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【特集No.598】飯島町タウンプロモーション 「小さな町でもココまでできる」

2021年12月1日
編集部:増田 剛

2021年12月1日(水)配信

 長野県・飯島町は中山間地域にある人口9000人余りの小さな町だ。ICTを取り入れた新しいまちづくりを目指して今年4月、任意団体「飯島町タウンプロモーション」(ITP)を立ち上げた。独居高齢者のコミュニケーション支援や、病児病後児保育施設の予約システムづくり、町の魅力などの情報発信も強化している。飯島町議会議員の久保島巖氏、同町職員でITPアドバイザーを務める下平英樹氏、トラベルキャスターで飯島町との関わりが深い津田令子氏の3氏が「小さな田舎町でもココまでできる」をテーマに語り合った。

【増田 剛】

 ――今年4月に任意団体「飯島町タウンプロモーション」(ITP)が発足しました。

 下平:3年前に、さくら祭りの“ライトアップイベント”でSNSを活用して実施した戦略的プロモーションがすべての始まりでした。最新技術や流行を取り込むことに成果を実感し、「これを成功モデルとして今後も発展させよう」と町に提案しましたが、町には受け入れられず、町に頼らずに想いが同じ者を募って水面下で活動していくことになりました。
 その後、具体的に事業を進めていこうとした矢先に新型コロナウイルスの感染拡大により、一切のイベントが開催できなくなりました。
 そこでコロナ禍のうちにICTを活用したさまざまな事業環境を整備しておこうと考え、継続して進めてきました。

 久保島:町の情報発信はポスターの掲出や、新聞告知、折り込みチラシなどアナログの手法が今も主体ですが、SNSなどICTを活用した町内外への発信が必要だと考えました。
 桜を紫やオレンジ色にライトアップしたさくら祭りでは、SNSに投稿する人が増えました。しかしながら、高齢者が多い町では、スキルを持った町民やスタッフも少なく、なかなか前に進まない状況でした。
 町と外部団体で組織され、運営していた「まちづくりセンターいいじま」が「利益を上げる団体になっていない」との理由で3年前に廃止になりました。長年蓄積してきたデータもなくなり、「我われのグループでまちづくりをサポートし、発信していきたい」とITPの発足に向けて動き出しました。

 津田:すべてがなくなってから立ち上げていこうというところからのスタートですね。ITPのメンバーは何人ですか。

 下平:現在7人です。
 まずは国内8900万人が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」の公式アカウントを取得し、情報提供を始めましたが、不特定多数に一方的に発信する形式に留まっていました。
 もう一歩踏み出そうと、さまざまな情報共有やデータ管理も可能なLINE WORKS(ラインワークス)を使っていくと、私がアンバサダーに就任する経緯となり、最新の流行とテクノロジーがラインワークスを通じて私に入ってくるようになりました。ITPのなかでも費用もかからず、一番理想的な情報共有ができています。

 久保島:下平さんが就任したアンバサダーは、行政職員では全国でもとても珍しいケースです。ラインワークスのノウハウをITPでも活用し、発展させていこうと考えています。

 下平:それが現在取り組んでいる「高齢者ICTプロモーション」と「おひさまハウス運営プロモーション」です。
 ラインワークスを利用すればテレビ動画で話ができるので、高齢者は独りぼっちにならない。
 病児保育は電話やファクシミリではなく、ラインで予約ができるようになります。母親世代はほぼラインを日常的に使っているので、とても使いやすいと思います。

 久保島:医師と協力した高齢者の見守りサービスは私の公約でもあります。まずはIT弱者と言われる高齢者にタブレットに触っていただく機会を作ろうとしています。

 津田:高齢者がタブレットと親しめるセミナーを開いたのですか。

 下平:コロナ禍でまだ1度開催しただけですが、「面白かったのでもう一度やりたい」という参加者の声もありました。タブレットの操作講習を継続していけば、「タブレットを購入したい」という高齢者も出てくると思います。いずれ独居高齢者にタブレットを配布する提案もしていきたいですね。……

【全文は、本紙1853号または12月7日(火)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

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