新たなふるさと納税のカタチ「旅先納税」がより便利に、ギフティ
2021年12月15日(水) 配信
eギフトプラットフォーム事業を手掛けるギフティ(太田睦・鈴木達哉代表取締役、東京都品川区)は12月15日(水)、旅先でふるさと納税ができる「旅先納税」に、一度の寄附者情報の登録でさまざまな自治体で利用できる「旅先納税ID」を導入した。利用者の利便性向上とともに、新たな地方創生の機会創出を目指す。
同社は2016年から地域を活性化し、自治体のデジタル化を支援するサービスを開始。現在は38事業を展開し、80自治体が各サービスを導入している。昨年の「Go Toトラベル地域共通クーポン」では電子クーポンの領域を同社のシステムが担っていた。
このうち、同社が提供する自治体・地域の課題を解決するデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム」の1サービスである「旅先納税」システムは、19年11月に岡⼭県瀬戸内市が導入以降、5つの自治体が採用している。「旅先納税」は、旅行中などに寄附をすると返礼品として、その場で即座に市町村内の加盟店で使用可能な電子商品券を受け取ることができる、ふるさと納税の新たな手段。
また、地域で利用できる電子商品券は、プラットフォームの基本ソリューションである地域通貨や商品券、乗車券など地域の「価値」を電子化して発行するシステム「e街ギフト」を介し発行されるもの。同システムは、北海道猿払村などが導入している。
同日、同社はオンラインで会見を開き、太田代表取締役は同社のプラットフォームについて、「自治体や企業など発行主体と加盟店、利用者のすべての参加者にメリットがある“三方よし”のサービスだ」と紹介。紙ギフト券からの脱却で、コスト削減や業務の削減、購入時の手間などが省けることを利点とした。
「旅先納税」については、森悟朗執行役員が詳細を説明した。現状、納税者のうちふるさと納税を行っているのは約10%という総務省のデータを示しながら、「ふるさと納税未実施の90%のブルーオーシャンを狙う。カタログギフトと化しているふるさと納税の新しいカタチとして、現地での実際のサービスを返礼品に変えていきたい。新たな文化を作っていく」と意気込んだ。
今後は認知度向上に努め、全自治体のうち、15%からの参画を目指していく。
来年1月には国内の観光人口拡大や「旅先納税」による、ふるさと納税の寄附拡大に取り組む自治体を中心に、「旅先納税広域連携コンソーシアム(仮)」を立ち上げる予定だ。