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【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その9-袋田の滝と胎内観音&不動尊巡礼(茨城県・大子町) 再生力アップの巡礼  滝の飛沫浴でストレスケア 

2022年1月3日
編集部

2022年1月3日(月) 配信

 日本三名瀑といえば、和歌山の那智の滝、栃木の華厳の滝、茨城の袋田の滝です。今回はその1つである、東京からも近い、袋田の滝とその周辺の胎内観音&不動尊巡礼をご紹介いたします。

袋田の滝

 滝というのは、人間のマイナス感情であるイライラした感情を静めて、心身を浄化作用する力があるといわれています。滝の音や滝の持つ清らかな白さを鑑賞していると、乱れた感情が落ち着きを取り戻し、穏やかな境地に変化していきます。
 
 滝の音は「1/f(エフ分の1)ゆらぎ」というリズムで、人間の脳波や心拍数と同調するそうです。心が負の感情で包まれていたら、滝の持つ力を借りて、明日への活力を湧き起こしていきましょう。飛沫浴(ひまつよく)という言葉もあり、飛沫をたくさん浴びれば浴びるほど、ストレスや不眠症に効果的とのことです。
 
 また、仏教の禅に「本来無一物」(ほんらいむいちもつ)という言葉があります。これは、あらゆるものすべてを失ったとしても、生まれたばかりの赤ちゃんのときには、何も持たずに生まれてきたのであって、赤ちゃんのときのように、まっさらな状態に戻ったというだけの意味です。

 
 滝には、この「本来無一物」の意味のように、煩悩や執着も無くして、再スタートしていく力を授けてくれるのではないでしょうか。
 

 

 さて、袋田の滝へは、JR東京駅から特急ときわ、ひたちのどちらかに乗り、水戸駅でJR水郡線に乗り換えて、袋田駅を下車。徒歩40分、バス10分程度で到着。
 
 私の場合、袋田駅から、マイナスイオンたっぷりの自然と町中を歩いて行きました。歩いて行くことで、自分の改善したいこと、進むべき方向性などを思い巡らすことができて、その次の滝や巡礼のときに、答えが見つかるような気がしました。
 
 袋田の滝は、茨城県の奥久慈のシンボル的存在であり、現在は恋愛のパワースポットとしても有名です。久慈川の支流・滝川にかかる落差120㍍・幅73㍍、大岩壁を4段に流れ落ちる滝です。袋田の滝は、4段の滝になっているところから「四度の滝」とも呼ばれています。弘法大師・空海様が4度護摩修行を行ったことにも、由来されています。
 
 江戸時代には、水戸黄門の徳川光圀公も訪れました。
 
 四季それぞれの季節の自然を彩る美に囲まれた滝であり、西行法師が訪れた際、「四季に1度ずつ来てみなければ、真の風趣は味わえない」と絶賛していたようです。
 
 まず、滝の入口手前の茶屋街に、四度瀧不動尊(よどのたきふどうそん)の本堂があります。袋田の滝をお不動様が、強く守っていることを感じます。厳しい愛情で私たちの煩悩を断ち切って、良き道へと導いてくれるでしょう。
 
 袋田の滝に入り、トンネルを歩いていくとすぐに、胎内観音様にお目にかかれます。トンネルの中は、洞窟を想起させます。そして洞窟は、母の胎内を表すともいわれています。胎内観音様にお参りすることで、安産・子育てに良きものをもたらすのかもしれません。
 
 その先には、観瀑台があり、岩肌を4段に流れる、限りなく澄んだ純白の滝の存在感に圧倒されるでしょう。そこで、深呼吸をして、すべての負の感情を吐き出すと、より浄化できそうです。
 

四度瀧不動明王 拝殿

 観瀑台の終点に、四度瀧不動尊の拝殿がありますので、再びお参りしましょう。エレベーターで昇る新観瀑台の下の斜面には、奥の院が祀られています。滝と胎内観音様とお不動様のお力で、訪れる人たちに平安な心を授けてくれる力があると感じました。また、再生力といったものを全身に受け取ることができるような気持ちになりました。心機一転、何かを始めたい人には、最適な精神性の高い旅といえるでしょう。

 

旅人・執筆 石井 亜由美
東洋大学国際観光学部講師、カラーセラピスト。精神性の高い観光研究部会メンバー。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。

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