偕楽園観光(徳島市)が自己破産申請へ(帝国データバンク)
2022年2月14日(月) 配信
偕楽園観光(住友文子社長、徳島県徳島市)は2月2日(水)に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。帝国データバンクによると、「今後自己破産を申請する予定」という。
同社は1916(大正5)年創業、56(昭和31)年2月に法人改組した老舗の旅館経営業者。徳島の観光名所である眉山の麓で、66年11月に徳島グランドホテル偕楽園として新規オープンした。74年1月には新館を増築し、和室やツインルームのほか、700人収容が可能な宴会場も構え、観光客のほか、企業などの宴会需要を取り込んでいた。
その後、郷土料理店やフランス料理店、展望レストランも併営して業容を拡大し、02年12月期には年間収入高約5億円を計上していた。
しかし、近年は当地への観光客の減少が続いて利用客数が低迷していたなか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で観光客数が激減。20年12月期の年間収入高は約3700万円に落ち込んだ。過去の設備投資に伴う多額の借入金が負担となって収益も低調に推移し、取引先への支払い遅延が発生するなど、資金繰りが逼迫していた。