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【特集No.608】北海道・札幌観光バス 貸切バスの魅力を消費者へ

2022年4月9日
編集部:長谷川 貴人

2022年4月9日(土) 配信

 札幌観光バス(福村泰司社長、北海道札幌市)は1月14日、旅行新聞新社が取材活動などを通じて見聞きした観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰する「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2021」の優秀賞を受賞した。乗務員と事務職が1つの「チーム」となり、旅行会社の先にいる消費者に向けて、「バスガイド付き貸切バス旅行の楽しさを伝え、北海道のファンになってもらう」取り組みが評価された。佐藤圭祐常務取締役とバスガイドの丹野有希さんに詳しい話を聞いた。

オンラインバスツアーなど実施、ガイド付きバス旅行の楽しさ伝える

 札幌観光バスは、バスガイド付き貸切バス旅行の楽しさを伝える取り組みに力を入れている。おもな取り組みは、「オンラインバスツアーの開催」「YouTubeチャンネルの運営」「バスガイドによる音声番組(ポッドキャスト)配信」の3つ。オンラインバスツアーは2020年7月、YouTubeチャンネルはその1カ月前の20年6月、音声番組の配信は21年10月にそれぞれスタートした。

 同社は1964(昭和39)年創業の貸切バス専業事業者。「Brighten up Hokkaido~北海道を、輝かせよう~」という言葉をビジョンに掲げ、道内観光の魅力発信に注力してきた。

 しかし、2020年3月ごろから新型コロナウイルス感染症拡大の影響が出始め、一時期売上が前年比10%以下(20年5~7月)まで落ち込んだ。主力の貸切バス事業は、コロナ禍前の19年度と比べて20年度は約25%に。保有する貸切バスを約10台減らすなど事業を見直すなか、21年度は多少回復基調にあるが、変わらず苦境に立っているのが現状だ。

 そのようななかバス旅行の楽しさを伝え、この楽しさを忘れずにいてもらうため「オンライン」などを切り口に、新しい取り組みを始めている。

若年層参加の入口に、オンラインバスツアー

 オンラインバスツアーを始めたきっかけは「コロナ禍で乗務がなくなったバスガイドやバスドライバーたちの活躍の場を検討した」(佐藤常務)ことだった。同時期に香川県の琴平バスがオンラインバスツアーを始めたことを知り、自身もお客として参加。「これは面白い」と思い、ツアーで添乗をしていた山本紗希さんに連絡を取ったことから、北海道でのツアーが実現した。

 オンラインバスツアーを始めるにあたり、配信部屋や機材などの初期投資はなかった。道内の取材撮影は基本スマートフォン。北海道の雄大さを伝える空撮は、ドローン撮影が趣味というバスドライバーが全面協力する。編集や配信の方法は、インターネットなどで調べて運営している。

 「映像に合わせて話すこと自体、これまでなかったので、当初はリハーサルをかなりしました」(佐藤常務)と振り返る。回数を重ねることで基本的な一連の流れを作っていった。

 21年度オンラインバスツアーの催行回数は70~80回。商品ラインナップが少なくても、同じ旅行商品を複数の団体が利用するなどで催行し、1日2本という日もある。エージェントの場合、団体貸切というかたちで実施するケースも多い。

 参加者像を分析すると「意外とバス旅行の経験がない若い人も多い」(丹野さん)など、若年層がバスガイド付きバス旅行に触れる入口として、オンラインバスツアーが一役買っている。

【全文は、本紙1867号または4月15日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

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