日本秘湯を守る会 星会長「47年間引き継いできた理念を確認したい」
2021年12月16日(木) 配信
日本秘湯を守る会(星雅彦会長、160会員)は12月15日(水)、静岡県熱海市の大観荘で2021年度(第47回)定時社員総会を開いた。コロナ禍で本格的な開催は2年ぶり。
星会長は「47年間引き継いできた『共生』の理念を皆でもう一度確認したい」と力強く語った。販売面では、昨年度るるぶトラベルとの5年間の連携契約が期限を迎えたが、新たに3年契約を結んだ。秘湯Webサイトの予約システムと連動した会計ソフトの構築など、IT化も進めている。
日本秘湯を守る会は1975(昭和50)年に、33軒の山の宿が集まり創立した。
“旅人の心に添う 秘湯はひとなり”の理念のもと、会員が親戚のような関係性で47年間継承してきた。星会長は「『売れれば、それでいい』という目的の集まりであれば、とうに無くなっている」と語り、「共生」の理念を大切にしながら「常に新しい旅文化の創造を目指していきたい」と述べた。
20年3月に解散した朝日旅行の協力会だった「日本旅文化を創る会」が、今年3月に姿を消した。「日本秘湯を守る会」に加え、「日本源泉湯宿を守る会」、「日本文化遺産を守る会」を存続させ、法人格を持たせる考えだ。
また、これら3部会(法人)を傘下に収める「日本温泉文化を守る会」を新たに設立。社員総会後には新ロゴも公表した。今後は、3部会合同での事業も検討していく。
22年度は、同会会員宿を紹介する書籍「日本の秘湯」ガイドブックの22版目の出版を予定するほか、「宿泊客や会員宿にも、もっと使いやすいように」と、公式Web予約サイトのリニューアルも計画している。
佐藤好億名誉会長は「日本の原風景を一番持っているのは、我われ秘湯の宿。自分の生まれた故郷を未来につないでいく覚悟を持って、地域の温泉文化を残していってほしい」と語り掛けた。