白川郷、加熱式たばこ専用喫煙所を設置 4月1日から

2020年3月25日(水) 配信

荻町多目的集会施設の加熱式たばこ専用喫煙所

 岐阜県・白川村(成原茂村長)とフィリップモリスジャパン(シェリー・ゴー社長、東京都千代田区)はこのほど、包括協定を締結した。4月1日(水)からは火を使わない加熱式たばこ専用喫煙所を設置するなど、世界遺産の白川郷合掌造り集落で新しい喫煙環境の整備に取り組む。

 白川郷は昨年11月、火災が発生したことから保全の重要性が高まっている。また、4月1日から改正健康増進法が全面施行されることもあり、火災リスクの軽減と望まない受動喫煙の減少を目的に同協定は締結された。

加熱式たばこ専用喫煙所マップ

 加熱式たばこ専用喫煙所は、荻町多目的集会施設と荻町公園などの中央幹線沿い3カ所に設置される。荻町伝統的建造物群保存地区の景観を損なわないよう配慮した構造となっている。また、同喫煙所が掲載されたマップとマナーガイドを刷新し、来訪客に対して喫煙環境変更の周知とマナー向上をはかる。

協定事項(抜粋)

1.白川郷合掌造り集落にある荻町多目的集会施設、荻町公園など、中央幹線沿に、加熱式たばこ専用喫煙所を整備すること

2.集落外縁に所在する白川郷バスターミナルおよびせせらぎ公園駐車場に、紙巻たばこも使用可能な喫煙所を整備すること

3.白川村とPMJが協働し、多言語のピクトグラムサイン看板の設置、パンフレットの配布などを通じて国内外からの来訪客に喫煙環境の変更を周知すること

星野リゾート、「花粉と人少ない」が魅力のプラン売り出す 沖縄の星のや竹富島など 

2020年3月25日(水) 配信

星のや竹富島のイメージ

 星野リゾートは(星野佳路代表)は沖縄にある星のや竹富島をはじめ、西表島ホテル、リゾナーレ小浜島で、花粉と人が少ない魅力を生かした滞在プランを売り出した。

 星のや竹富島のコンセプトは「島時間養生」。島の自然のリズムに合わせて滞在することで脳疲労をリセットし、本来の感覚を取り戻すというデスティネーションスパプログムを提供している。通年開催で、宿泊日数は3泊4日。料金は1人13万円(税・サ別)からとなっている。

 西表島ホテルのコンセプトは「イリオモテヤマネコが棲む島のジャングルリゾート」。大自然を満喫できるアウトドアアクティビティや、希少な生態系、島の文化に触れるツアーなど開いている。

西表島ホテルの外観。イリオモテヤマネコなど希少な生態系が魅力

 リゾナーレ小浜島は、4月20日(月)に開業する。色とりどりの魚を見ることができるシュノーケリングをはじめ、砂浜での星空観賞などを提供。白砂のビーチと蒼い海の近くで望むままに過ごせるようなリゾートとなっている。

4月20日に開業するリゾナーレ小浜島

 

NAA、デザイントイレをオープン 第1ターミナル1階に 

2020年3月25日(水) 配信

第1ターミナルのトイレをリニューアルした

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)は3月25日(水)、第1ターミナルの北ウィング1階到着ロビーにデザイントイレをオープンした。利用者が増加することを見込み、受入機能の強化をはかる。

 デザイントイレは「花」をモチーフに設計。壁にはモザイクタイルで桜吹雪を描いたほか、一輪挿しや盆栽などの装飾を施し、香りにもこだわった。

 同社は2016年から、すべてのトイレで音声案内とフラシュライト、L型手すりなどユニバーサルデザインの導入を進めてきた。リニューアルは今回のデザイントイレのオープンをもって完了した。

トイレの内装。さまざまな利用者を受け入れられるようにした

デザイントイレの特徴

•多機能トイレの混雑解消のため、オストメイト用流しとオムツ交換台、フィッティングボードを一般トイレにも設け、機能を分散
•全ブースにスーツケースなどの大型荷物を持ち込むことができる
•大型手荷物カートを入れることができるブースを2カ所設置
•女性トイレには着席可能なパウダースペースを設けた
•トイレ横にベビールームを新設

デザイントイレの間取り

岡山・備後エリアで着地型観光商品を開発 JR西と日旅

2020年3月25日(水) 配信

観光パンフレット「How to enjoy SETOUCHI」

 JR西日本岡山支社と日本旅行はこのほど、岡山・備後エリアの観光資源を生かした着地型観光商品を開発した。3月27日(金)から日本旅行TiS岡山支店(岡山駅1階)などで、商品パンフレット「How to enjoy SETOUCHI」として売り出す。

 同商品では、観光情報の紹介だけでなく、岡山駅からの時間・料金なども掲載。事前準備の必要がない現地手配できるプランも多い。

 商品の例として、観光タクシーで巡る「名所と桃太郎コース」「備前おさふね刀剣の里と牛窓オリーブ園コース」や、観光バスで行く「おかやまフルーツ狩りバス」などをそろえる。

アジアと面的連携も視野に、「予算も要求していく」回復期に官民挙げた取り組みの準備進める(田端長官)

2020年3月25日(水)配信

田端浩観光庁長官

2月の訪日客は58%減、出国者数は14%減

 観光庁の田端浩長官は3月19日(木)に会見を開き、2020年2月の訪日外国人旅行者数は前年同月比58.3%減の108万5100人、出国日本人数は同14.2%減の1317万6800人と発表した。19年2月を約152万人下回り、5カ月連続で前年同月を下回った。新型コロナウイルス感染症の影響で、世界中で旅行控えが発生したことが大きな要因となった。

 田端長官は、新型コロナウイルス感染症が複数の国・地域で拡大し、世界的な人流の変化となった現状に言及。「世界規模で人の動きが影響を受けている。複数の国で日本に対する入国制限や行動制限、渡航の自粛呼び掛けがあり、インバウンド、アウトバウンドともに厳しい状況」と報告。現段階を、各国が感染拡大の封じ込めを行っている段階と伝え、各国も日本と同様に厳しい状況にあると説明した。

 そのうえで、「現時点では国内の感染拡大防止が最大の政策であり、最大の支援策。政府を挙げて一刻も早い感染の封じ込めに努力をする」考えを示した。あわせて状況が落ち着き次第、各国の国際旅客市場と連携を取りながら、国内外からの観光客の誘客の取り組みをはかるとしている。「例えば、アジアを面的に捉えてコラボレーションしながら、効果的な観光市場の回復にしっかりと取り組むべき」見解を示した。

 感染拡大防止期間を助走期間と位置づけ、「次の反転攻勢に向けた官民挙げたキャンペーンが非常に重要。経済対策を4月以降に大きく打ち、観光市場と観光需要の回復のため、地域経済の早期回復を目指す。そのための準備を進めている。予算措置もしっかり要求していく」考えを示した。

コロナの影響が顕著に、2月の中国外客数88%減

 中国市場は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、1月27日に国内外への団体旅行などが禁止され大幅な減速。中国路線の運休・減便のほか、昨年は2月であった春節休暇が1月となった反動もあり、訪日外客数が前年同月比87.9%減と大幅に下回った。

 韓国では、昨年夏ごろから続く訪日旅行控えに加え、新型コロナウイルス感染症の影響により大きく減少。そのほかの市場でも新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、海外旅行控えや訪日旅行のキャンセルなどが発生し、複数の国・地域で対前年同月比でマイナスとなった。

 こうしたなかで、市場別ではインドネシア、フィリピン、ベトナム、豪州、ロシアで2月として過去最高を記録した。

AIなど活用し 小規模旅館の収益と稼働率改善 OYO Hotels Japan合同会社、新ブランド設立

2020年3月25日(水) 配信

サント・シング氏(左から2人目)らがブランドを説

 OYO Hotels Japan合同会社(東京都千代田区)は3月18日(水)、新ブランド「OYO Ryokan」を展開すると発表した。同社が持つAI(人工知能)や収益管理のテクノロジーを活用し、小規模な旅館の稼働率と収益を改善する。加盟旅館のオーナーには、業務量を減らすことでおもてなしへの注力に集中してもらいたい考えだ。

 同社は新ブランドの構築に向け、日本の旅館を理解することからスタートした。2019年4月から、全国100ヵ所の旅館に出向き調査を重ねた。 

 同日、東京都内で開かれた会見で、OYO Hotel Japanで副社長兼PGXヘッドを務めるサント・シング氏は、「旅館は日本のおもてなしの象徴」と、調査成果を説明。「OYO Ryokanに必要なのは、旅館の伝統と、ミレニアル世代を惹き付けるデザイン、外国人に旅館の良さを伝えること」と力を込めた。

 旅館の抱えるさまざまな問題について説明したOYO Hotels旅館プロジェクトディレクターの八木寛人氏は、「日本の旅館の伝統を崩さずに、国内外の人々に安心感を与えられる旅館ブランドにしたい」と思いを語った。

 また会見では、加盟旅館に提供する備品類なども公開した。大浴場で使う椅子は、標準より10㌢ほど高いものを用意したり、布団の畳み方を工夫してソファとしても使えるモノを開発したりと、「外国人旅行者も快適に滞在できる環境を整備している」と説明した。併せて会見が行われた同日までに、26県、1000室以上と契約を結んだことも発表した。

楽天と徳島市が連携、人材育成や地域活性目指す

2020年3月25日(水) 配信  

締結式のようす

 楽天(三木谷浩史会長兼社長)は3月24日(火)、徳島市(遠藤彰良市長)と包括連携協定を結んだ。同市の一層の活性化と市民サービスの向上を目指す。徳島県での自治体との包括連携協定は初となる。

 協定の主な内容は、観光振興やふるさと納税の促進などに取り組む。地域事業者のEコマース分野や教育機関と連携するなど、次世代の人材育成にも協力する。

 楽天は、これまでの官民連携における実績と経験を生かし、「楽天グループの多岐にわたるサービスやテクノロジーを通じて、徳島市とともに地域社会のさらなる発展に貢献したい」と意気込みを語った。

JATA経営フォーラム、基調講演に経営共創基盤CEOの冨山和彦氏 分科会は〝デジタルネイティブ時代〟など4テーマ開催

2020年3月25日(水) 配信

JATA経営フォーラム 分科会のようす
 日本旅行業協会(JATA、田川博己会長)は2月21日(金)、東京都内で「JATA経営フォーラム2020」を開いた。総合テーマを「既存事業深化とイノベーション『両利きの経営』を目指して」と題し、旅行業経営を考える機会として全国から会員ら約300人が参加した。基調講演では経営共創基盤(IGPI)CEOの冨山和彦氏が、既存事業と新規事業を組み合わせることの必要性と、判断力のスピードについて語った。
 
 分科会は、4つのテーマで行われた。「海外旅行2000万人時代を迎え、次なる時代の旅行商品とは!」、「デジタルネイティブ時代の新たな旅行会社のカタチ」、「今や成長領域! 最新事例から学ぶユニバーサルツーリズム」、「知らぬは損!? 事業力&収益力と従業員満足度を高める 旅行事業者のための導入・活用ポイント解説セミナー」の4会場に分かれ、最新事例報告やテーマについての議論が交わされた。
 
 分科会は4つのなかから今回は、「デジタルネイティブ時代の新たな旅行会社のカタチ」について詳報する。
                           【入江 千恵子】

継続と変化 組み合わせ

基調講演を行った経営共創基盤のCEO・冨山和彦氏
 基調講演は「両利きの経営に求められる経営リーダーシップ」をテーマに、経営共創基盤(IGPI)CEOの冨山和彦氏が行った。
 
 既存事業の深化とイノベーションを同時に行う「両利きの経営」の必要性について、経営者かつ経営コンサルタントの冨山氏は「既存事業を磨き込み、収益を上げていく。同時に新しい技術も取り入れていく。斜め45度が理想」と語った。
 
 「新規事業を既存事業に取り込むことで、既存事業をもう一度、成長領域にする」と提案。一方で「新規事業には出費が伴う。投資への資金を稼ぐには、既存の事業をしっかりやることが大事」と力を込めた。
 
 リクルートグループが運営する「じゃらんnet」の事例を紹介し、「出版業からインターネット型のビジネスに移行したが、昔から変わらず中心にあるのは営業力。旅館やホテルとコミュニケーションをしっかり取り、営業力で商品を作り上げている」と語った。
 
 「媒体は変わったが、根底にあるものは変わっていない。続いていくものと変わっていくものの組み合わせ。『破壊と創造』をうまくパッケージングしていくことが重要」と説明した。
 
半導体産業の例 判断のスピード
 
 経営者のリーダーシップの難しさは「変化の求めるスピードに合わせて、戦略を回転できるかどうかが重要」と述べた。
 
 半導体産業の盛衰を経営者側の視点で述べ、「ファブレス(工場を持たない経営スタイル)に移行するとき、時間を掛けて段階的に売却した企業は全滅した」と話した。
 
 そのうえで「当時、正しかったであろう選択肢は2つ」と述べ、「1つは潔く売却する。ファブリスと割り切り、スピードが大事だった。世界最大級の半導体メーカー、米国のインテル社などは、この道を選んだ」と決断の早さの重要性を語った。
 
  2つ目は「日本の半導体メーカーが一緒になること。あの時、日本の半導体メーカーだけで、世界シェアの半分以上を占めていた。一緒になることで、世界最大のシェアを占めることができた」と振り返った。
 
 講演の最後に冨山氏は日本の観光業について、「海外で生産する製造業と比較して、観光業はすべて日本のGDP(国内総生産)になる。雇用吸収力もある。日本を支える基幹産業になる」と総括した。
 
旅は円環 無事に帰る
 
 特別講演には、高志の国(こしのくに)文学館の館長・中西進氏が登壇し、「令和に憶う旅」をテーマに語った。中西氏の考える旅は「自分の視野を広げ、チェンジ(変化)し、帰ること」だと述べた。さらに「旅は円環。旅に出たら、必ず無事に帰らなければならない」と説いた。
 

分科会「デジタルネイティブ時代の新たな旅行会社のカタチ」

 「デジタルネイティブ時代の新たな旅行会社のカタチ」は、将来の旅行業界のあり方について研究を進める「国内旅行マーケットにおける新たな役割研究会」のメンバーが登壇した。同研究会は昨年から7回にわたり、合計30時間の勉強会を実施。専門家の話や議論から得た成果を発表した。
 
 同研究会から、座長で日本旅行の常務執行役員個人旅行統括本部長・大槻厚氏、JTBの個人事業本部事業統括部MD戦略担当マネージャー・加藤大祐氏、びゅうトラベルサービスの営業戦略部部長・西剛氏、KNT―CTホールディングスの国内旅行部課長・伊藤かおる氏が登壇。ファシリテーターは、JTB総合研究所の客員研究員・宮口直人氏が務めた。
 
顧客はミレニアル世代 コミュ重視の一面も
 
 10年後の旅行業界を見据え、①人口に関わる市場の変化②テクノロジーの変化③主要顧客の変化④業界構造の変化⑤デスティネーションの変化――の視点から考察した。
 
 「人口に関わる市場の変化」は、高齢化の加速により、消費行動の中心がミレニアル世代(1980―2000年ごろ生まれ)になることを念頭に置く。
 
 「テクノロジーの変化」は、自動運転技術の実用化や宇宙旅行の隆盛など、テクノロジーの進化が旅行業界を取り巻く環境に変化をもたらすことが考えられる。また、AIによる旅行相談や申し込み、ロボット技術の活用などにより、サービスにも大きな変化が生じるだろうと分析した。
 
 「主要顧客の変化」として、主要顧客はデジタルネイティブなミレニアル世代になる。彼らはインターネットが整備された環境の中で育ち、スマートフォンで高価な買い物もいとわない。一方で、自分にとって必要な情報を持っている人とは濃密なコミュニケーションを大事にする。単なるデジタルを使うだけの人たちではないとみる。
 
 「業界構造の変化」は、発地型観光から着地型観光への移行が加速し、DMOとの連携が不可欠になると予測する。
 
 「デスティネーション(着地)の変化」は、観光地の特色や観光客のニーズなどによって、旅行商品も区別するようになる。例えば、インバウンドが訪問する「ブランド観光地」や地域住民の生活を優先する「居住重視非観光地」、独自の地域資源を生かした「特価型観光地」などに整理できるとした。
 
 
 大槻氏は「これからの旅行会社の役割」として4つの提言を行った。1つ目は「店舗の役割」が〝旅行販売の場〟から〝ブランドコミュニケーションの場〟に変化するとした。ブランドコミュニケーションは、旅行会社は自社のブランド・アイデンティティを顧客に伝える。顧客は、旅行を通じて実現したい自分らしい体験を想起できるよう、双方向のやり取りを行う。
 
 2つ目の「スタッフの役割」は〝販売員〟から“トラベルアドバイザー”への変化を挙げた。トラベルアドバイザーは、旅の専門的な知識を有し、顧客の体験価値を実現する役割を担う。
 
 3つ目の「機能的役割」は〝コーディネーター(素材の組み合わせ)〟から〝インテグレーター(新しい価値の創造)〟に変化すると考える。デジタルネイティブ世代が求める旅行スタイルの実現を支援するため、さまざまな業種と共創する。
 
 4つ目は「経営層の意識改革」をしたうえで、社内の構造改革、マーケットに対する改革、脱旅行業改革を推進することが大切だとした。
 
 近年、旅行業界はグローバルOTAの台頭や異業種からの参入、新IIT運賃の導入などにより、従来の旅行商品や販売体系の変化が避けられない状況となっている。
 
 大槻氏は最後に「いまは変革の時にある。業界としてどうしていくか。挑戦を続けていく必要がある」と呼び掛けた。

コンセプトは「大自然への新しい経験の扉」 逗子マリーナ内に「マリブホテル」オープン 

2020年3月25日(水) 配信

マリブホテル・マリブファーム外観

 リビエラは3月26日(木)、逗子マリーナ(神奈川県逗子市)内に「マリブホテル」をオープンする。11ある客室すべてが50平㍍以上のオールスイートの富裕層向けホテルで、若いころ逗子マリーナに憧れていた50~60歳の富裕層がメインターゲット。「大自然への新しい経験の扉」をコンセプトに、大自然の中での朝食や、ホテル所有船でのプライベートクルージングなどさまざまな体験メニューも取りそろえている。

ザ マリブ スイート

 11ある客室は、「ザ マリブ スイート」、「マリーナ ビュー スイート」、「プライベート ヴィラ」の3タイプに分かれる。「プライベート ヴィラ」は、愛犬との宿泊可能。ルームサービスでは、同日開業するレストラン「マリブファーム」の料理や宿泊者だけが味わえる特別な日本料理のメニューを提供する。

 また同ホテルはV2B(Vehicle to building)システムを導入した日本初のホテルで、災害時には電気自動車からホテルの照明やコンセントに電力が供給できる。

 ホテル関係者は、「ヤシの木越しに見る富士山、相模湾、江ノ島といったホテルならではの眺望をお楽しみいただきながら、大自然のなかでの食事やクレイド スパ、クルージングなど逗子マリーナだから楽しめる新しい体験の扉をぜひ開いてください」とPRした。

部屋からの眺め

L・Aで人気のレストラン 日本初上陸

 リビエラはホテル開業日と同じ3月26日(木)、地元鎌倉の野菜や相模湾の魚介類などを使った料理が味わえるレストラン「マリブファーム」をオープンする。「フレッシュ ローカル オーガニック」がテーマのアメリカロサンゼルスにある人気レストランで、日本へは初上陸。

マリブファーム

 「ブラータチーズフレッシュフルーツのサラダ」など現地で人気のメニューと、「小坪のサザエとリゾーニのリゾット仕立て つぼ焼きスタイル」などの同店オリジナルメニューが楽しめる。

「小坪のサザエとリゾーニのリゾット仕立て つぼ焼きスタイル」(左)

 メインターゲットは、20代後半から40代前半の、ファッションや流行に敏感な女性。マリブホテル宿泊者のオールデイダイニングとしての役割も担う。

https://www.riviera.co.jp/malibuhotel/

温泉地 国立公園 ON・ガスイベントで盛り上げる カギは相互交流と人材育成

2020年3月24日(火) 配信

ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構 小川正人理事長(3月2日インタビュー)

 2016年、「ガストロノミーツーリズム」に温泉を組み合わせた新たな試みが日本で生まれた。19年には、全国26カ所でウォーキングイベントが行われ、延べ約6500人が参加。今年2月には海外初のイベントが台湾で開かれ、現地でも好評を博した。

 同ツーリズムの推進役「ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構」の小川正人理事長(ANA総合研究所会長)に「温泉地と国立公園の活性化」、「国内の次の展開」、「イベントの国際化」を軸に話を聞いた。

 その土地ならではの食を歩きながら楽しみ、歴史や文化を知る旅を、ガストロノミーツーリズムという。ONSEN・ガストロノミーツーリズムは、これに「温泉」を組み合わせた新しい旅だ。

 設立から4年目を迎えるONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構は2月15日、台湾・台中でウォーキングイベントを開催した。参加者は「日本統治時代の建築遺産を巡る」をテーマにしたガイドの解説を聞きながら、約6・5㌔の道のりを台湾のグルメも堪能しながら歩いた。

台湾のまちを歩く参加者

 推進機構にとっての初の海外イベントとなったが、現地でも高く評価され、台湾版の「ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構」を設立する方向で、現地関係者と議論を始める予定だ。また、現地では来年から、台湾政府が美しい景色の地域を選んで制定した国家風景区で順にイベントを開催する方向で話し合いが進んでいる。推進機構側でも、台湾観光協会に対し、特別会員としての参画を要請することを検討している。

 ONSEN・ガストロノミーイベント(ON・ガスイベント)の海外展開は、推進機構の今年の目玉である「海外展開の推進」の一環。台湾に加え、ガストロノミーウォーキングが盛んなフランス北部のアルザスでは、現地で行われるイベントに参加するカタチでイベントの実施を予定する。「海外でON・ガスイベントを展開する際は、相互交流が前提になる」と小川理事長。「相互交流というカタチならば、互いの国、地域に人を動かす流れができる。国内の場合、各温泉地に国内外から多くの人が集まることで活性化につなげられる」と説明した。

 2つ目の目玉は、東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)でのイベント開催。来年4月1日から9月30日に行われる東北デスティネーションキャンペーン(東北DC)に向け各県の魅力を発信するのが狙い。特別列車をクラブツーリズム、びゅうトラベルと一緒に運行するなど、全国から東北に人を集める仕掛けを施す。

 各地で開催されるイベントには、観光業界以外からも熱い視線が向けられている。

 機構は3つ目の目玉として、こうした異業種とのコラボレーションイベントを展開する。第1弾として、愛媛県今治市のプロサッカーチーム「FC今治」との合同イベントを開催予定。同チームのホームゲーム前日にイベントを開き、参加者には翌日の試合観戦も楽しんでもらう計画で、イベントには、所属選手の一部も参加する方向で準備を進めている。

 これら3つの目玉に加え、新しい形態のON・ガスイベント、長期滞在型イベントもスタートする。新しい形態のON・ガスイベントは、会員企業のぐるなびとともに、銭湯を舞台に展開する。名称は、「SENTO・ガストロノミーホッピング(仮)」。参加者は銭湯に浸かったのちに、オリジナルの浴衣に着替え、周辺のレストランを巡る。

 一方、長期滞在型では、会員企業のクラブツーリズムが展開する旅行商品「暮らすような旅」の中にイベントを組み込む考えを示す。
 同旅行商品は、1、2カ所に3連泊以上する長期滞在型の旅シリーズ。これにON・ガスイベントを組み合わせ、温泉地の経済活動を活発にする仕掛けを構築することが狙いだ。

環境省と連携

 推進機構は今年2月4日、東京都内で交流会を開き、より広く活動をPRするとともに国立公園の活性化をはかるため、環境省と連携し、体制を強化すると発表した。

 今後どのようなカタチで活動を展開するかは現在検討中だが、国立公園と全国の温泉地を活性化させるプロジェクトを展開することが、「観光立国」を目指す日本の国益に適うと考えている。

温泉地の課題解決へ

 参加者は2016年の約300人から19年は約6500人と大幅に増え、開催地も年々増加。今年はすでに34カ所での開催が決定している。

大自然の中を歩くのも魅力

 推進機構としては年々参加者が増え、新規開催地も増える今、共通の主催マニュアルを作る構想を抱いている。

 「地域が自分たちで実行委員会を立ち上げ、ゼロからイベントを作り上げているので、地域の負担が大きくなっている。マニュアルを作ることで、負担を軽くし、より地域色の濃いイベントに磨き上げてもらうことが狙い。細かなことは定めず、ある程度の共通のルールを決めるにとどめたものにする」と、小川理事長は概要を説明する。

地元のグルメでおもてなし

 推進機構の使命として「温泉地の活性化」にさらに注力する姿勢も示した。春と秋の2回イベント開催地で、温泉地や地域人材の育成などをテーマに議論し合う「温泉・国立公園活性化大学校(仮)」のようなフォーラムも開催したい考えだ。

 そのうえで、「地域の現状をイベントを通じて細部まで見てきたから気づいた課題もある。例えば、旅館の修繕費や廃業した場合の解体費など、館の維持、管理には多額の費用負担が必要だが、これを1施設で賄うのは難しい。温泉地全体で積み立てなど経理を共通化するシステムの構築が有効だと思う」と持論を展開。「地域それぞれがイベントを磨き上げ、参加者の満足度の高いモノに仕上がってきている今が、行動を起こす最適なタイミング」と力を込めた。