11年ぶりに余暇市場拡大、国内観光旅行5590万人で首位(レジャー白書2014)
日本生産性本部(松川昌義理事長)は8月4日、1977年以来通算38号目の「レジャー白書2014」を発表した。これによると、13年の「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)の参加人口が5590万人と3年連続で首位となり、余暇活動の代表格として定着。また、13年の余暇市場は、観光・行楽部門が好調に推移し、前年比0・8%増の65兆2160億円と11年ぶりに市場が拡大した。
【増田 剛】
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13年の余暇市場は、02年に0・7%増加して以来11年ぶりにプラスとなった。とくに観光・行楽部門が前年比4・0%増と2年連続で大きく伸びたのが特徴で、志村武範主幹研究員は「消費増税の駆け込み需要も拡大要因となった」と説明。一方、趣味・創作部門は同2・7%減とマイナス傾向のまま回復に至っていない。スポーツ部門は同0・1%増と横ばい。娯楽部門は同0・8%増と食が好調で、カラオケボックス(ルーム)も増加が続いている。公営ギャンブルは2年連続の増加となった。
余暇活動の参加人口は、国内観光旅行が5590万人(12年は5670万人)で3年連続の首位となった。2位はドライブで4690万人(同5200万人)、3位は外食(日常的なものは除く)で4470万人(同5170万人)、4位は映画で3780万人(同4090万人)と4位までは不動だったが、前年5位の「音楽鑑賞」が11位までランクが下落した。一方、順位を上げたものは、「複合ショッピングセンター、アウトレットモール」「動物園、植物園、水族館、博物館」「宝くじ」「ビデオの鑑賞」「ウォーキング」「帰省旅行」「遊園地」などがあるが、順位は上がったものの参加人数ではいずれも前年を下回った。
観光・行楽部門では、遊園地・テーマパーク市場が同10・5%増の7240億円と過去最高の売上を更新した。旅行業は国内旅行が大きく伸び、同2・1%増の6910億円と2年連続で増加した。鉄道、貸切バス、国内航空もそれぞれ大きく増加した。
宿泊施設では、ホテルが同10・5%増の1兆820億円と2ケタの伸びを示したのに対し、旅館は同0・3%減の1兆3950億円と減少傾向に歯止めはかからず、ホテルと旅館の市場規模は年々近づいてきている。
また、1人平均10数種目参加している活動から「最も重視する余暇活動」を1つ選んでもらうと国内旅行が11・7%で最も多い結果となった。