〈旬刊旅行新聞5月11・21日合併号コラム〉今年はイベントも再開――女将サミットや旅館経営教室セミナー
2022年5月17日(火) 配信
今年のゴールデンウイークは3年ぶりに制約のない状態で迎え、久しぶりに全国各地の観光地はにぎわいを見せていた。
全日本空輸(ANA)はGW(4月29日~5月8日)国内線旅客数は前年同期比88・4%増の95万8724人、国際線は404・8%増の6万7375人と大幅に増加した。
一方、日本航空(JAL)の国内線旅客数は同131%・4%増の91万6376人、国際線は同346・3%増の7万3039人とANAと同様に大きく伸ばした。
海外旅行もハワイをはじめ、東南アジアや欧州を旅行する人たちも増え始めた。
政府は新型コロナウイルスの水際対策について、1日当たりの入国者数を1万人から2万人程度まで緩和する方針を示しており、「鎖国」状態にあった国際観光の再開に向けて、ようやく動きだした感がある。
かく言う私は、コロナ禍以前のGWの過ごし方に戻り、ほぼどこにも行かなかった。テレビの渋滞情報を見ながら、「糖質、プリン体ゼロ」の発泡酒を片手に、リクガメと遊んだり、読書したり、家具を眺めたり、いわゆる「おうち時間」を楽しんだ。
初夏らしく暖かくなってきたので、バイクをピカピカに磨きながら、旅行新聞バイク部のツーリングコースはどこにするかを考えていた。
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さて、今年はこれまで中止、延期されていたさまざまイベントも再開される。
「第31回全国女将サミット2022長野」が7月7日、軽井沢町のグランドエクシブ軽井沢を会場に開催する予定だ。19年に東京で開いて以来、3年ぶりとなる。30回という長い歴史を有しながら2020年、21年とコロナ禍で開催ができなかったが、31回目の新しい一歩を踏み出す大会となる。
全国旅館おかみの集い運営委員会の委員長には、湯本英里・湯本旅館女将(長野県・渋温泉)が就任。今大会のテーマは「笑った分だけ幸せに!~あなたの笑顔が誰かの元気に~」。講演会や茶話会を通じて情報交換を行う。多くの女将に参加してほしいと願っている。
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旅行新聞新社主催、サービス産業革新推進機構(内藤耕代表理事)後援の第4回「旅館経営教室」現地セミナー&館内見学会も6月2~3日に、愛知県名古屋市のエクセルイン名古屋熱田を会場に開催する。
同ホテルの苅谷治輝社長と内藤耕氏との対談は、本紙1面にも掲載している。コロナ禍や国際情勢、天災など、さまざまな危機的な経営環境が今後も予想されるなか、苅谷社長は稼働率40%でも収益を上げられる経営を実践されている。
多くの旅館・ホテル経営者は売上を上げるために、集客につながるサービスを「足し算」で考えてしまいがちである。苅谷社長は低稼働状況でも利益を残すために、対外的な契約をシビアに見直すなど、「引き算」的思考によってムダの削減を徹底している。
エネルギーや食糧などあらゆるコスト高の状況は今後も続くだろう。「なんとなく流行っているから」という潮流に乗って新しい施設やサービスに大きな投資をする前に、今回の旅館経営教室セミナーがもう一度「引き算」の視点で自らの施設を見つめ直すきっかけになればいいと考えている。ご関心があれば、ぜひ参加していただければと思う。
(編集長・増田 剛)