「観光革命」地球規模の構造的変化(246) 夜景サミットの開催
2022年5月8日(日) 配信
ロシアによるウクライナ侵攻で一般市民への虐殺が生じており、国際司法裁判所(ICJ)が調査を開始した。日本ではコロナ禍の長期化と共に、諸物価も上昇し、旅行・観光の復活は容易ではない。
暗い話題が多いなかで明るいニュースを知って嬉しくなった。3月25日に北海道・札幌で一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューロー主催による「夜景サミット」が開催された。美しい夜景を観光資源に生かしたいと願う全国の行政・民間企業の関係者が一堂に会した。
目的は「夜景の魅力」と「夜の観光コンテンツ」を時代に即した観光視点から、より強力な夜景資源へと昇華させることだ。全国各地の夜景観光の成功事例のケーススタディが行われ、4年ぶりとなる「日本新三大夜景」と「日本三大イルミネーション」が発表された。
日本新三大夜景は15年に夜景観光活性化を目指して誕生した夜景ブランドで基本的に3年に一度の更新が行われている。全国の約6千人の夜景観光士による投票結果に基づいている。今回の最終ランキングは以下の通り。①北九州市②札幌市③長崎市④神戸市⑤静岡市⑥横浜市⑦東京都⑧函館市⑨大阪市⑩京都市――。その結果、日本新三大夜景は北九州市と札幌市、長崎市に決まった。
日本三大イルミネーションも発表された。夜景マイスターなどによる投票結果の最終ランキングは①あしかがフラワーパーク「光と花の庭」(群馬県足利市)②ハウステンボス「光の国」(長崎県佐世保市)③さっぽろホワイトイルミネーション(北海道札幌市)④湘南の宝石:江ノ島を彩る光と色の祭典(神奈川県藤沢市)⑤伊豆高原グランイルミ(静岡県伊東市)⑥さがみ湖イルミリオン(神奈川県相模原市)⑦東京ドイツ村ウインターイルミネーション(千葉県袖ヶ浦市)⑧レオマリゾート・レオマ光ワールド(香川県丸亀市)⑨SENDAI光のページェント(宮城県仙台市)⑩大阪・光の饗宴(大阪府大阪市)――。この結果から上位3カ所が選定された。
夜景観光コンベンション・ビューローは「日本夜景遺産活動(日本各地に埋もれている美夜景を再発見&発掘し紹介する活動)を主導し、自治体や観光事業者と一体となって夜景観光の発展に貢献する。さらなる活動に期待し、注目したい。
北海道博物館長 石森 秀三 氏
1945年生まれ。北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授、北海道博物館長、北洋銀行地域産業支援部顧問。観光文明学、文化人類学専攻。政府の観光立国懇談会委員、アイヌ政策推進会議委員などを歴任。編著書に『観光の二〇世紀』『エコツーリズムを学ぶ人のために』『観光創造学へのチャレンジ』など。