斉藤国交大臣に陳情書提出 訪日観光への支援求める(アジアインバウンド観光振興会)
2021年11月25日(木) 配信
アジアインバウンド観光振興会(AISO、王一仁理事長)は11月22日(月)、新型コロナで影響を受けるインバウンド観光業界に関する陳情書を斉藤鉄夫国土交通大臣宛に提出した。ワクチンパスポートを活用し、査証免除措置の停止や、発給された査証の効力停止措置の撤廃に加え、Go Toトラベル事業再開時に、期間限定でインバウンドへ適用することなどを求めた。
内容には、雇調金特例措置の延長、家賃支援給付金の支給の再開、訪日外国人の新型コロナ感染患者受入病院の拡充、新型コロナで進む観光のデジタル化など先進国に合わせた早期取り組み、コロナ禍において離散したインバウンド産業の人材育成への支援、国際旅行の早期再開──を盛り込んだ。
陳情書は観光庁観光戦略課の片山敏宏課長に手渡された。
王理事長は11月25日(木)の会見で、「これまでも、観光立国への道のりは平坦ではなかった。さまざまな天災を乗り越えてきたが、新型コロナに直面している今は政府の力が必要」と話した。
2020年4~7月の訪日外客数は、4カ月連続で前年同月比99・9%減だった。
AISOは、「19年の訪日外客数の約9割が観光客であったことから、仮に1年間分の訪日外国人旅行消費を9割喪失するとすれば、GDPの0・8%が剥落する試算になる」と危機感を示している。
インバウンドの完全復活は23年になると試算されているなか、取引先が倒産や事業縮小をしているなどの理由から、需要が急回復したとき「不安がある」と答えたランドオペレーター企業は75%にのぼった(日本インバウンド・メディア・コンソーシアム調べ、回答件数国内ランドオペレーター社40件)。
石井一夫専務理事は、「回復に時間がかかるインバウンド業界が忘れられると、事業撤退や倒産が相次ぎ、将来的に担い手不足に陥る」と懸念を示し、「市場の回復の波に乗れるよう、アフターコロナのインバウンドを支える国内ランドオペレーター社の支援を求めた」という。