シニアジョブ、宿に高齢人材紹介 縮小人員戻す声に応える
2021年12月7日(火) 配信
50歳以上の高齢者に特化した人材紹介と派遣業を展開するシニアジョブ(中島康恵社長、東京都新宿区)は11月22日(月)から、試験的に展開していた60代以上のシニアの調理人人材をホテル・旅館に紹介するサービスを本格的に始めた。「コロナ禍で人員が減ったホテル・旅館から年齢の高い人材を求める声が緊急事態宣言の解除後、急激に高まっている」(同社)という。
同社は2019年に、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催による訪日外国人観光客の増加で、人手が不足すると予測し、宿泊業への紹介をスタート。東京オリ・パラの延期や外出自粛要請などで観光業が大打撃を被っている状況を踏まえ、一時中断していた。
現在は、通勤が難しい山間部などにある宿泊施設などを中心に、「子供が自立したことで勤務地を柔軟に選択でき、豊富な経験を持つシニアを求めている」(同社)という。コロナ前まで約300件だった取引先は、宣言が解除された21年10月以降、約500件にまで増加した。
さらに、高い重症化リスクを不安に感じて離職した高齢者が増加したなか、再就職を求める人材が増えているという。
これを受け、同社は21年度内までに、10年以上の調理経験を有する200人程度を全国の旅館・ホテルに採用してもらう予定だ。
シニアジョブは年齢だけを理由に求職者の就職が難しくなっている状況を改善しようと、2014年に創業。これまで介護や建設、自動車整備事業者などに人材を紹介している。