佐賀県唯一のスキー場「天山スキー場」経営会社 自己破産申請へ(帝国データバンク)
2022年1月13日(木) 配信
佐賀県唯一のスキー場「天山スキー場」を経営する天山リゾート(佐々木峻社長、佐賀県佐賀市)は1月6日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンクによると、負債は調査中という。
同社は、別法人が経営していた天山スキー場の経営を継承する目的で、地場有力企業の出資を受け、1998(平成10)年9月に天山ハイランドサガの商号で設立。02年9月に現商号に変更していた。
人工降雪施設を備えた天山スキー場や、グラウンド、屋外プール、テニスコートなどを運営するほか、シーズンオフにはラベンダー園も開園し、03年8月期には、年間収入高約6億5600万円を計上していた。
しかし、その後はスキー人口の減少などで13年8月期の年間収入高は約2億円に落ち込んだ。収益も低調で最終赤字を余儀なくされた。設備投資などに伴う借入金負担も重く、資金繰りが逼迫していた。
近年は暖冬による雪不足などで厳しい運営を強いられるなか、新型コロナウイルスの影響も受け、来場者が大幅に減少。20年シーズンから2季連続でスキー場の営業を休止していた。
この間、ドリフトやドローン走行の会場として敷地を貸し出すなど、別事業の立て直しをはかったが、佐賀県労働基準監督署から最低賃金法違反(賃金不払い)の疑いで、同社と代表が書類送検される事態が発生。スキー場再開の目途が立たないことから、1月6日をもって天山リゾート(スキー場)を廃業する旨をホームページ上で告知していた。