「Go To早期再開など継続的な支援を」全旅連青年部が自民国会議員に要望 宿泊・旅行業代表して
2022年5月17日(火) 配信
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(星永重部長)は5月12(木)~15(日)、自由民主党衆参両院の国会議員に、宿泊業4団体と旅行業2団体を代表して「観光産業に対する継続的な支援要望書」を提出した。
政府による経済財政運営と改革の基本方針と成長戦略の策定を前に、観光地と観光サービスの高付加価値化推進事業の制度拡充をはじめ、Go Toトラベルキャンペーンの早期再開と期間延長、予算拡充のほか、観光目的による国際往来の早期再開を求めた。
今回は全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長)、全日本ホテル連盟(清水嗣能会長)、日本旅館協会(浜野浩二会長)、日本ホテル協会(森浩生会長)、日本旅行業協会(髙橋広行会長)、全国旅行業協会(二階俊博会長)と連名で手渡した。
コロナ禍で宿泊施設が食材の仕入れやリネン発注数を減少させたことで、卸売り業者やクリーニング店などの関連企業が廃業するなか、全旅連青年部は「多くの宿泊施設が自らが倒産した場合、地域経済に与えてしまう影響を強く認識している」という。
一方で、昨年10月に全国の宿泊施設を対象に行った調査で、コロナ禍での新規借入額の平均債務償還年数は17・5年となったことから、「コロナ以前の売上に戻ったとしても、同期間の利益はすべて債務返済に充てなければならない」と危機感を示した。
こうしたことから、要望書では観光庁が実施する「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」の補助を毎年度、予算化すること要求した。宿泊施設の改修と廃屋撤去への補助上限を1億円から5億円以上に引き上げることと、宿泊施設をはじめとする運輸・観光関連事業者を含めた地域ぐるみで行うDXなどへの投資も対象にすることも求めた。
Go Toキャンペーンについては、今年3月31日(木)に失効した4600億円と同程度額、またはそれ以上の予算計上と制度の詳細の早期発表を希望した。
観光目的による国際往来の早期再開は、「日本が厳しい対策を続ければ、既に始まっている世界的な誘客競争に負け、世界に必要とされない『観光孤立国』となりかねない」(全旅連青年部)との危機意識を示した。さらに、世界各国の旅行会社は日本に入国できない場合、タイやベトナムなどほかのアジア方面の販売を強化する方針だという。
このため、全旅連青年部は「今、水際措置を大幅に緩和することが、コロナで痛んだ地域経済のV字回復にとって重要なポイントとなる」と訴えた。