第2のふるさとづくりPJ 今春にモデル実証へ(観光庁)
2022年1月6日(木) 配信
観光庁は昨年12月28日(火)に、「第2のふるさとづくりプロジェクト」の骨子となる中間とりまとめを行った。3回にわたり行われた有識者会議の内容を踏まえ、市場調査や仮説検証を行ったうえで今年3月には最終のとりまとめを行う。4月のモデル実証を目指し、検証を進めていく。
同プロジェクトでは、ふるさとを持たない大都市の若者が田舎にあこがれを持って関わりを求める動きに、新たな国内観光需要の可能性を見出した。
地域資源に触れ、地域との関係性や参画が徐々に深まることで、自発的な来訪が増え、滞在の長期化が見込める可能性があるとして、旅行者側の潜在需要に着目。他者とのリアルなつながりを求める動きがあるなかで、交流・関係人口のさらなる創出を目指す。
有識者会議では、地域を訪れる人びとには、旅行している層や旅行をしたい層のほかに、旅行と認識せずに移動している層、ボランティア層など「個人の発意」によるものと、企業研修や教育旅行で訪れた「組織の意向」によるものの2種類がいると分析した。
これらの層が滞在する環境づくりとして、安心と居心地の良さを提供するほかにも、地域と来訪者双方にメリットが感じられるつながりを形成する必要があるとした。
また、宿ナカであるヤドには、訪問頻度や滞在スタイルに応じた快適で柔軟なサービス、最低限のインフラが整っていることや、泊食分離による地域での食事を促すなどの工夫が求められる。宿ソトであるマチには、再来訪する理由や、地域への「関わりしろ」が感じられるかが重要とした。
都市―地域間や地域内での移動環境(アシ)については、公共交通が発達していない地域内の移動手段を確保することが課題とされている。タクシーやレンタカー、新たなモビリティなどを活用しているモデル事業を参考に取組みを検討する。
観光庁は、「何度も地域に通う旅、帰る旅」というスタイルの推進・定着を目指し、地域経済の活性化につなげていく。