャンセルが相次ぐ市内の旅館やホテルを支援するために、感染拡大に最大限注意しながら、自ら率先して宿泊し、地域全体でムーブメントを起こす「別府エール泊」という行動に出た。自治体トップのこのような動きは心強い。
 
 また、大分県竹田市の「秘境すぎる温泉宿」が今年3月、コロナの影響で宿泊客数が過去最高を記録したという動きもある。新しい価値観が生まれていることを感じる。
 
 ふるさと納税の返礼品として地元の旅館やホテルの宿泊券を対象にしている自治体もある。知恵を絞れば、支援できることが、まだまだあるような気がする。
(編集長・増田 剛)

JATA、定例会見で支援制度の利用を呼び掛け 企業存続に「制度をフル活用し、今は生き延びて」

2020年3月30日(月) 配信

越智良典理事・事務局長

 日本旅行業協会(JATA)は3月26日(木)、東京・霞ヶ関の本部で定例会見を開き、23日(月)に首相官邸で開かれた「新型コロナウイルス感染症の実体経済への影響に関する集中ヒアリング」でのJATAの発言内容ついて報告した。

 新型コロナ禍で大きな打撃を受けている旅行業への経営継続支援策強化などを要望。越智良典理事・事務局長は会員に対し、「雇用調整助成金など、支援制度が整備され始めた。(企業存続に向け)制度をフルに活用し、今はしぶとく生き延びてほしい」と呼び掛けた。

 ヒアリングの出席者は、JATA副会長で東武トップツアーズ社長の坂巻伸昭氏のほか、定期航空協会会長で全日本空輸(ANA)社長の平子裕志氏や日本旅館協会会長で北原会長の北原茂樹氏ら、観光業や運輸、宿泊関連の関係者。

 越智氏によると、ヒアリングでは観光庁が集計している主要旅行業者(50社)の旅行取扱状況から、今年3月と4月の取扱額がそれぞれ前年同月比約7割減と落ち込み、「毎月3000億円の仕事が消えた状態」であることを報告。これに伴い、国内での旅行消費額も毎月1.5兆円が失われている状況にあると伝えた。

 これらを踏まえ、経営継続支援の強化として、雇用調整助成金の助成率をリーマンショック時と同様レベルの大企業が4分の3、中小企業が10分の9に引き上げることを要望した。支給限度日数は200日への延長を申し入れた。

 越智氏は「これまでも旅行業界は助成金などの申請をする企業が他業種より少ないのでは」と述べ、制度の活用が企業存続の手段の1つだとした。

 また、今月17、18日に与党に提出した要望に沿ったかたちで、旅行業界が自主的に感染防止策を講じることを条件に旅行やイベント自粛要請の緩和を求めた。これに対して政府は「いまは『都市封鎖』にならないことが大事。専門家の意見を聞きながら検討する」との回答があったという。

 「段階を踏んでいかなければならない。(完全な対策でなく旅行やイベントを)実施して、感染者が発生したときには大きなリスクが伴う。我われの対策はプロとしてどこまで共有できるか、観光業界に問われている」(越智氏)と述べた。

 ほかにも、修学旅行を中止でなく延期して実施し、学校側にキャンセル料が発生した場合の財政支援を求めた。

 旅行需要回復キャンペーンは、毎月1.5兆円とされる旅行需要の消失を取り戻すような大規模キャンペーンを要望。越智氏は「規模は100億円単位。数兆円単位の効果をあげたい。まずは国内旅行キャンペーンから。精算のことを考慮し、シンプルで分かりやすい仕組みにする」との考えを示した。

 国際交流の再開には、出国時の検温や健康チェックなどの国際的な仕組みづくりについて要望した。

 越智氏は、旅行業界の現状を裏付けるデータとして、JATA会員1193社を対象に行ったアンケート結果(3月25日午後6時時点)を公表した。新型コロナウイルスなどが要因で「経営困難におちいっているか」とたずねたところ、回答があった266社のうち「とても厳しい(35.3%)」「厳しい(33.5%)」と回答した会員は、合わせて約7割にのぼったことを明らかにした。

 「現場から『非常に厳しい』という声が上がっている。2週間前の声より悪化している。経験したことない未知のゾーンに入ってきている」と危機感を示した。

 一方で、「1つの目途として、9月までには何とかしたい」と述べ、9月に東京で開催の商談会について言及した。「終息後の仕掛けについて話し合うのに、良いタイミングなのでは。第1段階として東京の商談会の存在はとても大きい」との考えを示した。申し込みは6月まで延長する。

 10月29日(木)~11月1日(日)に沖縄で開催の「ツーリズムEXPOジャパン2020  リゾート展in沖縄」については、「沖縄の起爆剤になるための話し合いを行っている。観光大臣会合についても、反転攻勢の『決意表明の場』として考えている。世界に先駆けて、こういう動きをするのも大事だと思う」と述べた。

「KOBE」世界へ発信 SNS活用で閲覧者数350万人突破する

2020年3月30日(月) 配信

神戸市イメージ

 神戸観光局(兵庫県)は誘客施策や、観光PRを素早く効果的に実施できるよう、SNS(交流サイト)を活用した情報発信を行っている。SNSや市場の特性に合わせ国内外向けに現在では主に5つのアカウントを運用しており、今年2~3月の閲覧者数が全世界で延べ350万人を突破した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各国で渡航規制や自粛が相次いでいる。世界的に見ても観光客が激減しているのが現状だ。一方、中国では、オンライン上で旅行に行った気分になる「クラウド旅行」というトレンドも生まれている。

 神戸観光局は2月からターゲットを絞り動画を活用した広告運用による、神戸旅行のイメージ喚起と、フォロワーの獲得を積極的に行った。

 SNSの活用の仕方として神戸牛、有馬温泉、日本酒などを全面的に打ち出したPR動画の拡散や、卒業旅行を検討する学生に向けたPRキャンペーンを展開。その結果、今年1月から3カ月で約35%増加した。

卒業旅行PRキャンペーン

 同観光局が運用するSNSアカウントそれぞれのフォロワー数はフェイスブック日本語3万人(同18%増)、英語12万5000人(同22%増)、中国語(繁体字)2万1000人(同584%増)、インスタグラム日本語1万8000人(同16%増)、Weibo(中国最大のSNS)簡体字1万7000人(同74%増)と、合計で20万人を突破した。

神戸市観光局のSNSアカウント

 同観光局は「フォロワーが実際に神戸へ足を運ぶきっかけとなる情報発信を続けていき、国内外の神戸ファンの獲得に努めていきたい」と意気込みを語った。

APUとANAHDが連携 人材育成、ビジネス創生目指す

2020年3月30日(月) 配信

イメージ

 立命館アジア太平洋大学(APU、出口治明学長、大分県別府市)は3月30日(月)、ANAホールディングス(片野坂真哉社長、東京都港区)と包括連携協定を締結した。おもに人材育成・教育・新ビジネスの創造共同研究などに取り組む。

 同大学の学生へのエアラインスクール利用に関して優待料金を提供することや、ANAグループ全体で同大学が保有するグローバル人材育成に関する各種教育プログラムを活用するなど、相互のさらなる発展を目指して持続的な連携関係を構築していく。

サービス産業生産性協議会、19年度の日本版顧客満足度を発表 総合1位は「劇団四季」

2020年3月30日(月) 配信

JCSIのロゴ。帝国ホテルは11年連続で業種別顧客満足度1位だった

 日本生産性本部のサービス産業生産性協議会はこのほど、2019年度JCSI(日本版顧客満足度)の年間ランキングを発表した。38業種、458の企業・ブランドのなかで、劇団四季が年間総合と、エンタテイメント部門で1位となった。

 同ランキングは13万人以上を対象にした日本最大級の顧客満足度調査。19年度は年6回に分けて調査した。

 2位以下は次の通り。

 ②宝塚歌劇団③位ヨドバシ.com④位帝国ホテル⑤コープ共済⑥東京ディズニーリゾート⑦都道府県県民共済⑧ドーミーイン⑨スターフライヤー⑩オーケー――順。

 なお、ランキングの発表開始から11年連続で業種別顧客満足度1位を獲得した企業・ブランドは次の通り。

 帝国ホテル(シティホテル)▽阪急電鉄(近郊鉄道)▽ヤマト運輸(宅配便)▽楽天カード(クレジットカード)。

旅工房、役員人事を発表 20代の伊藤氏が執行役員に

2020年3月30日(月)配信

伊藤智康氏

 旅工房は3月27日(金)、4月1日付で執行役員に就任する2人の人事を発表した。レジャー部門第2営業本部執行役員に伊藤智康氏、デジタルビジネス部門Webプラットフォーム本部執行役員に菅野章氏が就任する。

菅野章氏

 伊藤氏は現在28歳で、同社で初めて20代での執行役員となる。一方の菅野氏は、これまで取締役が兼務していたデジタルビジネス部門の執行役員として登用する。マーケティングやシステム開発の領域を担当する同部門の体制強化をはかる。

 同社は新たな執行役員の起用により、経営体制をより強固にして事業拡大のスピードを加速とともに、よりよい旅行体験の提供を目指している。

「コロナにまけない」インスタ投稿促す 南紀白浜の温泉旅館で新プラン

2020年3月30日(月) 配信

客室露天風呂

 

 和歌山県・南紀白浜温泉で温泉宿泊施設3宿を運営するオージャス(金田紀彦代表)は、温泉旅館「XYZ Private Spa and Seaside Resort」で「コロナにまけない宣言」プランを売り出した。

 チェックアウト時に「#コロナにまけない」とハッシュタグをつけたインスタ投稿を提示すれば、その場でクーポン2千円分をプレゼントする。

 同旅館は、閑静な海岸に立地した全16室の小規模な宿のため混雑がなく、アルコール除菌を全室に完備する。オープンテラス形式のレストランで、テーブル間隔を2㍍以上確保している。食事はビュッフェではなく、コース料理を一品出しで対応する。温泉は各部屋に設置された露天風呂で楽しめる。

 新型コロナウイルス感染リスク条件に挙げられる3密(密閉・密集・密接)を徹底的に避けた設備で感染リスクを下げながら、安心して気分転換できる環境を提供する。

 

旅館概要

名称:XYZ Private Spa and Seaside Resort

所在地:〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町2998-65

室数:16室

当プラン概要:「#コロナにまけない インスタ投稿でクーポンゲット!他特典アリ!」2名/1室(大人1名料金) ¥19,800(税込)~

TEL:0739-46-0333

 

旅館PV

「いよいよっ 小松駅へ」ロゴ、キャッチ決まる 北陸新幹線23年春開業へ

2020年3月30日(月) 配信

決定した北陸新幹線小松駅のロゴ、キャッチコピー

 石川県小松市は2023年春の北陸新幹線小松駅開業に向けて、プロモーション活動を始めた。

 第1弾として、開業のシンボルとなるロゴ、キャッチコピーが決定。ロゴのデザインは北陸新幹線を親しみやすい表情とスピード感、勢いのあるフォルムでデザインしている。キャッチコピーは「いよいよっ 小松駅へ」。

 3月31日(火)から小松駅構内に大型看板を設置するほか、駅周辺や市内の公共施設にポスターを掲示しPRしていく。

 プロモーション動画も公開され、開業を3年後に控えて盛り上がる市の魅力を発信している。

 

ガソリン券進呈でマイカー旅行応援 徳島県・アオアヲ ナルト リゾート

2020年3月30日(月)配信

ホテル滞在イメージ

 アオアヲ ナルト リゾート(徳島県鳴門市)は2020年3月28日(土)~5月31日(火)の期間、宿泊客に1室につき2000円分のガソリン券をプレゼントする。瀬戸内海国立公園内の絶景リゾートホテルでゆったり過ごせるように、快適マイカーやレンタカー旅を応援する。館内利用券への変更もできる。

マイカー旅行応援キャンペーン

期 間 : 2020年3月28日(土)~5月31日(日)
内 容 : 1室2千円分のガソリン券(指定給油所)をプレゼント
対 象 : 1泊2食(夕食・朝食)付き宿泊プランの利用者で引換券を持参の人
※館内利用券2千円への変更も可。チェックイン時に申し出る
※引換方法:下のいずれか
 1)申込みの旅行会社カウンターで引換券を受け取り
 2)ホテル公式ホームページから引換券を印刷し持参
 3)スマートフォン等でチェックイン時に引換券を提示
※指定給油場所:鳴門しおかぜSS立石石油 (ホテルから車で5分)
※ガソリン券・館内利用券ともにおつりは出ない
※宿泊のプランが既に本特典付きの場合には、重複しての利用はできない

アオアヲ ナルト リゾート(徳島県・鳴門市)

瀬戸内海国立公園にあるホテル

 淡路島から車で5分、瀬戸内海国立公園内。海に昇る朝日やムーンロードを客室や天然温泉から一望できるオーシャンフロントホテル。山海の幸は阿波三昧や炭火焼、フレンチ懐石、和会席など多彩なレストランでたん能できる。鳴門海峡クルージングや釣り堀、鯛飯教室、大谷焼絵付け、阿波藍染め体験、阿波おどりライブ(毎日午後8:45から、無料)などのご当地プログラムが充実。夏のプール&ビーチ海水浴、秋の鳴門金時芋ほり、初春のワカメ漁と塩蔵体験も人気だ。周辺には、渦の道や大塚国際美術館、四国八十八箇所霊場1番札所などの観光名所も豊富。徳島空港から車で20分、高速鳴門バス停から車で10分、無料送迎も利用できる。

「ザ・プリンス パークタワー東京」、快眠をサポートする宿泊プラン売り出す

2020年3月30日(月) 配信

さまざまな快眠サポートアイテムを利用できる

 ザ・プリンス パークタワー東京(石川学総支配人、東京都港区)は4月11日(土)~来年3月31日(水)まで、質の良い睡眠をサポートする宿泊プラン「快眠サポートステイ」を販売する。

 日本は世界でもトップクラスの睡眠不足の国とされる。睡眠不足は免疫力を低下させ、健康な身体づくりに影響を及ぼすと言われている。睡眠に関する著書を執筆する快眠セラピストが監修した宿泊プランを用意した。

 同プランでは、日本人の身体に合わせたテクノジェル社の最新ジェルピロー「コンベックスピロー」や心地よい睡眠環境を作るBGM、ゆったりとした呼吸を促すピローミストなどの快眠サポートアイテムを利用できる。

プラン概要

期間:2020年4月11日(土)~2021年3月31日(水)

料金:1人33,300円~(1人1室ご利用時)※消費税、サービス料含む。宿泊税は別となる。

内容:

・日本人の身体に合わせたテクノジェル社の最新ジェルピロー「コンベックスピロー」

・心地よい睡眠環境をサポートする2種類のCD

・ピローミスト「スリープシープ ディープブレス」(アットアロマ)

・カモミールティー

・快眠セラピスト 三橋美穂氏著書「眠トレ!」

TEL:03-5400-1111(ザ・プリンス パークタワー東京 宿泊予約係)