立教大学舛谷鋭研究室、トラベルライティングアワード2021 機内誌以外から初選出
2021年12月22日(水) 配信
立教大学観光学部舛谷鋭研究室は12月20日(月)、新座キャンパス(埼玉県)で、旅の体験を文章で表現した作品を表彰するトラベルライティングアワード2021の表彰式を開いた。最優秀賞として、東海旅客鉄道の車内誌「ひととき」の2020年1月号に掲載された「長崎―坂、階段、ときどき猫」(文=瀬戸内みなみ、旅人=山根明弘)が受賞した。日本航空または全日本空輸の機内誌以外から選ばれたのは初めて。
同賞は2007年に、日本での知名度が低い「トラベルライティング」の認知度向上を目的に設立。舛谷研究室の学生が、作品のテーマが魅力的か、新鮮な驚きや発見があるか、行ってみたいか、写真などのビジュアル面で惹きつけられるか――などを基準に投票し、選出している。今年の対象は、16誌156作品。
瀬戸内さんは「若い学生に評価されたことをうれしく思う」と想いを語った。
同日には、学生奨励賞の授賞式も開催。滋田実玖さん(観光学部交流文化学科)の「言葉の壁をこえて」が最優秀賞に選出された。フランス旅行で、現地の母国語6単語のみでも、人と心を通わせることができた経験を綴っている。
また、優秀賞として、堀茉莉子さん(同観光学科)の「灯台の下の宝石」と、小森えりかさん(同交流文化学科)の「第三のおばあちゃん」が受賞した。
同賞は、旅の文章として優れた内容だけでなく、場所・土地の理解の容易さ、タイトルとリードが本文と内容と合致していること、筆者ならではのメッセージの強さで受賞者を決める。
今回の対象は400を超える作品の中から、同講義の担当講師・抜井ゆかり氏が1次審査で23篇に絞った。その後、舛谷ゼミの同賞担当学生が9篇を選出。このなかから、奨励賞選考委員会が、最優秀作品1篇と優秀作品2篇を選んだ。
奨励賞選考委員会の藤岡久左志氏(ダイヤモンド・ビッグ社元社長)は「導入部分の長い学生が多かったなか、最優秀作品は本題までの文字数が少ないことを評価した」と講評。
最後に、作者の知名度に関わらず表彰してきた同賞について、舛谷教授が昨年の受賞者が著名な村上春樹氏だったことに触れ、「今年は、本来の主旨に沿うことができた」とまとめた。