「川崎水族館(カワスイ)」運営会社、民事再生(帝国データバンク)
2022年3月31日(木) 配信
「川崎水族館(カワスイ)」を運営するアクア・ライブ・インベストメント(坂野新也代表、東京都千代田区)と、関係会社のアクア・ライブ・ネイチャー(同代表、同所)、アクア・ライブ・ギフト(同代表、同所)の3社は3月28日(月)、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。
帝国データバンクによると、「負債は現在調査中」という。
アクア・ライブ・インベストメントは2019年3月に設立。「水族館の神」と呼ばれる、代表の坂野氏が設立したベンチャー企業。グループ会社に施設運営を委託するかたちで「川崎水族館(カワスイ)」(神奈川県川崎市)を運営していた。
同氏は1970年代の沖縄海洋博覧会水族館(現・沖縄美ら海水族館)プロジェクトへの参画以来、葛西臨海水族館、サンシャイン国際水族館(現・サンシャイン水族館)リニューアル、足立区立生物園、東京ディズニーランドのカリブの海賊やジャングルクルーズなど、50年近くにわたり、名だたるプロジェクトを手掛けてきた。
「川崎水族館(カワスイ)」は都市型の水族館で、「世界の美しい水辺」をテーマに、世界各地の生き物を光や音、映像など五感で感じる新感覚のエンターテインメント施設。2020年12月期には年間収入高約2億500万円を計上していた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響や、緊急事態宣言の発令などにより、20年7月の開館以降、入場者数が伸び悩んでいた。
22年以降もオミクロン株の影響により、入場者数の減少に歯止めがかからないなか、追加の資金調達が困難となった。グループの事業運営に必要な資金確保ができず、法的手続きにより再建を目指すこととなった。
関係会社のアクア・ライブ・ネイチャーとアクア・ライブ・ギフトはともに19年12月に設立。アクア・ライブ・インベストメントグループは「川崎水族館」運営のための資金調達を目的として設立された川崎水族館に対して、債権者として同日、民事再生法の適用を申請しており、保全・監督命令を受けている。
なお、同日、イグニス(東京都渋谷区)がアクア・ライブ・インベストメント、アクア・ライブ・ネイチャー、アクア・ライブ・ギフト、川崎水族館との間で、事業再生を支援することを目的とする基本合意書を締結しており、営業に関しても通常通り継続している。