北海道・旭川の温泉旅館「高砂温泉」経営会社が特別清算へ 負債は約2億4800万円(帝国データバンク)
2022年1月14日(金) 配信
三島管財(旧商号:高砂温泉、代表清算人=廣田善康弁護士、北海道旭川市)は1月7日、旭川地裁に特別清算を申請した。帝国データバンクによると、負債は約2億4800万円。
同社は1956(昭和31)年創業、66(昭和41)年4月に法人改組。旭川市街を一望できる温泉旅館「高砂温泉」を経営していた。当初は工事事業者や、出張者の宿泊先として固定利用客が多かったほか、冬場は学生のスキー合宿などの団体客を中心に獲得。仙人と天女が登場するテレビCMは道内で高い知名度を有し、03年2月期には年間収入高約3億2900万円を計上していた。
しかし、近年は旭川中心部でビジネスホテルの建設が続くなど、同業者との競争が激化。日帰り入浴も市内のスーパー銭湯などとの競合によって利用客が減少していた。
さらに、20年以降は新型コロナウイルス感染拡大によって宿泊・宴会需要が落ち込み、21年2月期は年間収入高約5300万円に対し、約4900万円の最終赤字を計上。このため、自主再建を断念し、同年3月に設立されたTo(現・高砂温泉、旭川市)に事業を譲渡。同社は高砂温泉から現商号に変更し、21年10月31日開催の株主総会の決議により解散していた。
なお、旅館は現・高砂温泉が運営を引き継ぎ、現在も営業をしている。