貸切バス事業「総和観光」(茨城県古河市) 負債は約7億6400万円
2022年2月4日(金) 配信
貸切バス事業の「総和観光」(田續勇人社長、茨城県古河市)は1月19日(水)、水戸地裁下妻支部から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約7億6400万円。
同社は、1998(平成10)年12月に設立。大型バスを中心に30台以上の車両を有し、インバウンド客の輸送のほか、地元事業所や学校関係、地域団体などの送迎を手掛け、18年3月期には年間収入高約8億6400万円を計上していた。
しかし、近年は同業者との競合や、燃料高の煽りを受け収益が悪化。営業所の撤退などを余儀なくされていた。厳しい経営環境を強いられるなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、インバウンド需要が蒸発。緊急事態宣言発令に伴う外出自粛などもあり、21年3月期の年間収入高は約6800万円に落ち込み、大幅欠損を計上するなど業績は急激に悪化していた。
車両の売却をはじめ、各種補助金や金融機関からの融資を利用して事業継続を模索していたが、期待していた東京オリンピック・パラリンピックの送迎需要が振るわず、先行きの見通しが立たなくなった。