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日本専門新聞協会、新春講演会に茂木健一郎氏 「コミュニケーション力と創造性を」

2022年2月8日
編集部:木下 裕斗

2022年2月8日(火) 配信

茂木健一郎氏。「人間の脳は他人とのコミュニケーションによって『やりがい』などの個性を把握し、幸せを認知している」と説いた。

 日本専門新聞協会(入澤亨理事長)は1月27日(木)、東京都内で新春講演会を開いた。講師には脳科学者の茂木健一郎氏が「ウィズコロナの時代でこそ活きる、人間の脳の可能性」をテーマに登壇した。

 茂木氏は冒頭、台頭するネットニュースはアクセス数を意識して記事を発信し、一方受け手も自分に関心のあるニュースしか読まない傾向があると危機感を示した。さらに、「驚くべきことに若者はもはやヤフーニュースさえも読まない」と、かつては老若男女が共有していたコモンセンス、共通知が社会から失われている弊害を指摘した。

 このような状況で新聞の持つ利点として、「長年の経験から、生きるうえで知るべき『共通の知』を提供していることに価値がある」とエールを送った。

 画一的な能力に優れたAI(人工知能)が発達した時代で、人間に求められる能力については、「コミュニケーション力と創造性」と茂木氏は断言。「ペーパーテストの点数では測れない、さまざまな人間の個性がこれからの時代、もっと生かされるべき」と述べた。

 脳科学の研究を基に、「人間の脳は他人とのコミュニケーションによって『やりがい』などの個性を把握し、幸せを認知している」と説いた。例えば、保有するお金の多寡や、子供の出産前後で幸福度が変化しない研究結果を紹介し、「幸せは特定の条件に依存しない」と脳の特性を語った。

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