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トコジラミ被害 急増中、「旅行カバン伝播」に警戒を

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旅行後は60度以上のお湯で死滅

 海外旅行、国内旅行で人の移動が多くなる夏休み。総合ハウスメンテナンス企業「アサンテ」は、旅行鞄から伝播しやすいトコジラミ(別名:ナンキンムシ/ベッドバグ)の被害に警戒を呼び掛けている。

 近年、米国や欧州、オーストラリアなどで、トコジラミによる被害が急増し、深刻な社会問題となっている。ニューヨーク市は09年7月から10年6月までの1年間で、トコジラミに関する苦情が前年の2万6千件から3万1719件に増加するなど、世界各国でトコジラミ被害が拡大している。

 「トコジラミが生息している場所に宿泊し、スーツケースや衣服に付着して移動してしまう『旅行カバン伝播』が主な原因と考えられている」(アサンテ)とし、「日本と海外の行き来が多くなる夏休みは一層の警戒を」と注意喚起している。付着したトコジラミの中に卵を持ったメスが1匹でもいれば、移動した先々で繁殖し、被害が拡大するという。

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 13年に訪日外国人数が1千万人を超え、14年は1300万人にも届く勢いで、海外からの旅行者が急増している。外国人旅行者のスーツケースや、衣服に付着して国内に浸入したトコジラミが、旅館やホテルなどの宿泊施設に持ち込まれ、「一つの部屋で繁殖したトコジラミが、清掃者などによって部屋から部屋に短期間で蔓延するケースもみられる」(同社)としている。

 日本でも近年、トコジラミの被害は急増している。

 東京都福祉保健局の調査によると、12年には342件の相談件数があり、05年から約13倍に増えている。

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 トコジラミは、シラミの仲間ではなく、カメムシの仲間。刺咬によって感染病を媒介することはないが、人によっては強いかゆみや赤いみみず腫れ、精神的ストレス、アレルギー反応などが現れる。

 成虫は体長5―8ミリ、幼虫は1―2ミリで、「暗い・温かい・狭い隙間」を好む。日中はベッドマットや壁、床板、家具、ソファ、電化製品、カーテン、箪笥類、壁に掛けた絵の裏、押入れ、畳の縁や内部などあらゆる隙間に潜んでいる。

 吸血行動は通常夜間(深夜)に行われる。メスは1日に5―6個の卵を産み、卵は1週間ほどで孵化する。その後、40日から3カ月ほどで成虫となるので、大繁殖しやすい。

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 トコジラミ被害の多い地域に行く際の注意点として、旅行中は宿泊する部屋に到着したらベッドの縁やソファ、カーテンなど、とくにトコジラミがいそうなところを隈なく調べる。

 さらに、「肌を露出しないように長袖を着て寝ること。荷物を床やソファ、ベッドに直接置かないことも予防につながる」としている。

 また、旅行から帰って来たら、着ていた服を60度以上のお湯に1分以上浸けることが効果を発揮する。「万が一トコジラミが付着していても、トコジラミは熱に弱いため、死滅させることができる」(同社)とアドバイスしている。

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