37組織が賃金水準改善、サービス連合「大きな一歩」
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合、後藤常康会長)は、7月16日に開いた第14回定期大会の報告を7月18日に東京都内で行った。今年の春季生活闘争(春闘)では37組織の賃金改善が行われ、後藤会長は「すべての加盟組合で賃金水準を引き上げられなかったが、大きな一歩を踏み出した」と語った。
観光・航空貨物業で賃金改善要求を行ったのは69組合で実質的な賃金改善(ベースアップ)要求を行ったのは59組合。賃金改善要求の妥結額は、6月19日時点で集計できた25組合の加重平均で6767円(算定基礎月額の2・20%)、単純平均で6850円(同2・24%)。一時金については、夏期が1・89カ月(前年夏期は1・81カ月)。年間で水準を合意した組合は減少傾向だった。契約社員やパートタイマーの賃金改善は、34組合が要求し、19組合の合意となった。
ホテル・レジャー業で賃金改善要求を行ったのは42組合で、実質的な賃金改善要求を行った組合は35組合。賃金改善要求の妥結額は6月19日時点で集計できた22組合の単純平均は4342円で、昨年実績の4104円(17組合)を超えた。一時金については、妥結した組合の単純平均は夏期が1・24カ月で昨年夏期の1・07カ月から改善。年間では2・72カ月で、昨年の2・43カ月を上回った。契約社員やパートタイマーの賃金改善は、18組織が要求したが合意は少数にとどまった。
組織強化の補強として加盟組合の訪問頻度を増やし、発行物増強で加盟組合や組合員に運動方針や活動を周知させる。また、年間所定内労働時間2千時間以内を目指すなかで労働時間が増加している問題にも取り組む。
秋季生活闘争(秋闘)の方針は、今年度の春闘の要求水準をそのまま掲げる。
15年春闘については、「一歩踏み出しただけでは十分ではない。まだ上積みが必要。月例賃金や35歳年収550万円の実現は引き続きこだわっていく」とした。