高知県×KNT-CT、コロナ後見据えて地方創生の取組本格始動
2022年4月25日(月)配信
KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)は4月21日(木)、高知県(濵田省司知事)とアフターコロナを見据えた地方創生の取り組みについて合同記者会見を開いた。同社親会社の近鉄グループホールディングスが2018年、高知県と地方創生の推進に向けた連携と協力に関する協定を締結。今回の連携で両者の取り組みをさらに強化し、民間企業と自治体が協力して地方創生に取り組むモデルの創出を目指す。
おもな連携事業は、①観光振興②産業振興③移住促進④中山間振興――の4つ。観光振興としては、高知の自然体験や歴史、食を活用した長期滞在型や、自然環境保護の大切さを学ぶSDGs型の旅行商品を企画販売。日本遺産(四国遍路)や幕末の偉人などの足跡を辿るテーマ性の高い歴史文化観光商品も企画販売する。また、体験交流型教育旅行プログラムを企画開発し、首都圏や関西圏からの修学旅行の誘致をはかる。
このほか、高知県アンテナショップを中心に、県内の生産事業者や酒蔵などと連携した県産品のPR・販売の協力。移住関連事業の企画やPR、移住につながる旅行商品の企画販売を実施する。中山間地域においても、資源を生かした旅行商品の企画などで協力する。
□サブスクやTVなど、具体的な連携を発表
会見当日は具体的な取り組みの第1弾として、3つの事業を説明した。
1つ目は、クラブツーリズムが展開する月額定額制サービス「クラブツーリズムパス」に、仮称「高知だいすきクラブ」を設立。SNSによる情報発信、高知を学ぶ動画作成、共同イベントの開催などを実施していく。
2つ目は、クラブツーリズムが連携協定を結ぶテレビ東京ダイレクトの協力のもと、BSテレ東のテレビ番組「都会を出て暮らそうよBEYOND TOKYO」で、高知県の取り組みを紹介するとともに、旅行商品の企画販売や、高知県産品の販売促進をはかる。
3つ目は、「日本の植物学の父」と呼ばれ、23年春放送のNHK連続テレビ小説のモデルとなる、高知県出身の牧野富太郎博士ゆかりの地と連携してPR。博士の業績を顕彰する県立牧野植物園をはじめ、ゆかりの地と連携した旅行商品の企画販売を展開する。
米田社長は「昨年実施した修学旅行の訪問先に中四国が増えて、関西や九州発の修学旅行の相当数が高知県を訪れた。テーマ型旅行の最適な地として、高知県が選ばれている」と示した。また、「我われが一番力を入れているのは『心の旅』、四国の強みである八十八カ所(お遍路)巡りが必ず求められる。25年の大阪万博の年に向けて、国内旅行、訪日旅行で高知県を訪れていただく一助を担っていきたい」(米田社長)と締め括った。