山一観光が破産手続き開始 負債は約23億1200万円(帝国データバンク)
2022年3月9日(水) 配信
観光ホテルを運営する「山一観光」(藤原茂敏社長、大分県日田市)は2月25日(金)、大分地裁日田支部に自己破産を申請し、3月1日(火)に破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約23億1200万円。
同社は1976(昭和51)年7月に設立。大分県内では別府、由布院と並んで豊後3大名泉に数えられる日田市郊外の天ヶ瀬温泉郷で、観光ホテル「みるき~すぱサンビレッヂ」の運営を手掛けていた。客室数60室、露天風呂付客室を有するなど、インバウンド需要も取り込み、2017年4月期には年間収入高約4億3000万円を計上していた。
しかし、増改築などの設備投資に伴う多額の有利子負債を抱えていたことから、債務超過で推移。20年に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、利用客数が減少するなか、緊急事態宣言の発令で休館を余儀なくされていた。
加えて、「令和2年7月豪雨」が発生し、さらに業況が悪化した。21年4月期の年間収入高は約7000万円に落ち込み、営業段階から赤字を計上していた。債務超過額が拡大し、コロナ関連融資などでしのいでいたものの、先行きの見通しがたたず事業を断念した。