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添乗労働、みなし不適、旅行会社に時間管理求める(TCSA)

2014年9月1日
編集部

 日本添乗サービス協会(TCSA、山田隆英会長)はこのほど、会員会社の主な派遣先旅行会社43社に対し、添乗員の労働時間管理について書面で申し入れを行った。今年の1月、最高裁判所は旅行業界の慣例である添乗労働の「事業場外労働のみなし労働時間制」の適用を否認。これを受けて東京裁判所の判決が確定したことから、労働時間管理導入にともなう派遣料金についてTCSAの見解を示した。
【飯塚 小牧】

 従来、TCSAは添乗労働については、みなし労働時間制度適用を基本認識としてきた。しかし、東京高裁の判決結果や東京労働局と労働基準監督署が今春改定したリーフレット「事業場外労働に関するみなし労働時間制の適正な運用のために」で適用を明確に否認する記載がされていることから、「運営幹事会」や「添乗業務改善委員会」、6月に設置した「時間管理特別委員会」で協議を進め、認識を改める方針を固めた。会員へは、各地域の定例の意見交換会で趣旨を説明しているほか、関係委員会などの議事録を随時発信しており、今後は、時間管理に向けて社内体制や賃金制度の見直しを早急に行い、これまでの定額日当制での賃金支給から、労働時間に応じた賃金支給に改めるよう指導を徹底していく。

 一方、派遣労働者の添乗員の時間管理は派遣元のみならず、派遣先の旅行会社の適正な管理が不可欠なことから、今回、派遣法に乗っ取った労働時間管理について旅行会社に申し入れを行った。ポイントは(1)添乗労働は事業場外みなし労働が適用されないこと(2)派遣添乗員の労働時間管理は派遣先の旅行会社が行うべき業務であること(3)時間管理をすることで派遣添乗員の処遇が悪化しないよう配慮してほしいこと――の3点。 

 具体的な時間管理は、業務の特殊性から原則労働時間を「自己申告」とし、日程表や指示書に始業予定時刻と終了時刻を明記することや、顧客への日程表に「添乗員が適宜休憩を取る」旨の記載をすること、打ち合わせ・精算時の労働時間は指定時刻から起算すること、対客電話は打ち合わせ日当と別途、応じた派遣料金の支払いをしてほしいことなどを求めた。

 また、料金は現行の賃金から減額にならないよう配慮してほしいことを強調。派遣料金の考え方は時間単位で料金を定め、添乗時の労働時間に応じて支払い、1日の派遣料金は11時間相当額を最低補償とするか、基本派遣料金を1日につき3時間の所定外労働を含めた定額残業制とし、労働時間が11時間を超過した場合は、基本料金とは別に時間外労働相当分を支払うことと明記した。

 深夜労働時間帯(午後10時―午前5時)は、時間あたりの派遣単価に25%の深夜割増を加算した支払いを要求する。

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