ONSEN・ガストロノミ―ツーリズムコラム 市民の賑わいが最大の魅力(神奈川県藤沢市)
2022年4月28日(木) 配信
藤沢市は、相模湾に面した相模大地の緩やかな丘陵が続き、海と里山がつながる豊かな自然環境と温暖な気候に恵まれた土地です。
市の南部は江の島を中心とした観光エリアとして有名です。江の島は「岩屋」に始まる信仰の地で、江戸期から庶民の間では「江の島参り」が流行し、この古くからの土地と人とのつながりの強さが現在の観光文化を下支えしています。
一方で北部は、畑や水田、里山、歴史深い社寺などが広がる田園エリアが広がっています。古民家再生による地域交流「ごんばちプロジェクト」、耕作放棄地を活用したワイン葡萄の育成「メイブワイン」、関東初の国家戦略特区の承認を得た農家レストラン「いぶき」など、ブランド化された豊富な農畜産物とともに、自然に寄り沿った新しいライフスタイルを実現した“最先端の農のあるくらし”が藤沢北部には展開されています。
このように藤沢市の観光の強みは、土地とのつながりを重んじ、魅力を掘り起こす市民一人ひとりの発想力と実行力だと感じます。
さて、さまざまな魅力がある藤沢市で私がおすすめしたいものの1つが、「小出川彼岸花まつり」です。小出川周辺で9月下旬から10月初旬に見られる、富士山を背景に彼岸花が咲き乱れ、稲穂が揺れる眺望はまさに圧巻、日本一です。
【日本大学生物資源科学部 くらしの生物学科 住まいと環境研究室 小島仁志】